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印刷2008/07/02 13:10

企画記事

いま分かる(想像できる)範囲で,「Diablo III」について紹介してみよう

 Blizzard Entertainmentは,パリで行われた同社のファンイベント「Blizzard Worldwide Invitational」で,アクションRPG「Diablo III」(以下Diablo3)の制作を公表した。4Gamerでは同日さっそく速報記事を掲載したが,海外メディアでは早くもプレビューなどが立て続けに掲載されており,かつてDiabloという歴史的シリーズに深くハマったファンは,期待に胸を膨らませながら先週末を過ごしたのではないだろうか。

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 Diablo3の開発は少なくとも4年前から行われていたようだが,2006年9月に「新作におけるHavokエンジンのライセンス契約を発表」をしているので,本格的に稼働したのはここ2年ほどなのかもしれない。

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 公式サイトに掲載されたムービーを見る限りでは現時点でも結構遊べそうな雰囲気だが,現在のところリリース日は未定となっている。Blizzardは製品クオリティに関して,一切妥協をしないことで有名なデベロッパだし,しかも今後「World of Warcraft: Wrath of the Lich King」や「StarCraft II」のリリースも控えている。実際に我々がDiablo3で遊べるようになるのは,それらよりも後になる可能性は高い(それにしても,なんと豪華なラインナップだろう)。2007年5月に発表されたStarCraft IIが依然として発売されていない現状を鑑みるに,少なくとも年内……は厳しそうだ。

 Diablo3に関しては今回が初めてのお披露目だが,公式サイトではクラス紹介やトレイラームービー,プレイムービーなど,すでにかなりの量の情報が公開されている。まさかこれほどまでに情報が揃っているとは,8年(=「Diablo II」の発売から8年)の時間の経過を感じる。本稿では,現時点で判明しているこれらの情報を元に,Diablo3がどういったタイトルなのかを紹介,考察していきたい。
 なお,公式サイトに掲載されている各スクリーンショットは,画質のオプションがかなり低めに設定されているように見える。というのも,公式サイト掲載のムービーと見比べると,テクスチャやシャドウなどの書き込みのクオリティが,明らかに違うのだ。その理由については分からないが,グラフィックスのクオリティに関してはスクリーンショットだけで判断せず,ムービーも確認することをお勧めしたい。

「Diablo III」公式サイト


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3D/物理エンジンにより新たな生命を吹き込まれた
ハック&スラッシュの代表作


 Diablo3の舞台となるのは,「Diablo」「Mephist」「Baal」が冒険者によって倒された時代(つまり「Diablo II: Lord of Destruction」の時代)から20年後の世界。あれから長い年月が過ぎ,かつての天使と悪魔を交えた壮絶な戦いのことも,人々は忘れ去ろうとしていた。そんな中,シリーズを通じての語り部である「Deckard Cain」が,Tristramで不吉な前兆を見るところから今回の物語はスタートする。

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 今回のDiablo3は,フル3Dのグラフィックスを採用しているのが大きな特徴だ。このため,画面を拡大/縮小できたり,高低差のある地形をはしごで昇り降りしたり,モンスターが崖下から這い上がってきたりなどといった,さまざまなシチュエーションが実現可能となったのである。
 また単に3Dというだけでなく,前述のように物理エンジンのHavokを採用している。物理演算処理が可能になったことで,強烈な攻撃を受けた敵が吹き飛んだり,坂道に横たわった死体がゴロゴロと転がっていったりと,数々の動的な描写が実現されている。ムービーをチェックすると一目瞭然だが,これは一部のオブジェクトにも適用されており,開かない扉を破壊したり,攻撃スキルを使うと勢い余って壁まで破壊してしまったりといった描写もある。さらに,橋を渡ろうとした矢先にこれが粉砕されてしまい,ジャンプ系のスキルで先に進まなければならないなど,単なる演出以上の要素として物理エンジンが取り入れられているようだ。

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 3D+物理エンジンのハック&スラッシュ系RPGというと,すでに「Titan Quest」が一定の評価を得ている。だが,コントラストがはっきりした美しい背景や,効果音やBGMなども含めた総合的な演出面に関しては,やはりDiablo3のほうが一枚上手だと感じる。とくに,ムービーに収録されているボスモンスターの登場シーンなどは,あれだけカメラアングルを引いているにもかかわらず,久々に「すごい」と感じさせる演出だ。ゴシックホラーとしての雰囲気も抜群で,プレイヤーキャラがモンスターに食いちぎられたり(!)といったゴア表現を満載してるあたりも,いかにも本シリーズらしいところだ。

