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プレイヤーにとって第二の夢になるか。――ゲームメーカー「Nino Network」が作る美少女ゲームたちを見る[CJ2024]
ザッと見た感じ,ブースの展示物は美少女×経営系 or 農園系といった組み合わせのゲームが多く,同社の得意ジャンルのようだった。
ザザザッと調べた感じ,主戦場はPCゲーム(Steam配信)とスマホゲームで,2010年代の後半ごろから活動しているようだ。
ただ,国外への発信はこれまでしてこなかったのか。4Gamerも含め,日本のゲームメディアでは(もしかしたらあるかもだが)触れられていない会社で。結論から言うと「次回作からは日本などでの配信も考えいます」とコメントをもらったが,なるほど。
とりあえず,袖振り合うも多生の縁ということで見てみた。
同社の公式サイトで提示される理念は「プレイヤーの第二の夢を創る」(意訳)。社内には2つのゲームスタジオがあるようだ。
■第二梦(スタジオその1)
第二の夢,でよいのだろうか。こちらは経営SLGを中心に,詩的で夢のようなゲームライフの創造に努めているという。
■枫丹白露(スタジオその2)
日本語訳はフォンテーヌブロー。コトバンクの説明いわく「フランス北部,セーヌ・エ・マルヌ県の町。セーヌ川左岸に広がる広大な森の東端に位置する。地名は〈美しい泉〉の意」とのこと。
スタジオの意気込みも「本格的な言葉遊びで,見慣れた世界を独自の視点で描きます」とのことなので,人間心理に焦点を置き,多様なジャンルを送り出すフランス文学的な攻め,といった姿勢だろうか。
これらが,以下の(制作中を含む)作品を生み出している。
■「饮料小镇」 英名:Beverage Town |
■「魔女酒馆」 英名:Witch's Tavern |
■「花都之恋」 英名:Love in Flower City |
■「巴别塔」 英名:Tower of Babel |
今回はこのうち,中国のアプリプラットフォーム「TapTap」で2024年内に配信されるという新作「天空岛传说」に触れてみた。
ゲームとしては,大きな一枚マップ上に施設を建て,それらからさまざまなリソースを得て,次なるアップグレードを目指していくというもの。スマホゲーム黎明期のころから人気の,いわゆる農園系だ。
ただ,本作では草を刈ったり,薪を割ったり,畑を耕したりする労働者として,美男美女なキャラクターたちが用意されている。
彼らはガチャなどで入手でき,各施設に従事させることで,個々の能力に応じた生産ブーストなどを得られるようだった。
同社スタッフの認識では「(中国市場では)こうした生産ゲームと美少女要素をかけ合わせたタイトルはそれほど多くはない。あるいは認知をあまり得ていない」という。実際,そういう作品もあるにはあるだろうが,具体例はパッとは思い浮かばない。そういう着眼点なのだろう。
同社はこれまで,中国でのみ企業活動を行ってきた。しかし冒頭で書いたとおり,今後は海外展開も検討しているという。
正直なところ,ひと目で強烈にスパイシーな魅力に当てられる,といった作品群ではない。そのため,ただただ各地域に持っていって出すだけだと,そのあとの成果は機運次第な感じがしてしまう。
けれども経営&農園系ゲームというのは,最初の1時間を思わずポチポチさせ続ける初動の導線作りと,日々をともにすごす魅力があれば,ゲーマー層以外からでもご指名されやすいパートナー枠だ。おまけにキャラクター設計に心血を注いでいるようだから,特色もある。
それが今後,中国市場ひいてはグローバルでどれほどの強みとなり得るのか。朝一からプレゼント系の展示イベントでワイワイとにぎわっているブースを見ていた感じ,目下については心配なさそうだ。
「Nino Network」公式サイト
4Gamer「ChinaJoy 2024」記事一覧
「ChinaJoy 2024」公式サイト
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