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  • 2K
  • Firaxis Games
  • 発売日:2025/02/11
  • 価格:通常版:8800円(税込)
    デラックスエディション:1万2650円(税込)
    創始者エディション:1万6500円(税込)
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[プレイレポ]卑弥呼は2パターン存在。「シドマイヤーズ シヴィライゼーションVII」の文明“近代日本”をみっちりプレイしてみた
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印刷2025/02/08 12:00

プレイレポート

[プレイレポ]卑弥呼は2パターン存在。「シドマイヤーズ シヴィライゼーションVII」の文明“近代日本”をみっちりプレイしてみた

 ターン制ストラテジーの金字塔となるシヴィライゼーションシリーズの8年ぶりの新作「シドマイヤーズ シヴィライゼーションVII」PC / PS5 / Xbox Series X|S / PS4 / Xbox One / Nintendo Switch)が2月11日にリリースされる。
 いよいよ多くのファンが眠れない夜を過ごすことになると思われるが,筆者は今月初めにシンガポールに赴き,そのゲームプレイについてみっちりと取材し,さらに後日送られてきたアーリーアクセスコードを使って,途中の海外取材をモノともせずに,すでに180時間を超える時間をプレイしている。

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 まず,前回の記事では,Firaxis Gamesの開発者たちが“革命的”とまで呼ぶゲームの主な変更点を,10か所にまとめて紹介した。
 その詳細はぜひ読み返していただくとして,もっとも特徴的なのは,ゲームが終わりから最後までの1つの流れではなく,それぞれ120〜200ターンほどで終了する「古代」「探検の時代」「近代」という3つの章立てでプレイすることだろう。そして,最初に選んだ指導者は文明とは異なるさまざまな特徴を持ち,さらにそれぞれの時代で異なる文明を選んでプレイしていくことが挙げられる。

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 シンガポール時間の2025年1月8日,「シドマイヤーズ シヴィライゼーションVII」のプレビューイベントが開催された。今回明らかにされたのは,日本人指導者である卑弥呼だ。しかし文明としての古代日本は存在せず,なぜかミシシッピ族を率いて覇権を狙う,何とも不思議な立ち位置とプレイ感となっていた。

[2025/01/21 07:00]

画像集 No.002のサムネイル画像 / [プレイレポ]卑弥呼は2パターン存在。「シドマイヤーズ シヴィライゼーションVII」の文明“近代日本”をみっちりプレイしてみた

 選べる文明と指導者はいずれもローンチ時点で過去最多であるものの,例えば卑弥呼が率いた弥生時代の日本も,シャルルマーニュが率いた中世初期のフランク王国も登場しないことは留意しておきたい。
 本作では文明の特徴と指導者の特徴がシナジーを生み出し,ライバルとなる文明や地形によって予測が付きにくいアドバンテージやディスアドバンテージを生み出していく。そのことから,「シドマイヤーズ シヴィライゼーションVII」はシリーズでもっともマスターするのが難しく,それゆえに遣り込み甲斐のある作品になるかもしれない。


2人目の卑弥呼で,幸福度の高い文化属性の国家を作り上げよう!


 卑弥呼は,アショーカ,クセルクセス1世,ナポレオン,そしてフリードリヒ2世と同様に2つのパターンの「パーソナリティ」が用意された指導者であり,卑弥呼の場合は外交努力「親魏倭王」という特性を持つ「倭の女王」と,「大巫女」というパーソナリティが用意されている。
 大巫女の卑弥呼は,科学ではなく文化特化のキャラクターであり,建築物の幸福度が+2され,幸福度を上げる関連建造物の生産力が50%上がり,そして科学が10%下がる代わりに文化力が20%高いという特徴を持っている。

科学力が低いが,幸福度と生産力,そして文化力強い指導者「卑弥呼(大巫女)」。ちなみに,記念品とは,ゲームをプレイするに従いアンロックされていくもので,社会政策やポイントに少しだけボーナスを加えてくれる。プレイの成績によって解除され,どのキャラクターでも使えるようになる
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 文化は,社会政策の新しいカードを獲得するのに有益だが,注目すべきは「幸福度」のほうだ。
 幸福度は,ある程度溜まれば前作の「黄金時代」にあたる「祝宴」が開催される。祝宴は,文化,経済,科学,軍事,そして工業などで10〜20%ほどのブーストを一定期間付与するものがあり,幸福度が高ければ高いほど,次の祝宴が開催されるターンが早まる。
 つまり,幸福度関連の建物に投資したり,イベントが発生するたびに幸福度の獲得を優先したりすることで,祝宴を頻繁に発生させ,卑弥呼(大巫女)の弱点である科学力を補える。時代の変革期に起きる“危機”で社会不安が発生したり,交易ルートの開発が犠牲になったりしていても,それほどダメージを受けることなく文明を勝利に導けるのだ。

