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「残月の鎖宮 Labyrinth of Zangetsu」プレイレポート。墨絵調の世界を探索し,切った張ったの戦闘とお宝探しの楽しさを堪能
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印刷2022/09/29 12:00

プレイレポート

「残月の鎖宮 Labyrinth of Zangetsu」プレイレポート。墨絵調の世界を探索し,切った張ったの戦闘とお宝探しの楽しさを堪能

 アクワイアから本日(2022年9月29日)発売された「残月の鎖宮 Labyrinth of Zangetsu」PS4 / Nintendo SwitchPC版の発売日は未定)。本作はNintendo Switchやスマホ向けゲームの開発を得意とするカエルパンダが手がけるダンジョン探索型RPGだ。

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 水墨画調のグラフィックスと和風の世界観,そして「Wizardry」など往年の名作ダンジョンRPGを思い起こさせるゲームシステムが特徴の本作を一足先に遊んでみたので,プレイレポートをお届けしよう。


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災厄に立ち向かう“墨滅者”となり,滅びの墨に覆われた世界を探索せよ


 本作の舞台となるのは,大地と空から染み出す「滅びの墨」に覆われつつある世界。墨に侵された人や生き物は異形と成り果て,かつての同族を喰らい,また命なき物も世に仇をなす物の怪となる。墨に覆われた地は「鎖宮」と呼ばれ,人々から捨てられていった。

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 全世界が墨に覆われつつある中,刻国(ときのくに)にある“残月の街”異土(いど)は,魔法結界によりいまだ色を保ち続けていた。泰府(たいふ。幕府のようなもの)は滅びの墨の災厄を終わらせるため,各地から優れた力を持つ者達を呼び集める。

ほかの地はすべて墨の色に染まりつつあるのに対し,異土には色が残っている
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 ある者は武勇にて,またある者は法術や魔術にて。泰府の命に応じた兵達は,魑魅魍魎,妖怪変化の類を退け,わずかずつではあるが人の領域を取り戻していく。
 世の人は,滅びの墨に抗う彼らのことを「墨滅者」と呼ぶのだった──。

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 こうした背景のもと,プレイヤーは墨滅者の一団を編成し,滅びの墨に染まる鎖宮(ダンジョン)へと挑むことなる。本作には決まった主人公は存在せず,さまざまな種族,職道(職業)のキャラクターを作成し,最大6人のパーティを編成することが可能だ。

 選択できる種族は達磨夫(ダルマフ),霊巫(エルフ),窟法人(クツホウビト)など,独特の漢字と読みが当てられているが,RPG好きならピンとくるものが多いだろう。

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 職道も同様に,闘兵(ツワモノ。いわゆるファイター),斥夫(シーフ),魔術士(マジュツシ)など,スタンダードなものが揃っている。白騎士(シロキシ),忍者(ニンジャ),賢者(ケンジャ)など,最初は作成できない上級職も存在するが,こちらは鎖宮の探索で力を高めることで転職が可能となる。キャラクター作成とパーティ編成を終えたら,いよいよ冒険の始まりだ。

種族の基本能力にランダムで決まるボーナス値を振り分け,条件を満たせばその職道を選ぶことができる
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ゲーム冒頭には操作説明を兼ねた「試煉場」があり,そこを突破してからが本格的なスタートとなる
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 鎖宮に現れる敵はなかなかに強力で,戦力を出し惜しみしているとすぐに全滅しかねない。戦闘では「催眠」の魔術で敵の行動を止めたり,防御を向上させる「加護」の法術を使ったりと,打てる手はすべて打つことが生き延びるための鉄則だ。参考までに,初期のパーティには魔術士を2人入れておくとかなり戦いやすくなる。

大量の敵をいかにさばくか。グループに効果を及ぼす魔術の使い方がポイントとなる
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 序盤のうちは数回戦うごとに街に戻ることになるが,それを繰り返してレベルを上げることで徐々に戦力がアップしていく。ゲーム序盤では,敵の攻撃を引き受ける壁役となる前衛の成長よりも,後衛のキャラクターが新たな魔術や法術を覚えることのほうが大きな意味を持つ。というのも,新たに覚えた魔術や法術を活用することで,大きな被害を受ける前に敵を一掃できるようになるためだ。

