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ChinaJoyとはどんなゲームショウなのか? 数字から見るその特性
過去の取材記事一覧は以下のリンクで一覧できるので,気になる人は参考にしていただければ幸いだ。
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すでに「中国最大」と紹介しているわけだが,人口が多い中国かつ上海という都市で開催されることもあり,その規模もかなり大きい。
まず会場は広い。
15棟からなる展示会場の総面積は17万平方メートルに達し,幕張メッセの2.4倍の展示面積であり,東京ドーム3.6個分,甲子園球場4.4個分,ナゴヤドーム3.5個分,Zoom-Zoomスタジアムだと4.76個分の広さを持つ。以前挙げたGoogle Mapでの幕張メッセとの比較画像を紹介しておこう。
2017年のデータでは,30か国から900以上の出展があり,そのうち参加企業の約半数が中国本土の会社で1割程度が台湾,香港の企業,そして残り4割が海外からの出展だ。海外からの出展もかなり多いことが分かる。
昨年度の来場者数は4日間で34万2700人となる。東京ゲームショウ2017が4日間で25万4311人なので,1.3倍ほどの規模となっている。ただ,前述のとおり会場は2.4倍の広さなので東京ゲームショウ一般日ほどの混雑ではない。
ちなみに,日本の大きなイベントだと東京モーターショーは10日間で77万1200人,コミックマーケットは3日間で55万人だ。世界最大のゲームショウではあるが一般参加が限定的なE3は近年最高の人出となったがそれでも7万人規模である(参考URL)。一方でE3での出展製品数が3250本であり,ChinaJoy 2017では4000本と出展規模ではE3をも上回るものとなっている。
参加者の男女比は71.77:28.23で当然ながら男性が多いものの,たとえば東京ゲームショウの81.6:18.4と比べると女性客も多い。
(参考)東京ゲームショウ2017来場者報告書
来場者の年齢層別比率では23〜30歳の層が最も多く,次いで41〜56歳の層となっている。このあたりは東京ゲームショウの傾向と比べてもほとんど差はない。一方で,関心の度合いを示すTGI(Target Group Index)では18〜22歳の層が278と最も高く,右肩下がりの線を描いている。若い層へのアピールが強いイベントであり,18〜55歳までの年代で平均値(100)を上回っており幅広い注目を集めていることが分かる。
B2BブースはB2Cと比べると一転して落ち着いた雰囲気なのだが,お祭り騒ぎの影でゲーム開発会社間での商談は熱心に行われているようだ。こういった水面下での動きが活発なことからも,中国ゲーム産業の将来性がうかがえる。
大きな市場,圧倒的な規模の開発力,そしてゲーム産業への積極的な投資や市場開放への流れがかみ合って中国ゲーム業界はまだまだ伸展を続けている。その最先端を探るうえで,ChinaJoyは最高の機会といえるだろう。
ChinaJoy2018公式サイト(英文)
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