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「FFXIV」のファンイベント“FFXIV デジタルファンフェスティバル 2021”をレポート。2日にわたって世界中の光の戦士が大熱狂
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印刷2021/05/18 17:28

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「FFXIV」のファンイベント“FFXIV デジタルファンフェスティバル 2021”をレポート。2日にわたって世界中の光の戦士が大熱狂

 スクウェア・エニックスがサービス中のMMORPG「ファイナルファンタジーXIV」PC / PS5 / PS4 / Mac。以下,FFXIV)のファンイベント「FFXIV デジタルファンフェスティバル 2021」(以下,ファンフェス)が2021年5月15日と16日の2日間にわたって開催された。

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 ファンフェスは,約2年ごとに行われる「FFXIV」現役プレイヤーに向けたお祭りイベントだ。国内では,これまでに幕張メッセや東京ビッグサイトといった大きな会場を使用し,満員になるほどの規模で行われていた。しかし,2021年は新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い,ステージイベントをすべて生配信でお届けするデジタルイベントとしての開催となった。
 
 イベント自体はデジタル開催になっても例年と変わらないボリュームで,最新情報や開発の裏話,プレイヤー参加型のイベント,ピアノとバンドのライブが行われ,全世界の光の戦士たちは大熱狂だった。本稿では,2日間のイベント内容をタイムライン順に振り返っていこう。

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会場にはブロックでできたクリスタリウムやフラワースタンドが展示されていた。無観客での実施が本当に悔やまれる
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1日目
基調講演


 ファンフェスの開幕直後,プレイヤーの多くが楽しみにしている基調講演が行われた。最新拡張パッケージ「暁月のフィナーレ」にて実装される新ジョブ「リーパー」をはじめ,新たなプレイヤー大タウン「オールド・シャーレアン」や数々の新規フィールドとそのウォークスルー動画,約6分もある新PVが公開された。


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 そして,拡張パッケージ「暁月のフィナーレ」の発売日が2021年11月23日と発表された。発表後,パッケージの予約受付も開始され,物理アイテム付きのコレクターズエディションの内容も公開された。予約特典には,「ミニオン パロム」とレベリングに役立つアクセサリ「メネフィナイヤリング」,ゲームを先行して遊べるアーリーアクセス権が用意されている。アーリーアクセス権があれば11月19日からプレイできるので,いちはやく「暁月のフィナーレ」が遊びたい人は忘れずに予約を済ませよう。

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 また,最後にはサプライズとして,男性ヴィエラの追加が発表された。「漆黒のヴィランズ」を発表した際に,新種族の追加はこれで終わりにすると語られていたが,海外でとくに希望が多かったことや,開発チームが総力をあげてくれたことで実現したという。ロスガルの女性種族も同時実装を検討したが,作業量が膨大になってしまい,とてもではないが難しいということで,今回はヴィエラの男性を優先して追加することに決定したとのこと。

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 基調講演は詳しいレポートを掲載しているのでそちらをチェックしていただきたい。また,吉田直樹氏(以下,吉田氏)の合同インタビューも載せているので,プレイヤーにはぜひ読んでほしい。


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ハイデリン探検隊


 昨年から始まった日本のコミュニティチームによる公式番組「ハイデリン探検隊」がファンフェスでも開催。コミュニティチームの武田諒治さんとグニサカさんが司会進行を務め,今回はゲストとしてリードストーリーデザイナーの織田万里さんを招いて,ElementalデータセンターのRamuhワールドで,フィールドを探検してみることに。

 まずは「暁月のフィナーレ」で登場する“シャーレアン”に所縁がある低地ドラヴァニアを冒険。実は各所に細かい設定があるのだという。

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 次に織田さんが設定の原案やフェイスのセリフ,敵の技名などを担当したダンジョン「魔術工房マトーヤのアトリエ」を紹介。マトーヤが現役バリバリのときに使用していたアトリエという設定のダンジョンで,ここでは“ポークシーを作る工程を表現する”という,ほかのダンジョンとは少し異なる作りをしている。