敵によって有効な属性が異なるので,弱点を調べて魔術を使うことも大切
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 敵が強すぎると感じたら,新たな魔術や法術を覚えるまでレベル上げに専念するといい。本作は経験点を獲得してもダンジョン内ではレベルアップせず,街に戻ったときにレベルが上がる仕組みなので,経験点が溜まったら小まめに帰還しよう。

 また本作には,全滅時に直前からやり直せる「通常」と,キャラクターの死体が全滅した場所に残る「上級」の2種類のオートセーブ方式があり,ゲーム開始時に好きなほうを選ぶことができる。パーティの全滅時に,新たなキャラクターを育てて死体を回収するのは大変……という人は通常を,昔ながらの戦闘のスリルを楽しみたい人は上級を選ぶといいだろう。

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 戦闘が終わったあとはお楽しみの,宝箱漁りの時間。本作の戦闘は大別すると2種類あり,移動中にランダムにエンカウントするものと,固定された場所で待ち構えているものがある。宝箱を持っているのは固定の敵だけなので,ランダムエンカウントの敵からは逃げてしまうのも手だ。

 宝箱に仕掛けられた罠の識別,解除が得意な職道は斥夫。基本的には,ほかのキャラクターは手を出さないほうが無難だが,「こじあけ」の技能を持つ闘兵は斥夫が失敗したときに,箱を壊して中身を手に入れることができる。ほかにも,対応する魔術や法術による識別,解除も可能だ。

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 入手したアイテムはそのままではどんなものか分からず,アイテムとして使用できないので,鑑定する必要がある。こちらは魔術士の得意分野だ。また,街に帰還すると,未鑑定のアイテムがすべて自動的に鑑定される。

 こうして手に入れた武器や防具で前衛を強化することで,魔術で敵を一掃できなかった場合でも,大きな損害を出さずに持ちこたえられるようになっていく。もちろん,魔術が通用しない相手と戦うためにも強力な武具は欠かせない。

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 それでも武運尽き,キャラクターが死んでしまった場合は,街にある寺院にて有料で復活させることになる。ただし,運が悪いとキャラクターが失われることもあるので,死なないに越したことはない。

緊張の一瞬……
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 ちなみに本作では,大きなダメージを受けてHPがマイナス10以下になった場合,即死となるが(例えば,残りHPが2のときに12以上のダメージを受けた場合など),マイナス9までは回復の法術で戦線に復帰させることができる。また,HPが0になったあと,さらにダメージを受けた場合も死亡扱いとなる。パーティ全体にダメージを与える魔術やブレスを使う敵は優先的に倒したいところだ。

 また,戦いの中でキャラクターが滅びの墨に侵食されていくこともあり,侵食されたままだとHPが上限まで回復しなくなるなどのデメリットがある。この回復も基本的には街の寺院で行う必要がある。

分かっていても「乱数の気まぐれ」によって,死ぬときは死ぬ
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 墨滅者達が挑むことになる主な鎖宮は「富嶽山麓大樹海」「古代溶岩道」「呉蓮寺院」の3つ。そして災禍の中心は霊峰・富嶽山の火口にあるようだ。

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 鎖宮では,落とし穴や一方通行の壁,パーティの向きを強制的に変えるターンテーブルやワープゾーン,そして見通しの利かないダークゾーンなど,さまざまな仕掛けがプレイヤーを待ち受けている。小まめにマップを確認して,現在位置を見失わないようにすることが肝心だ。

 また,依頼されたアイテムを探し出して特定の人物に届けるなど,クエストを達成することで移動できる範囲が広がったり,探索を有利にするアイテムが手に入ったりすることもある。

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 クラシカルなダンジョンRPGを思い起こさせるさまざまな要素を取り揃えた「残月の鎖宮 Labyrinth of Zangetsu」。操作感も軽快で,少しずつダンジョンを踏破しながら敵と戦い,未知のアイテムを手に入れる“あの楽しさ”を知っている人なら,すんなりと入っていけるはず。また,戦闘がメインのRPGが好きな人も,その原点とも言えるゲーム性や,シビアなバランスを興味深く楽しめることだろう。

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