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Androidベースのソニー製プロジェクタ「Xperia Touch」でデレステをプレイ。これは新しいゲーム環境となる可能性を秘めたデバイスだ
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印刷2017/04/29 10:00

テストレポート

Androidベースのソニー製プロジェクタ「Xperia Touch」でデレステをプレイ。これは新しいゲーム環境となる可能性を秘めたデバイスだ

Xperia Touch G1109
メーカー:ソニーモバイルコミュニケーションズ
問い合わせ先:ソニーマーケティング 電話:0120-671-772
直販価格:14万9880円(税別)
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 去る2017年4月20日,ソニーモバイルコミュニケーションズが,Xperiaブランドの小型プロジェクタ「Xperia Touch G1109」(以下,Xperia Touch)を2017年6月24日に発売すると発表した。
 Xperia Touchとは,プロジェクタにAndroidデバイスを内蔵した一体型の機器で,ごく普通の壁や床,天井に画面を投写したうえで,画面に表示されているAndroidのOSやアプリを操作できるという風変わりなデバイスだ。2016年に発売されたポータブルサイズの超短焦点プロジェクタ「LSPX-P1」(関連リンク)に,Androidデバイスを組み込んだ機器といったほうが,イメージしやすい人もいるかもしれない。
 直販ストアでの価格は14万9880円(税別),単純計算すると税込価格は16万1870円となる。4月21日からは,全国のソニーストアやソニーのショールームなどで先行展示が始まっており(関連リンク),誰でもタッチ&トライできる状況だ。

Xperia Touchの使用イメージ。テーブルに映像を投写するだけでなく,映像に触れて操作することも可能だ。その仕組みは後段で説明しよう
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 そんなわけで,ソニーストア銀座に立ち寄った筆者は,スマートフォン新製品の発表会でやっているのと同じように,Xperia Touchの店頭デモ機にAndroid版「3DMark」をインストールしてみた。そして,その計測結果を写真に撮って,Twitterにアップロードしたところ,ほんの数分後には編集部から,「(ソニーマーケティングに)許可をもらったから,ファーストインプレッションを書くのだ」という指令が下ったのである。
 そんな事情なので,いつものスマートフォンテストレポートよりも簡単ではあるが,Xperia Touchのファーストインプレッションをお届けしてみたい。

ソニーストア銀座でのデモ状況。写真左のBluetoothスピーカーに接続した状態で展示されていた。大音量でデレステを実行してごめんなさい
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超短焦点プロジェクタに赤外線センサーとイメージセンサーを組み合わせたデバイス


 Xperia Touchは,公称サイズが69(W)×143(D)×134(H)mmで,重量約932gという,NUCサイズの小さなデバイスだ。これを,投写用スクリーンの前,あるいはごく普通の床や机の上などに設置して使用することになる。

写真で見ると大きく見えるかもしれないが,高さは130mm少々しかない。光っているのは映像の投写窓だ
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 映像の投写方式は「SXRD・3原色液晶シャッター」というもので,簡単に言えば,反射型液晶ディスプレイ「SXRD」に表示した映像を,レーザーダイオードを光源にして前面の投写窓から投写する仕組みだ。
 光源の明るさは100lm(ルーメン)。これは,オフィスのように明るい照明の多い場所ではギリギリ見える程度だが,明るい照明が少ない場所,今回であればソニーストア銀座のショールームくらいの環境光であれば,十分に映像を視認できる程度の明るさである。自宅のリビングであれば,問題なく映像の細かい部分まで見られると考えていい。

デモ機は,一番小さな約23インチの投写状態で設置されていた。それにしてもシュールな絵だ
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 フォーカスは自動(いわゆる「オートフォーカス」)で,投写画面サイズは約23〜80インチ,画面解像度は1366×768ドットとのこと。ソニーストア銀座のデモ機は,23インチ相当のサイズで投写した状態だった。Xperia Touchと投写画面を物理的に離せば,それだけ投写画面が大きくなり,約25cmほど離すと80インチ相当になるとは説明員の弁だ。
 本体の向きを変えれば,機器の目の前にある床や机だけでなく,壁や天井にも映像を投写できる。このあたりは最近の小型モバイルプロジェクタとよく似たイメージと言えるだろう。

