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[TGS 2018]「モバイルプロジェクタ内蔵Switchドック,たぶん3万円」が意外にいいかもしれない
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印刷2018/09/22 10:52

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[TGS 2018]「モバイルプロジェクタ内蔵Switchドック,たぶん3万円」が意外にいいかもしれない

開放的な印象のYesOJOブース
画像集 No.002のサムネイル画像 / [TGS 2018]「モバイルプロジェクタ内蔵Switchドック,たぶん3万円」が意外にいいかもしれない
 Kickstarterでプロジェクトが成立し,最終的に製品が発売となった「モバイルプロジェクタ付きNintendo Switchドック」に,「OJO Projector」(以下,OJO)がある。「オジョ」ではなく「オホ」と読むが,これは任天堂純正「Nintendo Switchドック」の「カバーが開閉するほう」を引き伸ばして,そこに30〜120インチ程度のサイズで投射できるプロジェクタとスピーカー,バッテリーを搭載したような製品だ。

ブースにおけるOJOのデモ。輝度は200ルーメンとのことで,決して明るくはないが,ブース内という明るい環境でも,そこそこ視認性のある絵が得られていた。もっとも,現実的には照明を落とした室内であるとか,夜のキャンプ場的な場所とか,そういう暗い環境がターゲットとなるだろう
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OJOにSwitchを差した状態
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 Nintendo Switch(以下,Switch)と一緒に持ち運んで,どこででも大画面でプレイできるというコンセプトは大筋でユーザーコミュニティに受け入れられたのだが,OJOを展開する中国YesOJOによると,いくつかマイナス方向のフィードバックがあったとのこと。そのうち最も大きなものが,399ドル(税別)という価格だったそうである。
 そこでYesOJOが用意してきたのが,199ドル(税別)という価格設定の下位モデル「OJO mini」で,東京ゲームショウ2018のYesOJOブースではOJOとOJO miniの両製品を比較することができるようになっていた。

OJO mini
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OJO miniとOJOを並べてみたところ。OJO miniで若干小さくなっているようだが,物理サイズはそれほど変わらない印象もある
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 話を聞いたYesOJOのHati Zhang(ハティ・ザン)氏によると,OJO miniは現在,世界市場において年内に投入予定できるスケジュールになっているという。

 日本市場においては「投入計画がある」というステータスに留まっており,YesOJOとしては会社としての日本市場参入,そしてOJOの国内市場投入を優先している――日本語公式Webサイトはすでに立ち上がっている――とのことだったが,仮にOJO miniがデビューするとなれば,売価は「たぶん3万円くらい」(Zhang氏)だそうで,確かにそれくらいであれば「ちょっと買ってみよう」という人が相応に出てくるかもしれない。

 Zhang氏によれば,OJOとOJO miniの間にある最大の違いは投射できる最大サイズで,前述のとおりOJOでは30〜120インチ程度がターゲットとなるところ,OJO miniではこれが30〜80インチになる。ただ,日本の住環境を考えると,ここはそれほど問題にはならないように思う。むしろ,公開されているスペックだと輝度はOJOの200ルーメンに対してOJO miniは600ルーメンになっていたりするので,実際の使い勝手は下位モデルたるOJO miniのほうがよいという可能性すらありそうだ。

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OJOの製品ボックス内にあるマニュアルより,OJOのスペック一覧
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東京ゲームショウ2018のYesOJOブースにあったカタログより,OJO miniのスペック概要

 もっとも,公開されたスペックをよく見比べてみると,搭載するプロジェクタモジュールがTexas Instruments製のDLP(Digital Light Processing)対応のもので,解像度が854×480ドット(480P)と共通であるにもかかわらず,「輝度200ルーメン,バッテリー容量20400mAh」のOJOと「輝度600ルーメン,バッテリー容量12000mAh」のOJO miniでバッテリー駆動時間が同じ4時間とされていたりして,なかなか謎である。OJO miniスペックは最終製品待ちと理解しておいたほうがいいかもしれない。

本体上面の4ボタンは2個が焦点の調整用。試してみたが無段階のようだった。もう2個は内蔵スピーカーの音量調整用である
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 さて,ブースでは実際にOJOとOJO miniに触ってみたが,ひとまずスクリーン(として使う壁など)に投射して,その後,本体側にあるボタンを使って微調整するという,モバイルプロジェクタらしいシンプルな調整周りになっていた。リッチな自動台形補正機能のようなものもないので,きちっとした長方形を投射したければ相応に試行錯誤する必要もある。

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本体底面にはカメラ用三脚を取り付けるためのネジ穴がある。三脚を使えば水平を取りやすくなるはずだ
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こちらはOJOにSwitchを差したイメージ。写真で下に見えるのが角度調整用のスタンドで,これはOJO miniにはない

 気になる遅延は,当然のことながら「ある」。ブースで試せたのは「Fallout Shelter」だったが,本作で画面をスクロールしただけで遅れを体感できたくらいだから,FPSやTPS,リズムゲームを本気でプレイするのは無理だろう。友人と集まってワイワイとカジュアルに遊ぶとか,1人のときは天井に投射のうえ寝落ち前提で遊ぶとか,そういう使い方向けということになると思われる。

 一方,ちょっとアリだと感じたのは,最小投射距離がざっくり30〜40cm程度だったことである。メーカー保証外の使い方ではあるけれども,スペックの30インチよりも小さいサイズで利用できることは応用の幅を広げてくれるはずだ。

最短投射距離は試した感じだとざっくり30〜40cm程度だった
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 また,これはOJOとOJO miniで共通だが,HDMI Type A入力端子があるので,やろうと思えばPCやほかのゲーム機をつなぐこともできる点も押さえておきたい。

インタフェースはHDMI Type A×1,USB 3.1 Gen.1 Type-A×2(※片方は高速充電対応),3極&4極両対応の3.5mmミニピンアナログサウンド×1で,それとは別に給電用のUSB Type-C端子も搭載する
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ドック部の底を覗いてみた。USB Tupe-C周りは純正ドックとほぼ同じような仕様だが,それ以外だとコストダウンの影響が見られる
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 854×480ドット解像度に対応したモバイルプロジェクタとしてはソニーの「MP-CD1」という先駆者がいるわけだが,あちらの税込実勢価格は4万1000〜5万円程度(※2018年9月22日現在)。MP-CD1より1万円かそれ以上安価な価格で予定どおり出てくるなら,Switchを差し込むだけで使えるシンプルなモバイルプロジェクタとして,相応の人気を集めるのではなかろうか。

 前述のとおり,まだ気の早い話ではあるのだが,OJO miniの早期発売を期待して待ちたい。

YesOJO日本語公式Webサイト

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