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[TGS2023]バーチャル電子機器の制作が楽しめる「Retro Gadgets」プレイレポート。開発者・Luca Marchetti氏へのミニインタビューも
「Retro Gadgets」公式サイト(英語)
バーチャルな電子機器が作れる電子工作シミュレータ
「Retro Gadgets」は,あえてジャンルを表記するとした電子工作シミュレータということになる。画面内のバーチャルな工作台の上で,基板とさまざまな電子部品――液晶ディスプレイやCPU,ボタンにジョイスティック,スピーカーに電源ボタンを組み合わせ,Luaでプログラミングすれば,バーチャル電子機器が完成。ゲーム機はもちろん,電卓にシンセサイザー,キーボードなど,イマジネーションがおよぶ限りの品々が作り出せる。
完成したバーチャル電子機器は,Steamワークショップ上で公開可能で,ダウンロードして楽しめる。バーチャルゲーム機だけでも,数多くの力作が存在していて,Nintendo Switchのようなものから,たまごっちのような犬育成ゲーム,仮想マシンPICO-8で作られた「Celeste」のプロトタイプ(Celeste Classic)専用機,果ては「Minecraft」が遊べるものまである(Minecraftそのものではなく,あくまでそれっぽく再現したものだが)。また色や形もバリエーション豊かで,アートスタイルがドット絵であることも相まって,見ているだけでも楽しくなってくるほどだ。
自由度の高い本作だが,各種の作業やLuaプログラミングを学べるシナリオモードも存在する。技術者である祖父の後を継いだ主人公となり,あちこちから送られてくる故障品を修理したり,依頼どおりの電子機器を作ったりといったミッションが用意されている。現在は日本語にも対応しているので,プレイもしやすいだろう。
何かを作り出す喜びを味わってほしい――「Retro Gadgets」開発者ミニインタビュー
男の子の魂を揺さぶってくれる「Retro Gadgets」について,Studio EvilのLuca Marchetti氏に話を聞いてみた。
4Gamer:
改めて,本作の概要を教えてください。
Luca Marchetti氏(以下,Marchetti氏):
本作はプレイヤーがクリエイティビティを爆発させることで,電子ピアノや電子ギター,イコライザーにシンセサイザー,ゲーム機など,電子機器であればなんでも作れるサンドボックスゲームです。
4Gamer:
たくさんの作品が投稿されていて驚きましたが,プレイヤーが作成した電子機器は,現在どれくらいあるのでしょうか。
Marchetti氏:
今は3〜4000個あると思います。「Retro Gadgets」が発売されて1週間もしないうちに,多くの作品が投稿されて,私達も驚いたくらいです。今や「Minecraft」や3Dエンジン,ChatGPTのミニ版を作った人なんかもいるんですよ。
4Gamer:
それはすごい。ところで,電子工作シミュレーターを作ろうと思ったきっかけは何だったのでしょうか。
Marchetti氏:
私自身,小さい頃から電子工作が大好きだったんです。自分の手で何かを作り出す喜びをみんなに味わって欲しくて,電子工作とプログラミングを統合した本作を作りました。
4Gamer:
とくに反響の大きかった国はありますか?
Marchetti氏:
最もプレイヤーが多い国はドイツですね。また,投稿の半分以上はアメリカからだと思います。
4Gamer:
ああ,なんとなく分かる気がします(笑)。最後に,本作に興味を持った読者にメッセージをいただけますか。
Marchetti氏: プレイヤーの皆さんのクリエイティビティには驚かされてばかりですが,今後もきっとものすごいものを作ってくれるに違いありません。こうした電子機器をダウンロードして動かすこともできるので,ぜひ試して見てください。きっと驚くと思いますよ。
4Gamer:
まずは,誰かが作った電子機器を動かしてみるところから始めるのもよさそうですね。本日はありがとうございました。
「Retro Gadgets」公式サイト(英語)
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