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ダンジョンを進行していくと,ポークシーがどんどん出来上がっていく
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1ボス前の道中に出てくる“ソニック・オブ・ズィギー”は,「星海観測 逆さの塔」に登場した“ズィギー”の息子
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1ボスのマッドマンは,かつてマトーヤが作った使い魔の成れの果て
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2ボスのノッケンはヤ・シュトラが幼いころに遊び相手として作った使い魔。作るのに少し失敗し,コントロールの利かないいたずらっ子になってしまった

 一般のゲームサーバーで遊んでいるので,画面は終始,多くのプレイヤーでわちゃわちゃしていたが,最後はプレイヤーと交流してにぎやかに幕を閉じた。

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開発パネル


 開発パネルでは,バトルコンテンツデザイナーの中川大輔氏(以下,中川氏)と,リードアニメーター宮澤隆信氏(以下,宮澤氏)が,自身の手掛けたコンテンツの開発の裏側を紹介してくれた。

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 「次元の狭間オメガ:アルファ4層」では,「人型であり,男性型と女性型が存在する」「体の一部が武器になる」ということが事前に決まっていた。その後は,中川氏自身が「オメガになったつもりで,光の戦士に勝つためにはどうすれば良いのだろう?」と妄想したことがバトルギミックに反映されていったそうだ。

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 アルファ4層では,オメガが流体化する「水銀表現」という,モーション面でも難しいことを行っていた。宮澤氏の「レイド4層や,蛮神戦は新しい表現にチャレンジしているので望むところではある」という心強いコメントに対して,吉田氏は「できませんって言わないところが,FFXIVチームの良いところだと思う」と語った。

水銀表現にはボーン構成を特殊なものにしたり,アニメーションの演出のために複数のモデルを用意したりと,並々ならぬ苦労とこだわりが詰まっている
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 次に,バトル中の大掛かりな演出「履行演出」についての紹介だ。まずは企画から概要を提示して,モーション班で草案を用意,そして関係セクションを集めての「履行演出会議」にて内容を決定していくようだが,会議ではアレも入れよう,コレも入れようと盛り上がってしまい,決まるまでに3,4時間かかることもあるのだとか。

アルファ4層の草案資料と絵コンテが公開された
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 希望の園エデン:覚醒編4層では,タイタンが戦闘中に形態変化するという難しい注文が出されていた。タイタンはラフアートのみで,正式なデザインは決まっていなかったので,キャラ班にお願いしてアドリブでデザインを用意したという。

タイタンは戦闘中の形態に合わせてパーツを表示・非表示にして変化を表現している。すべて表示すると画面中央のようなデザインになる。オメガのように複数のモデルを用意するのではなく,タイタンの場合はモデルをすべて詰め込んだ形になっている
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 絶アレキサンダー討滅戦では,中川氏の妄想力が爆発。当初はギミックのインパクトが強いので戦闘の中にストーリーを入れることは難しいと諦めていたが,改めて使える材料がないか見直したときに,「シャノアちゃん」の存在に気付いたという。そこからはストーリーに沿ったギミックの案がたくさん湧き出てきたそうだ。

ストーリーを理解していればギミックの意図に気づくのだが,過去のレイドを経験している人にとっては逆の意識が働いてしまい,攻略法が判明するまでに多くの時間を要する形となった
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 最後に,絶アレキサンダーの最終フェーズに登場する「パーフェクトアレキサンダー」ができるまでが紹介された。宮澤氏が最初にアートを見せられたときは相当悩んだそうだが「ちゃんと合体して,変形シーンを作らなくてはいけない」と決断したそうだ。

アレキサンダーには胸が開くモーションも,そもそも足もなかったので,キャラ班に追加してもらう必要があったが,言葉で説明するのは難しいのでサンプルモーションを作って説明を行ったという
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直樹の部屋


 本作のプロデューサー兼ディレクターの吉田氏とゲストが対談する「直樹の部屋」。ゲストにはなんと,俳優で「FFXIV」の現役プレイヤーだという神木隆之介さんが登場した。

 神木さんは,2年ほど前に親友に勧めてもらったのがきっかけで「FFXIV」を遊び始めたそうだ。勧めてくれた親友は一般の会社員なので,金曜の夜や週末にしか一緒に遊べなかったが,漫画喫茶に行っては朝まで夜通しで遊ぶほど「FFXIV」にハマったそうだ。ちなみに,現在は自宅のPCでコントローラを使って遊んでいるとのこと。

