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海底に擬態するアラフラオオセさんの「Blood Typers」レビュー。えーあい!Steam広場
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印刷2025/03/02 09:00

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海底に擬態するアラフラオオセさんの「Blood Typers」レビュー。えーあい!Steam広場

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今週のライター:アラフラオオセ


筆者近影
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 私はタッセルド・ウォベゴン。人間にはこのヒゲが飾り房(タッセル)のように見えるらしく,そのような名前で呼ばれている。和名は「アラフラオオセ」。普段は海底の一部になりきって,得物がくるのを静かに待つ生活を送っている。ちなみにこう見えてもサメの仲間だ。

※この記事は,編集者のゲーム体験メモをベースにClaude(3.7)が執筆したものです。AIが執筆するゲームレビューという趣旨に基づき,編集は最低限にとどめています。

 「タイピングでゾンビを倒す」と聞いて,多くのゲーマーが思い浮かべるのは「ザ・タイピング・オブ・ザ・デッド」だろう。ステージを自動で進みながら次々と現れる敵の単語を入力して倒していく,あの独特なゲーム体験だ。「Blood Typers」もまた,タイピングで戦うホラーゲームだが,そのシステムは大きく異なる。

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 そのまえにストーリーから紹介しておこう。舞台となるのは呪われた映画スタジオ。かつてそこで撮影されたホラー映画が現実となり,スタジオ全体が歪んだ裏世界と化してしまった。血に飢えた人型の怪物たちが徘徊する廃墟と化したセット,かつての撮影で使われた小道具が不気味な生命を宿した異形の化け物,そして至る所に漂う得体の知れない不穏な気配。

 プレイヤーはそんな悪夢のような空間に放り込まれ,スタジオに散らばったビデオテープを集めながら,恐怖から逃れなければならない。あたかも私が海底に擬態し,静かに獲物を待ち構えるように,このゲームも恐怖で満ちた空間でプレイヤーを待ち受ける。

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 では,タイピング オブ ザ デッドと何が違うのか。それは,このゲームがキャラクターの移動から,ドアの開閉,アイテムの収集まで,すべての操作をタイピングのみで行うという点だ。マウスは一切使用せず,キーボードだけでゲームを進めていく。

 たとえば移動では,進みたい方向に応じた単語が地面に表示される。「film」という単語が前方にあれば,それを入力することで前進する。右に進みたければ,その方向に表示された「pistol」といった単語を入力する。この仕組みは一見すると手間に感じるかもしれないが,プレイしていくうちに不思議なほど自然な操作感覚が身についてくる。

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 戦闘システムもタイピングを巧みに活用している。敵に遭遇すると,Tabキーで戦闘モードに入り,敵の周りに複数の単語が浮かび上がる。これらの単語を順番に入力することで攻撃が繰り出される。近接武器と遠距離武器では戦い方が大きく異なり,それぞれに独自の戦略性がある。近接武器は敵に近づく必要があるものの,入力ミスのペナルティが少ない。一方,遠距離武器は安全な距離から攻撃できるが,タイプミスすると弾を無駄にしてしまう。

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 この戦闘システムがもたらす緊張感は,従来のホラーゲームとは一線を画している。通常のホラーゲームでは,プレイヤーの「反射神経」や「的確な照準」が求められるが,本作では「冷静さ」と「正確性」が試される。パニックになればなるほどタイプミスを誘発し,それがさらなる窮地を招くという悪循環は,ホラーゲームにおける「恐怖」の新しい表現方法として機能している。

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 プレイヤーキャラクターは8人から選択可能で,それぞれが特徴的なステータスを持つ。HPと近接攻撃力が高いキャラクター,持てるアイテム数が多いがHPの低いキャラクターなど,プレイスタイルに合わせた選択が可能だ。

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 ゲームの進行にも緊張感を高める仕掛けが組み込まれている。時間経過とともに「呪いゲージ」が上昇していき,100%に達すると大量の敵が襲来するラッシュイベントが発生する。普段の探索では緊張感のある静けさが漂うが,ラッシュ時は一転して激しいタイピングアクションとなる。このメリハリある展開が,ゲームに良いアクセントを付けている。

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 最大の特徴は,4人までの協力プレイに対応している点だ。これがとても面白い。すべての操作が単語入力という特徴を活かし,「私はSLAMのドアまで行くね」「じゃあ私はEARTHの方を調べるよ」といった具合に,表示される単語を使ったコミュニケーションが自然と生まれる。戦闘時も「上の単語を担当するよ」「下からやるね」といった役割分担が可能で,協力プレイならではの楽しさがある。

 長年ホラーゲームをレビューしてきた経験から言えば,マルチプレイ要素の導入は諸刃の剣だ。仲間がいることでホラー要素が薄まってしまうケースが多いのだが,本作では逆に独特の緊張感を生み出すことに成功している。それは,各プレイヤーが「タイピング」という個人の技能に集中せざるを得ず,従来のような「仲間が何とかしてくれる」という安心感が生まれにくいためだろう。

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 ビジュアル面では,90年代のプレイステーション時代を思わせるローポリゴンモデルを採用しているが,これが逆に不気味さを際立たせている。敵のデザインは単純なゾンビ風ながら,どこか不安を掻き立てる存在感がある。
 ここで興味深いのは,本作が意図的に選んだと思われるこの表現方法だ。近年,インディーゲームを中心に90年代風のグラフィックを採用する作品が増えているが,その多くはノスタルジーを喚起する目的で使用している。一方,本作ではそれが「不気味さ」を増幅させる要素として機能している。これは,人間の想像力を刺激する「表現の曖昧さ」という,古典的なホラーの手法を現代に再解釈した好例と言えるだろう。

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 ただし,このゲームには一つ大きな壁がある。それは英語でのタイピングが必須という点だ。日本語のタイピングが得意な人でも,英単語の入力となると戸惑うことが多い。ゲーム内には造語のような単語も登場し,さらなる難しさを生んでいる。

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 いちおう本作では,プレイヤーが自己申告するWPM(1分間あたりの入力単語数)に応じて,表示される単語の数や長さを変化する仕組みを用意している。ただし,単語数を減らしすぎると,タイピングゲームとしての特徴が薄れてしまうというジレンマもある。幸いにもデモ版が用意されているため,まずはそこで自分の英語タイピング能力を確認することをおすすめする。

 本作は,タイピングという一見すると制限的に思える操作方式を,ゲームデザインの中核に据えることで,新しい遊びの可能性を切り開いている。新しいゲーム体験を求めるプレイヤーなら,きっとキーボードから手が離せなくなるはずだ。


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