 投写映像を操作できると聞いて,どうやるのか不思議に思った人もいると思うが,Xperia Touchは,赤外線センサーとイメージセンサーを内蔵しており,ユーザーが投写された映像をタッチすると,手の位置や動きを認識してOSやアプリを操作できるようになっている。

Android 7.0のホーム画面。Androidタブレットの画面を投影しているような感じだ
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 環境にもよるが,ソニーストア銀座のデモ環境では,30〜35インチサイズになるよう投写する程度の距離で,赤外線センサーの照射範囲外になるという。デモ機では機能していないようだったものの,製品版では遠距離の場合,赤外線センサーではなくイメージセンサーで動きを検出するよう設定することにより,赤外線センサーの利用時と比べて応答速度は遅くなるのと引き換えに,80インチサイズになる距離からの投写においてもタッチ操作できるようにするそうだ。

 というわけで以下は赤外線センサー利用時の話となるが,タッチやフリックの応答性は,意外にも良好である。最大10点のマルチタッチ操作も可能だ。まるで巨大なタッチパネルを操作しているような感覚があり,液晶ディスプレイ部分を水平まで倒せる液晶一体型PCの「VAIO TAP 20」や同21,18.4インチの据え置き型タブレット的Android端末である「Galaxy View」の操作感と似ている印象を受けた。

机の表面をタップしたり,フリックしたりして操作する。感覚的には巨大なタッチディスプレイでの操作と変わらない。むしろ,表面がツルツルしたディスプレイよりも,指先にかかる抵抗があり,触覚フィードバック的な感覚があるので,フィーリングは上々だった
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性能,タッチの反応ともに良好で,意外とゲーム向きかも?


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 Androidデバイスとしてのスペックをざっと挙げておくと,Qualcomm製のミドルクラスSoC(System-on-a-Chip)である「Snapdragon 650」を搭載し,メインメモリ容量は3GB,内蔵ストレージ容量は32GBとなっている。microSDカードスロットも備えており,最大容量256GBのmicroSDXCカードも使用可能だ。そのほかに,外部機器との接続用インタフェースとして,USB Type-C(※バージョン未公開)×1と,HDMI入力×1も備えている。
 プリインストールのOSはAndroid 7.0(Nougat)で,Google Playは標準で利用可能になっていた。仕様面では,ミドルクラスのAndroidスマートフォン並みといったところか。

 据え置き型デバイスながら,容量1200mAhのバッテリーも内蔵しており,約1時間のバッテリー駆動が可能であるとのこと。モバイルバッテリーがあればアウトドアでも使えるので,いろんな意味で夢が広がる。

 どういう用途を想定しているのかはよく分からないが,多数のセンサーを内蔵しているのもポイントだ。公称スペックによるとボイスコマンド用のマイク,加速度,地磁気,GPS,ジャイロ,照度,気圧,気温,湿度,人感と,実に10種類ものセンサーを備えている。もしかしたら,将来的にはソフトウェアのアップデートにより,Amazonの「Echo」やGoogleの「Google Home」のような,多機能なスマートスピーカー的用途に利用できるようになるのかもしれない。

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 プロジェクタとAndroidデバイスが一体化されているおかげか,映像の表示遅延は少なめのようだ。映像のリフレッシレートは公表されていないのだが,撮影した写真のシャッター速度から考えると,60Hz前後はあるのではなかろうか。
 ミドルクラス市場向けのAndroidスマートフォンと同程度のスペックを備えて,表示にまつわる問題もないので,「PS4リモートプレイ」も利用できるとソニーモバイルコミュニケーションズはアピールしている。たとえば天井に投写すれば,寝ながら大画面プレイが可能なわけだ。

