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「BRA★BRA FINAL FANTASY BRASS de BRAVO 2024 with Siena Wind Orchestra」東京公演レポート。来場者参加型企画と定番曲の数々が5年ぶりに帰ってきた!
2019年以来,5年ぶりに展開されるこのツアーの中から,本稿では5月5日に東京・サントリーホールにて行われた昼夜2公演のうち,昼公演の模様をレポートする。
BRA★BRA FINAL FANTASY
BRASS de BRAVO 2024
with Siena Wind Orchestra
東京・昼公演概要
【セットリスト】
<第一部>
01. FF バトル2メドレー 編曲:佐藤泰将
バトル2(FFIV)〜バトル2(FFV)〜死闘(FFVI)〜バトル2(FFIX)〜勝利のファンファーレ(FFシリーズ)
02. Eyes On Me (FFVIII) 編曲:小林洋平
03. ビッグブリッヂの死闘(FFV) 編曲:佐藤泰将
04. FINAL FANTASY メインテーマ(FFシリーズ) 編曲:石毛里
◆リコーダーで奏でるFFメインテーマ
05. シーモアバトル(FFX) 編曲:佐藤泰将
06. ルーファウス歓迎式典(FFVII) 編曲:石毛里佳
07. The Man with the Machine Gun(FFVIII) 編曲:石毛里佳
<第二部>
08. Fragments of Memories(FFVIII) 編曲:浜口史郎
09. Vamo'alla Flamenco(FFIX) 編曲:小林洋平 スーパーバイザー:岩﨑英則
10. Blue Fields (FFVIII) 編曲:三浦秀秋
11. 街角の子供達(FFVI) 編曲:星出尚志
12. 素敵だね(FFX) 編曲:佐藤泰将 Vocal:暁-Xiao-(植松伸夫 conTIKI)
13. ザナルカンドにて(FFX) 編曲:小林洋平
14. 片翼の天使(FFVII) 編曲:佐藤泰将
<アンコール>
01. No Promises to Keep (FFVII REBIRTH) 編曲:石毛里香
スペシャルゲスト:植松伸夫 conTIKI(キーボード:植松伸夫/ボーカル:暁-Xiao-/ギター:間宮道生/パーカッション:藤岡千尋/オートハープ/戸塚利絵)
02. マンボ de チョコボ 編曲:佐藤泰将
◆みんなで吹こう BRA★BRA FINAL FANTASY
出演:
制作総指揮:植松伸夫
指揮:栗田博文
演奏:シエナ・ウインド・オーケストラ
MC:山下まみ
スペシャルゲスト:植松伸夫 conTIKI(キーボード:植松伸夫/ボーカル:暁-Xiao-/ギター:岡宮道生/バーカッション:藤岡千尋/オートハープ:戸塚利絵)
主催:プロマックス/ローソンチケット
制作:ブロマックス
協力:スマイル・プリーズ/ドッグイヤー・レコーズ/スクウェア・エニックス/ジャパン・シンフォニック・ウインズ
※敬称略
「BRA★BRA FINAL FANTASY BRASS de BRAVO 2024 with Siena Wind Orchestra」公式サイト
演奏前には,公演の制作総指揮を務める作曲家の植松伸夫氏が,観客の中から数名の「ブラボー係」を選出。この係は,演奏の合間に率先して「ブラボー」と声をかけることにより会場全体を盛り上げる役割を担うもので,コンサート「BRA★BRA FINAL FANTASY」ではおなじみの企画となっている。
コンサート本編は,「FFバトル2メドレー」の演奏からスタート。この楽曲はアルバム「BRA★BRA FINAL FANTASY / BRASS de BRAVO」の1曲めを飾っており,また「BRA★BRA FINAL FANTASY」の2015年公演でも最初に演奏されている。植松氏は,「コンサートの始まりにふさわしい曲」と説明した。また会場となったサントリーホールにも言及し,「『BRA★BRA』では初めてだが,非常に音がいい」とコメント。
2曲めは,2019年公演のアンコールでサプライズとして披露されたFFVIIIの「Eyes On Me」。植松氏は前作のFFVIIでゲーム音楽を徹底的に追求した結果,次に何をやっていいか分からなくなっていたというエピソードを披露。しかし,この楽曲でボーカル曲にチャレンジしたところ楽しかったため,再びゲーム音楽への熱を取り戻したそうだ。
