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印刷2020/06/08 12:07

イベント

国内外のタイトルが紹介された「INDIE Live Expo 2020」視聴レポート。ZUN氏とToby Fox氏が語るインディーズゲームのあり方とは

 INDIE Live Expo実行委員会は2020年6月6日,国境を超えたさまざまなインディーズゲームの情報を紹介する情報発信番組,「INDIE Live Expo 2020」の第1回を配信した。

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「INDIE Live Expo 2020」公式サイト


 番組の中で発表された新作情報については6月6日に掲載した記事にまとめたので,新情報を確認したい人は,まずそちらをチェックしてほしい。本稿では番組の中で展開されたトークを中心にお伝えしていく。


 ちなみに,INDIE Live Expo 2020は応募されたすべてのゲームを紹介するという方針をとっているため,登場したタイトルはゆうに100本を超えている。というわけで,本稿の最後に番組で紹介されたタイトルのリストを用意した。気になる作品を探す助けとして,活用してほしい。

 INDIE Live Expo 2020は日本語,英語,中国語の3か国語で配信が行われており,それぞれ出演者などが異なっている。日本語放送はYouTube LiveやTwitchなどで行われ,司会は吉田尚記氏,解説はPLAYISMの水谷俊次氏,ゲストにわいわい氏を招いて配信された。

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司会を務めたニッポン放送のアナウンサー 吉田尚記氏。ディープなオタクとして知られる吉田氏だが,ゲーム文化には,コモドール64のペーパープログラム時代から触れていたという
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アクティブゲーミングメディアのインディーズパブリッシングレーベル,「PLAYISM」の運営を行う水谷俊次氏は,解説役として出演

ゲストとして出演した,ゲーム実況者のわいわい氏。今回紹介されたタイトルの中でも多くの作品に触れており,プレイヤー代表としての意見を提供してくれた
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 最初に行われたのは,ドラマーのダイナ四氏によるゲーム音楽ライブ「INDIE Live(mini)」だった。演奏は2回のパートに分けて行われ,「UNDERTALE」「東方Project」シリーズの楽曲を華麗なドラムさばきで披露してくれた。

 配信のオープニングを飾ったライブでは,UNDERTALEから「本物のヒーローとの戦い(Battle Against a True Hero)」「MEGALOVANIA」と,東方紅魔郷の「亡き王女の為のセプテット」「U.N.オーエンは彼女なのか?」の4曲を演奏。多くのプレイヤーにとって思い出深い激しいボス戦の楽曲で,視聴者を盛り上げた。

「MEGALOVANIA」の演奏では原作の効果音を取り込んだアレンジが加えられるなど,短い時間ながら極めて密度の高いライブとなった
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 中盤に行われた2度目の演奏では,東方妖々夢の「幽雅に咲かせ、墨染の桜」,東方地霊殿の「ハルトマンの妖怪少女」に続き,UNDERTALEの「華麗なる死闘(Death by Glamour)」などの人気楽曲を次々に演奏。最後には「夢と希望(Hopes and Dreams)」を披露して,ミニライブを締めくくった。



インディーズゲームの最新情報をまとめて紹介
「INDIE Live Premiere」コーナー


 オープニングの楽曲演奏に続いて,インディーズゲームに関する新情報を公開するコーナー「INDIE Live Premiere」がスタート。ここでの発表内容はすでに掲載した記事で紹介しているので,合わせて参考にしてほしい。まずは,配信内で行われた発表情報を簡単にまとめておこう。

