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[TGS 2014]95ドルの視線入力デバイス「EyeX」で,どんなゲームが実現できるのか? 対応するインディーズゲームも開発中
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印刷2014/09/21 16:19

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[TGS 2014]95ドルの視線入力デバイス「EyeX」で,どんなゲームが実現できるのか? 対応するインディーズゲームも開発中

画像集#002のサムネイル/[TGS 2014]95ドルの視線入力デバイス「EyeX」で,どんなゲームが実現できるのか? 対応するインディーズゲームも開発中
 東京ゲームショウ2014(以下,TGS 2014)にはゲームそのものだけでなく,ゲーム開発にまつわるさまざまなソフトやデバイスも出展される。そうしたものの1つが,スウェーデンパビリオンに出展されていた,視線入力デバイス「EyeX Dev Kit」(以下,EyeX)だ。

 EyeXとは,視線入力技術を専門とするスウェーデン企業のTobii Technologyが開発した,PC用の視線入力デバイスである。視線入力技術は非常に応用範囲の広いものだが,同社はゲーム産業との協業に積極的で,東京ゲームショウ2013でもEyeXを出展していたり(関連記事),2014年6月には,ゲーマー向け周辺機器を手がけるSteelSeriesと共同開発したゲーマー向け視線入力デバイス「Sentry Eye Tracker」なるものを発表していたりもする。
 そこで本稿では,TGS 2014会場で体験したEyeXとそのデモについてレポートしよう。


赤外線とカメラで視線の動きを検出


 EyeXの本体となるセンサー部分は,細長いバーのような形状をしている。Wiiの「センサーバー」と似ているといえば,イメージしやすいだろうか。このセンサー本体をディスプレイやテレビの下側に取り付けたうえで,PCとUSBで接続して使用する。
 本体内には,3つの赤外線LEDと視線追跡用のカメラが装備されていて,LEDから発振した赤外線を眼球が反射し,その反射光をカメラが捉えるという仕組みで使用者との距離やどこを見ているかを検知する。
 機器自体は必ずしもゲームに特化しているわけではないのだが,同社がゲーム用途を強く意識しているのも事実。現在は開発者向けキットが,特別価格の95ドル(約1万260円,通常価格は135ドル)にて販売されている。

展示機材のEyeX。赤く光っているのが赤外線LEDだ(いうまでもないが,赤外線は目に見えない)
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展示機材の前には,中身のサンプルがあった。展示機材で使われているものとは異なる機材のようで,TGS 2013で披露されていたのと同じだ
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こちらは,2014年1月のInternation CES 2014で展示されていたEyeX。センサーは何種類かあるようで,今回のものとは形状が異なっていた

オレンジ色の円が,ディスプレイのいろいろな場所に表示されるので,これを見ることでキャリブレーションを行う
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 本体とPCの接続が完了したら,PC側で専用ソフトを起動して使用者に合わせたキャリブレーションを行うと,視線の移動だけで画面のクリックやドラッグ,ズームといった操作ができるようになる。キャリブレーションといっても,ディスプレイのいろいろな場所に表示されるオレンジ色の円を見つめるだけで,特別な作業が必要なわけではない。


視線で明かりを動かして暗闇の中を照らすホラーゲーム風デモもあり


 会場では,いくつかのデモソフトが用意されており,ゲームにおけるEyeXの実力を体験できるようになっていた。
 1つめのデモはシューティングゲーム。宇宙空間に浮かぶ地球を目がけて,四方八方から隕石が飛んでくる。そこで隕石を見つめると,そこに照準が合わさって地球からレーザーが発射され,隕石を撃墜できるようになっていた。視線だけで物体を破壊できるというのは,なんとなく超能力者にでもなったかのようで意外に楽しい。

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地球の周囲から迫る隕石を,視線で撃墜するデモソフト。意外に面白い

 2つめのデモは,ホラーゲームのような雰囲気のものだ。真っ暗な画面を見つめると,視線を向けたところが懐中電灯で照らしたように,丸い灯りで照らし出される。視線を動かすと灯りも動くのだが,暗闇の中に隠れていた幽霊のような影や,天井から吊された肉の塊っぽい物体など,剣呑なものが照らし出されてしまう。
 画面全体が見えないのでかえって想像力をかき立てられ,こうした演出がホラーゲームに使われると恐怖も倍増するのではないかと思えた。

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ホラーゲーム風のデモ。視線を向けたところが灯りで照らされるのだが,どうもヤバイ物体が存在しているようだ

 説明員に聞いたところ,EyeXに対応したゲームもすでに開発されているそうだ。インディー系開発スタジオであるstillalive studiosが開発中の「Son of Nor」というゲームで,マウス操作と視線入力を併用してプレイするとのこと。分かりやすい解説動画を下に掲載しておこう。


 Son of Norでは,フィールド上に落ちている石やニンジンなど,さまざまな物体を拾える。普通のゲームなら,マウスを動かしてカーソルを拾いたいものに合わせてボタンをクリックするところだが,EyeXを使えば,拾いたいオブジェクトに視線を合わせて,マウスのボタンをクリックするだけでいい。

「Son of Nor」プレイの様子。遠くの岩に目を合わせて(左上),マウスをクリックすると岩が引き寄せられる(右上)
同じように,落ちている巨大ニンジンに目を合わせて(左下),クリックで手元に引き寄せる(右)
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 使い慣れたマウスの操作感はそのままに,カーソルを動かす手間を視線入力で置き換えるというわけで,こうした既存の操作との併用には,いろいろな可能性がありそうに感じられた。
 あくまでも販売されているのは開発者向けキットなので,一般のゲーマーが買って既存のゲームを操作するのに使えるというものではない。しかし,視線入力に関心のある人ならば,特別価格のうちに導入してみるのもいいかもしれない。

「EyeX」日本語公式Webサイト

4Gamer「東京ゲームショウ2014」特設サイト


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