続いて披露された,FFシリーズ屈指の人気楽曲であるFFVの「ビッグブリッヂの死闘」におけるテンポの速い演奏には,奏者達の技巧が光っていた。
4曲めは,来場者が客席からリコーダーで演奏に参加する「FFメインテーマ」だ。こちらも「BRA★BRA FINAL FANTASY」の2016年公演以来,恒例となっており,植松氏は「会場によって音の大きさにバラつきがあるけれども,今回は圧力があってよかった」と感想を述べていた。
続いても来場者参加型企画で,来場者の拍手や歓声の大きさから,次に演奏する楽曲を選択するというもの。今回は,FFIXの「ハンターチャンス」とFFXの「シーモアバトル」の2曲から後者が選ばれ,緊張感のある演奏が披露された。
6曲めとして演奏されたFFVIIの「ルーファウス歓迎式典」では,奏者達が立ち上がってコーラスを披露し,来場者が手拍子で応える一幕も。続いてドラムソロがハイライトとなった,FFVIIIの「The Man with the Machine Gun」の演奏によって,コンサートの第一部は幕となった。
第二部の最初の2曲,FFVIIIの「Fragments of Memories」とFFIXの「Vamo'alla Flamenco」は,小編成で演奏された。とくに後者は来場者の笑いを誘うような楽しい演出が施されており,植松氏は「制作総指揮なのに,本番まで何をやるのか知らされていない」とコメントしていた。
続いては,公演前に行われたアンケートで,来場者から寄せられたメッセージが読み上げられた。テーマは「この5年間での出来事」で,結婚した人,念願の飲食店を開業したが1年経たずに店を畳んだ人など悲喜こもごも。中には,2019年公演で言及されたクルージング公演についてのメッセージもあり,植松氏は試しに関係者達とクルーズ船に乗ってみたというエピソードを披露した。
また「子供が生まれるので,名付け親になってほしい」というメッセージが偶然にも2件あり,植松氏はFFIVに登場したパロムとポロムの名前を挙げて,来場者達を沸かせていた。
FFVIIIの「Blue Fields」とFFVIの「街角の子供達」は,それぞれ新アレンジで演奏された。植松氏によると,2024年はFFVIの30周年,FFVIIIの25周年であることから,何か新しいことをやろうと考えたそうだ。また,いずれもFFシリーズの楽曲としては一番に名前が挙がるような存在ではないが,「作った本人としては,そういう曲のほうが可愛いこともある」とも話していた。
12曲めとなるFFXの「素敵だね」では,「BRA★BRA FINAL FANTASY」初のボーカル入り演奏が披露された。ボーカルを担当したのは,植松氏が率いるバンド「植松伸夫 con TIKI」の暁-Xiao-さん。またcon TIKIが,不思議な話などを題材にして歌や朗読劇を作り,楽曲や絵を付けてライブで披露していることも紹介された。
コンサート本編の最後を飾った2曲は,いずれも「BRA★BRA FINAL FANTASY」では定番となっているFFXの「ザナルカンドにて」と,FFVIIの「片翼の天使」。コンサート全般の感想を求められた植松氏は,「ぜひ客席で聴いてみたい」と話していた。
来場者の拍手を受けて始まったアンコールの1曲めは,FFVII REBIRTHの「No Promises to Keep」だ。スペシャルゲストとしてcon TIKIのメンバーが参加し,植松氏もグランドピアノを演奏。なお植松氏はキーボードなどでの演奏を披露したことはあるが,グランドピアノはほぼないとのこと。
アンコールの2曲めは,来場者がそれぞれの楽器で演奏に参加できる「マンボ de チョコボ」。FFシリーズのドット絵などを手がけてきた渋谷員子氏がステージに上がったり,植松氏がアイリッシュ・ブズーキを演奏したりと,会場は昼公演随一の盛り上がりとなり,コンサートは幕を閉じた。
「BRA★BRA FINAL FANTASY BRASS de BRAVO 2024 with Siena Wind Orchestra」公式サイト
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