 「シドマイヤーズ シヴィライゼーションVII」は4000BCから始まる古代から,ゲームの勝敗が決着する最後までプレイするだけでなく,400ADから始まる探検の時代(中世)や,1750ADから始まる近代からもゲームを始められる。1つの時代をプレイするのに必要な時間は難度によっても異なるだろうが,3〜5時間といったところだろうか。

 すでに何度か近代をプレイしている筆者ではあるが,これまでまだ1900年にまで達したことはない。ユニットは初期型エンジン搭載の戦闘機や戦車を開発できるのだが,ユニットの進化はそこで止まってしまう。
 勝利条件も,科学のレガシーパスが「有人宇宙飛行を成功させる」というものだから,時代としての進化も現実世界の1960年代あたりで終わることを想定しているようだ。ひょっとしたら,いずれは「第4の時代区分を追加する」というDLC展開もあるのかもしれない。それならば,ついでに探検の時代も13世紀頃までには終わってしまうので,近代に差し掛かる前の「封建の時代」あたりも作ってほしいところだ。

プレイヤーが何ターン目で前時代を終了しても,探検の時代は400AD,近代は1750ADから必ず始まる。侍が闊歩した「封建の時代」やロボットが登場する「超現代」はないものなのだろうか……
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 話が逸れたが,「卑弥呼(大巫女)」について特筆しておくべきことは,「シドマイヤーズ シヴィライゼーション VII」創始者コンテンツパックというDLCを購入するか,ほかのDLCなどをすべてパッケージ化した「シドマイヤーズ シヴィライゼーション VII」創始者エディションのいずれかを購入しなければ利用できないコンテンツであるということだ。
 創始者エディションは,「卑弥呼(倭の女王)」のパーソナリティがベースコンテンツとして付属する通常版の,ほぼ2倍の価格となる1万6500円なので,2人の卑弥呼をプレイし比べてみるのにはハードルが少々高いと感じるゲーマーも少なくないはず。2K Gamesの作品群はSteamセールされやすいことを考慮すれば,かなり悩ましいところではあるだろう。


近代日本(明治日本)は,日本型銀行と重工業の“護送船団方式”で生き抜け!


 「シドマイヤーズ シヴィライゼーションVII」では,英語版では「Meiji Japan」と表記されているが,日本語訳は「近代日本」となっているので,以下はこちらの表記に従う。
 混乱しないよう何度も書くが,本作では各時代に10種類程度の文明が用意されているとは言え,ローンチ時点で「古代日本」や「中世日本」が存在するわけではない。前回の記事でも書いたように,例えば,卑弥呼を使って古代のミシシッピ族やクメール族からプレイし,中世の明やノルマン,ハワイ文明など,まったく日本らしからぬ勢力で生き抜いていくと,やがて近代日本がアンロックされる。

フリードリッヒ2世の「プルシア」などと共に,先日アナウンスされたのが2パターン目となる指導者「卑弥呼(大巫女)」と近代に登場する「近代日本(明治日本)」。文明については公式サイトで詳しく紹介されている
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 どちらの卑弥呼でプレイしても,近代に差し掛かると近代日本はデフォルトでアンロックされる仕様になっているが,プレイヤーが前時代にどんなプレイをしたかによって,ほかにもアメリカ,フランス帝国,メキシコ,ロシア,清,ブガンダなどの国がプレイアブル文明としてアンロックされる。前時代の地域勢力とは違う近代国家群でプレイできる仕組みだ。
 各時代で勃興する都市や町の地名が,漢字表記になっているのは中国の各文明と近代日本だけで,日本語版でプレイした場合は自国勢力内でも漢字表記とカタカナ表記の地名が入り乱れるため,少し違和感がある。

 なぜ,これまでのシリーズのように都市の名称変更をさせてくれないのかは疑問だが,探検の時代と近代の開始時点で,勢力内のほかの主要都市に遷都するオプションがあり,近代日本では首都名を「東京」にできる。それ以降に建設する町も,大阪や名古屋など現代日本の主要都市名が使われている。

 さて,近代日本の特性は,「建造物を改築すると,その建造物の生産コストの50%に等しい科学力を得る」というもので,文明のキャッチフレーズは「御一新」となっている。前回の記事にも記したように,「改築」というのは本作で新しく追加されたゲームメカニックであり,プレイヤーはすでに前時代に設置済みの「鍛冶屋」だとか「神殿」といった施設があるタイルに,現代の「学舎」や「銀行」「博物館」「鉄道駅」といった施設を加えられる。タイルの中には前時代の遺物も小さくなって残っているので,そのグラフィックスのミニチュア感がハンパない。