ポーランドの11 bit Studiosの新作タイトル,「Children of Morta」のコンシューマ向け日本語版のリリースが発表された。パブリッシャはDMM GAMESで,発売時期は今冬。ジャンルはオーバービュー形式の2DアクションRPGで,ハック&スラッシュの要素も含まれるという
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タイのGameCrafterTeamが手掛けるロボットアクション「Project Nimbus」の続編にあたるタイトル。「Nimbus INFINITY」の最新映像が公開された
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中国の子育てをテーマにした,Moyuwan Gamesによるインディーズゲーム「Chinese Parents」の日本語版が,PCとNintendo Switch向けにリリースされると発表された。遠慮しつつ上手にお年玉を受け取るミニゲームや,隣人とのトラブルを口喧嘩で解消する「メンツバトル」など,中国の“あるあるネタ”が多数登場するという
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現在アーリーアクセスが行われている「ロードス島戦記 −ディードリット・イン・ワンダーラビリンス−」では,ステージ2を追加するアップデートが6月下旬に実施されることが明らかにされた。YouTubeのKADOKAWAanimeチャンネルでは,アクションが確認できるPVも公開されている
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GameTomoのパブリッシングによるPC/Switch向け新作タイトル「Sumire すみれの空」が発表され,アナウンストレイラーが公開された。人見知りな少女「すみれ」となって,限られた時間の中で精霊の願いを叶えるために,さまざまな人と出会っていくアドベンチャーゲームだ
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「神巫女 -カミコ-」などで知られるSkipmoreによる新作タイトル「ピコンティア」の最新映像が公開された。映像では,作物や動物を育てて収穫するシーンや,ドローンを駆使して牛を捕まえたり,モンスターと戦う様子が確認できる
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現在Steamでアーリーアクセスが行われている2Dアクション「幻想郷萃夜祭」のステージ2アップデートが近日中に実施されることが発表された。デベロッパの機材トラブルで開発が遅れていたが,現在は復旧したとのこと
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さまざまな要素を詰め込んだオープンワールドのサバイバルクラフトアクション「クラフトピア」は,7月からアーリーアクセスが開始される
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 発表では,開発地域が言われるたびに吉田氏が「いきなりポーランドからですね」(11 bit Studios)や「タイの開発会社ですか」(GameCrafterTeam)と,驚いてみせたのが印象的だった。
 発表されたタイトルの多くが日本以外で開発されていることや,それぞれが独自のアートスタイルを採用していることなどを考えると,現在のインディーズゲームがきわめて多様性に富んでいることが分かる。

少人数で開発したインディーズゲームでありながらハイクオリティな3Dグラフィックスを特徴とする「Nimbus INFINITY」や「クラフトピア」を見た吉田氏は「新海誠監督がアニメ映画を1人で作ってしまったような出来事が,ゲームの世界で起こっているんですね」と,アニメ好きらしい分析を行っていた
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 また,番組の後半にはゲームエンジン「Unity」を使用したゲームと開発スタジオを紹介するコーナー「Made With Unity」や,2Dアクションゲームの老舗であるインティ・クリエイツによる新作ゲーム紹介コーナーも行われ,そちらでも新情報が発表された。

 Made With Unityでは,正確にはインディーズではないものの“インディーズゲームの魂”を持ったクリエイターとして,グッド・フィールの塚脇忠典氏と,ジェムドロップの北尾雄一郎氏が出演。現在開発中のタイトルを紹介するとともに,Unityが10人前後の少人数開発に適していることをアピールした。

「ヨッシークラフトワールド」などを開発したグッド・フィールから塚脇忠典氏が出演。同社としては初のオリジナルタイトルとなる“世紀末猿蟹合戦”こと「MONKEY BARRELS」を紹介してくれた
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いろいろなゲームの影で暗躍している”という紹介と共に登場した,ジェムドロップの北尾雄一郎氏。VR技術を活かしたゲームを多く手掛ける同社だが,現在は新作2D剣戟アクション「COGEN:大鳥こはくと刻の剣」を制作中とのこと
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番組の後半では,アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」シリーズをテーマに,Unityを使用して制作されたミニゲームを募集する「エヴァゲーム大喜利」の開催が発表された。大賞作品はエヴァ公式アプリ「EVA-EXTRA」内で公開されるなどの特典も用意されているので,興味がある人は参加してみよう
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インティ・クリエイツの新作紹介コーナーには,代表取締役社長の會津卓也氏がビデオメッセージ形式で登場。その中で「蒼き雷霆ガンヴォルト 爪」のSteam版が,6月22日にリリースされると発表された
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国内/国外,デジタル/アナログを問わず
広がり続けるインディーズゲームの世界を紹介


 4時間にわたる番組の中では,インディーズゲームの世界で活躍しているクリエイターや企業を紹介するコーナーも多数用意されていた。ここからは,各コーナーで行われたトークの一部を紹介していこう。


