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[TGS 2014]ALIENWAREの“新型ゲーム機”「Alpha」とは何なのか? バラして中身をチェックしてみた
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印刷2014/09/20 02:49

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[TGS 2014]ALIENWAREの“新型ゲーム機”「Alpha」とは何なのか? バラして中身をチェックしてみた

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 Dellの子会社であるAlienwareがE3 2014で世界市場向けに発表し,話題を集めた「ALIENWARE Alpha」(以下,Alpha)。当初から「新世代の据え置き型ゲーム機」と位置づけられていた製品だが,それが,東京ゲームショウ2014(以下,TGS 2014)の開幕に合わせて国内発表となり,合わせて,Amazon.co.jpでの先行予約受け付けも始まった(関連記事)。11月21日に「スタンダード」「プレミアム」「プラチナ」の3モデルで発売予定だ。
 TGS 2014のAlienwareブースでは,Alphaが全面展開されており,来場者は自由に試遊できるようになっている。

試遊台に用意されているAlpha実機
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 では,この“据え置き型ゲーム機”だが,実際にはどんなマシンなのだろう? 今回4Gamerでは,担当者に話を聞きつつ,分解して内部もチェックしてきたので,本稿ではその内容をまとめてみたいと思う。


Windows 8.1ベースで,その上に専用UIと「Big Picture」が載るAlpha


2014 International CESで公開されたモックアップ。これがAlphaの原型となる
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 少し昔話をしておくと,Alphaが最初に登場したのは,2014年1月の2014 International CESだ(関連記事)。このときAlienwareは「開発中のSteam Machine」として,非常に小さい無銘マシンのモックアップを展示していたが,これがAlphaの原型である。

 しかしその後,当初2014年中の発売が予定されていたSteam Machine――Valveが開発した「SteamOS」ベースの“Steamゲーム機”――は,見事なValve時間発動によって発売が延期となった。それを受けて,PCアーキテクチャに基づくAlienwareオリジナルマシンとして再起動することになったのが,今回TGS 2014にやってきたAlphaというわけだ。

試遊台は,EIZOの23.8インチワイド液晶ディスプレイ「FORIS FS2434」と組み合わされていたが,それと比べるとAlphaの小ささがよく分かる
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 そのサイズは200(W)×200(D)×55(H)mmで,重量はハードウェア構成にもよるが約2kg。PlayStation 4だと横置き時に275(W)×305(D)×53(H)mm,約2.8kgというサイズと重量なので,ざっくり1周り以上小さい。
 インタフェースは本体前面側にUSB 2.0×2で,背面側はHDMI(Type A)×2(※出力と入力各1),光角形デジタルサウンド出力(Toslink)×1,1000BASE-T LAN×1,USB 3.0×2。加えて,ワイヤレスゲームパッドなどのドングルを内蔵するため,本体底面側にも,簡単に開けられる小さな窓の下にUSB 2.0×1が用意されている。Intel製の無線LAN&Bluetooth 4.0コンボmini PCI Expressカードによる無線接続も標準サポートである。

前面インタフェース(左)と背面インタフェース(右)。HDMIの片方が入力なので,ひょっとすると,AlienwareのノートPCと同じく,他社製ゲーム機(など)のHDMI入力を受けられるようになっているのかもしれない
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 標準といえば,「Xbox 360 Wireless Controller」が標準で付属しており,Alpha自体は基本的にこのゲームパッドで操作することになる。
 そう,実のところこの仕様こそが,AlienwareがAlphaを「ゲーム機」と位置づける根拠になっている。Alpha自体にはWindows 8.1がプリインストールされているのだが,その“上”に,基本的な操作をすべてゲームパッドでまかなうための専用ユーザーインタフェース「Alpha UI」が載り,そこからSteamの全画面モード「Big Picture」も開けるようになっているため,Alphaを「Steamのゲームをゲームパッドでプレイするためのゲーム機」として使うだけなら,キーボードもマウスも不要なのだ。

前面のALIENHEADと向かって左下の切り欠き部にあるLEDの色を変更できる
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 TGS 2014版の試遊台では,「日本語版のAlpha UIが間に合っていない」という理由で,AlphaはBig Pictureモードでしか動かないが,製品版でAlpha UIを使えば,Windowsやグラフィックスドライバの基本設定やアップデートなど,SteamのBig Pictureモードでゲームをプレイするのに必要な操作を全部ゲームパッドから行えるという。

米Dellの公式サイト内で公開されているAlpha UIのイメージ。SteamのBig Pictureモードを簡単に起動できるだけでなく,本体のイルミネーションやAlpha UIの色,ドライバなどの自動アップデート設定なども行える
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通常は「Console Mode」で立ち上がるが,マウスとキーボードを差したときには「Desktop Mode」を選択できるようになる
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 ただ,この状態では当然のことながら,ゲームパッド操作に対応したSteamベースのタイトルしかプレイできない。そのためAlphaでは,キーボードとマウスが接続されたことを確認できた場合,Alpha UIからWindows 8.1のデスクトップへ下りることもできるようになっている。この状態では,マウスとキーボードが前提となっているSteamのタイトルはもちろんのこと,Steamとはまったく無関係のPCゲームタイトルもプレイできる。というか,Windows 8.1がプリインストールされたデスクトップPCそのものとして利用可能だ。

Frank Azor氏
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 今回ブースで話を聞かせてくれたAlienwareのFrank Azor氏は,「Steamに用意されたゲームパッド対応タイトル500本を(付属ゲームパッドだけで)そのままプレイでき,別途キーボードとマウスを用意すれば(Steamの総タイトル数である)3500本以上をプレイできる」と表現していたが,実際にはそれよりもさらに多くのタイトルをプレイできるのである。


