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[CJ2018]中国製スマートフォン「Black Shark」が“ゲーマー向け”を謳う理由とは
Black Sharkは,同名の会社が開発したスマートフォンで,Xiaomiが販売している。前面から見ると,黒くて角が丸い長方形という,よくあるスマートフォン(グレーモデルもあるが,表から見ればほぼ黒)なのだが,背面は普通のスマホとちょっと違う雰囲気をまとっている。その理由は後ほど紹介しよう。
さて,中国製ゲーマー向けスマートフォンであるBlack Sharkだが,Qualcomm製のハイエンドSoC(System-on-a-Chip)である「Snapdragon 845」を搭載し,メ主な仕様を見ると,メインメモリ容量は6GBまたは8GB,内蔵ストレージ容量は64,128,256GB,ディスプレイは5.99インチサイズでアスペクト比9:18といった具合で,イマドキの普通のハイエンドスマホのようにも見える。あえてゲーマー向けと謳うのはどういう部分からだろうか。
Black Shark最大の特徴は,背面に独自の冷却構造を搭載していることだという。商品説明には「液体で冷やしている」という表現があったが,話を聞くとヒートパイプで間違いないようだった。公式サイトの説明図を見ても,ヒートシンクと太め(とはいえ薄い)のヒートパイプが見える。SoC単体ではなく発熱部の多くを覆う大きめのヒートシンクで熱を分散させ,ヒートパイプで積極的に背面に拡散するといったシステムのように見える。ヒートパイプを使わないシステムと比べて放熱効率は20倍に達するという。
さらにチップを炭素で覆っている(グラフェンか?)ので,熱伝導が非常によいとのことだった。その冷却性能が性能にも反映されているようで,Antutuベンチマークでは中国で最速を誇り,長時間のゲームプレイにも耐えるタフな端末になっているという。
また,性能のよさの一端はDSP(デジタルシグナルプロセッサ)の使用にもあるという。これはSnapdragon 845に内蔵されたDSP「Hexagon 685」のことではなく,画面表示用にDSPを使用しているとのこと。公式サイトを見ると,米国の半導体メーカーであるPixelworks製の映像処理チップを使い,動きの補間などをやっているようだ。
ちなみにこれらの処理は,端末の側面にある「Sharkボタン」を押して移行する「Sharkモード」時に行われるとのこと。
記事冒頭に掲載した写真でも分かるように,Black Sharkには,端末の片側に装着する専用のゲームパッドが(期間限定のようだが)が付属し,対応ゲームをより効率的に遊ぶことができるという。パッド操作での反応は画面操作に比べてかなり速いとのことだった。ゲームにこだわるスマホだと,見逃せない部分なのであろう。
なお,本製品はメインメモリとストレージの組み合わせで3モデルに分かれており,価格は6GB+64GBで2999元(約4万9000円),8GB+128GBで3499元(約5万7000円),8GB+256GBで3999元(約6万5000円)。最上位モデルが一番売れているというが,意外と低価格なので,それも納得という感じだ。
連打応答性の検証やデレステのプレイテストはやっていないので,物足りない人もいるかもしれないが,中国製のゲーマー向けスマホは意外とまっとうに作られているという印象だった。というか,排熱効率をアピールポイントにしたスマートフォンがあまり見られない現状は,今後変わっていくかもしれない。
「Black Shark」公式サイト
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