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[TGS 2017]サイクリストに人気のオンラインサイクルシミュレーター「Zwift」のVR版を体験してみた
Zwiftとは,ロードバイクを初めとするスポーツ自転車の実車と,室内トレーニング用のサイクルトレーナー(ローラー台)を使い,仮想空間のコースを世界中のサイクリストと一緒に走ったり,レースで競ったりできるオンラインサイクルシミュレーターである。
「何だかよく分からん……」という人は,リアルな自転車のペダルを回してプレイする,サイクリングモチーフのMMORPGを想像してもらえば,おおむね間違っていない。
実際,Zwiftの世界を走っていると,対向車線を走るサイクリストとすれ違ったり,化け物じみたスピードで走ってくるサイクリストに追い抜かれたり,逆に追い越したりといったことが発生する。しかも,そんな彼らの名前や国籍,出力などのデータがリストで確認できるとなると,本当にMMORPGをプレイしているような感覚に陥ることもある。
ただし,MMORPGとは異なり,Zwiftで得られる経験値は,画面内のキャラクターではなくユーザー自身の肉体のものだ。そもそもサイクルトレーナーとは,自転車競技のプロ選手やトップクラスのアマチュア選手が,レースに勝つべく自身を鍛えるために使うものなのだから。
さて,そんなZwiftにおけるセールスポイントのひとつが,グラフィックスである。たとえばZwift独自の架空の島「Watopia」に広がるコースの景色は,市街地や砂利道,水中トンネル,雪山に火山と多彩かつ美麗。
通常のZwiftでは,基本的に自分の正面に広がる景色しか見られないのだが,Zwift VRなら,横を向けばきちんと横の景色が,上を見れば空がきちんと表示される。これまでも,「Zwiftの風景は作り込まれているな」と,1ユーザーとして感心していたのだが,正直これには驚いた。水中トンネルを通り抜けるときなど,もう本当に圧巻の一言である。
一方,Zwift VRでほかのサイクリストを追い抜くときは,結構怖い思いをすることもある。ユーザーなら分かると思うのだが,Zwiftの場合は表示上の都合で,追い抜こうとするサイクリストのギリギリをすり抜けたり,それどころか明らかに重なって(ぶつかって)いたりすることが多々あるのだ。
これがZwift VRだと,さらなる臨場感をともなって表現されるので,思わず「危ねっ!」と声が出そうになるのである。
残念なことに,Zwift VRはあくまでも参考出展であり,一般にリリースする予定はないとのこと。したがってVR HMDなどの機材をそろえても,自宅でZwift VRを体験することはできない点は注意してほしい。
Zwift VRをイベントに出展するのは,今回のTGS 2017で3回めとのことだが,次回は未定だという。取材に対応してくれたZwift Japanのスタッフによると,気になる人は公式Facebookページをこまめにチェックして,出展情報を確認してほしいとのことだった。
ともあれZwiftユーザーも,「Zwiftって何?」という人も,機会があればぜひZwift VRを試してみてほしい。きっと新しい発見があるはずだ。
Zwift 日本語公式Webサイト
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