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 吉田氏は前々から神木さんがプレイヤーであることを知っていて,オーケストラコンサートにも招待していた。その際にはプレゼント用にグッズをたくさん用意していたのだが,神木さんに会ったらすでに物販で購入したグッズを両手にたくさん持っていたのだとか。「神木隆之介があの物販の列に並んでたの?(笑)」と吉田氏は笑っていたが,神木さんは東新宿のARTNIA(アルトニア)でもゲームグッズを購入しており,映画「光のお父さん」も視聴済みだと話し,根っからのゲームファンであることが明らかとなった。

 神木さんは「FFXIV」では「モンク」をメインにして遊んでいるという。元々は黒魔道士で遊んでいたが,動きながら攻撃したいのになかなか上手くできず,親友に相談したところ「りゅうさん(神木さん),それならモンクが良いよ」と勧められてジョブチェンジしたそうだ。

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 モンクを使う上で心掛けていることは? という質問には「ヒーラーさんに迷惑をかけないこと」と答え,全ヒーラーの好感度が爆上がりしていた。範囲攻撃に当たらないよう注意したり,予習をしたり,装備を揃えたり,マテリアを禁断したりといった神木さんの発言の数々に,配信で見ているプレイヤーたちは「我々と同じ光の戦士だ」と好感度がどんどん上がっているようだった。

 パッチ5.5の最新ストーリーまでは終わらせていることや,ニーアコラボの最新レイドにはこれからチャレンジすること,「希望の園エデン:覚醒編」の零式1層はクリアし,2層で一度心が折れてしまったことなど,さまざまなエピソードを語ってくれた。

 最後には,吉田氏から「FFXIVのアンバサダーに就任してほしい」との話が切り出され,神木さんはそれを快諾してステージ上で任命式が行われた。今後,アンバサダーとして「FFXIV」を盛り上げていってくれることに期待したい。

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スペシャルライブ・ピアノ


 1日目の最後には,Keikoさんによるピアノコンサートが開催された。2021年3月に発売されたアレンジアルバム「Scions & Sinners: FINAL FANTASY XIV 〜 Arrangement Album 〜」に収録された楽曲を中心に披露し,途中にはボーカルのAmanda Achenさんとバーチャルでデュエットするという,デジタル配信ならではの演出も披露された。ライブに関しては,動画のアーカイブが無料公開されているのでそちらをぜひ視聴してほしい。

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 Keikoさんとサウンドディレクターの祖堅さんからのコメントが到着しているので,紹介しておこう。

<Keiko(Piano)>
 無観客のコンサートって、現場の空気感がどうしても少しさみしくなってしまうことがあるんですよね。だけど、『FFXIV』チームのみなさんは、温かくて、現場も愛が溢れていますし、配信を見てくださっている方々のコメントを見ることもできて、会場にたくさんの方々がいるような気持ちで演奏できました。

 いまは世界的に大変な状況ですが、『FFXIV』というゲームや、その音楽が、心の栄養になっていたら嬉しいなと思います。

 新しい発表もあって、冒険はまだまだ続いていくと思います。祖堅さんには長生きしていただいて(笑)、いい曲を作っていただきつつ、私はそれをピアノで表現できたらいいなと思います。

みなさんも健康で笑顔でお過ごしください!

<祖堅正慶(サウンドディレクター)>
 演奏しているKeikoさんの感情と、それを聴きながら文字で会話をしている世界中の人達の感情が、ひとつの画面に収まっている感じがしたところはすごく新しい感覚があっておもしろかったです。Amanda Achenさんとも配信ならではの共演ができたと思いますが、演奏していたKeikoさんも、裏で頑張ってくれたテクニカルチームも大変だっただろうなと(苦笑)。

 いまはパンデミックで大変なこともあるけれども、我々ゲーマーは、オンライン上でお祭りを楽しむことに慣れているし、得意な人達だと思います。落ち着いたらまた世界をまわりたいですが、機会があればまたこういうイベントを開催するのも、ありなんじゃないかなと思いました。

 あと、『暁月のフィナーレ』の作業はまだ全然進んでいないので、これから精一杯頑張りたいと思います……! Keikoさん、また力を貸してください!


