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[TGS 2021]影澤潤一氏による「NTTe-Sports スペシャルプログラム」をレポート。社会人eスポーツを推進する意義とは
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印刷2021/10/01 23:13

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[TGS 2021]影澤潤一氏による「NTTe-Sports スペシャルプログラム」をレポート。社会人eスポーツを推進する意義とは

 東京ゲームショウ2021 オンラインの番組として,「NTTe-Sports スペシャルプログラム」が,10月1日に配信された。

 「社会人eスポーツ文化の醸成により,ゲームと共生できる社会をつくること」をビジョンとする,リーグ「B2eLEAGUE」を年内に発足させる予定のNTTe-Sports。番組では,同社の代表取締役副社長である影澤潤一氏によって,その取り組みや狙いが改めて語られた。

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NTTe-Sports代表取締役副社長:影澤潤一氏

 番組の冒頭で影澤氏は,「今日は弊社の話や,B2eLEAGUEについていろいろお伝えするつもりだが,あくまでゲームショウの配信なので,セミナーや公演のような硬い空気ではなく,ひとりのゲーム好きとして思うことも交えて楽しくお伝えしたい」と挨拶する。

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 なお影澤氏は,“かげっち”の愛称でも知られ,プライベートでは格闘ゲームの選手や,大会の運営や解説として活動を続けてきた人物である。
 今回の配信でMCを務めた,eスポーツキャスターの郡 正夫氏とは関係も古く,まだ「闘劇」(2003年から2012年にかけて開催された格闘ゲームの大会)が始まって間もない2004年ごろからの付き合いとのこと。

 2020年1月に設立されたNTTe-Sportsだが,「NTTの技術とアセットを活用し,eスポーツの力で街や地域の活性化を手伝う」組織であることを,改めて説明された。同社が,秋葉原UDX内でオープンした,イベント施設「eXeField Akiba」も,そのためのノウハウを蓄積する目的で運営しているそうだ。

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コーナータイトルの右に描かれているのは,NTTe-Sportsのコーポレートキャラクター。名前はあるが未発表とのこと

 つづいて,NTTe-Sportsが取り組む「社会人eスポーツ文化の醸成」の一例として,今年3月と6月にオンラインで開催された,社会人eスポーツ大会「eXeCUP」の優勝者同士による「ぷよぷよeスポーツ」のエキシビションマッチが行われた。

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解説はNTT東日本のeスポーツチーム・TERA HORNsの柴田氏が担当

 eXeCUP第1回大会の優勝者である「むー選手」は,高校3年生の頃から10年ほど「ぷよぷよ」をプレイしているという。なお,ふだんは地質調査の仕事をしているそうだ。

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むー選手が制した第1回大会決勝

 第2回大会の優勝者である「睦(とも)選手」は,金融機関に務める傍ら「ぷよぷよ」を遊びはじめ,わずか5年ほどの対戦歴で,大会に優勝するほどの実力者となった人物である。

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第2回大会決勝は激しい乱打戦となった

 奇しくも,お堅い仕事に就く「ぷよぷよ」プレイヤー同士によるエキシビションマッチは,「ぷよぷよ通」ルールで2戦うものであった。

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むー選手はシエル,睦選手はりんごを選択

 第1戦の1本目は,お互いに定石的な組み方からスタートするが,睦選手が早い段階から仕掛けてチャンスを作り,そのまま押し切って,むー選手を瞬殺する。
 続く2本目は,互いに仕掛ける機を窺う展開となったが,一瞬のスキを見逃さなかった睦選手が連取し,第1戦の勝者となった。

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 第2戦の1本目は,陸選手が変化型で組みはじめたものの,「ズレ」てしまった。この痛恨のミスが響き,競り合いを制したむー選手が先制した。

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 2本目もまた,先に攻めに転じたのは睦選手であった。しかし,むー選手がしっかりと対応し,逆に睦選手がピンチに。陸選手は少ないスペースで連鎖を組んで耐えようとするものの,むー選手にスキはなかった

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 互いに1戦ずつ勝利を分け合ったエキシビションマッチが終わると,影澤氏は,今年発足予定の「B2eLEAGUE」の理念について語りはじめた。
 話を要約すると,「社会人eスポーツ競技者にとって,甲子園や天皇杯などに匹敵する大会を作り上げること」が1つの目標であり,「eスポーツをいつか卒業するものではなく,一生楽しめる競技にしたい」のだという。

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「ゲーム先進国日本を,eスポーツ後進国にしてはならない」という強いメッセージを掲げる「B2eLEAGUE」

 また,「リーグといっても,(プロ野球やJリーグのような)チームによる長期戦を行うわけではなく,いろいろな大会をやっていく団体という意味になる。」と述べた後,「おそらくオンライン戦が中心になるので,地域にとらわれないコミュニティが生まれれば素晴らしい」と,話を締めくくった。

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 配信の最後には,「社会人とeスポーツ」というテーマで,実際に企業内でeスポーツに取り組む人々によるクロストークが行われた。

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「eスポーツをやっていると(趣味の)ゲームを遊ぶ余裕がなくなる」,「家に帰ったら30分でもいいのでプレイする。昨日できたことがすぐできなくなるので……」,「スマホのタイトルなら家族の団らんの合間に練習ができるが,展開が悪く,つい舌打ちした瞬間に(家族に)咎められる」,「プロが競う場に参戦するのは難しいが,似たようなバックグラウンドの人同士で戦える環境がほしい」……などなど,クロストークではeスポーツに取り組む人だけではなく,すべてのゲーム好きの社会人がうなずくであろう発言が飛び交った。

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 eスポーツ,いやeスポーツに限らずとも,ゲームとは時が来れば卒業しなくてはいけない趣味なのだろうか。あるいは,続けようとするなら,そのほかの社会的な営みは諦めなければいけないものなのか。

 そうではない世の中を作るためにも,NTTe-Sportsは,eスポーツによる地域の活性化とともに,「社会人eスポーツ文化の醸成」を目指した取り組みを続けていく──。
 そんなメッセージが伝わってきた配信であった。


「B2eLEAGUE」公式サイト

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