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[GDC 2013]もうすぐ開催。世界最大のゲーム開発者会議「Game Developers Conference 2013」,今年の見どころをピックアップ
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印刷2013/03/18 14:01

イベント

[GDC 2013]もうすぐ開催。世界最大のゲーム開発者会議「Game Developers Conference 2013」,今年の見どころをピックアップ

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 アメリカ時間の2013年3月25日にスタートするので,よく考えてみると残り1週間となったイベント,Game Developers Conference 2013(以下,GDC 2013)がサンフランシスコのモスコーニセンターで開催される。世界中のゲーム開発者が集まるGDCでは,例えば進行中のプロジェクトの紹介とか,あの名作/傑作はどのようにして生まれたのかとか,この最新技術はこうやって使うといいんじゃないのとかいった,一から十までゲームに関する400以上のレクチャー,パネルディスカッション,そしてチュートリアルが開催される予定になっている。
 昨年のGDC 2012には,約2万2000人が集まっており,これは新記録(2011年比で,17%アップ)とのことだが,今年はそれ以上の来場者が見込まれているようだ。
 また,世界中から多数のメディアも集まるとあって,イベントの前後にはプライベートカンファレンスを開催するメーカーも少なくないので,ゲーム開発だけでなく新作情報発信の場にもなっている。

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「Game Developers Conference 2013」公式サイト


 ここ数年はソーシャルゲームを中心としたマネタイズの話題が多く,ゲームの「開発」という視点からはやや物足りない部分もあったが(業界のトレンドを反映するGDCとしては,当然の話ではある),今年はちょっと異なりそうだ。とくに,PlayStation 4の発表によって次世代ゲームが具体性を帯びており,新技術や新しいサービス,ハードウェアなどに対する,さまざまな発表が行われる可能性が高い。
 というわけで,開催直前記念(?)として,GDC 2013の見どころを簡単にピックアップしてみよう。

PlayStation 4についてのレクチャーがさっそく開催


Overview of PS4 for Developers

現地時間の2013年2月20日にニューヨークで,PlayStation 4の発表会が行われた(関連記事
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 3月27日,モスコー二センターのウェストホールで11:00からスタートするのが,PlayStation 4の概要を開発者向けにレクチャーするという「Overview of PS4 for Developers」。サマリーによると,開発およびデザイン的視点から見たPlayStation 4の概要が議論されるようだが,今のところスピーカーはSony Computer Entertainment Americaの誰かとあるだけで,具体的な登壇者は発表されていない。

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 2月21日に掲載した記事でもお伝えしたように,「Witcher」シリーズで知られるCD Projektのスタジオヘッド,Adam Badowski氏がすでにPlayStation 4に触れていることを明らかにし,さらにElectronic ArtsやLucasArts,Ubisoft Entertainment,そしてActivisionなどもSCEに呼ばれているはずだとしている。したがって,来場者の中にはすでにPlayStation 4向けのゲーム制作を進めている開発者もいそうだ,そのへんの人に「PS4ってどうなの?」と聞いたら,意外としゃべってくれたりするかもしれないが,ダメかもしれない。
 イベントの性格上,CPUに最適化したコードの生成方法とか,メモリがどうとかいった専門的な話になりそうだが,ゲーム開発者にとっても,我々メディアにとっても見逃すことのできない1時間になりそうで,少なくとも,ウェストホールのRoom 2002が人でかなり混むのは間違いない。


任天堂は,Wii Uにおけるゲーム開発について


Nintendo Wii U Application Development with HTML and JavaScript
Miiverse Support from Your Games

 日本のもう一つのプラットフォームホルダーである任天堂は,現在のところ2つのレクチャーを用意しており,いずれもWii Uに関するもの。任天堂のRyan Lynd氏Kevin McCullough氏,そして島田健嗣氏が行うのは, HTMLJavaScriptを使ったWii U向けゲーム開発の手法で,サマリーを読むと,任天堂のゲームはこれまで,CやC++といったプログラミング言語で開発されており,そのため高いパフォーマンスを発揮していたが,反面,開発に時間がかかっていたという。このセッションではそれ以外の方法,つまりHTMLやJavaScriptを使ってWii Uの全機能にアクセスしつつ,より手軽にゲーム開発を行う方法が説明されるようだ。

(C)任天堂
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 また,任天堂の水木 潔氏は,Wii Uの新しいネットワークサービス「Miiverse」(ミーバース)をサポートする方法をレクチャーする予定だ。
 北米では2012年11月18日,日本では12月8日に発売されたWii U。スタートダッシュは順調で,魅力的なゲームのリリースが多数アナウンスされているものの,今のところ新規タイトルが十分には出揃っていないという印象。素早く手軽なゲーム開発手法と,新機能であるMiiverseの詳しい使用方法は,参入を考えている欧米ゲーム開発者にとって有益な情報になることだろう。