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 ちょっと余談になってしまうかもしれないが,Titan Questの開発元であるIron Lore Entertainmentは,2008年2月に突如閉鎖されている(関連記事)。Diablo3のプレイムービーをじっくりと見ているとき,Brian Sullivan氏ら元スタッフが現在何をしているのか,思わず気になってしまったのは筆者だけだろうか。


現時点では5クラス中,2クラスの概要が公開
今回は男女の選択も可能に


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 公式サイトのFAQによれば,Diablo3でプレイヤーが選べるクラスは5種類で,いずれも男女のモデリングが個別に用意されている。現在はその5クラスのうち,「Barbarian」と「Witch Doctor」の二つのみ,概要情報が公開されている。BarbarianはDiablo2にも登場しているので,経験者にとっては聞くまでもないと思うが,後者のWitch Doctorは,アフリカなどの一部地域で“呪術医”的な活動が見られるものの,すぐにイメージできないという人もいるかもしれない。
 公式サイトを見ただけでは解らない小ネタなども交えつつ,現在公開されている2クラスをざっと追っていきたい。


■Barbarian

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 Diablo2の経験者にはお馴染みの,筋骨隆々の粗暴な戦士。巨大な両手用武器や,片手用武器の二刀流などを装備し,これらを豪快に振り回すという,“蛮族”の名に相応しいアタッカークラスだ。掲載ムービーでは,のっけから「Leap」や「Whirlwind」といった懐かしいスキルをたっぷりと使ってくれる。

 今回のBarbarianは,Diablo2と比べて武器を振るうモーションに“タメ”が利いている。一撃一撃が見るからに重く,これらの攻撃を食らうモンスターは本当に痛そうだ。「打撃感」とでもいえばよいだろうか。
 ダッシュ機能の有無までは確認できなかったが,キャラクターの移動速度も含め,ゲームの全体的なテンポはどちらかというと初代Diabloに近いように思える。人によってはDiablo2のゲームテンポはあまりにも快適すぎて,そのぶん重さが犠牲になっていたと感じていたかもしれない。原点回帰したかのような重量感のあるアクションは,見た目にもかなり爽快だ。

 現在名前入りで公開されているBarbarian用のスキルは5種類。どれも,Barbarianの超人的な身体能力を存分に活かしたものだ。まさしくDiablo2のBarbarianが,現代のグラフィックス技術で新たな生命を吹き込まれた,という印象である。

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・Cleave
強烈な薙ぎ払い攻撃を行って,複数の敵にダメージを与えると共に,大きく弾き飛ばすスキル。これを利用して,厄介な敵を崖下へ突き落としたりできるのかも(戦利品のルートはどうすればいいんだろう……)

・Ground Stomp
力強く地面を踏み,そのとき発した衝撃波で周囲にいる敵をスタンさせる。Warcraft3の「War Stomp」(Tauren Chieftain用スキル)と同様,マルチプレイ時の連携でとくに大きな威力を発揮しそうだ

・Leap
対象地点まで大きくジャンプすると共に,着地時に範囲系のダメージを与えるスキル。物理エンジンを採用しているDiablo3では,これを使って穴などを飛び越えたり,高い場所へ一気に移動したりといった応用アクションにも期待できる

・Seismic Slam
衝撃波を真っ直ぐに放ち,複数の敵に次々と貫通ダメージを与えていくスキル。今回公開されたスキルは,いずれも範囲系の攻撃タイプで,これらから察するにBarbarianは格下モンスター乱獲時に,かなりの殲滅力を発揮しそうだ

・Whirlwind
ご存じ,Barbarianの究極奥義。自分を軸に竜巻のように回転しながら移動し,敵を粉砕していく。スキルツリーなどのシステム詳細はまだ不明だが,このスキルを習得するのも,簡単にというわけにはいかないのだろう

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■Witch Doctor

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 Witch Doctorは,多彩な芸当ができるクラスのようだ。例えば下記のスキル一覧では紹介されていないが,ムービー内では毒や炎の精霊ペットを使役して戦っているシーンを数多く確認できる。これらのペットは単純に戦わせるだけでなく,「Locast Swarm」(後述)でペットを強化させたり,はたまたペットを爆破させて強烈なダメージを与えられたりもできるのだ。
 また,生きた壁(これもペットなのだろうか)を生み出して道を塞ぐと共に,近くのモンスターを攻撃といったことも可能だ。ペット関連スキルのウェイトはかなり高いようで,これらを運用するテクニカル要素が際立ったクラス,というのが第一印象である。

