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「XboxとXbox Game Passでゲームを出したい。でもどうしたらいい?」その方法をMSが説明したIDC 2023のセッションをレポート
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印刷2023/12/23 15:00

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「XboxとXbox Game Passでゲームを出したい。でもどうしたらいい?」その方法をMSが説明したIDC 2023のセッションをレポート

日本マイクロソフト 村山 功氏
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 2023年12月17日に東京・新橋で開催されたインディーゲーム開発者向けカンファレンス「Indie Developers Conference 2023」より,「Xboxでタイトル出すにはどうしたらいいの? Game Passは?」と題されたセッションのレポートをお届けしよう。

 講演者は,日本マイクロソフトの村山 功氏。氏は,セガを経て2000年12月に日本マイクロソフトに入社し,以来20年近くXbox事業に携わり,8年前からデジタル配信セルフパブリッシングプログラム「ID@Xbox」の日本地域のマネージメントを担当している。

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自分で作ったゲームを,どうやってXboxのゲームとしてラインナップさせるか


 最初に,現状のMicrosoftストアや,Xboxのゲームをプレイする環境について説明された。
 まず村山氏は,Microsoftストアについて,「統合されたひとつのストアとなり,それが強みである」と語った。ストアではPC用のタイトルはもちろん,初代XboxからXbox Series X|Sまでの4世代のタイトルを購入でき,そこにはAAAゲームもインディーゲームも横並びで,平等に扱われていることが特徴というわけだ。

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 また現行のXbox Series X|Sが後方互換性を実現し,(一部権利関係で対象外のタイトルもあるものの)初代Xbox,Xbox 360,Xbox Oneのゲームがプレイできることも強みと話す。仮に今,Xbox One用のゲームをリリースした場合でも,それのゲームはXbox Oneのユーザー専用ではなく,現世代機のXboxSeries X|Sのユーザーにも届けられる。

ごく一般的な光回線を使用する筆者が,自宅からAzure Speed Test 2.0でAzureのデータセンター(Japan East)とのレイテンシを測定したところ,アベレージで14ms(0.014秒)という数値が出た(※2023年12月18日21:28ごろ)。この数値がそのままクラウドゲーミングの快適さの測りになる訳ではないが,低遅延でのプレイが可能かどうかの目安になるだろう
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 そして,Microsoftのクラウドサービス・Azureを使ったクラウドゲーミング(ストリーミング)への対応。現状はXbox Game Passの最上位プランであるUltimateの特典としてベータ版を利用できるという形だが,適切な環境で試したことがある人はご存知のとおり,もはや実機と比べてもあまり遜色ない,ごくわずかな遅延でのゲームプレイが可能となっている。

 Azureのデータセンターには,Xbox8台分の処理能力を持つ専用ブレードサーバーが多数設置されている。クラウドゲーミングはそのブレード上でゲームを動作させ,プレイヤーの手元のデバイスでリモート操作する仕組み。
 そのためXbox用に制作したゲームは追加作業を必要とせず,クラウドゲーミングでの展開が可能となるわけだ。

スマートデバイスやビジネス用PCでも,クラウドゲーミングを使えばXboxのゲームをプレイ可能
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 PCとXboxのストアの統合やクラウドゲーミングの登場により,Xboxにゲームを出すことは単にゲーム機に出すだけではなく,あらゆるPCやスマートデバイスへとゲームを届けられる手段に変わりつつある。
 これがさらに一般的になれば,主にスマートデバイスでゲームを遊ぶ世代や,ゲーム機が一般に流通していない国や地域にも,クラウドゲーミングによってXbox用ゲームを届けられるようになるかもしれない。これについて村山氏は「Xboxは,ゲーム機の世代やデバイスの壁を超え,ゲームを広い層に届けられる場所,遊び継がれていく場所になることを目指している」とまとめていた。

Meta Quest2やMeta Quest3も正式にサポートされている
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 さて,そんなXboxでインディー開発者がゲームを出すにはどうすればいいのか。
 答えはシンプルで,Xbox開発者向けのプログラムであるID@XBox(aka.ms/xboxid.jp)のパートナーとなり,企画の審査を通過するだけでいい。ID@XBoxへの登録をしても,必ずしもゲームをリリースする必要があるわけではなく,詳しい情報を問い合わせるために登録してもOKだそうだ。

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 ID@XBoxで受けられるメリットとして村山氏は,

  • 開発機の無償提供(2台まで)
  • 日本語,または英語でのサポートを受けながらゲームをリリースできること
  • リリース時に費用はかからない
  • ワールドワイド共通プロセス。一度の承認で全世界への配信が可能

 などを挙げていた。

 さらに,X(旧ツイッター)のXbox公式アカウントやイベントのステージなどで,作品が取り上げられる可能性もある。
 これはすべての作品に保証されるものではないが,さまざまな形で作品を世界にアピールできるチャンスがあるということ。その一例として「RPGタイム! 〜ライトの伝説〜」(販売Aniplex,開発デスクワークス)がE3 2019のXboxブリーフィングで扱われたこと,「Bright Memory: Infinite」(販売PLAYISM,開発は個人デベロッパであるFYQD Studio)が発売時に大きくフィーチャーされたことが紹介された。

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「RPGタイム! 〜ライトの伝説〜」
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「Bright Memory: Infinite」

 では,Game Passのラインナップとしてゲームを加えるにはどうすればいいのか。
 こちらはストアでの販売とは異なり,Microsoft側で選んだものが提供される形になっているが,審査へのエントリー自体はいつでも可能とのこと。そこにも,ID@XBoxパートナー用のフォームも用意されているそうだ。
 日本のインディーゲームだと,PLAYISM販売,Gibier Games開発の「ごく普通の鹿のゲーム DEEEER Simulator」,ポケットペア販売・開発の「Craftopia / クラフトピア」などがラインナップされたことがある。

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「ごく普通の鹿のゲーム DEEEER Simulator」
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「Craftopia / クラフトピア」
※2023年12月時点では両タイトルともGame Passのラインナップからは外れており,現在はストアでの販売のみ

 Game Passのラインナップに加わるメリットとして村山氏は,
 
  • ディスカバリー……ゲームをみつけてもらうこと
  • プロモーション……より知ってもらうこと
  • パフォーマンス……ゲームをまず遊んでもらうこと

 の3つを挙げていた。斬新な作品を世界中に届け,開発者として名を知らしめたいと考えている人にとって,かなり魅力的な話ではないだろうか。
 セッション終了後の質疑応答では,複数の開発者から契約やビジネス周りに関する質問が寄せられ,興味の高まりが感じられた。Game Passの分配率などビジネスに関するより詳しい話はNDA(秘密保持契約)を締結してからになるとのことだったが,その後は個別のミーティングなどにも積極的に応じているそうだ。

写真はGDC 2023で開催されたID@Xboxのショーケースイベント
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