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[TGS2023]自由度の高い動きで,多数の敵をなぎ倒す。「RUSHING BEAT X: Return Of Brawl Brothers」プレイレポート
「RUSHING BEAT X: Return Of Brawl Brothers」公式サイト
「RUSHING BEAT X: Return Of Brawl Brothers」は,ジャレコのベルトスクロールアクション「ラッシング・ビート」シリーズの最新作だ。スーパーファミコン用ソフトとして発表された3作品のうち,第2作「ラッシング・ビート 乱 複製都市」(以下,乱)と第3作「ラッシング・ビート修羅」の間に起こった事件を描く。
シナリオは「NAMCO x CAPCOM」「PROJECT X ZONE」といった作品を手がけた森住惣一郎氏が担当している。国内版と海外版では異なる設定を統合し,「伊賀忍術伝 五神の書」「DEAD DANCE」といったジャレコ作品との関係性も正式な設定として盛り込まれているとのこと。このあたりは,東京ゲームショウ2023で行われた開発者トークセッションのレポートをご覧いただきたい。
[TGS2023]過去作の設定を盛り込む「ラッシング・ビート」愛で新作を作り出す。「RUSHING BEAT X: Return Of Brawl Brothers」開発者トークセッションレポート
「東京ゲームショウ2023」の3日目となる2023年9月23日,シティコネクションブースでは,「RUSHING BEAT X Return Of Brawl Brothers 開発者トークセッション」が行われ,発表されたばかりの「RUSHING BEAT X: Return Of Brawl Brothers」の開発秘話が明かされた。
群がる敵を格闘技や武器でなぎ倒していくアクションは,爽快の一語に尽きる。ロケットランチャーで敵を吹っ飛ばしたり,引っこ抜いた標識を振り回したりといった破天荒な攻撃も存在し,まさに1990年代のベルトスクロールアクションといった雰囲気が漂う。相手を奥に投げつけてオブジェクトにぶつけると,武器や食料といった隠しアイテムが出現することもあり,いろいろと探してみるのも楽しい。
特筆すべきは「さまざまなキャンセルによる自由度の高さ」「武器と食べ物の持ち運びによる戦略性」だろう。
本作には連打で連続技を出す「通常攻撃」,相手を打ち上げる「特殊攻撃」,そして手持ちの武器を使う「武器攻撃」という3系列の攻撃が存在し,ジャンプやダッシュで自由にキャンセルできるのがポイントだ。「通常攻撃→特殊攻撃で打ち上げ→ジャンプキャンセル→空中の通常攻撃→2段ジャンプ→空中特殊攻撃でシメ」といった,格闘ゲームのようなコンボ構築も実現できる。
通常攻撃を決めた後や,倒れた相手に追い討ちを決めた後などに存在するベルトスクロールアクションでは当たり前の硬直も,本作ではダッシュやジャンプでキャンセル可能。うまく使えば,硬直を挟むことなく別の相手に対処したり,有利な位置に移動したりできる。いわば立ち回りに組み込めるキャンセルというわけで,意識すればより密度の高い戦いが楽しめそうだ。
多くのベルトスクロールアクションでは,武器を拾うと使い切るまで通常攻撃ができない(=武器と通常攻撃を両立できない)が,本作では拾った武器を5つまでストックでき,好きなタイミングで使える。武器を取り出すのではなく,武器で攻撃するボタンがあるため,コンボや立ち回りの中でとっさに武器攻撃が可能だ。
ナイフは突き刺しと投擲,モップなら打ち上げるスイングと吹っ飛ばすスイングといったように,1つの武器には複数の使い方が存在する。正面の相手をモップで打ち上げた後,武器を素早くナイフに切り替えて,背後から迫る相手に投げつけるといった武器メインの立ち回りもできる。
また,食べ物もストックして持ち運べるため,攻撃中やダウン中,果ては体力が尽きてからゲームオーバーになるまでの間など,あらゆるタイミングで食べられる。ステージの合間には,キッチンカーで複数の食べ物を組み合わせて調理し,さらに回復効果が高いメニューを入手できる。その場で食べるのか,キッチンカーまで我慢するかという独特の戦略性も面白い。
さまざまな攻撃とキャンセル,そして武器を駆使すればテクニカルに戦える。それだけに指先は忙しい。その一方,通常攻撃のボタンを押しっぱなしにすれば自動で一連の技を出してくれるアシスト機能が存在し,技を出している途中から自分で操作することも可能だ。
さまざまな瞬間にかけられるキャンセルや,複数の使い方ができる武器をストックできることにより,とにかく動きの自由度が高いという印象を受けた。システムの理解度が高まれば,さらにテクニカルな密度の高い立ち回りを楽しめそうだ。
なお,現時点での完成度は50%とのこと。今後が非常に楽しみに感じられる。
会場では,ディレクターを務める渡辺 敬氏に話を聞けたので,以下にその内容をお届けしたい。
4Gamer:
よろしくお願いします。制作発表,その直後に東京ゲームショウのプレイアブル出展という展開に驚きました。来場者の反応はいかがでしょうか。
良い評価をいただけていますし,いろいろなご意見によりブラッシュアップの方向性も裏付けが取れました。例えば,システム的にやれることは多いのですが,順序立てて覚えていただくような導線作りなどですね。
4Gamer:
アクション面の方向性はどのようなものになりますか。
渡辺氏:
過去作のプレイヤーが違和感を覚えないようにキャラクターの動きを再現したうえで,乱に存在した破天荒な動きを始めとしたシリーズの魅力を拡張したいと思っています。
4Gamer:
実際にプレイしましたが,ダッシュやジャンプによるキャンセルの自由度が高いと感じました。
渡辺氏:
自由度が高いのは意図的なものです。どんな動きができるかはプレイヤー自身で考えて発見してもらいたいですし,その過程でストレスを感じることがないようにしています。
プレイヤーが思ったとおりに動かせることが目標です。体験版をプレイされているのを見ていると,こちらが想定もしていないような連係があって驚きました。
4Gamer:
自由度が高いと,初心者には難しくないでしょうか。
渡辺氏:
ボタン押しっぱなしで一連のコンボを出してくれる「ラッシングアタック」というアシスト機能を実装しています。ラッシングアタックの途中から自分で操作したり,逆に手動でコンボを出した後にラッシングアタックに引き継いでもらうことも可能です。例えば,特殊攻撃で打ち上げた後にボタンを押しっぱなしにすれば,ラッシングアタックが続きのコンボを決めてくれるというわけです。
4Gamer:
アシストがあれば,初心者も安心して遊べそうです。
今回の体験版には登場しないロード・J,ウェンディ,華斬はどのようなキャラクターですか。
渡辺氏:
ロード・Jは打撃と投げのマルチ型で,同じ重量級のダグラスより打撃の割合が高く,強力な投げ技も持っています。ウェンディは軽量級で,空中投げを始めとした空中殺法の使い手です。そして華斬は忍者として,敵を惑わすような行動や強力な空中技を持ち,地上でも素早く動くことができます。
4Gamer:
なるほど。楽しみなキャラクターですね。
4Gamer読者にメッセージをお願いできますか。
渡辺氏:
今回のプレイアブル出展では,国内外を問わず多くの方にプレイしていただけて,ラッシング・ビートが注目度の高い作品であることを再確認しました。
今はラッシング・ビートらしさを保つということを強く意識して,開発を進めている段階です。発売日までは時間がありますが,楽しみにしていただければと思います。
4Gamer:
ありがとうございました。
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