世界にはばたけ!同人ゲーム
 これは,ダウンロード販売サイト「DLsite」を運営するエイシスによる,同人ゲームの紹介コーナーだ。

 DLsiteとといえば同人誌や漫画に関連するオトナなコンテンツで認知している人も少なくないと思うが,実際には1996年にオープンしてから現在に至るまで多種多様なコンテンツの配信を行っており,全年齢向けのゲームも多数取り扱っている。登録作品数は実に59万にのぼり,うち同人ゲームは2万1000タイトルに達するという。

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 最近では海外からのアクセスも増えているようで,英語,中国語,韓国語でのサイト閲覧や,海外作品の受け入れに対応したほか,国産同人ゲームのローカライズを含む海外展開の手助けも行っているという。

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コーナーの中では,英語ローカライズが行われた同人ゲーム「マッドプリンセス -華麗なる闘士たち-」「LastIsland」「天壌のテンペスト」の訳者コメントも公開された
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●日本インディーズの中心地!? ゲームマーケットを知っていますか?
 国内におけるボードゲームは,デジタル以上にインディーズが活発な分野と言える。そんな国産インディーズボードゲームのメッカとも言える場所が,国内最大のボードゲームイベントであるゲームマーケットだ。

コーナーの解説を担当したのは,ゲームジャーナリストの徳岡正肇氏
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 2020年に開催予定だったゲームマーケットは新型コロナウイルスの影響によって残念ながら中止となったが,6月27日と28日にはオンラインイベント「ゲームマーケット ライブ」の開催が予定されている。
 ゲームマーケット ライブは,国産ボードゲームクリエイターの作品発表の場として用意されたイベントで,主催のアークライトが特設サイトを開設し,出展者はサイト上に仮想ブースを作成してゲームを販売することになるという。

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 アークライトは本日,マクアケ,講談社,Kickstarter PBCと連携し,日本最大級のボードゲームイベント「ゲームマーケット」のオンライン版「ゲームマーケット ライブ」を,2020年6月27日28日に開催すると発表した。特設サイトに用意される参加出展者のページで,ファンとやりとりできる仕組みのようだ。

[2020/05/21 12:50]

 番組では,ゲームマーケット ライブで公開が予定されている人気ボードゲームクリエイター3名の座談会映像の一部が公開された。座談会に参加したのは「ラブレター」などで知られるカナイセイジ氏と,「タイムボム」を手掛けた佐藤雄介氏で,司会は健部伸明氏が担当した。

画像集#028のサムネイル/国内外のタイトルが紹介された「INDIE Live Expo 2020」視聴レポート。ZUN氏とToby Fox氏が語るインディーズゲームのあり方とは 画像集#030のサムネイル/国内外のタイトルが紹介された「INDIE Live Expo 2020」視聴レポート。ZUN氏とToby Fox氏が語るインディーズゲームのあり方とは
画像集#031のサムネイル/国内外のタイトルが紹介された「INDIE Live Expo 2020」視聴レポート。ZUN氏とToby Fox氏が語るインディーズゲームのあり方とは 画像集#029のサムネイル/国内外のタイトルが紹介された「INDIE Live Expo 2020」視聴レポート。ZUN氏とToby Fox氏が語るインディーズゲームのあり方とは

 座談会の中では,カナイセイジ氏の「文絵のために」や,佐藤雄介氏の代表作「タイムボム」の続編の構想が少しだけ語られるなど,両作品のファンにとっては気になる情報も飛び出した。番組内で公開された座談会のフルバージョンはゲームマーケット ライブで確認しよう。

画像集#032のサムネイル/国内外のタイトルが紹介された「INDIE Live Expo 2020」視聴レポート。ZUN氏とToby Fox氏が語るインディーズゲームのあり方とは
ゲームマーケットを主催するアークライトは,コーナーの最後に最新作「ドラゴンギアス」の紹介映像を公開した。迫力あるフィギュアを特徴とする,同時プロット型の戦略ゲームだ
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●世界のインディスタジオ
 続いて行われたのは,先のコーナーで解説役を務めた徳岡正筆氏が,他国のインディゲーム市場を紹介する「世界のインディスタジオ」コーナーだ。

 テーマとして選ばれた国はポーランド。ポーランドには,オープンワールドアクション「ウィッチャー」シリーズのCD Projektや,戦時下の民間人のサバイバルを描いた「This War of Mine」などで知られる11 bit studios,SNSで大きな話題を呼んだ無料パズルゲーム「Helltaker(ヘルテイカー)」を手掛けた個人開発者Łukasz Piskorz氏など,大小さまざまな有力デベロッパが揃っている。