小島監督が「Fox Engine」と「METAL GEAR SOLID GROUND Zeroes」を特別講演


Photorealism Through the Eyes of a FOX: The Core of Metal Gear Solid Ground Zeroes

 2013年3月12日の記事でもお伝えしたが,例年以上に日本人登壇者が多い印象のGDC 2013。多くの読者が気にしそうなのは,小島監督こと小島秀夫氏の特別講演だろう。サマリーによると,小島氏のほかにKonami Digital Entertainmentの佐々木英樹氏鈴木雅幸氏多胡順司氏が登壇するこの講演では「METAL GEAR SOLID GROUND Zeroes」の開発プロセスが語られる予定で,その中心になるのが小島プロダクションが開発した次世代ゲームエンジン「Fox Engine」だ。METAL GEAR SOLID GROUND Zeroesで,どのようにFox Engineが活用されているかといったことが説明されるようで,これまで謎に包まれていたさまざまな秘密が明らかになるのかもしれない。
 グラフィックスやレンダリングの知識を持った人向けとあるので,比較的専門的な話になりそうだが,こちらも見逃すわけにはいかないだろう。

 ここ数年,とくにテクノロジー分野においてあまりプレゼンスを発揮できていなかった日本のゲーム業界だったが,小島プロダクションのFox Engineといい,(今のところGDC 2013での講演予定はないが)スクウェア・エニックスの「Luminous Studio」といい,2013年は日本のゲーム業界がその技術力の高さを見せるときなのかもしれない。


果たして,Valveの新しい「ウェアラブルコンピュータ」が見られるのか


What We Learned Porting Team Fortress 2 to Virtual Reality

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 「Xi3のプロダクトには関係していない」とし,PISTON Consoleが結局「非公式SteamBox」だったのか,というあたりに落ち着いたことで,だとするとSteamBoxって何? という感じになっているValveだが,GDC 2013では残念ながらSteamBox関連の講演は予定されていない。2013年1月17日に掲載した記事でもお伝えしたように,今回はValveが挑戦しているウェアラブルコンピュータに関して,同社の「Team Fortress 2」でバーチャルリアリティを実現させてみましたという講演を行う。

 サマリーを見てもはっきりとは書いていないのだが,もしかすると現実のValve製ウェアラブルコンピュータ(たぶんヘッドマウントディスプレイ)が見られるかもしれないし,単に,例えば「Oculus Rift」に移植してみましたという話なのかもしれない(関連記事)。いずれにせよ,秘密主義のValveだけに,いろいろと想像をたくましくしてしまうのは仕方ないだろう。


「不気味の谷」を乗り越える,最新キャラクターレンダリング


Next Generation Character Rendering

 Activisionは,マーケティングのうまさや企画の面白さには定評があるが,必ずしもグラフィックスにこだわるパブリッシャという印象ではなかった。ところが,Activision Blizzardの研究者であるJorge Jimenez氏がGDC 2013で担当するレクチャーでは,次世代のリアルなキャラクターレンダリングが披露されちゃうというからビックリ。2013年1月22日に掲載した記事でもお伝えしたように(あるいは,スピーカーの経歴をお読みいただければ分かるように),Jimenez氏はCG分野においてかなり著名な人物で,そんな同氏が,最近注目のサブサーフェス・スッキャタリング(表面下散乱)や眼球のシェーディング,アンチエイリアシングなどについて解説し,さらに実際のゲームへの応用なども紹介するというから,グラフィックス関係者には注目の講座だ。
 こうした,最先端の技術に触れられるのも,GDCの魅力の一つだ。

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 これ以外にも,新作「Destiny」についての発表が行われそうなBungieの「Brave New World: New Bungie IP」や,Kickstarterで243万ドルの開発資金調達に成功したヘッドマウントディスプレイ「Oculus Rift」についての講演「Virtual Reality: The Holy Grail of Gaming」,そして,過去の名作を回顧する「Classic Game Postmortems」では,今どき,どれだけの人が「おおおっ」と言ってくれるのか分からないが,少なくとも筆者はかなり驚いた「Pinball Construction Set」Bill Budge氏が登壇するというアンバイで,今年のGDCにはいろいろな注目講座が揃っている。例年のように,4Gamerでも取材班を現地に送り,最新情報をお届けする予定なので,ぜひ楽しみにしてほしい。アップデートがあったら,またお知らせしたい。

過去の名作を回顧するおなじみの「Classic Game Postmortems」。今年は,「Pinball Construction Set」で一世を風靡したBill Budge氏(左から2人め)が登壇する
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「Game Developers Conference 2013」公式サイト

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