テストレポート
発売されたばかりのiPhone 6を触って,気になるところをいろいろ調べてみました。iPhone 6でのゲーム画面表示やベンチマーク結果を掲載。ゲームの機種変手続きは忘れずに!
4Gamer編集部では,9月18日から開催されている東京ゲームショウ 2014に全力を傾けて取材しているわけだが,筆者はそんな中,一人だけTGSの仕事を放り投げてこの記事を書いているのである。周りのスタッフの視線が冷ややかなのはきっと気のせいだろう。
※iPhone 6 Plus入手に伴ない,各種検証にiPhone 6 Plusのデータを追記しました。
閑話休題。iPhone 6の話に戻そう。
以前「こちら」の記事でお伝えしたように,iPhone 6/6 Plusは,まずアメリカ,フランス,香港,カナダ,ドイツ,シンガポール,イギリス,オーストラリア,日本の9か国で発売となる。
日付変更線の関係で,この中で一番早く19日がやってくるのがオーストラリアで,その次が日本となる。筆者は時差の計算は苦手だが,iOSの世界時計で各国の首都を登録したらそうなっていたので,多分間違っていないはずだ。
海外のニュースサイトをいくつかチェックしてみたら,オーストラリアでも日本と同じ朝8時が発売解禁時間だったようで,日本人は世界で2番めにiPhone 6/6 Plusを手に入れられる(られた)国ということになる。
そして4Gamer(のはぐれ者である筆者)も,今回iPhone 6を購入したので,新しいオモチャを手に入れた子供のように,あれこれいじり倒してみた模様をレポートしていきたいと思っている。悔しいことにiPhone 6 Plusは入手できなかったため,こちらは別途検証の機会を設けたい。ともあれ,この記事が新規購入/機種変更を悩んでいる人の参考になれば幸いだ。
余談だが,iPhone 3GSとiPhone 4は,9月17日に配信が開始されたiOS 8の対応機種から外されている。今後はメジャーアップデートが期待できなさそうなので,該当機種を使っている人は,そろそろ機種変更を考えたほうがいいかもしれない。
iPhone 6 Plus(左)とiPhone 6(右)。iPhone 6 Plusのほうが大きいのは分かるが,いまいちピンとこないかも? そこで,iPhone 6 Plusとニンテンドー3DS LLを重ねてみたら,ちょうどいい比較になった(気がする)
iPhone 6をiPhone 5s/4Sと比較
さて,まずは定番のスペック周りからチェックしていこう。とはいえ,カタログのような表組でずらーっと数字を並べると(主に筆者の)目が痛くなってしまうので,項目を分けて個別に比べていきたい。今回の比較対象は,iPhone 5sとiPhone 4Sだ。
・サイズと重量
サイズは写真やスペックを見れば明らかに違いが分かるので,さらりと紹介しよう。本体サイズは以下のとおりで,ディスプレイのサイズが大きくなった分,本体のサイズも大きくなっている。
重量は数値だと分かりにくいかもしれないが,実際にiPhone 6を持ってみると,iPhone 4Sより軽いのがはっきり分かるくらいの差がある。一方,iPhone 5sよりiPhone 6のほうが重いのだが,不思議にも個人的にはあまり変わらない印象を受けた。
iPhone 6 Plus | iPhone 6 | iPhone 5s | iPhone 4S | |
---|---|---|---|---|
ディスプレイパネル | 5.5インチ液晶 | 4.7インチ液晶 | 4インチ液晶 | 3.5インチ液晶 |
高さ | 158.1 mm | 138.1 mm | 123.8 mm | 115.2 mm |
幅 | 77.8 mm | 67.0 mm | 58.6 mm | 58.6mm |
厚さ | 7.1 mm | 6.9 mm | 7.6 mm | 9.3mm |
本体重量 | 172 g | 129 g | 112 g | 140g |
・ストレージ
iPhone 6/6 Plusの本体ストレージの容量は,16GB,64GB,128GBの3モデルがある。iPhone 5sとiPhone 4Sは16GB,32GB,64GBだ。
なお,モデルの容量表記とOS上での容量表記は,KB→MB→GBと桁が上る単位が1000と1024と異なっている。ユーザーが日常的に目にするのは後者のため,“使える”容量はもうちょっと少なくなる。
実際に使える容量は16GBモデルが約14.9GB,64GBモデルが約59.6GB,128GBが約119.2GB“くらい”と思っておけばいいのだが,OSや初期インストールされているアプリを差し引くと,もうちょっと少なくなる。たとえば,iPhone 6の128GBモデルの場合,購入直後の状態で約4GBがすでに使われており,残りは110GBとなっていた。
