「C21」の実態を報告! クローズドβ直前プレイレポート
サイバーステップが開発中のオンラインロボットアクションゲーム「C21」のクローズドβテスト開始日が,もう目の前まで近づいてきた(7月中旬と発表されているので,おそらく近日中に始まるだろう)。 先日公式サイト(「こちら」)で行われた,クローズドβテスター第一次募集の選考結果は,サイバーステップ側からのメールですべての応募者に届いているはずだが,また違った形で追加募集が行われることも十分あり得るので,落選した人も引き続きC21情報を追いかけておくといいだろう。
世界6か国,1500万人以上の登録ユーザー数を誇る大人気オンラインアクションゲーム「ゲットアンプド」を生み出したサイバーステップの新作ということで,ゲーマーからの注目度は非常に高いといえるC21。当然4Gamer編集部としても大きな期待を持って情報を追っているわけだが,先日サイバーステップにお邪魔させてもらい,C21の実演を目にすることができた(そして軽く操作させてもらうこともできた!)。クローズドβテスト開始に先駆けて,今回はその取材で得た鮮度の高い情報をお伝えしていこうと思う。
大小さまざまなロボットが登場するC21だが,本作におけるロボットは純粋な機械ではなく,意志を備えたロボット型生命体という設定だ
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■意表をつく独特な操作感覚が,吉と出るか凶と出るか
「C21」開発ディレクターのkotori氏。少数精鋭という印象の強いサイバーステップの,開発力の要ともいえる存在だ
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公式サイトで"C21の特徴"を見てみると,"爽快なアクション!!" "ロボのカスタマイズ" "自由度の高いシナリオ構成"という3点が大きくアピールされている。今回は,その3点に的を絞り,C21の現在に迫ってみようと思う。 なお,C21はあくまでも開発中のオンラインゲームであり,βテストの結果やプレイヤーからの反応によって,今後どんどんその姿を変えていくはずだ。そのため,"ここで紹介した内容=C21の完成形"だとは思わないよう,ご注意いただきたい。
そんなわけで,まずは"爽快なアクション!!"について。今回の取材では,開発ディレクターのkotori氏が実演を行いつつ解説してくれたのだが,kotori氏の操作技術が熟練していることもあってか,実に「気持ちよさそう」な操作感覚だった。 ラウンドレンダリング処理によって丸く表現された地平線に向かい,ブースターをふかしながら空を飛ぶ光景は非常に楽しげで,この世界で多くのプレイヤーが飛び交っている様子を想像するだけでワクワクしてくるほど。 キャラクターの挙動はややもっさりとしていたが,ロボットのサイズ(S,M,Lなど)やレベル,装備しているパーツによってスペックは変化するので,キビキビした挙動が好みなら,ロボットにそういうチューニングを施せばいい。逆に動きが速すぎると操作しきれないという人なら,パーツを替えて機動力を落とせば問題は解決するだろう(カスタマイズに関しては次の項で解説する)。
敵との戦闘は,画面中央の枠に敵を収めることで自動的にロックオンしてくれるので,細かな照準技術は問われない。実際に攻撃が命中するかどうかは,武器の攻撃速度(弾速)や間合い,敵の機動力といった要素の組み合わせによって変化するが,ゲームに不慣れな人でも「攻撃を当てることさえできない」といった事態にはならないはずだ。 ただし,敵からの攻撃はなかなかシビアで,さまざまな方向から飛んでくる弾を避けきることは,至難の業のようだ。各方向へのダッシュや,ブースターを用いての飛行を駆使すればある程度回避できるが,ダッシュおよびブースターを使用すると"エネルギー"が消費されていくため,延々と回避行動を取ることは難しい(エネルギーは攻撃,ダッシュ,ブースターなどでも消費されるが,回復は非常に早いので,しばらくすればすぐに全回復する)。そのへんに関しては"慣れ"がすべて解決してくれるのかもしれないが,操作に慣れるまでは,複数の敵と同時に交戦するのは危険かもしれない。 とはいえ,本作では5体のロボで部隊を編成できるようになっており,操作しているロボットが撃破されても,次のロボットですぐに出撃できる。また撃破されたことによる経験値ペナルティなどは発生しないので,そういった意味ではかなり快適なゲームプレイが期待できるだろう(部隊が全滅した場合も,出撃時に選択した,プレイヤー管理の消費アイテムをロストするだけらしい)。