2日目
オープニング


 2日目のオープニングでは,スクウェア・エニックスの専務取締役,橋本真司氏が「ファイナルファンタジー」(以下,FF)シリーズのブランドマネージャーから退任することが発表された。

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 橋本氏は,今月で63歳になることや,スクウェア,スクウェア・エニックス,タイトー,アイドスと,スクウェア・エニックスグループでさまざまなプロジェクトに関わってきたこと,2010年に開催された「FFXIV ファンフェスティバル」に参加したことを振り返り,「FF」シリーズのブランドマネージャーを退任したからといってスクウェア・エニックスを退社するわけではないので,今後もいろいろな手伝いをしていくと語ってくれた。

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 吉田氏は,これまで「FF」というフランチャイズに一度も関わっていない状況で「FFXIV」を担当することになり,社内がザワついているところを陰で橋本氏にバックアップしてもらっていたというエピソードを紹介。今の「FFXIV」があるのも,そのときのバックアップがあるからだと語った。

第64回 FFXIVプロデューサーレターライブ


 第64回 FFXIVプロデューサーレターライブでは,次回のアップデートとなるパッチ5.55の内容を中心に紹介が行われた。

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 まずは,パッチ5.55の実装日が2021年5月25日と発表された。「黎明の死闘」メインクエストPart2の公開や,「セイブ・ザ・クイーン」のアップデートが大きな内容となる。また,パッチと同日にPS5版の正式サービスも開始されるとのこと。

 今回のセイブ・ザ・クイーン アップデートでは,新たな探索フィールド「ザトゥノル高原」が追加される。そこでは新たなスカーミッシュやクリティカルエンゲージメント,一騎討ちなどが多数用意されている。

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報酬のチラ見せでは装備や2人乗りのマウントなどが公開された。
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 プロデューサーレターライブの後半には,リードストーリーデザイナーの石川夏子氏を招いてのトークセッションが行われた。こちらは事前に募集した質問に答えるものとなっており,開発資料を紹介しながら,シナリオの制作の裏側などが披露された。

 また,最後にはCITIZENおよびFenderとのスペシャルコラボグッズが発表された。とくにFenderのほうは,これを“グッズ“と呼んでいいのかどうかちょっと悩ましいところはあるが,CITIZENからはコラボレーションウオッチが2種類,Fender社からはコラボレーションギターとして,同社の75周年を記念したストラトキャスターが発表された。

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「あなたの推しにミラプリしよう」をみんなで見る会


 例年のファンフェスでは,プレイヤーによる「コスプレコンテスト」が開催されているのだが,デジタルファンフェスでは難しいため,今回はプレイヤーからお気に入りのキャラクターに扮した写真を事前に募集していた。その集まった写真を,吉田氏とグローバルコミュニティプロデューサー室内俊夫氏,クエストデザイナー高柳早紀氏の3人で見ていこうというのがこの企画だ。

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 「家でできるものなら何でもいい」と謳っていたこともあり,世界中のプレイヤーからたくさんの写真が集まったという。応募内容の傾向から,今回は九つのカテゴリーに分けて,吉田氏のお気に入りと,高柳氏のお気に入りを決めていくことになった。

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 吉田氏がとくに気に入ったというものが,自身のプレイヤーキャラクターに扮したミラプリだ。「僕らが力を合わせて作ったゲームで,こんなに楽しそうというか,嬉しそうに自分のキャラクターのコスプレをしてくれるんだなって。すごくありがたくて,これだけで頑張れるなと思った」とコメントしていた。

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LIVE Q&A


 今回は新しい試みとして,オンライン会議システム「Zoom」を使用して,全世界のプレイヤーがリアルタイムで吉田氏に質問するQ&Aコーナーが実施された。ここでは質問と回答をまとめて紹介しよう。

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Q.「漆黒のヴィランズ」といった名称やパッチタイトルなどはどうやって決めているんでしょうか。また,印象に残っている候補があれば教えてください。

