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MicrosoftによるActivision Blizzardの買収完了が秒読み段階に。FTCの申請が却下され,一時的接近禁止命令も解除。残りはイギリスCMAとの対話次第
2022年1月にMicrosoftがActivision Blizzard買収を発表して以降,この687億ドル(約9兆5300億円)という巨額買収についてはゲーム業界内外の大きな注目を集めてきた。同時に,プラットフォームホルダーとして数々の革新的な技術を持つMicrosoftと,欧米パブリッシャの最大手であるActivision Blizzardの統合は,果たして独占禁止法に接触するのかどうかが,各国の規制当局によって審議されてきた。
アメリカ太平洋時間7月11日,カリフォルニア州北部地区連邦地裁が,FTCが訴えていた仮差し止め請求を棄却したことはお伝えしたとおりだ(関連記事)。これを不服としてFTCは控訴の構えを見せたが,上級審である第9巡回区控訴裁判所は7月14日,FTCの請求を却下し(外部リンク。pdfファイルが開きます),同日,一時的接近禁止命令も失効したため,FTCにはこれ以上,両社の動きを止める手段はないと思われる。
日本を含めた各国の規制当局は買収を容認しており,買収完了へ残るハードルは,イギリスの競争・市場庁(CMA/ Competition and Markets Authority)が提起した,クラウドゲームの競争を損ねるという懸念を,買収期限である7月18日23:59までにクリアできるかにかかってきた。The FTC's request for injunctive relief has been denied. Microsoft are now able to close the Activision Blizzard King acquisition after 11:59PM PT today. As long as the UK resolve their case. pic.twitter.com/xV8DqCEaXR
— Xbox News (@_XboxNews) July 14, 2023
期限までにまとまらなければ,Microsoftは違約金を支払う必要があるが,お伝えしたようにCMAは,イギリスメディアのgamesindustry.bizに,「我々は,最終報告書に記載した懸念に対処するというMicrosoftの提案を,再検討する用意があります」というコメントを寄せており,Microsoftとの間ですでに対話を始めている様子が窺える。
速いペースでさまざまな情報が飛び交っているが,Xbox Game Studiosが新たに「世界第3位のパブリッシャ」として誕生するかどうか,ゲーム業界関係者や多くの消費者が注目している。
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