 こうして改築を行った際は,その土地のベース資源に加えて過去の建物が残した食料,生産,文化,科学,幸福度関連のポイントが失われることはないので,卑弥呼(大巫女)のみの特性を使って積極的に改築を行うことで,科学面での基礎的な弱点を補っていける。
 「道後温泉」は近代以降にアンロックされる遺産だが,条件次第では建設できない都市もあるし,当然ながらほかの文明が先に建設してしまう可能性もある。万葉集にも載る古来からの温泉名所が,なぜ近代になって登場する遺産なのかは疑問だが,細かいことに執着しても仕方ない。

日本人にとっては歴史ある名湯というイメージだが,近代になってようやく登場する遺産が「道後温泉」だ。前作の遺産建築アニメーションも素敵だったが,本作も中々のもの。ゲーム画面でも花火が打ち上がる
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 各時代のそれぞれの文明には,固有のユニットと建造物が存在するのも「シドマイヤーズ シヴィライゼーションVII」の大きな特徴だ。近代日本の固有ユニットは贅沢にも2つあり,まず,重海洋ユニットとして戦艦「三笠」が登場する。三笠は初めて倒されたときのみ,HPが50%の状態で最寄りの自国領地にある港で復活する。
 また,戦闘機ユニットは「零戦」であり,戦闘機に対して+4の攻撃力を発揮する。どちらも司令官の攻撃面をアップグレードしていくことで,強力な部隊を作り出していけそうだ。

近代日本の固有ユニットである「三笠」。キルされても一度だけ最寄りの港に復活するという特性を持つ
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 建造物は,ゴールド+5の「日本型銀行」と,生産力+5の「日本型重工業」で,どちらも隣接施設や遺産にボーナスが加わる。つまり,卑弥呼(大巫女)でプレイした場合は,指導者としての弱点である科学を,ほかの科学力に優れた文明や,科学系の特色を持つ都市国家と同盟を結ぶことで補い,ゴールドを生かした経済勝利か,軍事力で国境を守りながらの軍事勝利を目指すという道筋が描ける。
 経済勝利は「偉大な銀行家」という偉人を生み出して世界銀行を建設すること,軍事勝利は「マンハッタン計画」と,水素爆弾を発明する「アイビー作戦」を成功させるのがゴール地点となる。近代日本にこだわるなら,19世紀終わりまでには高度成長期に比例する経済発展を遂げて,世界銀行まで建設してしまう経済勝利を選びたいところではある。

経済勝利を目指すのは,研究したり,工場を建てて加工食品を作ったり,鉄道駅や港を建てたりと,何かと忙しい
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近代には“危機”がないからこそ,もはや何でもありの策略で戦い合う


 「シドマイヤーズ シヴィライゼーションVII」の暗黒時代に相当する“危機”は,ゲームの進歩状況によって否応なく,マップ全体に影響を与える。“レガシーパス”は,経済,軍事,文化,そして科学という本作で用意された勝利条件をアンロックするための本作の新要素で,インタフェース左上のトロフィーのマークの下に,0%から100%までの進捗が常に表示されている。

 古代,探検の時代,近代にそれぞれ異なるレガシーパスがあり,プレイヤーはゲーム序盤に任意で助言者を選ぶことになるが,どのレガシーパスを進んでもいいし,もっと言えば複数を同時進行させてもいい。
 これが70%に達すると危機の兆候が発生して,社会不安や敵対勢力の反乱,疫病の発生などのネガティブ要素を加える社会政策カードから1枚を選ぶことになる。さらに80%で追加の2枚,90%で追加の1枚(そのパターンはゲームごとに異なる模様)と社会政策カードが増えていき,そのときどきで発生するイベントを乗り越えていくことになる。

難度が低すぎると,少しゲームに慣れただけで無双状態になってしまう。自分に適切な難度に調整したいところだが,指導者のXPを上げて新しい記念品を獲得したいところでもあるのが悩ましい
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 もちろん,レガシーパスはライバル勢力も自動的に目標を定めてそれぞれの道を進んでいるため,難度を高く設定している場合は,勝手に危機が進行していってしまう。
 危機は全世界的に発生するものなのだが,発生した危機に対してどんな危機カードを選び,どんな社会政策に転換するかで,国家の崩壊状況も変化する。危機が終わって次の時代を迎えると,高度な科学力を持っていたライバルの国土が小さくなり,弱体化しているということも起こり得るのだ。

