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ヨークシンシティを舞台に幻影旅団との戦いが描かれる「『HUNTER×HUNTER』THE STAGE 2」公開ゲネプロレポート
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印刷2024/03/19 12:00

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ヨークシンシティを舞台に幻影旅団との戦いが描かれる「『HUNTER×HUNTER』THE STAGE 2」公開ゲネプロレポート

 冨樫義博氏による漫画作品を原作とした舞台「『HUNTER×HUNTER』THE STAGE 2」の東京公演が,2024年3月16日に天王洲 銀河劇場にて開幕した。

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 原作となる「HUNTER×HUNTER」は,1998年に週刊少年ジャンプ(集英社)にて連載を開始した漫画作品だ。主人公のゴンは父であり,ハンターであるジンに会うべく,ハンターとなってさまざまな困難に立ち向かいながら,強敵とのバトルや仲間との絆を深めていく物語が描かれる。

 本公演は,昨年行われた「『HUNTER×HUNTER』THE STAGE」の第2弾にあたり,第1弾からの続投となる大友至恩さん(ゴン役),阿久津仁愛さん(キルア役),小越勇輝さん(クラピカ役),近藤頌利さん(レオリオ役),丘山晴己さん(ヒソカ役)らに加え,太田基裕さん(クロロ役)をはじめとした幻影旅団のメンバーが新たに登場する。

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 冨樫義博氏による漫画作品を原作とした舞台「HUNTER×HUNTER」THE STAGEが,天王洲 銀河劇場にて上演中だ。本稿では,大友至恩さん,阿久津仁愛さん,小越勇輝さん,近藤頌利さん,上田堪大さん,丘山晴己さんらキャスト陣による公開ゲネプロの模様を現地写真とともにお伝えする。

[2023/05/16 18:00]

 このほか前回公演から引き続き出演する一部キャストも含め,数十名のキャストたちが登場し,ときに華やかに,ときにコミカルに,そしてときにドラマチックに物語を紡いだ。

 本稿ではそんな「『HUNTER×HUNTER』THE STAGE 2」の公開ゲネプロの模様をお伝えしよう。

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ヨークシンを舞台に繰り広げられる
幻影旅団との戦いを2幕構成で描く


 第2弾となる本公演では,ヨークシンシティを舞台に,クラピカと幻影旅団を中心とした物語が展開された。

 舞台のオープニングでは,今回の中心人物とも言えるクラピカ(演:小越勇輝)が,彼の暮らしたクルタ族や,一族特有の緋色に変わる瞳,そしてクルタ族に起きた悲劇を歌唱パートで表現していた。

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 そしていよいよ本編がスタート。ゴン(演:大友至恩)はキルア(演:阿久津仁愛)を連れて自分の生まれ育ったくじら島に帰郷し,ハンターになったことをミトに報告する。そこからゴンとミトの温かなやりとりや,ゴンとキルアの母親に対する気持ち,そしてゴンとキルアがそれぞれこれから目指すべきものなどが星空の下でゆったりと語られた。

 ハンター試験の合格を報告したゴンがミトから渡された,父であるジンから預かったという“箱”の開封シーンでは,回想という形で本作の軸となる能力“念(ネン)”能力の会得と,天空闘技場でのヒソカ(演:丘山晴己)との戦いを振り返った。ここではクラピカの念能力習得も同時に描写されており,双方の念習得シーンがきれいに収められていた。

 原作では,天空闘技場に挑むなかで念能力を会得し,ヒソカとの戦いを経てくじら島への帰郷を果たすゴンとキルアだったが,本公演ではその部分が回想でのダイジェストという形で構成されており,舞台としてのテンポの良さが感じられた。

 ダイジェストとはいえ,ゴンとヒソカの天空闘技場での戦いは序盤の見せ場として描かれ,ゴンをあしらうようなヒソカの余裕さが歌唱パートで表現されている。ヒソカの念能力“伸縮自在の愛(バンジーガム)”の演出やゴンの石版返し,そしてゴンがハンター試験時のプレートをヒソカに突き返すシーンなど,見どころ満載だった。

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 また,クラピカが所属することになるマフィア「ノストラードファミリー」に関わる個性的なキャラクターたちを,キャストたちが見事に演じきっていたのも必見だ。センリツ(演:岩田弘子)をはじめとした護衛団(バショウ,ヴェーゼ)や,護衛団のリーダーであるダルツォルネ,スパイのスクワラトチーノといった面々も登場。トチーノの念能力「緑の下の11人(イレブンブラックチルドレン)」とのバトルや,スパイをあぶり出すクラピカのダウジングなどもしっかり再現されていた。

 さらに,ノストラードファミリーのボスであるライト(演:和泉宗兵)や,その娘ネオン(演:櫻井佑音)も登場。娘に甘いライトや自由でわがままなネオンの可愛らしさ,そしてネオンの念能力“天使の自動筆記(ラブリーゴーストライター)”も存分に表現されていた。とくにラブリーゴーストライターで書かれた予言詩が半透明スクリーンに投影されたり,舞台全体に投影されたりする演出は,能力の独特な雰囲気と空気感が感じられた。

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 一方で,ヒソカがシャワーを浴び,幻影旅団の一員であることを示すクモのマークを見せるシーンでは,丘山さんのちょっとしたアドリブも見られ,ヒソカのキャラクター性と相まって会場から笑いが起こるなんてこともあった。