番組内で紹介されたタイトルを見て,知らないうちにポーランド産のゲームをたくさん遊んでいたことに気付いた,という読者も少なくないだろう
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東ヨーロッパ最大級のゲームショウ「Poznań Game Arena」もポーランドで開催される。こちらは非常に大きなイベントで,ゲーム音楽のコンサートや技術カンファレンスも併催されている(2019年に行われたPoznań Game Arenaのレポート記事
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 コーナーの中で特にフィーチャーされたのは,インディーズデベロッパの11 bit studiosと,その代表作である「This War of Mine」だ。徳岡氏によると,This War of Mineはポーランドでのゲームメディアの立ち位置に大きな影響を与えた作品だという。

 本作は戦争で封鎖された街の市民として,停戦まで生き延びるサバイバルシムだが,モチーフはボスニア・ヘルツェゴビナ紛争とされていた。徳岡氏は技術カンファレンスで,11 bit studiosに「なぜ(自国の歴史である)ワルシャワ蜂起をテーマに採用しなかったのか」と質問したところ,11 bit studiosからは「(やりたくても)できなかった」という答えが返ってきたそうだ。

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 というのは,当時ポーランドでのゲームというメディアの地位は低く,自国のデリケートな問題を扱えなかったそうだ。しかし,This War of Mineの成功によって「ゲームはポーランド文化を世界に伝えられるメディアである」と社会の認識が変化した。徳岡氏はこれについて「(This War of Mineは)インディーズゲームがここまでやれるという興味深い事例であり,同時にインディーズゲームのすごさを伝え続けなければいけない理由の1つでもある」と語った。

11 bit studiosのほか,「LAYERS OF FEAR」「OBSERVER SYSTEM REDUX」のBloober Team や,いわゆるバカゲーで有名なSos Sosowski氏など,ポーランドのデベロッパやクリエイターが紹介された
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11 bit studiosの「Frostpunk」のリードアーティストにして,プロジェクトリーダーのウーカシュ・ユシュチク氏からのビデオメッセージも公開。牛の鳴き声が響く牧歌的な空気の中,世界のゲームファンに感謝の言葉を送ってくれた
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日本を代表するインディーズクリエイターZUN氏と
「UNDERTALE」のToby Fox氏が対談


 各コーナーの合間には,ソニー・インタラクティブエンタテインメントのインディーズ イニシアチブ代表である吉田修平氏や,「風ノ旅ビト」「Sky」で知られるthatgamecompanyのジェノヴァ・チェン氏など,インディーズゲームと深い関わりを持つ業界関係者やクリエイターからのメッセージも公開された。

SIEのインディーズ イニシアチブ代表,吉田修平氏
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thatgamecompanyのジェノヴァ・チェン氏
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大阪在住のゲームクリエイター,SWERY氏。一緒に登場しているぬいぐるみはシャラポワちゃん
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TYPE-MOON studio BBの新納一哉氏からは,インディーズゲームに関する思い出を語るメッセージが送られた

 そうしたメッセージコーナーの中で,特に大きな注目を浴びたのが,「東方Project」シリーズの生みの親として知られるクリエイターのZUN氏が出演し,同じく人気インディーズゲーム「UNDERTALE」を生み出したToby Fox氏(の代理のイヌ)によるビデオレターを視聴するというコーナーだ。

ZUN氏は登場時に「人があんまり知らないようなゲームが好きなんです」と前置きしつつ,この番組については「知らないゲームばかりで目まいがしました」とコメントしていた
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 なお,Toby Fox氏がインディーズゲームについて語るビデオレターは,単独でINDIE Live ExpoのYouTube公式チャンネルに公開されている。映像の中では,コロナ禍の中でのクリエイターやゲームのあり方について語られているので,ぜひ視聴してほしい。