吉田氏:
 「蒼天のイシュガルド」のときは,ハイデリンゾディアーク編のストーリーをどうするか,空を飛べるようにするか,泳げるようにするかもまだ悩んでいました。FFといえば飛空艇,空みたいな印象があったので一つ目の拡張は“ブルースカイ”みたいなイメージは入れたいということで「蒼天」にしました。「紅蓮のリベレーター」は真っ赤な夕焼けをイメージして名前を決めました。ただ,イシュガルドのような地名は付けづらかったので,“開放する人たち”という意味でリベレーターにしました。「漆黒のヴィランズ」では「暗闇とか闇をイメージするよね」という話をしていて,日本語の響きを考えて「漆黒」に決まり,“ヴィランズ”は石川氏がアイデアを出してくれました。通常パッチは織田氏が単語をたくさん並べて,みんなの知恵で名前を割り当てていくということをやっています。

Q.FFシリーズの悪役キャラクターを今後「FFXIV」に出す予定はありませんか?

吉田氏:
 正直に言うと,まったく決まっていないです。僕らはこのボスを登場させたいからバトルやシナリオを作るというやり方ではなく,最初に決めるのはストーリーであって,そこに必要になったら歴代の敵キャラクターを出すか決めていきます。でも,プレイヤーの皆さんに喜んでもらえるので,歴代シリーズからキャラクターを出す機会はあると思います。

Q.「希望の園エデン:共鳴編」零式1層に出てきたライデン(雷の鳥)は,光の戦士のどの記憶から作られたのでしょうか?

吉田氏:
 原初世界のラムウと戦ったときにラムウ・エギがいたので,その記憶に引っ張られたんじゃないでしょうか。真面目に答えるとSTの役割を作るために入れました。

Q.吉田氏がメインジョブを黒魔道士にした理由はなんですか?

吉田氏:
 僕は「FFXIV」に限らず,オンラインゲームはキャスターロールをやることがほとんどです。最初に遊んだのが「ディアブロ」のソーサラーで,あのゲームって攻撃が味方にも当たるので,僕が強力な攻撃を撃つときには味方に当たらないようにする必要があったのです。そのときのパーティプレイがとにかく面白かったのと,やっぱり圧倒的な火力を出すのも楽しいので,それ以降はどのゲームもキャスターです。

Q.パッチ2.0以降,プロデューサー兼ディレクターとして一番つらかった経験と,一番うれしかった経験を教えてください。

吉田氏:
 一番つらかったのは,パッチ2.1でハウジングシステムをオープンしたときです。当時は「旧FFXIV」から遊んでくれているレガシーの人と,新生から遊び始めた人で所持金の格差がすごくありました。これから長く運営していくにあたって,その格差を無くそうと思い,ハウジングの土地の価格を高くしたらプレイヤーからすごく怒られました。僕が我慢すれば未来は明るくなるはずと思ってはいたのですが,心情的にはつらかったです。

 一番うれしかったことは,初めてのファンフェスです。ラスベガスのファンフェスでは,入場待ちができてしまい,謝るために出ていったところすごい歓声があがりました。そのなかで,16歳ぐらいのプレイヤーが寄ってきてくれて,僕に「You are my hero」と言ってくれたのです。今でもそれを覚えています。

Q.吉田さんは装備やスキル回しの最適解を調べているのでしょうか。それとも自己流なんでしょうか。

吉田氏:
 装備に関しては,パッチがリリースされた後すぐに海外の方がリストを出してくれるのでそれを参考にしています。スキル回しに関しては自己流です。よく生配信とかで「吉田テクテク歩いてる(笑)」って言われるんですけど,あれはProcを計算して移動してますから!

Q.仕事のモチベーションは何ですか? また,仕事に関する本を出版される予定はないでしょうか。

吉田氏:
 僕はそもそもゲームを作るのが好きなので,モチベーションはあまり仕事に関係ないです。仕事に関する本はいずれ書きたいと思っていますが,今はとにかく忙しいので書いている暇がないです。

Q.パッチごとに実装されるオシャレ装備はどうやって決めているのでしょうか。

吉田氏:
 僕は確認だけで,基本的にはデザイナーにベースを任せています。彼らはプレイヤーがどんな服が欲しいかという声をよく見ているので,そこから「FFXIV」で作れそうなものをリストアップして,「この中だったらどれが良いですか?」と僕に聞いてくれます。僕からはあまり流行を追いすぎないように言っています。作っているときに流行っていても,ゲームに実装するのは3メジャーパッチぐらい先なので,実装時に流行しているかどうかはわからないですから。