 幻影旅団の面々が一堂に会するシーンは,とにかく圧巻の一言。その存在感と異様さは,原作ともアニメとも違った雰囲気が感じられ,本舞台独特の空気感が味わえた。

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 ストーリーはテンポよく進み,ヨークシンでレオリオ(演:近藤頌利)と合流したゴンとキルアが携帯電話を買う際,レオリオが値切り交渉で人だかりを作るシーンや,お金が必要なゴンとキルアに手を貸す形で条件付き競売と言う名の腕相撲で金儲けをするシーンなどが展開。レオリオが絡むシーンはややコミカルな部分もあり,本公演の中でも数少ない和みシーンだった。

 オークションで大暴れする幻影旅団の面々,とくにウボォーギン(演:伊勢大貴)が野性味溢れる大立ち回りでマフィアをなぎ倒していく場面は,迫力ある演技が存分に楽しめた。また,クラピカとウボォーギンの対決では,クラピカの怒りと悲しみ,そして自らの念能力に込めた制約と誓約。ウボォーギンの意思の強さなどが2人による歌唱パートで表現され,第1幕はクラピカとウボォーギンの決着までを描いて終了した。

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 後半となる第2幕は,歌に合わせてクロロ(演:太田基裕)が登場し,クラピカの捜索と捕縛を旅団員に指示するシーンからスタートした。そんななか,ゴンとキルアは金策途中でゼパイルと出会う。結果的にゼパイルに資金調達を手伝ってもらうこととなるが,このゼパイルとの食事シーンも数少ないコミカルなシーンとして描かれている。

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 そのすぐあと,ゴンとキルアは懸賞金のかかった旅団メンバーを尾行するも逆に捕縛されてアジトに連行されてしまう。一方でクロロは買い物中に逃げ出したネオンと遭遇し,占ってもらうと同時にクロロの念能力“盗賊の極意(スキルハンター)”でラブリーゴーストライターを盗むという展開に。クロロを占うネオンのシーンは,ネオンの歌唱も相まって幻想的な雰囲気さえ感じられた。

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 ウボォーギンを除く幻影旅団全員でのマフィアンコミュニティーとの戦いは,クロロの歌唱をバックに迫力ある演出と殺陣で繰り広げられ,ウボォーギンへのレクイエムとして捧げられていたのがとても印象的だ。

 また,昨年の第1弾にも登場していたキルアの父,シルバ(演:北村圭吾)とキルアの祖父,ゼノ(演:椎名鯛造)とクロロとの対決は,音と映像の演出も派手で見どころ満載だった。

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 場面は変わって,クラピカとゴン,キルア,レオリオが久しぶりに再会するシーンは,クラピカが自身の念能力について打ち明けるとともに,ゴンたち3人の覚悟が示されており,4人の絆が深まる様子も感じ取れた。

 舞台も終盤に入ると,展開も目まぐるしく変化していく。クラピカを追う幻影旅団と,幻影旅団を追うゴンとキルアといった構図や,そのあとのクロロと対峙し冷静さを欠いたクラピカを庇って,再び捕まったゴンとキルアのシーン。さらにその状況下で奇襲を仕掛け,クロロを捕縛に成功し,クロロとクラピカが会話するシーンなどは,高い緊張感のなか,シリアスな演技が繰り広げられた。

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 最後となるクロロとゴン,キルアの人質交換のくだりでは,クラピカの脅迫に対して個人の考えと幻影旅団としての考え,どちらを優先するのかという葛藤に苛まれるパクノダ(演:鳳翔 大)の心が歌唱パートで表現された。一方のクラピカも,自身の矛盾した行動に苦しむ場面も見られた。

 結末は原作と同様とはいえ,ここでの記載は避けるが,この人質交換を経て物語はエンディングへと向かっていく。

 エンディングではゴン,キルア,クラピカ,レオリオによる歌唱パートが披露され,“グリードアイランド”につながっているであろうサイバーな扉の奥へ去って行き,次への期待も感じさせてくれた。

 そしてカーテンコール。見事なまでに演じきった数十名ものキャストたちが舞台上に並び立ち,客席へ挨拶しながら去っていく。最後に残ったゴンは,飛び上がりながら元気よく腕を上げ,客席に挨拶をして締めくくっていた。

 原作に忠実なストーリー展開にしつつ,原作の構成をうまく組み替えており,原作ファンならもちろんのこと,原作を知らなくてもキャラクターの関係性や作品特有の設定,世界観などもすんなり飲み込みながら「HUNTER×HUNTER」の物語を楽しめるだろう。長時間の舞台ではあるが,観劇後はあっという間だったと感じるほどのめり込める作品となっていたので,気になる人にはぜひ観劇をおすすめしたい。

 なお,東京公演は3月31日まで行われ,4月6日〜4月14日には大阪公演(梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ)が控えている。また,DMM TVでは東京初日公演の見逃し配信が実施予定のほか,大阪公演の千秋楽となる4月14日公演のライブ配信と1週間の見逃し配信(4月15日〜4月21日まで)の実施も決定しているので,現地に行けない人もぜひチェックしてほしい。

「『HUNTER×HUNTER』THE STAGE 2」公式サイト

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