どのくらいの容量があれば十分かは人それぞれだが,ゲームを遊ぶことを前提に考えるなら,64GB以上を選んだほうがいいだろう。最近のアプリは1本で数百MB使うのが一般的なうえ,アップデートでコンテンツが追加されれば,さらにストレージを圧迫していくことになる。そのため,16GBモデルでは使っているうちに容量が足りなくなってしまう可能性もある。
iPhone 6/6 Plusの基本インタフェースの配置は基本的に過去世代とほぼ同じだ。電源ボタンが本体の右側になったくらいである。外部機器との接続にLightningコネクタを使うのもiPhone 5/5sと同じで,ホームボタンは指紋認証のTouch IDに対応となる。
本体上部(左からiPhone 5s,iPhone 6,iPhone 4S) |
本体下部(左からiPhone 5s,iPhone 6,iPhone 4S) |
本体右側(左からiPhone 5s,iPhone 6,iPhone 4S) |
本体左側(左からiPhone 5s,iPhone 6,iPhone 4S) |
本体上部(上がiPhone 6,下がiPhone 6 Plus) 本体下部(上がiPhone 6,下がiPhone 6 Plus) 本体左部(上がiPhone 6,下がiPhone 6 Plus) 本体右部(上がiPhone 6,下がiPhone 6 Plus)
・画面の解像度
ディスプレイの実際の大きさはもちろん,画面の解像度も世代によって異なっている。以下に用意した,解像度基準で並べたホーム画面の画像を見てもらえれば分かりやすいが,iPhone 4S→iPhone 5s→iPhone 6で,それぞれアイコンが横1列分増えるくらい表示領域が増えている。iPhone 6では,アイコンの間の表示にも余裕ができた。
なおiPhone 6では,画面表示を「標準」か「拡大」で選べるようになっており,拡大にした場合は,アイコンがやや大きくなり,横1列減ったレイアウトになる。
左からiPhone 4S(640×960ドット/326ppi),iPhone 5s(640×1136ドット/326ppi),iPhone 6(750×1334ドット/326ppi),iPhone 6 Plus。公式サイトではiPhone 6 Plusの解像度は1920×1080ドットとされているのだが,画面キャプチャーしたスクリーンショットでは2208×1242ドットとなっていた
iPhone 6 Plusでの「標準」と「拡大」の解像度基準での比較。画面キャプチャーしたスクリーンショットでは,「標準」時は2208×1242ドット,「拡大」時は2001×1125ドットとなっている
iPhone 6 Plusだけの機能が,端末を横にしたときにホーム画面が横向きで表示されるところ。左右分割で表示されるアプリもあり,視認性がiPhone 6よりも高くなっている
・解像度の違うiPhoneでゲーム画面はどう表示される?
iPhoneシリーズでは世代ごとに画面解像度が変わることが多いが,以下のように独自の画面アスペクト比(長辺と短辺の比率)を採用している。とくに今回は,同世代のiPhone 6とiPhone 6 Plusですら異なる比率となっている。
iPhone 6 Plus(1080×1920ドット)のアスペクト比 16:9
iPhone 6(750×1334ドット)のアスペクト比 667:375
iPhone 5s(640×1136ドット)のアスペクト比 71:40
iPhone 4S(640×960ドット)のアスペクト比 3:2
解像度が高くなること自体はありがたいのだが,ゲームではそれぞれの解像度に最適化されていないと問題が起きる可能性がありそうで怖い。そこで,筆者の端末にインストールしてあったゲームをいくつか選んで,画面がちゃんと表示されるかどうかを確認してみた。ちなみに,中にはこのテストのためにインストールしたゲームもあるので,チュートリアル終了直後のような画面を見ても,ニヤニヤする程度でとどめてほしい。
■iPhone 6(左)とiPhone 5s(右)のゲーム画面比較
ガンホー・オンライン・エンターテイメント「パズル&ドラゴンズ」 (C)GungHo Online Entertainment,Inc.All Rights Reserved. | |
ミクシィ「モンスターストライク」 (C) mixi, Inc. All rights reserved. |
カプコン「モンスターハンターポータブル 2nd G for iOS」 (C)CAPCOM CO., LTD. 2014 ALL RIGHTS RESERVED. | |