kotori氏のプレイを見ているうちに,筆者もロボットを操縦してみたくなり,少しだけ実際に遊ばせてもらった。ただ,現状では本作の操作系統は一般的なFPSタイプ(W/S/A/Dで移動)ではなく,マウス操作が重視された設定になっていたため,思いどおりにロボットを操縦できず,非常に苦労してしまった。やはり,体に染みついた操作方法というものはなかなか修正できないようで,1,2回のプレイでは,kotori氏のような見事な操作に近づくことさえできなかったのが残念。 操作系統に関しても結局は「慣れ」の問題なのだろうが,筆者個人の意見としては,FPSのように自由な(プレイヤースキルに依存する)照準ができないことが,やや不満に思えた。しかし,現状の操作系統(後述)には,初心者でも遊びやすい,飛行中でも攻撃しやすいといったメリットもある。オプション設定で操作系統の切り替えが可能になればいいなぁと感じた次第である。
<現在の「C21」の操作方法> ・前後左右移動……マウスカーソル+左クリックを用いて操作 ・平行移動……マウスカーソル+右クリックを用いて操作 ・照準の上下変更……ホイール上下を用いて操作 ・カメラ回転……ホイールクリック+マウスカーソル移動 ・ジャンプ/飛行……Zキー ・攻撃1,2……Xキー,Cキー ・武器切り替え……シフトキー+XまたはCキー ※操作方法に関しては今後変更される可能性あり ※ゲームパッドへの対応は今のところ未定
やや初心者向けともいえる操作系統は,FPS的な操作方法が体に染みついていない人にとっては実に優しい。空中でのアングル操作も容易なので,気持ちのいいフライトが楽しめる。しかしFPS的な操作方法に慣れてしまっている人にとっては,思い通りの動きや攻撃ができず,やきもきさせられることもあるかもしれない
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■ロボのカスタマイズは非常に自由度が高く,魅力的
続いての特徴である"ロボのカスタマイズ"に関してだが,これはかなり凄い。クローズドβ開始前のバージョンでありながら,まさに"無限大のバリエーション"が楽しめそうだった。 kotori氏の話では,クローズドβテスト開始時の段階でさえ,パーツの種類は約360種,ロボットの種類は数十種類,銃器が約50種類,白兵戦用武器が約30種類。胴体パーツなどに仕込まれている内蔵武器を入れると,武器の種類は倍以上になるらしい。 ロボットに関しては,ミッションをクリアすることで購入可能になるレアロボットが存在するほか,各ディメンション(ディメンションはいくつかの惑星で構成されており,ディメンションごとに独自のストーリーや仕様が用意される予定)に点在するダンジョン内でも手に入れられる。もちろん,ショップで購入することも可能だ。
CASH(ゲーム内通貨)を稼ぐ手段は複数用意されており,一般的なMMORPGのようにフィールドで敵を倒したり,ミッションをクリアして報酬を得ることもできる。ミッションの報酬は,ミッションごとに設定されているクリアボーナス+撃破した敵の数によって加算されるエクストラボーナスから,実際に出撃させたロボットに設定されているコストを引いたものがCASHとして手に入る。 エクストラボーナスは,ラストアタック(トドメ)を入れたプレイヤーのものとなる。できるだけロボットを撃破されない(つまりロボットをあまり出撃させない)ようにしたり,コストの低い機体でミッションをクリアしたりすれば,その分CASHのマイナスを抑えられる。コストの低い機体のレベルを上げたり(レベルが上がってもコストは変わらない),ラストアタックを取りやすい武器を装備したりといった工夫で,効率良くCASHを稼ぐことができそうだ。
