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TP-Link,ゲーマー向け無線LANルーター「Archer C5400X」を4月上旬に国内発売。Broadcom製プロセッサによる処理性能の高さをアピール
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印刷2018/01/30 20:45

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TP-Link,ゲーマー向け無線LANルーター「Archer C5400X」を4月上旬に国内発売。Broadcom製プロセッサによる処理性能の高さをアピール

 2018年1月30日,TP-Link Technologies(以下,TP-Link)の日本法人であるティーピーリンクジャパンは,東京都内にて新製品発表会を開催し,ゲーマー向けのIEEE 802.11ac対応無線LANルーター「Archer C5400X」(以下,C5400X)を2018年4月上旬に国内発売すると発表した。
 C5400Xは,Broadcom製の高スペックなプロセッサを採用することにより動作の高速化を実現しつつ,通信速度の向上や無線LAN接続範囲の拡大,端末ごとのQoS(Quality of Service)設定機能などを導入したのが特徴であるという。税込のメーカー想定売価は5万円前後となっている。

C5400X
画像集 No.002のサムネイル画像 / TP-Link,ゲーマー向け無線LANルーター「Archer C5400X」を4月上旬に国内発売。Broadcom製プロセッサによる処理性能の高さをアピール

 本稿では,TP-Linkとスポンサー契約を結んだプロe-Sportsチーム「DetonatioN Gaming」のゲストも登壇した発表会の様子と合わせて,C5400Xをレポートしたい。

既存製品のC5400。アンテナは未使用時に本体側に折りたためる
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 新製品のC5400Xは,TP-Linkのコンシューマー向けハイエンド無線LANルーターである「Archer C5400」(以下,C5400)のさらに上位となる製品だ。一辺が240.5mmもある大きな四角いボディに,8本のアンテナが立ち並ぶという特異な外観はC5400譲りだが,アンテナ部分が太くなり,赤いラインも入ったことで,見た目はかなり派手になった。

林立するアンテナがかなり派手だ(左)。ボディ部分の天板には,放熱用と思われる孔がたくさん開いており,天板に触れるとほんのりと温かかった(右)。中央のロゴマークは電源LEDである
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アンテナは動かせそうに見えるが,実際は固定されているので動かせない(左)。右写真はアンテナを取り外したところ。アンテナの取り付け方法は,TP-Linkの既存製品と比べて改良されているそうだ
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 本体背面には,WAN接続用の有線LANポートが1つと,家庭内LAN用の有線LANポートが8つ並んでいる。これらの有線LANポートは,すべて1000BASE-Tに対応するとのことだ。
 また,本体右側面にはUSB 3.0 Type-Aポートが2つあり,ここに接続したUSBストレージを,NAS(Network Attached Storage)のようにLAN内のPCやスマートフォンからアクセス可能とする機能も備える。C5400X自体も,接続した機器からNAS的に利用できる容量16GBのフラッシュメモリを内蔵しているそうだ。

本体背面。写真左側に見える青い口のLANポートがWAN用で,それ以外の8つは家庭内LAN用だ。なお,LANポートの2つめ(LAN 2)と3つめ(LAN 3)は,2本の有線LANを束ねて最大2Gbpsでの通信を可能にするリンクアグリゲーション機能に対応するとのことだが,同機能に対応する機器は,まだ市販されていないそうで,控えめなアピールに留まった
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右側面には2つのUSB 3.0 Type-Aポートがある。ルーターに接続したUSBストレージをNAS的に使えるようにする機能は珍しいものではないが,性能面で今ひとつな製品も多いので,C5400Xがどの程度の性能を発揮できるかは興味深いところだ
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 C5400Xについて,TP-Linkが強くアピールしていたのは,冒頭でも触れた高速なプロセッサによる処理性能の高さだ。CPUコアを4基内蔵し,最大動作クロック1.8GHzで動作するというBroadcom製のメインプロセッサと,容量1GBのメインメモリを搭載し,高速な通信を実現しているという。
 また,メインプロセッサの処理能力が高いことで,後述するさまざまな付加機能に対しても,余裕を持って処理できるそうだ。

