2023年の業績が急増したSHIFT UP，新規プロジェクトを始動

　SHIFT UPは「勝利の女神：NIKKE」のヒットにより，2023年の業績が大幅に増加したことが明らかになった。
　4月1日に公開されたSHIFT UPの2023年監査報告書によると，年間売上高は1686億ウォン（約185億円），営業利益は1110億ウォン（約122億円），当期純利益は1067億ウォン（約117億円）を記録したことが明らかになった。
　売上高は前年比で155.2％増加し，2倍以上に増えている。営業利益は508.1％増加し，ほぼ6倍に増えた。当期純利益は，前期では71億ウォン（約7億8000万円）の赤字を記録したが，黒字に転換し，収益性が完全に改善された。さらに，負債比率も前期の169.3％から12.6％へと大きく減少し，営業利益率も66％まで上昇した。

※レートはすべて，2024年4月9日の数値（1ウォン＝0.11円）で計算しています

　この成果は，ひとえに「勝利の女神：NIKKE」（PC / Android / iOS）によるものと見られる。会社の最初のゲームである「デスティニーチャイルド」は2023年9月に韓国サービスを終了したため，貢献度は低かったからだ。また，全体の売上高のうち，ロイヤリティ収入が実に1643億ウォン（約181億円）を記録したことも明らかになったこともある。
　地域別の売上高は，韓国内では12億ウォン（約1億3000万円）で海外が1673億ウォン（約184億円），そのうちアジア地域がほぼ大半の1662億ウォン（約183億円）を記録したことが明らかになった。これにより，日本を中心としたアジア圏で良い成果を上げたことが数字で確認されたことになる。

　NIKKEが現在も良い成果を上げている状況に加え，今月リリースされる新作「Stellar Blade」の成果が加われば，昨年よりもさらに大きな業績の上昇を期待できる状況にある。現在，予約受け付け中の「Stellar Blade」は，韓国内をはじめ，海外のPlayStation StoreやAmazonなどのオンラインショッピングの予約購入ランキングで，最上位にランクインしている。


　そして「Stellar Blade」のリリースを目前に控えたこの状況で，SHIFT UPが新規プロジェクト人員の採用に乗り出したことが確認された。「NEW PROJECT_」と名付けられた新作は，次世代のクロスプラットフォームゲームとして開発されると述べている。
　公開された採用情報によると，このプロジェクトはUnreal Engineをベースに，アーバンSFをテーマにしたAAAクラスのアクションRPGであり，マルチヒーローとサブカルチャーの出会いを追求している。また，グラフィックはリアル系ではなく，アニメ調やトゥーンスタイルをコンセプトにしているようだ。

SHIFT UP公式サイト　採用ページ

　SHIFT UPは，これも含めて株式公開（IPO）を順調に進めるものと見られる。3月5日には韓国証券取引所（KOSPI）に上場予備審査申請書を提出しており，年内の上場が予想される。昨年，テンセントの子会社Acevilleが株式を取得して企業価値が2兆ウォン（約2200億円）と評価されたが，それ以上になって注目を集める可能性は高い。 （著者：パク・サンボム）