［プレイレポ］「HUNTER×HUNTER NEN×IMPACT」は格闘ゲームの奥深さを秘めつつも，シンプル操作で初心者でも楽しめる仕上がりに

　ブシロードから発売を予定されている新作対戦格闘ゲーム「HUNTER×HUNTER NEN×IMPACT」（PC / PS5 / Switch）が，「EVO Japan 2024」のブシロードブースに出展されていた。


　本作は，冨樫義博氏原作のアニメ「HUNTER×HUNTER」を題材にしたゲームで，3on3の本格的な2D格闘ゲームが楽しめるという触れ込みで発表されている。今回，出展されていた試遊台でプレイフィールを確かめてきたので，その内容をお届けする。

「HUNTER×HUNTER NEN×IMPACT」公式サイト

　本作の対戦フォーマットは3on3だが，ひとりずつ順番に登場して戦う形式ではなく，リアルタイムで操作キャラを変更する形式となっている。格闘ゲームに長く親しんでいるプレイヤーであれば，「MARVEL VS. CAPCOM」シリーズと同じフォーマットと言えば伝わりやすいだろうか。

　操作キャラクターの攻撃アクションに加え，控えのキャラクターもアシスト攻撃も入り乱れるので，画面上の情報量はかなり多い。キャラクターの交代に付随する駆け引きなどは，3on3ならではの要素が強く，「本格対戦格闘ゲーム」と謳われているだけあって，このあたりは玄人好みの調整といった印象を受けた。


　反面，操作体系はシンプルで，方向キーによる必殺技のコマンド入力を撤廃し，必殺技（本作ではアーツと呼称）はアーツボタンをニュートラル，またはいずれかの方向に方向キーを入力しながら押すだけになっている。

　コンボに関しても同様で，ラッシュボタンを押し続けながら弱，中，強攻撃のいずれかを連打するだけで自動的にコンボを行ってくれる「ラッシュコンボ」が搭載されている。

　もちろん自身で入力してのコンボも可能だが，ラッシュコンボの出来はすばらしく，かなりのダメージを叩き出せていた。1ボタンの必殺技やシンプル操作でのコンボは，格闘ゲーム初心者にとっての入りやすさ，遊びやすさにつながる要素と捉えていいだろう。


　本作で使用するボタンは，操作キャラクターの攻撃に使用する弱，中，強，ネンパクトの4ボタンと，控えキャラクターの攻撃や交代に使用するアシストボタンがふたつ，そして必殺技を出すためのアーツボタン，ラッシュコンボに使用するラッシュボタンの計8ボタンとなる。

　ネンパクト攻撃は相手を吹き飛ばす攻撃で，立ち版は早い段階から，しゃがみ版は動作途中から下段攻撃以外に対するアーマーが付与される。移動関連は現状のすべてのキャラクターが前後ダッシュ，空中前後ダッシュ，ハイジャンプが可能。避けや前転のような特殊行動は共通システムになくシンプルにまとめられている。


　画面下部のオーラゲージを消費する行動は，超必殺技の「オーラアーツ」，その強化版の「Lv3オーラアーツ」と相手を強制的に交代させる「イジェクトアタック」，ガード中に控えキャラと交代する「リバーサルスイッチ」の3つ。

　オーラアーツからはゲージを追加消費することで，控えキャラクターと交代しつつ交代したキャラクターのオーラアーツを続けざまに放つ「スイッチアーツ」に派生できる。また，チームメンバーひとりにつきゲージを1本消費することで，全員を呼び出して一斉にオーラアーツを放つ「ユニゾンアーツ」も使用できる。

原作の技をオーラアーツで完全再現。原作ファンが楽しめるキャラゲーの側面も持つ

　試合中に1度しか使えないかわりに。大きくキャラクターを強化できるのが「オーバーギア」と呼ばれるシステムだ。発動中は攻撃力や移動速度が上昇し，オフェンス面が大きく強化される。

　オーバーギアは攻撃動作中やガード硬直中でも発動でき，コンボ中のダメージアップや切り返しからの攻守逆転など使いどころが多そうbotann。1度しか使えないので，使いどころが重要となりそうだ。

一発逆転を狙える強力なシステムのオーバーギア

　また，オーバーギアと同等の効果を短時間だけ得られる「クイックギア」というシステムもあり，使用時にリカバリーゲージ（回復可能な体力）を消費する。

　クイックギアはガード中に発動こそできないものの，自分の攻撃動作中に発動できるため，オフェンス面での自由度の高さにつながっている。こちらもプレイヤーの使い方次第で無限の可能性が広がっていそうなシステムだ。

リカバリーゲージを消費するためリスクもあるクイックギア。攻撃的なシステムで，こちらも使い方にプレイヤーの個性が出そうだ

　今回30分ほどの試遊で印象に残ったのは，格闘ゲーム初心者でも遊びやすくなる設計の数々だ。操作体系はシンプルであるし，ラッシュコンボを取り入れるなど，より多くのプレイヤーにとって遊びやすいゲームに仕上がっているように感じられた。


　格闘ゲームというジャンルは，魅力的なキャラクターを自分の手で思うように動かせるため，いわゆる“キャラゲー”と親和性は高いが，操作面や対戦の読み合いといった難度的な部分でハードルが高いとされている。

　しかし本作はその難度的な部分が緩和されているのは間違いない。「HUNTER×HUNTER」は好きだけど，格闘ゲームは遊んだことがない，そんな人こそ一度本作を遊んでみてほしい。魅力的なキャラクターを自在に動かす楽しさを感じられるはずだ。

「HUNTER×HUNTER NEN×IMPACT」公式サイト