C5400Xの処理性能をアピールするスライド。C5400Xでは,メインプロセッサに加えて,3基のBroadcom製コプロセッサを使って,3系統の無線LAN通信を処理しているそうだ
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 無線LAN機能は,最大通信速度2167Mbpsの5GHz帯を2系統と,最大通信速度1000Mbpsの2.4GHz帯を1系統の同時通信が可能となっており,MU-MIMO(Multi User MIMO)やビームフォーミングといった,高速な無線LANルーターでは必須と言える機能も,もちろん備えている。それに加えて,Broadcom製プロセッサの新しい機能「レンジブースト」をビームフォーミングと組み合わせることで,無線LAN機器の通信可能な距離の延ばすことを可能にしたそうだ。

 複数の無線LAN機器が接続している状況では,帯域割り当てを自動で調整する「エアタイムフェアネス」なる機能も備えているという。この機能では,古い規格であるIEEE 802.11nと新しく高速なIEEE 802.11acの割り当てを調整することで,新しい規格を使う機器の通信が,古い規格の機器に引っ張られて遅くなるといった現象を避けて,より快適に通信できるそうだ。

エアタイムフェアネス機能では,同じ周波数帯を使うIEEE 802.11acとIEEE 802.11nのデバイスが混在していた場合,IEEE 802.11ac側に多くの時間を割り当てることで,より快適な通信を可能できるという
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 そのほかにも,宅外から宅内へのVPN(Virtual Private Network)通信を高速に処理する機能「VPNアクセラレーション」や,セキュリティソリューション企業のTrend Microと提携した内蔵セキュリティ機能「HomeCare」といった,多彩な機能も備えている。
 また,C5400Xに接続したPCやゲーム機,スマートフォンごとに,その機器の通信を優先するか否かの設定を行うことも可能で,たとえばオンラインゲームをプレイするPCを優先してインターネットの帯域を割り当てるといった処理を行えるそうだ。

HomeCare機能によって,C5400X側でセキュリティ機能を実現したり,端末別のQoSを実現したりもできる
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 ただ,会場でTP-Linkのスタッフに確認したところ,ASUSTeK Computerのゲーマー向け無線LANルーター「RT-AC88U」のように,対応ゲームの通信を特別なネットワークルートに流すことで,遅延の少ない通信を実現する機能や,ゲームの通信を識別して優先的に帯域を割り当てるといった機能は,C5400Xでは備えていないという。
 C5400Xでは,そうしたゲーム特化の機能を実装するのではなく,高速なプロセッサによって無線LANルーター自体の処理性能を高めて,通信の高速化や遅延の縮小を実現することで,ゲーマーにとって快適に利用できる製品を目指したとそうだ。

DetonatioN Gaming CEOの梅崎伸幸氏
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 発表会にゲストとして登壇したDetonatioN GamingのCEOである梅崎伸幸氏は,チームにとって,安定した通信環境の構築は常に課題であるとしたうえで,今後計画しているファンを交えたオフラインイベントを実現していくときにも,高性能な無線LANルーターは役立つと,C5400Xへの期待を示した。
 また,同じくゲストとして登壇したDetonatioN Gaming所属のDustelBox選手やtatuki217選手は,チームのシェアハウスに設置したC5400Xをすでに使用しているとのこと。両選手ともに,C5400X導入後は通信ラグが少なくなり,ゲームプレイはもとより,実況配信でも恩恵を得られていると述べていた。

C5400Xの感想を述べるDustelBox選手(左)とtatuki217選手(右)
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 発売がまだ先ということもあり,C5400Xの実機によるデモや設定画面などは確認できなかったが,無線LANルーターでは世界シェアトップというTP-Linkが,ゲーマー向けを標榜して投入する初の製品だけに,その実力には期待が持てそうだ。一般消費者向けの無線LANルーターとしては,高額な製品であることは否めないが,無線LAN機器の交換を検討している人なら,注目しておく価値はあるかもしれない。

TP-Linkの日本語版公式Webサイト

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