Q.吉田氏が思う理想の仕様とプレイヤーの意見がズレているときはどうしていますか。

吉田氏:
 理想の仕様というものはこの世に存在していないと思います。仕様は必ず取捨選択が発生すると思っていて,Aを実装すると必ずBは実装できないため,Bが良かったと思う人からは否定意見がでることもあります。運営と開発を考えるとAだけど,プレイヤーからするとBのほうが良いだろうなというときももちろんあります。ただ,Bを実装するとあっという間にコンテンツが消耗されつくしたり,マッチングしなくなったり,いろんな局面が来ることも考えて,今はAで,いずれ時期が来たらBも実装しようと調整するときもあります。だからこそ,プロデューサーレターライブなどを頻繁に行って,実装の意図を伝えてお互いに歩み寄りや理解をして,一緒に「FFXIV」を作っていっているんだと思っていただけるとうれしいです。

声優さんと振り返る名シーン


 コーナータイトルの通り,「FFXIV」に出演した声優さんと名シーンを振り返ってみようという企画。進行を吉田氏と室内氏が務め,ゲストにはウリエンジェ役のKENNさん,水晶公/グ・ラハ・ティア役の内田雄馬さん,エメトセルク役の高橋広樹さんが登場した。

左からKENNさん,内田雄馬さん,高橋広樹さん
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 名シーンを振り返ると思いきや,なんと吉田氏からのお願いで,プレイヤーから人気のシーンや本来ボイスが付いていなかったシーンに生アフレコしていくことに。名シーンはリードストーリーデザイナーの石川氏が選んだこともあって,どれも涙なしでは見れないような場面ばかり。

ステージではアフレコ以外にも,各声優さんのキャラクターに対する思いや,役作りのコツなどが語られた
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 声優3人の盛り上がり様は,吉田氏と室内氏から「トリオですか?」とたびたびツッコミを入れられるほどだった。こちらの様子もアーカイブ動画で確認できるので,ぜひ3人の美声をご自身の耳で聞いてほしい。

クイズ番組・ギルオネア


 海外コミュニティチームによる動画番組「ギルオネア」は,海外の有名配信者やクリエイターがチームを組んでゲーム内コンテンツでタイムアタックに挑み,勝利したチームからクイズに回答していくというクイズ企画。

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 4人で極朱雀や極白虎など,過去のコンテンツに挑むのだが,モンクがファーストアタックを取ったり,範囲攻撃に自らあたりに行ったり,外周に当たって死んでいたり,タイムアタックとは思えないほどコンテンツを面白おかしく攻略していった。

 いざ,クイズが出題されると,分かる人が1人いるかどうかのガチな内容で,回答権が一巡するほどだった。

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スペシャルライブ バンド


 ファンフェスの最後といえばお馴染み,「FFXIV」のオフィシャルバンド「THE PRIMALS」によるバンドライブだ。1日目のピアノと同様に,PRIMALSも最新アルバムに収録されている楽曲を中心に披露。

 「ロングフォール 〜異界遺構 シルクス・ツイニング〜」では,室内氏をはじめとしたバックダンサーが登場し,「Shadowbringers」ではボーカルのJason Charles Millerさんがバーチャル参戦して大盛り上がりだった。こちらもやはり,文字で説明するより動画で実際に試聴してほしいと思う。

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 バントメンバーからのコメントが届いているので,紹介しよう。

<マイケル・クリストファー・コージ・フォックス(Vocals)>
THE PRIMALSがファンフェスに参加するのは、これで13回目になるんですけど、もうグルーヴ感がすごいんですよね。みんなステージの上を自由に動いてるんですけど、みんながそれぞれ、客席から見たときのバランスを自然と取りながら動くようになっていて。何も考えずにそういうことができるようになってきたから、なんか、ベテランバンドってこんな感じなのかなあって(笑)。

ライブ自体はすごくやりやすかったです。会場に入ったときは、こんな大きな場所で、満員のお客さんの前でやれていたら、どれだけ最高の気分になれたのかなと思って、少ししょぼんとしてたんですよ。だけど、みなさんのコメントの数もすごいし、客席にいたスタッフのひとりが100人分ぐらい頑張ってペンライトを振ってくれていて、すごく楽しくやれました。

なので、今日のライブは自分が登場するときに、ローブを脱ぐのをちょっと失敗しちゃったところ以外は大成功ですね! ありがとうございました!