ロボットのカスタマイズは,機体やパーツに依存するだけではなく,カラーリングを細かく設定することもできる。また,プレイヤー自作のスキンにも対応したいというkotori氏の発言もあったので,カスタマイズのバリエーションはさらに豊富になりそうだ。 形,機能,カラーリングと,ありとあらゆる要素がカスタマイズできそうなので,ロボットに対する愛着もより深まることだろう。ロボットやパーツをコレクションする楽しみ,一つのロボットのレベル(上限50。レベル20くらいまでならば比較的簡単に育てられるようだ)を上げる楽しみ,世界に一つのオリジナルロボットを作成する楽しみ……。ロボットモノのMMORPGとして,本作は非常に期待の持てる作品に仕上がりそうだ。
ロボットの種類も豊富だが,個性豊かなパーツを組み合わせることで,ベース機体からは想像もつかないユニークなロボットが組み立てられそうだ。ロボットごとにレベルを上げることが可能なので,あまりスペックを気にせず,愛着の強いロボットで戦えるのが嬉しい
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■ミッションの充実とディメンションごとのストーリーに注目
ミッションやストーリー展開は,MMORPGとしてのC21にとって,非常に重要なポイントだ。kotori氏の話によると,C21の世界には複数のディメンションが存在し,メインストーリーの展開はディメンションごとに違うらしい。また,ミッションは惑星単位で変化し,ダンジョンは一つのディメンションに複数存在するとのこと。
ミッションは各惑星の司令部で選択でき,多くのミッションは,「まずはBOSSを探さなければならず,BOSSを発見できたら本格的な討伐に移行」という具合に,2部構成になっている。今回見せてもらったバージョンでもキャラクター同士の掛け合いが収録されていたのだが,演出面はさらに充実させていく予定だという。
ミッションはロボットの経験値やCASHを稼ぐために行うのが基本だが,多くのザコキャラを相手にした戦闘や,超巨大なBOSSロボットとの対戦など,純粋に楽しめそうな要素が盛りだくさんだった。ミッションによっては複数のプレイヤーで参加できるので,巨大キャラとの対戦が楽しめるミッションなどは,クローズドβでも大いに盛り上がりそうだ。
今回の取材ではダンジョンは確認できなかったものの,「ダンジョンは『トルネコの冒険』のように一方通行で,基本的に一人でも楽しめます。ただし各フロアにはクリア条件が設定されていることもあるので,そう簡単には突破できません。ダンジョン内部にはパーツだけではなくロボットも落ちているかもしれないので,宝探しのような感覚で楽しめます」との話が聞けた。 現時点ではパーティを組むことは出来なかったが,クローズドβテスト中にも実装したいとのことだったので,仲間と共にダンジョン攻略を楽しめそうだ。
クローズドβ直前の忙しい時期ということもあり,あれもこれもと確認するわけにはいかなかったのだが,C21の現状をレポートするという意味では,それなりに収穫のあった取材だといえるだろう。 個人的な印象としては,ロボットのカスタマイズを楽しんだりバリエーション豊富なミッションを攻略したりするだけでも,かなり長い間楽しめる作品だと感じた。さらに今後は,パーティ機能やトレード機能(パーツやロボットそのものをオークション形式でトレードできるのだ),ロボットのスキン作成,ディメンションごとに異なるストーリー展開,対人戦など,数多くの要素が追加実装されていく予定とのこと。この多様なプレイスタイルを許容する世界には,一プレイヤーとしても非常に大きな期待を寄せている。 ともあれ,間もなくクローズドβテストが開始される。テスターに当選した人は思いっきり楽しむことができるし,惜しくも落選してしまった人に対しても,より具体的な記事をお送りできるようになるだろう。 今後もさまざまな形でC21の情報を提供していくので,ぜひお楽しみに。(Text by 大路政志 / Photo by kiki)
クローズドβテスト目前のC21。本作がどのような作品に仕上がるかは,代表取締役会長の佐藤氏(下段左)や開発プロデューサーのkotori氏(下段右)を筆頭とするサイバーステップ側の熱意と才能にかかっている。しかし,C21を育て上げていくのは,実際にプレイするすべてのプレイヤーの役割だ。クローズドβが始まり,そこでのプレイヤーの反応によって本作がどのように成長していくのか,実に楽しみである
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