搭載GPUは「GTX 860M」のカスタムモデル

2連ファンで排気する内部構造に注目


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 国内発表にあたって明らかになったのが,そのスペックだ。
 Alphaがスタンダードとプレミアム,プラチナの3モデル展開になるというのは冒頭で紹介済みだが,いずれもGPUには,第1世代Maxwellアーキテクチャに基づいたNVIDIAのカスタムモデルを採用しているという。とくにモデルナンバーがないとされるそのGPUは,「『GeForce GTX 860M』ベースで,GeForce GTX 860Mよりも5〜10%高い性能を発揮する」(Azor氏)とのことなので,動作クロックが引き上げられている可能性が高い。GTX 860Mプラスα程度だとすると,GPU性能はデスクトップPC換算でエントリークラスといったところだ。

 なお,組み合わされるグラフィックスメモリは総容量2GB分のGDDR5。そのほか主なスペックはのとおりだ。Amazon.co.jpで先行予約受け付けが始まっている3モデルのBTOは不可能だが,ALIENWAREのデスクトップPCでは,ユーザーが筐体を開けてCPUやメモリモジュール,ストレージなどの交換を行っても保証は無効にならない(※交換したパーツの相性保証などはない)ので,130WというACアダプターで賄える範囲内なら,後からいくらでもカスタマイズできるだろう。

表 ALIENWARE Alphaの主なスペック
モデル スタンダード プレミアム プラチナ
プロセッサー Core i3-4130T(定格2.9GHz,2C4T,L3キャッシュ容量3MB) Core i5-4590T(定格2GHz,最大3GHz,4C4T,L3キャッシュ容量6MB) Core i7-4765T(定格2GHz,最大3GHz,4C8T, L3キャッシュ容量8MB)
OS 64bit版Windows 8.1(+Alpha UI)
メインメモリ PC3-12800 DDR3L SDRAM 4GB×1 PC3-12800 DDR3L SDRAM 4GB×2
GPU NVIDIA製カスタムモデル(GeForce GTX 860Mベース。グラフィックスメモリ容量2GB
ストレージ HDD(2.5インチ,容量500GB,Serial ATA 6Gbps) HDD(2.5インチ,容量1TB,Serial ATA 6Gbps) HDD(2.5インチ,容量2TB,Serial ATA 6Gbps)
無線機能 IEEE 802.11ac 1×1+Bluetooth 4.0(Intel Dual Band Wireless-AC 3160) IEEE 802.11ac 2×2+Bluetooth 4.0(Intel Dual Band Wireless-AC 7265)
インタフェース 前面:USB 2.0×2,背面:HDMI(Type A)×2(※出力と入力各1。出力はHDMI 1.4a対応),光角形デジタルサウンド出力(Toslink)×1,1000BASE-T LAN×1,USB 3.0×2
底面:USB 2.0×1
主な付属品 Xbox 360 Wireless Controller
保証期間 1年
電源出力 ACアダプター(定格130W)
本体サイズ 200(W)×200(D)×55(H)mm
重量 約2kg
Amazon.co.jp販売価格 6万4584円(税込) 8万1864円(税込) 9万6984円(税込)

 ブースではAzor氏が実機の分解を見せてくれたが,本体は,底面から固定するビス4本を外すと,上面および底面のカバーが取れるようになっている。プラスチック製カバーを外すと,金属製の筐体が中から出てくるという意味では,Xbox Oneに近い内部デザインといえるかもしれない。

本体は底面吸気の背面排気。本体向かって前と左右の底面部が内側に切れ込んでおり,ここにプロセッサ用の吸気孔が設けられている。底面の広い部分にもスリットが見えると思うが,こちらはストレージデバイス用だ
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 下に示したのが上面カバーを外したところで,2基のブロワーファンと風洞によって熱を一直線に筐体背面へ排出するような構造になっているのが分かる。ちなみに風胴部に見える矢印マークのところにはノブがあり,ここを指でつまむようにすると,クーラーのファンユニットは簡単に取り外し可能だ。ユーザーがメンテナンスできるようにしていて,それを保証しているALIENWARE製PCらしいギミックといえる。

上面カバーを外すと,2基のクーラーが目に入る。4つある矢印の外側,水色シールの貼られたノブをつまめば,ファンユニットは簡単に取り外し可能だ
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ファンユニットを外すと,黒いヒートシンクが2つと,2基のSO-DIMMメモリスロットを確認できる。写真左側にあるヒートシンクの下がカスタムGPU,右にあるヒートシンクの下がCPUだ
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ヒートシンクを低めから撮影すると,LGA1150対応版CPUソケットの存在を確認できる。ヒートシンクを外せば,CPUは交換を行えるわけである
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無線LAN&Bluetoothコンボカードもこちらの面に用意されている
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 2.5インチドライブベイは,金属筐体の下側に用意されている。金属筐体と底面カバーを分離すればアクセス可能で,マザーボード自体を金属筐体から取り出す必要はない。

金属筐体の底面側。向かって右側の黒いカバー部が2.5インチドライブベイだ。左下に見える端子は,底面側に用意されたUSB 2.0ポートである
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 以上,ALIENWARE Alphaをチェックしてきた。これを「ゲーム機」と呼べるかというと,やはりどうしても引っかかる部分はあるのだが,独自ユーザーインタフェースの採用によって,ゲームパッドで遊べるモードを用意してきたゲームPCとして,非常に面白い存在だとはまとめることができるだろう。
 絶対性能の高さは望めないものの,小型ゲームPC好きの人や,ゲームPCをテレビとつなぎたくてしょうがない人からすると,相当にグッとくる存在ではなかろうか。

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