ビデオメッセージを公開したあとToby Fox氏(の代理のイヌ)はZUN氏に向けて,「ところでZUNさん,新作はいつ出るの?」と聞き,ZUN氏は「それは僕がTobyさんに言いたいことだよ」と返しつつ「僕の新作はそんな待たなくても出ますよ」と補足していた。両氏のファンは,期待しておこう
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 Toby Fox氏のビデオメッセージを受けたZUN氏は「今日の放送を見て,すごく(ゲームを)作りたくなった。他人のゲームを見ると作りたくなるんだ。嫉妬だよ嫉妬」と,おそらく自分で持ち込んだと思われる飲み物をあおりながら話した。

 また,吉田氏から「インディーズゲームの醍醐味とは?」という問いを受けたZUN氏は「乱暴な言い方ですけど。(商用の)ゲームは本来,遊ぶ人のためにあるのかもしれないし,売る人のためにあるのかもしれないし,稼ぐ人のためにあるのかもしれない。けど,インディーズゲームは作る人のためにあるんです」と切り返す。続けて「面白くなくたっていいんだよ。作るだけで幸せになれるっていうのが,インディーズゲームにはある」と語った。

 番組の最後には,INDIE Live Expoが主催するゲームアワード「INDIE Live Expo Awards」の開催と,本番組の第2回が11月7日に配信される予定であることが発表された。

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 INDIE Live Expo Awardsはタイトルどおりインディーズゲームに贈られる賞で,実行委員会のメッセージによれば,「インディーゲームが受け継いできた,その魂に相応しい作品に贈る賞」とのこと。また受賞作の選出基準については「分断を乗り越える友情をもたらせるゲーム」「独立不羈(外部の意思に惑わされず,自分で考える)の魂を宿したゲーム」としている。

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 アワードには「ローカル文化賞」「さわりごこち賞」「テーマ・オブ・ザ・イヤー賞」「キャラクター賞」「インターネットを通じたゲーム体験賞」「ルールズ・オブ・プレイ賞」の6部門が用意され,プレイヤーの投票によって受賞作が決定されるという。

 すでに公式サイトではノミネート作品の投票が開始されており,各賞に1日1回まで投票することができる。ノミネート投票対象タイトルは2019年10月1日から2020年9月30日までにリリースされた作品で,投票は10月9日に開始される予定だ。

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 以上の発表をもって番組は終了となった。最後に,番組内のコーナー「INDIE Picks」と「INDIE Waves」で紹介されたタイトルを以下にまとめておいた(コーナー内の紹介順)。番組のアーカイブなどを視聴して,気になるゲームのタイトルや対応機種を忘れてしまった人は,以下のリストを使ってチェックしてほしい。

●「INDIE Picks」
INDIE Picks
Switch LA-MULANA 1&2
PS Vita/Switch グノーシア
Switch アンリアルライフ
Switch 片道勇者プラス
PC Kenshi
PC/PS4/XboxOne Frostpunk(フロストパンク)
PC Library Of Ruina
Switch 箱庭えくすぷろーらもあ
PC/PS4/Switch/XboxOne Heven
PC/PS4/Switch/ EVERYTHING

●「INDIE Waves」
INDIE Waves - Wave1
PC DreadOut 2
PC Super Ledgehop: Double Laser
PC/iOS/Android WannaSurvive:ゾンビ攻略
Switch ダンボールミニカーズ
PC Industries of Titan
PC Floppy Knights
PC Spaceship Commander
PC VR包帯少女
PC/Android ガイコツがせめてきたのでしろを守りたいと思います
PS4/Switch 東方の迷宮 幻想郷と天貫の大樹
iOS 拝啓、看守はじめました。
PC/iOS/Android Pirates Outlaws
PC マインダンジョン2 〜ルルムの冒険〜
iOS/Android テンピーポーテンカラー
PC ぶんまわしヒーロー
PC/Switch/iOS/Android ハック(Haak)
ARCADE インフィノスEXA
iOS/Android 触手を売る店
PC Nosferatu Lilinor
PC/Switch/ARCADE ローリングガンナー
PS4/Vita/Switch/3DS メゾン・ド・魔王
BROWSER(unityroom) REC
iOS/Android Swap Motion
PC/Switch/iOS/Android 逆コーラップス:パン屋作戦
PC 星樹の機神 ユニティユニオンズ
PC Filament
PC/PS4/Switch 仙郷物語
PC ギャリソン:アークエンジェル
PC わたしと(わたしの)ねこのしろX
iOS/Android タシテケス なぞってたしてけすパズル
PC/Mac 世界滅亡共有幻想マミヤ
PC GOHOME
PC オーディオ・パーティーパック
PC Remain On Earth
PC PLAY DOG PLAY TAG
PC もんすたぁさぷらいずど幽鬼ちゃん
PC/PS4/Switch/XboxOne Foregone
PC/ANALOG LIVEミステリー 〜史上最悪の舞台裏〜

