Switch版「Vampire Survivors」，ついにリリース。既存の各機種ではローカルCo-opを実装

　イギリスのデベロッパponcleは2023年8月17日，人気のカジュアルゲーム「Vampire Survivors」のNintendo Switch版をリリースした。ニンテンドーeショップの価格は499円（税込）だが，8月29日までの期間限定で10％オフの発売記念セールが行われている。なお，Switch版には，後述するCo-opモードがすでに実装されているという。
　合わせて，「Vampire Survivors: Legacy of the Moonspell」と「Vampire Survivors: Tides of the Foscari」という2種類のDLCの配信も始まっており，価格はどちらも179円（税込）だ。

poncle公式サイト

　2022年にPC版がリリースされた「Vampire Survivors」は，わらわらと迫ってくる何千ものクリーチャーをなぎ倒し，夜明けまで生き残るというシンプルなゲームだ。基本的にプレイヤーができるのは移動だけで，攻撃はすべて自動で行われる。キャラクターがレベルアップすると武器やアイテムが手に入るが，これらはランダムで，プレイヤーが望むものが必ずしも手に入らないといったローグライト的な要素もある。キルされたら，最初からやり直しだ。


　Steamで公開された直後はこれといった反応はなかったが，インフルエンサーが取り上げたことで人気に火がつき，この「弾幕地獄」ゲームは数百万本の大ヒットを記録。2022年のSteamタイトルで最高評価を獲得（レビューは18万件以上，ユーザーの98％が「圧倒的に好評」）したほか，Steam Deckで最もプレイされたゲームの1つとなり，BAFTA（英国映画テレビ芸術アカデミー）のゲームアワードを受賞し，雑誌ザ・ニューヨーカー（The New Yorker）の2022年ベストゲーム（Best Video Games 2022）にも選ばれた。PCのほか，Xbox Series X|S，Xbox One，iOS，Androidにも移植され，多数のフォロワーも生まれた。日本では，「ヴァンサバ」という愛称で親しまれている。ただし，poncleが事あるごとに言及するように，「Vampire Survivors」にバンパイアは出てこない。


　Switch版のリリースに合わせて，各機種版でアップデートが実施され，Co-opモードが実装された。poncleはこれを「カウチ協力モード」（Couch co-op）と呼んでいるが，つまりはオンラインではないローカルCo-opで，最大4人のプレイヤーが生き残りをかけた戦いに挑める。ステージごとにシングルプレイとCo-opをシームレスに切り替えて，仲間に大混乱を引き起こすことも可能で，友情の絆を試したり，協力という言葉に異なる意味を与える良い機会を提供するとのこと。詳しくは，公式サイトのFAQページを参照してほしい。


　さらに，PC（Steam）版「Vampire Survivors」は新たなエンジンに移行している。これまで，オリジナルエンジンの「Phaser」と新エンジンを並行して試していたが，このたび全面的に新エンジンの採用に踏み切ったという。poncleの創設者でPhaserの開発者でもあるルカ・ガランテ（Luca Galante）氏は「Phaserでゲームを作るのは非常に楽しいので，ワイルドなゲームを速く作ることに興味があるなら，Phaserを強くオススメします」とコメントしている。


　なお現在，「メイキング・オブ・ヴァンパイア・サバイバーズ - ドキュメンタリー」と題された映像がYouTubeで公開されている。これは，クラウドファンディングでゲーム関連のドキュメント映像を制作するNoclipによるもの。タイトルどおり，「Vampire Survivors」がどのようにして生まれたのかを紹介する映像だ。イタリア生まれのガランテ氏がゲーム作りたさにイギリスにわたり，ギャンブル系ゲームの会社に就職，気が付けばマネジメント系の中堅社員に昇進したものの，ゲーム制作からは遠ざかり，一念発起して「Vampire Survivors」の制作を開始した，といったことが語られている。もっとも，BAFTAの授賞式にも登壇しなかったほど顔出しを避けるガランテ氏なので，本人の姿かたちは確認できない。
　映像の初公開は1か月ほど前だが，このたび，日本語字幕にも対応したという。気になる人は視聴してほしい。