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RDNA 4世代初のGPU「Radeon RX 9070」シリーズは3月6日に世界市場で発売。4KゲームではRX 7900 GREより20〜42%も上回る
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2025年1月に発表となったRX 9070 XTとRX 9070だが,これまでは名称と2025年第1四半期に登場すること,RDNA 4アーキテクチャの採用といった大雑把な情報だけしか明らかになっていなかった。
今回の情報公開では,RX 9070 XTとRX 9070の世界市場における発売予定日が3月6日であることが明らかになった。さらに,アーキテクチャにおける特徴や,既存GPUとの性能差なども公表されている。本稿では,これらの情報から概要をまとめてみたい。
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ミドルハイ市場向けに登場するRX 9070 XT/9070
AMDによると,RX 9070シリーズは,性能面では既存のハイエンド市場向けRadeon「Radeon RX 7900 XT」(以下,RX 7900 XT)と,その下位に位置付けられていた「Radeon RX 7900 GRE」(以下,RX 7900 GRE)の間に位置付けられるGPUであるという。また,解像度3840×2160ドット(以下,4K)から2560×1440ドット(以下,1440p)でゲームを快適にプレイするのに適した製品でもあるそうだ。
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RX 9070シリーズは,TSMCの4nm N4Pプロセスで製造されている。トランジスタ数は約539億個で,これはRX 7900 GREと同じだ。
RDNA 4アーキテクチャでも,シェーダプロセッサ(以下,SP)16基をひとまとめにした実行ユニットとして,その実行ユニット4基にAI処理ユニット「AI Accelerator」を2基,レイトレーシングユニット「Ray Accelerator」を1基,容量128KBの共有メモリなどを組み合わせて「Compute Unit」(以下,CU)を構成するのは,既存のRDNA 3アーキテクチャと変わらない。CUを2つまとめて「Dual Compute Unit」という単位で管理するのも同様だ。
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RX 9070 XTは,64基のCU(※Dual Compute Unitでは32基)を備えており,SPの総数は16×4×64で4096基になる。一方,RX 9070は,CU数が8基少ない56基となっているため,SP総数は16×4×56で3584基というわけだ。SP数だけなら,RX 7900 GREの5192基のほうがRX 9070 XTよりも約27%多い。
しかしRDNA 4では,Ray Acceleratorが,RDNA 3の第2世代から第3世代に,AI Acceleratorも第2世代へと進化しており,より高い処理能力を備えているという。とくにRay Acceleratorは,PlayStation 5 ProのGPUが一足先に実現していた,レイ(光線)の衝突判定に使う構造体「BVH8」のハードウェアアクセラレーションにも対応。これらの改良により,レイトレーシング性能は,RDNA 3世代の2倍に達すると,AMDはアピールしている。
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またRX 9070 XTでは,ゲーム実行時における典型的な動作クロックである「ゲームクロック」が2400MHzに,ブーストクロックは2970MHzとなっている。この動作クロックは,RX 7900 XTのそれぞれ2000MHz,2400MHzよりもかなり高い。
RX 9070シリーズと,RX 7900 GREおよびRX 7900 XT,そして競合と見なせる「GeForce RTX 4070 SUPER」の主な仕様を表にまとめておこう。
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ちなみに,消費電力である「Total Board Power」の値を見ると,RX 9070 XTはRX 7900 XTよりも低いが,RX 7900 GREよりは高い304Wとなっている。AMDが想定する位置付けからすると,妥当な消費電力といったところだ。ただ,動作クロックを高めているので,プロセス変更による消費電力低減よりは,処理性能の向上を重視したようである。
これらの強化により,RX 9070 XTは,2世代前のハイエンドGPU「Radeon RX 6900 XT」と比べて,4K解像度で最高画質設定のゲームにおいて51%,同じく2世代前のハイエンドGeForceである「GeForce RTX 3090」よりも26%高い性能を発揮できるという。
前世代のRX 7900 GREに対しても,4K解像度でのゲーム表示で平均42%もの差を付けているそうだ。
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同様にRX 9070は,2世代前の「Radeon RX 6800 XT」を,4K解像度の最高画質設定で38%,同じく2世代前の「GeForce RTX 3080」よりも26%高い性能を発揮するとのこと。4K解像度における,RX 7900 GREとの比較では,平均で21%も上回ると,AMDはアピールしている。
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超解像処理による映像品質も,FSR 3.1世代まではつぶれがちだった細かいディテールや細い線のようなものが,より忠実に表現できるそうだ。
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AMDによると,FSR 4には30タイトル以上のゲームが対応,もしくは対応を予定しており,2025年内には75タイトル以上が対応するとのこと。高解像度でのゲームプレイを,より快適にしてくれそうだ。
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競合となるGeForceシリーズは,GeForce RTX 4070シリーズや「GeForce RTX 5070」あたりになりそうだが,はたしてRX 9070シリーズは,どれくらいの性能を発揮するのだろうか。Radeonファンやグラフィックスカードの買い換えを検討している人は,発売に期待しよう。
AMD 公式Webサイト
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Radeon RX 9000
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