<GUNN(Guitar / Vocals)>
やっぱり、いざ本番でステージに立つと、“あ、帰ってきた!”って思いましたね。はたしてプレイ的にどうだったのか?っていうところは、正直いっぱいあるんだけど、“いいじゃん! それがライブじゃん!”っていう、今までのTHE PRIMALSの感じに持っていけたかなと思います。ライブが終わった後に、各スタッフの方々とも、イエーイ!って分かち合えたし、すごくよかったですね。

ライブが終わったばかりなので、どんなライブだったのか、観ていた人たちの感想がどうだったのかはちょっとよくわかっていないんですけど(苦笑)、届いていたら嬉しいなと思ってます。いいライブでした。ありがとうございました!

<祖堅正慶(Guitar / Vocals)>
やっぱりお客さんがいないと、こんなに雰囲気が違うんだな。やっぱりライブって一方通行じゃないんだなというのを、改めて噛み締めましたね。決してやりづらかったわけではないんだけど、なんか、やっぱりちょっとさみしいなって(笑)。心にぽっかり穴があいた感じは、若干あったかな。

もちろん、今回は配信オンリーの方向に振り切ったからこそ、配信ならではのものを作るにはどうしたらいいのか考えたことで、いろんな案も生まれたし、うまくいったと思うんですよね。チーム全体が、画面の向こう側にいる『FFXIV』プレイヤーのことを考えてやれたと思います。

そもそもTHE PRIMALSって、普通のアーティストと違って、俺たちバンドメンバーが主役じゃないんですよ。“プレイヤーのゲーム体験そのもの”が主役であって、俺たちはそれを持ち上げるジャッキみたいなものだから。なので、演奏中にゲーム画面を出すと、ただ音楽を聴いているだけじゃなくて、自分のゲーム体験が自然と蘇ってくるし、喜怒哀楽も生まれてくる。そういったTHE PRIMALSの特徴を、今回のライブはうまく出せたんじゃないかなと思います。

パンデミックが落ち着いたら、改めて早くみんなの前でライブがやりたいです!


エンディング

 
 エンディングでは,開発スタッフたちが一堂に会しフィナーレを迎えた。そのステージ上で最後に,サウンドディレクターの祖堅正慶氏が,昨年3月頃からガンを患っていたことを公表した。10月頃まではずっと病室で治療をしながら,吉田氏とスクウェア・エニックス社長の松田洋祐氏が便宜を図り,その状態のまま作業ができるよう特別な体制がとられていた。

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 祖堅氏は吉田氏に対して,開発スタッフにこのことは伝えず,楽曲の発注数も変えないように頼んでいたという。闘病を知りつつ,楽曲を発注する立場だった石川氏は「発注の曲数を変えるなと言われた私の気持ちにもなってくださいよ」と涙声で心情を吐露していた。

 祖堅氏は抗がん剤の副作用でメンタルがまいってしまったこともあったという。しかし,スタッフが気を使わずに楽曲を発注してくれたことや,プレイヤーがゲームをプレイして「面白かった」と言ってくれることが励みになり,ガンを克服することができたと言葉を詰まらせながらに語った。現在は予後も良く,ほぼ寛解ということで本日もステージに立つことができた。

 吉田氏は,「まずは祖堅,おかえり」と祖堅氏に言葉を投げかけた。その後は感情があふれ出し,途切れ途切れの涙声になりながら「すごく迷ったんです。でも『俺,目標ないとやっていけないから,頼むから変えないでくれ』と言われて。一番つらいのは祖堅なのに,開発にも言うなって……」とそのときの状況を振り返った。新型コロナウイルス感染症の影響でお見舞いに行くこともできなかったという。

 吉田氏にとって,祖堅氏は「FFXIV」を一緒に立てなおした戦友であり,そのときの思い出も語られた。そして最後に吉田氏は「世界中の光の戦士のおかげで俺の盟友が帰ってこられました。本当にありがとうございます。次のファンフェス目指してがんばって行こうと思うので,これからもよろしくお願いします」と笑顔でファンフェスティバルを締めくくった。

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