 なお,その時代にどの条件のレガシーパスをどれだけ敢行したのかによって,次の時代に受け継いでいく伝統も変化するという設定になっているのか,次の時代のスタート時点でアンロックされる「指導者の属性」に加わるポイントも変化する。
 この属性には,文化,外交,経済,領土拡張主義,軍事,科学という6つの項目があり,社会政策や移住地上限のスロット数や,建造物から得られる効果などがあり,プレイヤーは指導者そのものをカスタマイズしていける。

レガシーパスの進捗状況(時代の進展)は,グラフで確認できる。近代の勝利レースにゴールできなければ,それぞれのレガシーポイントの合計で決着がつくのだ
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 移住地上限については,プレイヤーが獲得する政策や属性で変化するのだが,大まかに言うと古代では6,探検の時代は12,近代になると20といったところだ。これを超えて町を作ると,幸福度が下がって社会的な不安が発生し,危機が発生した際には近隣諸国に寝返ってしまうこともある。
 近代になると,物資が豊富なので,移住地上限を超えたところで大きな問題は生じにくいが,この時点で残されている空白地は少ないため,まだ持っていない資源の獲得を狙って敵に攻撃を仕掛けたり,地理的な戦略拠点となる都市を狙ったりすることが重要となる。

 特に,近代においては40ターンほどに差し掛かったところで「イデオロギー」の選択を迫られる。これは,「民主主義」「共産主義」「ファシズム」のいずれかを選択するというもので,それぞれに文化や科学面での一長一短があるので,プレイヤーが目指している勝利条件に沿ったものを選べばいい。もちろん,プレイヤーのこだわりで選んでもいい。
 こうしたイデオロギーは,それぞれの勢力も選択してくるので,やがては3つの陣営に分かれる世界的な対立構造が発生し,多くの場合は世界大戦が勃発する状況になるのだ。

 ここで必要になってくるのが外交能力だ。近代においても都市国家は存在するが,残された領土は少なく,多くの場合は近隣の勢力に簡単に滅ぼされてしまう。
 そのためプレイヤーは,相手を非難して正規戦争に持ち込んだり,文化交流や支援をとおして友好を維持する「外交努力」を行ったり,「制裁」や「スパイ活動」で相手の成長を妨害したりと,細かい外交政策を展開し,相手を翻弄していく必要があるのだ。

 卑弥呼(倭の女王)の場合は,ここに自国と同盟国の科学力を25%も向上させる外交努力「親魏倭王」が加わるので,科学勝利を目指す場合は,同盟国を増やし続ける努力を怠らないようにしたい。こうした多彩な外交オプションは,マルチプレイモードでかなりの真価を発揮するはずだ。

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 Firaxis Gamesのエクゼクティブ・プロデューサーであるデニス・シャーク(Dennis Shirk)氏が形容するように,「シドマイヤーズ シヴィライゼーションVII」は,確かにこれまでにシリーズと比較すると“革命的”な作品だ。
 ファーストインプレッションの際に,リードデザイナーのエド・ビーチ(Ed Beach)氏は,「3分の1はシリーズの面白さを継承し,3分の1はそれを改良,そしてもう3分の1は新しい要素を加える」という,本作におけるゲームデザインの意図を語っていたが,その話を考慮しても,過去作からかなり違った作品になっている。

Nintendo Switch向けにもリリースされるというのは驚きだが,Steam Deckでもプレイ可能。Civはもはや,持ち運ぶ時代だ
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 3つの時代を辿ることで,「途中で負けが分かってプレイを辞めてしまう」ことを回避させ,最後まで気が抜けないゲームプレイを実現しているのはとても興味深いポイントだ。
 クリア率が低いとされるシリーズだが,本作では最後までプレイすることで,少しだけゲームに影響する“記念品”を獲得できる。このような要素からも最後までプレイしてほしいという開発チームの思いが伝わってくる。

 本作では,指導者と文明を分けたことで「もし科学的に進歩していたマヤ文明が現代まで続いたら,宇宙開発競争に勝てただろうか?」といったような,過去作にあった歴史ファンタジー要素が希薄になっているのは確かだろう。未来的なテクノロジーやユニットが登場しなかったり,停戦条件に居住地の受け渡し以外のオプションがなくなっていたりと,気になる変更点も少なくない。

「卑弥呼(倭の女王)」はデフォルトの指導者だが,眠れない夜に向けて,今からしっかりと体調を整えておこう
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 シャーク氏やビーチ氏はこれまでのインタビューなどで,「現在もCiv5やCiv6のプレイヤー数は少なくないため,同じような新作を出しても仕方ない」と伝えており,開発において,新しいことにチャレンジしたという姿勢は強く感じられる。

 しかし,そんな新しいゲームプレイのなかにも,「あと1ターン……,もう1ターンだけ……」とプレイヤーを徹夜に誘う,甘い誘惑のエッセンスがあるという事実は伝えておこうと思う。

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