INDIE Waves - Wave2
PC/PS4/Switch 斬妖Raksasi
PC Skul: The Hero Slayer
PC ステージハンズ!
PC 梅雨の日
Switch Liberated
PC/PS4/Switch/XboxOne ハイパーパラサイト
PC/Switch いたずら大作戦
PC Peglin
PC/PS4/Switch ジラフとアンニカ
PC 異界
PC リズムファイター
PS4/Switch/XboxOne レジ―
PC GoneViral
PC/Mac Mezmeratu
Switch 紙謎 未来からの想いで
PC/PS4/Switch/XboxOne Danger Scavenger
PC Garden Story
PC/XboxOne その小さな宇宙船
PC/XboxOne/iOS/Android RPGタイム!〜ライトの伝説〜
PC/PS4/Switch/XboxOne DRILL MAN RUMBLE
PC ∀kashicverse -Malicious Wake-
Switch トランシルビィ
Switch ワーキング ゾンビーズ
PC AccidentHouse
iOS/Android マッチョGoGoGo Versus
iOS/Android クイズどうぶつ図鑑
iOS/Android モグルモア
Switch ALTER EGO S
PC/PS4/Switch/XboxOne GleamLight(グリムライト)
PC/Switch/XboxOne ダンジョン捧ぐ墓標
PC/iOS/Android マイエクササイズ
PC ブラックアウト
Switch Air Missions:HIND
PC まじっくすと〜り〜2
Switch タイニーメタル 虚構の帝国
iOS/Android Smash Breaker-物理演算破壊シューティング-
PC/iOS/Android ロケットパズル
PC/PS4/Switch 戦塵のアシルド〜War of Ashird〜
PC/Switch/iOS/Android Juicy Realm
PC CYBORG -PROTOTYPE-
PC AbsentedAge:アブセンテッドエイジ
PC Cloudpunk
PC 地図の時間 〜言葉集めの冒険譚〜
PC/PS4/Switch Pinstripe
PC/Android Super Glitter Rush
PC/Switch eSports レジェンド

INDIE Waves - Wave3
PC/Mac Recolit
PC 〜お掃除ロボット対戦〜 ゴミバトラズ
PC 朝はどこ(wanderdawn)
iOS/Android 薔薇と椿 〜伝説の薔薇と嫁〜
PC スペースマウス2
PC インパルスここから
PC 獄門ペンギン
PC 春と修羅
PC/PS5/iOS/Android 南極計画
PC/Switch Infected Maze / 感染メイズ
iOS/Android Slice Logic
PC 防衛の村長
PC/iOS/Android 終わる世界とキミとぼく
PC ダンジョンクラッシャー きりたん
PC/PS4/Switch/XboxOne Tunche
PC/PS4/Switch 「Neversong」ネバーソング
PC Causa,Voices of the Dusk
PC/Switch Keen One Girl Army
PC/Switch SuchArt!
PC アウトプットパスチャー
PC/PS4/Switch/XboxOne コーヒートーク
PC Gamedec
PC Virgo Versus The Zodiac
PC 棄海:プランティーズアドベンチャー
PC/Mac/Linux Bludgeon
PC/Switch Derpy Conga
PC/PS4/Switch/XboxOne/Stadhia Lost Words:Beyond the Page
PC フォッジ アンド ファイト!
PC/Mac/Linux/PS4/Switch/XboxOne Project Starship X
PC Project:One Bullet
PC/Xbox SeriesX Bright Memory:Infinite
PC My Lovely Wife
PC When the Past was Around
PC Inked
PC Rising Hell
PC/Mac Signs of the Sojourner
PC/PS4/PS Vita/Switch クアンタム・スーサイド
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画像集#058のサムネイル/国内外のタイトルが紹介された「INDIE Live Expo 2020」視聴レポート。ZUN氏とToby Fox氏が語るインディーズゲームのあり方とは

「INDIE Live Expo2020」公式サイト

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