［TGS2023］「幻日のヨハネ -BLAZE in the DEEPBLUE-」試遊レポート。幻日のヨハネらしさをたっぷり味わえるビジュアル、本格派な探索アクションの作りに驚かされた

　2023年9月21日に開幕した「東京ゲームショウ2023」（以下，TGS 2023）のインティ・クリエイツにて試遊出展されている，「幻日のヨハネ -BLAZE in the DEEPBLUE-」（PC / PS5 / PS4 / Xbox Series X|S / Xbox One / Nintendo Switch）の試遊レポートをお届けしよう。　


　本作は，「ラブライブ！サンシャイン!!」の公式スピンオフ作品「幻日のヨハネ」をゲーム化した探索型2Dアクションゲームだ。探索の舞台となるのが，異世界の街「ヌマヅ」の近海に突如として現れた謎の海底ダンジョン。プレイヤーは主人公のヨハネを操作し，調査に出たまま行方不明となった仲間を救出するためダンジョンに挑む。


　TGS 2023で試遊できるのが，神秘的な雰囲気の「海底神殿」と，暗がりに淡い光がさす「洞窟」という2つのステージだ。前者はほぼ1本道のステージで，基本的な操作やゲームシステムが学べるチュートリアルのような内容で，後者はステージ探索やさまざまなシステム，そしてバトルをより深く楽しめる。
　制限時間の15分を迎えるか，深部で待つボスを倒すと試遊終了となる。今回試遊したのはSwitch版で，どちらも製品版とほぼ同内容とのことだった。


　ゲーム進行はいわゆる“メトロイドヴァニア”と呼ばれるタイプの探索ゲームで，ステージの各所を行き来しながら，さまざまな条件で開放される能力を用いることでさらに探索範囲が広がっていく。ステージには謎のポータルがあり，そこをくぐるとランダムで変化するエリアにワープし，これが探索のよい刺激となっている。


　アクションの操作性はよく，ヨハネの動きはとても軽やかだ。ヨハネはライラプスや救出したヌマヅの町の仲間を召喚して戦うのだが，ジャンプやスライディングで敵の動きをかわしながら，それぞれ異なる特徴を持つ仲間の技で敵を倒していくのは，なかなかの爽快感を味わえる。


　今回の試遊では，基本攻撃となるライラプスのほか，町の仲間の中からチカとカナンを召喚できた。チカは，敵を一時的にひるませるバップガンを使った遠距離攻撃，カナンは相棒のロボット・トノサマと共に急降下して敵に大ダメージを与えるプレス攻撃を用いる。とくにカナンの急降下プレス攻撃は効果絶大で，召喚から発動まで少し間があるため慣れが必要だが，巨大なボス戦で大活躍してくれた。


　ライラプス以外の仲間の召喚にはDP（ダークポイント）というポイントを消費するので，使いどころを見極めつつ効果的に発動させたい。町の仲間の能力は，ステージの障害物を破壊したりどかしたりもできる。仲間が増えるとさらに探索の範囲が広がるわけだ。


　やり込み派にハマりそうなのが，「創造（キャスト）システム」。ダンジョン内で拾ったり，敵を倒したりして入手した素材を合成することで，召喚とは異なるもう一つ攻撃手段となる「武器」やステータスを強化できる「アクセサリー」などを作成できるというアイテム生成システムだ。


　アイテムは道中に任意のタイミングで作成と装備ができるのだが，その種類は90種類以上とのことで，「ダンジョンもぐるんなら，やっぱアイテム&装備集めよ！」という蒐集家の探索ゲームファンにはたまらないものがあるはず。武器によってはステージを進めるうえで必要なものもあり，ダンジョン踏破のためにも欠かせない要素となりそうだ。


　実際に触れて驚かされたのが，表現の豊かさとグラフィックスの美しさだ。ダンジョン探索のドット絵キャラはジャンプやスライディングといったモーションはもちろん表情も細かく，しゃがんだときの，頭を抱えて「ひぃぃっ......」みたいな表現がとても可愛らしかった。


　それらをはっきり見せてくれるのが美麗なビジュアルで，プレイする前の情報を見ていたときは「手元で気楽に遊べるゲームって感じかな」という印象だったのだが，ドット絵キャラもイベント時のアニメーションも，「これは大きなテレビやディスプレイでじっくり味わうものだっ」と思いなおした。
　背景と同化して足場が見にくい場所などもあったが，エリアによってガラリと雰囲気が変わるステージのビジュアルも必見だ。


　ビジュアルだけではなく，イベントシーンとアクションどちらもボイスがたっぷりで，ラブライブ!シリーズのキャラクターの魅力を存分に味わえるコンテンツとしてもオススメできる。ゲーム部分はこれまで説明したとおり，探索，アクション，アイテム収集&作成そのどれもが本格的で，メトロイドヴァニアの面白さもしっかり味わえるだろう。


　ボスとの戦いではその動きを覚えたり，際どい攻撃を交わしたりといったことが求められるが，敵が稀に落とす「楽譜」を使うことで“一定時間攻撃がクリティカル化＋DP消費なし”になるヨハネの歌の力を使えば，難関を突破できるはず。HPが0になると自動で発動するという点も，初心者にはありがたい仕様だろう。
　なによりこのヨハネの歌の力，発動時のモーションやアニメのカットイン，そして音楽が素晴らしいので，それもぜひ楽しんでほしい。


　といったわけで，ラブライブ!シリーズのファンでありメトロイドヴァニア好きの筆者としては，両方のファンにオススメしたい「幻日のヨハネ -BLAZE in the DEEPBLUE-」なのだが，最後に伝えたいことがある。それは，

　ヨハネとその仲間たちはもちろんなんだけど......ライラプス，かわいい！

　ということである。

　ヨハネを静かに見守り，ときに諭す良き相棒のライラプスの頼もしさ，そしてもふもふのかわいさは，イベントシーンだけではなく，（武器を錬成して所持できるけど）基本無力なヨハネを支えるように戦うモーションからも伝わってくる。リコの気持ち，めっちゃ分かる。

こちらは試遊の範囲外のシーン（ヨハネの占い屋）だが，寝ている姿もいいなあ

　「幻日のヨハネ -BLAZE in the DEEPBLUE-」は，2023年11月16日にPC，PS5，Xbox Series X|S，Switch，PS4，Xbox One向けにリリースされる予定だ。これまでに多くのゲームの情報や画像，ムービーが公開されているので，まだちゃんと追ってなかったという人はぜひチェックしてほしい。

なお，ハピネットブースでも試遊出展があり，こんな展示（記念撮影可！）もある。ライラプスもふもふ！　もちろんヨハネもかわいい

「幻日のヨハネ -BLAZE in the DEEPBLUE-」公式サイト

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