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[GDC 2024]モノクロ世界で展開するホラーADV「HORSES」を紹介。不気味な農場で14日間におよぶ奇妙な出来事を体験する
HORSESは,夏休みの体験労働のために,とある農場にやってきた若い男が主人公となるホラーアドベンチャーゲームだ。プレイヤーは14日間,農場の作業と動物たちの世話をするが,農場を探検するうちに多くの“驚き”に遭遇し,不穏な謎が明らかになっていく。
プレイアブルデモでは,農場主と思われる男に誘われるがままに,ジョウロに水を入れてニンジンに水をやるといったミッションを体験できた。
本作の大きな特徴は,グラフィックスがすべてモノクロで統一されているところだ。ジョウロに水を入れるときや,ニンジンに水を与えるときにも,モノクロ映像がカットシーンとして挿入されていた。ボルレラ氏によると「サイレント映画的にアレンジした世界観」を目指したという。
セリフについてもキャラクターが話すのではなく,そのシーン直後の字幕専用ページに書かれた文章を読んでいくという趣向になっている。会話シーンでは,ときどき農場主が超ドアップになったが,これはサイレント映画時代のオマージュというよりは,プレイヤーに不気味さを感じさせるギミックの1つであると思われる。
公開されているトレイラーやスクリーンショットを見れば,ホラーといっても直接的な恐怖感の演出より,ジワジワと身の毛がよだつような不気味な状況で溢れていることが分かる。どういうわけか農場で働く人たちが馬の被り物を付けてほぼ全裸のままで教会に座っていたり,その馬人間を調教するかのように鞭でしばいたりと,昼間の労働が終わると夜な夜な悍ましい世界が展開していくようだ。
公式サイトには,「このゲームには,身体的暴力,心理的虐待,切断や流血などの残虐な画像,奴隷制度,拷問,家庭内虐待,性的暴行,薬物乱用の描写が含まれています。ゲーム全体を通して,キャラクターの会話は,人によっては苦痛や不安を感じるかもしれない心理的トラウマについて言及しています。個人の判断でプレイすることをお勧めします」と注意書きがある。
もちろん,Day of the Devsのセレクションに選出されるくらいのゲームだから,こうした暴力的な描写はプレイヤーに単にショックを与えるものではなく,確立された権力構造の中で起こり得る個人の責任を問うようなメッセージ性が含まれていると思われる。なお,暴力や卑猥なシーンにはモザイクが自動でかかる「ストリーマーモード」も用意されている。
HORSESは,現在のところSteamストアページも公開されていないが,Santa Ragioneをパブリッシャに2024年内のリリースが予定されている。近日中にデモも配信するとのことだ。
「HORSES」公式サイト
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