 では,Androidデバイスとしての性能はどうだろうか。ごく簡単だが,スマートフォンのテストレポートのようにベンチマークテストを行ってみた。ただし,発売が1か月以上先ということもあり,デモ機の性能は製品版と異なる可能性があることを念頭に置いてほしい。

 まずはグラフィックスベンチマークアプリの「3DMark」から。今回は時間もなかったので,「Ice Storm Unlimited」プリセットだけを実行した。スコアは「16650」で,Snapdragon 650のスコアとしてはごくごく普通といったところ。大半のゲームで良好な動作を期待できるだろう。
 発熱具合も確認してみたが,筐体に触れても不安になるほど熱くなることはなく,メッシュ加工された外装で上手く放熱しているようだ。これはデモ機に触れば確認できるので,機会があれば触って確認してみるといい。

Xperia TouchにおけるIce Storm Unlimitedプリセットの総合スコア
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 次にCPUの動作クロックを見る「CPU-Z」で挙動を確認してみた。
 6基のCPUコアを2群に分けたbig.LITTLE構成で,CPU 0〜3の4基がLITTLE側,CPU 4〜5の2基がbig側という扱いになっている。アイドル時には,全CPUコアの動作クロックが400MHzまで下がり,軽い負荷がかかると,LITTLE側が691MHzで動作する様子を確認できた。負荷がそれよりも高い場合は,big側が1382MHzで動作することもある。スマートフォンのXperiaでつちかったノウハウが生かされている挙動といった印象だ。

CPU-Zで動作クロックをチェックしている様子
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CPU-Zで温度センサーのデータ(THERMAL)を確認している様子。妙に温度の高い項目がいくつかあったので,本体に触れてみたものの,極端に熱を持つ場所はなかった。センサー側の問題だったのかもしれない。なお,右の写真が虹色になっているのは,シャッター速度1/120で撮影したためだ。左の写真はシャッター速度1/60で正常に撮れているので,先ほど本文で述べたとおり,投写映像のリフレッシュレートは60Hz前後と推察した次第である
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 さて,赤外線センサーによるタッチ処理はゲームにどう影響するのか。それを確認するには,「アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ」(以下,デレステ)でテストするのが一番ということで,許可を取ったうえで,店頭デモ機にゲームをインストールして確かめてみた。

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初回プレイは即ゲームオーバーだった。赤外線センサーに慣れる必要がある
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 まず,チュートリアル時の判定は「3D標準」で,映像描写についても問題はい。大きな画面に映し出されたみりあたんには思わずウットリ。これが楓さんやマキノだったら,さぞ素晴らしいだろうと期待が高まる。
 入力の処理は,意外にも良好で,難易度Proのクリアでも問題ナシ。ただ,ノーツが連続しているときに,取得漏れを起こしたこともあった。説明員に確認してみたところ,部屋の明るさによってセンサーの精度が変化するので,薄暗い部屋であれば,改善するかもしれないとのことである。
 また,赤外線センサーから見て指が重なっていたり,高速で動かしすぎていたりすると,取得しきれないこともあった。難易度Masterをプレイできるかどうかは,赤外線センサー次第といったところか。

 余談だが,床にも投影できるXperia Touchの仕様を考えれば,指ではなく足でも操作可能と思えるので,足でプレイする「Dance Dance シンデレラガールズ スターライト レボリューション」なんてゲームも実現できるのではないだろうか? このあたりは,機会があれば製品版で念入りにチェックしたい。等身大の楓さんとマキノの投写も込みで。

 というわけで,リズムゲームは製品版であらためて確認してからの判断になるが,シビアなタイミングでの入力操作を必要としないゲームなら,Xperia Touchで問題なく遊べると思っていいだろう。大きな映像を投写でき,マルチタッチができることを考えると,RTSやSLGとの相性が良さそうである。
 本稿を読んでXperia Touchが気になった人は,先行展示に足を運んでみることをお勧めしよう。

ソニーモバイルコミュニケーションズのXperia Touch製品情報ページ


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