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 ペットや壁の運用法からは,Diablo2のNecromancerを想起する人もいるかもしれない。だがその一方で,怪しげな部族のお面を被っていることなどから,外見に関してはシャーマン的な雰囲気がある。またWitch Doctorという名前からは,回復/補助にちなんだスキルを使える可能性も十分考えられる。そのためBarbarianと比べると,現段階ではまだ謎が多いクラスといったところだが,少なくとも自分自身で戦うことよりは,サポート役としての能力が高そうなクラス……に思える。

 Witch Doctorについては,Blizzardが過去にリリースしたリアルタイムストラテジー「Warcraft III: The Frozen Throne」に,ズバリ「Troll Witch Doctor」というユニットが登場している。
 WarCraft3のTroll Witch Doctorは,トラップを設置して踏み込んできた敵をスタンさせたり,周囲にいる味方を回復させたりといった,サポート役を得意とする。その一方で,自分自身の戦闘能力はそれほど高くはないユニットである。
 Blizzardの作品では,ゲーム内の固有名詞で過去の作品などとの関連性が時おり見え隠れすることがあり,これはコアなファンにとってささやかな楽しみの一つとなっている。今回あえてWitch Doctorという名前を採用したことにも,何らかの意図があるかもしれない。

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・Firebomb
放物線を描きながら飛ぶファイアーボールを発射し,着弾時に大きな爆発を起こす。爆発時のモーションを観察すると,なんとなく人型をしているようにも見え,炎の精霊と何らかの関連性があるのかもしれない

・Horrify
自分を中心とした範囲内の敵に恐怖を与え,物凄い勢いで逃走させる。もしかするとWitch Doctorは,Diablo2のCurseツリー(Necromancer)の要素も含まれているのかもしれない。となると,Diablo3の5クラスにNecromancerは含まれないのだろうか……?

・Locust Swarm
小さな羽虫の大群を生み出し,それによって敵を攻撃する。羽虫は同時に複数の敵に襲い掛かり,「Chain Lightning」のように次々とダメージを与えていく。StarCraftやWarcraft3には同名のスキルが登場しており,Hellgateでも似たような攻撃があるが,大体それらと同じに見える。

・Mass Confusion
範囲内にいる相手を混乱させ,近くにいる相手を敵味方関係なく攻撃させる。ペットスキルや「Horrify」などと合わせ,立ち回りによってはソロプレイでも先に進めそうだ

・Soul Harvest
自分を中心とした範囲内の敵にダメージを与え,それらから生気を吸収する。今回紹介するスキルの中では,唯一ライフの回復にちなんでいるが,クラス名から察するにほかにもいくつかアプローチがあるのかもしれない

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 そのほかの情報としては,公式サイトに掲載されているFAQなどをざっと見ていくだけでも「Mac版と同時発売」「マルチプレイは8人に対応」「Battle.netは完全にリニューアル」「NPCとの会話時はカットシーンが挿入」「マルチプレイ時のドロップアイテム取得は早い者勝ちではない」などなど,結構気になる情報が多い。なにより注目は,あの麻薬的な「ランダム生成マップ」のほかに「ランダム生成イベント」までもが書かれている点だ。

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 ランダムなマップで,ランダムなイベントを進めつつ,ランダムなアイテムを探す……。まさに“パワーアップ版Diablo”だ。IIからでも8年,初代からだとすでに11年経っている,もはやliving legendのようなRPGだが,興味を持った読者は,一度じっくりと目を通してみてほしい。

 最後に。
 Diablo3は5か国語の言語に対応すると発表されているが,現時点ではその中に日本語が含まれていない。昔からBlizzardの関連タイトルは,その世界的な人気とは裏腹に,日本市場での扱いが低くなりがちだが,今度こそ,そのジンクスを打ち破ってほしいと強く願いたい。そして何より,いまや世界最大のデベロッパ/パブリッシャとなるActivision Blizzardの名に恥じないタイトルとして,Diablo3が展開されることを大いに期待したい。

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  • 関連タイトル:

    Diablo III

  • 関連タイトル:

    Diablo III(Macintosh)

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