PONOS「にゃんこ大戦争」 (C) PONOS Corp. |
いかがだろうか。拡大画像は原寸で掲載したので,微妙に解像度が違うのは調べてもらえば分かるのだが,正直に言って筆者には違いが分からない。ともあれ,最適化がされていなくても普通に遊べそうな気がする(実際,上記タイトルをプレイしても問題は起きなかった)。
筆者の場合,SIMロックフリーのiPhone 6を購入したので,iTunesでバックアップした旧端末のデータをiPhone 6で復元する形で移行した。スクリーンショットを掲載したゲームは新端末でも普通に遊べたのだが,中には遊ぶ前に機種変手続きが必要になるゲームもあり困ってしまった。同様の手順で移行を考えている人は,移行を行う前に必ずゲームの機種変手続きを済ませておいてほしい。
筆者が以前ソフトバンクモバイルで機種変更したときは,iTunesでバックアップしたデータを復元するだけでそのまま使い続けられたので,今回も同様の手順で移行を行った。しかし,iPhone 6でゲームを起動したところ,初期状態に戻っていたものがいくつかあったのだ。
いずれもオンライン接続が必須のゲームだったので,おそらくはサーバーと通信する際に,不正を防ぐためのチェックが入り,最終ログイン時と違う端末だったためハネられたのではないだろうか。旧端末でもゲームにログインできるか試してみたが,そちらもログインできなくなっていた(よく考えれば当たり前だが)。こうなったら,あとはサポート窓口に賭けるしかない。機種変手続きさえしておけば……。
読者の皆さんは,筆者と同じ轍を踏まないよう,ぜひ気を付けていただきたい。
・iPhone 6のCPUやメインメモリのスペックは?
CPUクロックやメインメモリなど,Appleの公式サイトでは公開されていない情報が気になる人も多いだろう。端末のシステム情報を表示してくれるアプリはいくつもあるのだが,発売されたばかりのためか,「Unknown」「CPU:0MHz」など,正しく表示できないものが多かった。
ただ,その中でも,ベンチマークアプリ「Geekbench 3」(有料/100円)ではCPUクロックとメインメモリの値でそれらしい数値が表示されたので,ここに掲載しておこう。なお,データはあくまでもアプリで取得した情報のため,本来の数値とは異なる可能性もある。その点はあらかじめご了承いただきたい。
iPhone 6では,プロセッサは「ARM@1.39GHz」,メインメモリは「988MB」と表示 |
iPhone 5sでは,プロセッサは「Apple A7@1.30GHz」,メインメモリは「999MB」と表示 |
iPhone 4Sでは,プロセッサは「Apple A5@800MHz」,メインメモリは「505MB」と表示 |
9月24日時点で,3DMarkにスペック詳細が表示されるようになっていたので,以下とおり表にまとめてみた。ただし,Apple公式のデータではないため,Geekbench3同様,正しいデータとは断言できない点には注意してほしい。
iPhone 6 Plus iPhone 6 チップセット Apple A8 Apple A8 CPU Up to 1.4GHz dual-core Cyclone Up to 1.4GHz dual-core Cyclone GPU PowerVR G6650 PowerVR G6650 メインメモリ 1024MB 1024MB OS iOS 8 iOS 8 バッテリー容量 2915 mAh 1910 mAh
・ベンチマークで比較
※ベンチマーク結果のグラフは,すべてiPhone 6 Plusのデータを追加したものに差し替えました。
そこで,ベンチマークアプリ「3DMark」(無料)およびGeekbench 3を使い,iPhone 6,iPhone 5s,iPhone 4Sの性能比較をしてみた。なお3DMarkでは,参考としてAndroid端末のXperia Z2(SO-03F)で計測したスコアも掲載している。
細かく説明すると難しくなるので割愛するが,乱暴に言えばグラフの帯が長いほど性能がいいということ。いずれの項目でもiPhone 6はiPhone 5sを上回っており,3Dゲームをプレイするときに,より快適に遊べるようになる,と言えそうだ。
というわけで,今回のレポートは以上で終了となる。事前準備なしだったので駆け足の検証となってしまったが,少しでも読者の皆さんのお役に立っていれば幸いだ。
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iPhone本体
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