プレイレポート
欲望と狂気が蠢く「Deep Insanity ASYLUM」をプレイ。昏睡病×南極地下世界では,異常でいるのが人の正常
「Deep Insanity」(以下DI)は,謎の昏睡病“ランドルフ症候群”と,南極の巨大地下世界“アサイラム”をキーワードとし,ゲーム・アニメ・マンガで展開するメディアミックスプロジェクトだ。
■ゲーム:2021年10月14日 配信開始
「Deep Insanity ASYLUM」
(ディープインサニティ アサイラム。DIA)
■アニメ:2021年10月12日 放送開始
「Deep Insanity THE LOST CHILD」
(ディープインサニティ ザ・ロストチャイルド。DILC)
■マンガ:2020年1月24日 連載開始
「Deep Insanity NIRVANA」
(ディープインサニティ ニルヴァーナ。DIN)
世界観原案には,アニメ「PSYCHO-PASS サイコパス」などの脚本・深見 真氏,アニメ「がっこうぐらし!」などのシリーズ構成・海法紀光氏が起用されており,ゲームのプロデューサーは童話RPG「グリム」シリーズでおなじみ,石井諒太郎氏が務めている。
また,マンガ版は「Ubel Blatt〜ユーベルブラット〜」の塩野干支郎次氏が担当しており,関係各位が「これでもか!」と言うほどのダーク,あるいはダーティな(作風が持ち味の)面々でそろえられている。
本稿ではこのうち,ゲームのDIAについて紹介していこう。
「Deep Insanity ASYLUM」公式サイト
「Deep Insanity ASYLUM」ダウンロードページ
「Deep Insanity ASYLUM」ダウンロードページ
※本稿で使用しているゲーム画面はすべて開発中のものです
ランドルフ症候群の原因は
謎多き巨大地下世界アサイラムにある
まずは,昏睡病“ランドルフ症候群”の解説からしよう。
この病はDI共通の根幹設定にあたり,202X年に発見された奇病だ。
発症者は眠りから目覚めなくなると同時に,終わらない悪夢に苛まれ,恐怖に駆り立てられて無意識下で強い暴力衝動に襲われる者もいる。
病床に伏している者の数はDIA現在,推定5億4000万人。
人類社会は大きな危機に瀕していた。
病の原因とされるのは,南極に突如出現した巨大地下世界“アサイラム”。そこは特殊な電磁波が放出される異常な空間となっており,地上では見られないおぞましい生物や未知の資源にあふれていた。
そうしてランドルフ症候群やアサイラムの真相を解明すべく,各国政府や企業は合同で民間軍事会社「アンタークティカ・フロント」を設立する。プレイヤーはここに所属する記憶喪失の青年「ウー・イノミネタス」(CV:梅原裕一郎)の視点で,アサイラムの調査に向かう。
ウーをはじめとする調査員たちはみな,ランドルフ症候群への耐性を持つ「スリーパー」と呼ばれ,並外れた聴覚で敵の存在を感知するほか,高度な連携を可能とする感情移入などの特異性を備える。
さらに,スリーパーを精神汚染から守るオペレーター「サニティ・アンカー」の存在や,独立浮遊型兵器「FIBE兵装」を駆使し,アサイラムにはびこる特殊な生命体「スカード」との死闘を繰り広げていく。
すべては,巨大地下世界の深層を目指すため。
それがこの過酷な世界でのプレイヤーの目的だ。
異常空間のアサイラムは,地下層ごとに雰囲気が大きく異なる。
作中では2Dマップ上の目的地をタップ移動し,3Dフィールドを歩いて調査する。まるで実際に自分の足でアサイラムを訪れているような,その場の状況を考えると決してうれしくはない感覚を味わえる。
本作ではストーリーを進めていく「メインクエスト」に加え,アサイラム関係の人々から依頼を受ける「サブクエスト」も存在する。サブクエストをクリアするとアイテムを入手できたり,より多くのクエストを受けられるようになる「調査レベル」を上げたりできる。
なにかと謎の多い認識をアップデートできる機会でもあるので,ついでに報酬ももらえると思ってメインの合間にどんどん受けよう。
アサイラム内にはスカードだけでなく,いわゆる“神隠し”でこの地に流れ着いた「エグザイル」と呼ばれる先住民がいる。
時空すらも歪んでいるアサイラムだからこそ,地球の最果てどころか何十年,何百年もの過去から流れ着いた者も少なくない。
エグザイルは脳の変化により,ランドルフ症候群を発症せずにアサイラムで生活を送れているが,アサイラムから出ることはできない。一方で,スリーパーとしての才能を発揮し,ウーとともに戦う者もいる。
スキルを駆使し,陣地を奪いながら戦闘
バトルでは4人のスリーパーを編成して戦う。ユニットには「フィジカル(赤)」「メンタル(緑)」「テクニカル(青)」の属性があり,フィジカル→メンタル→テクニカル→フィジカルの相克関係にある。
敵の属性は戦闘前に判別できるので,ある程度プレイを進めたあとは個々の属性部隊を作っておくのがよさそうだった。
またスリーパーには属性のほかに,HPなどが高い「タンク」,攻撃力が高い「アタッカー」,味方の回復・補助などに優れる「サポーター」といった3つの役割もある。こちらもバランスよく編成するのが大事だ。
バトル中は時間経過でたまるスキルポイント(画面左下)を消費し,スキルカード(画面下部)をタップして敵を攻撃していく。
スキルには攻撃をはじめ,敵の攻撃力や防御力を下げるなどの補助効果のほか,後述する押し出し効果を持つスキルもある。
バトルの戦略には「押し出し」が存在する。戦闘エリアの中央には「前線ライン」があり,スキル使用に応じてラインが前後する。ラインを上げて敵を押し出すと大ダメージを与えられる「ブレイク」が発生するが,逆にこちらが押し出されると継続ダメージを受ける。
敵はエネミースキルゲージ(画面右端)がたまると押し出し攻撃をしてくることがあるので,ダメージを与える受けるのみならず,開発陣いわく“相撲”のイメージで前戦ラインを用いた戦術も考えよう。
バトルの要であるスリーパーは,さまざまな要素で強化できる。
特定のアイテムで上げる「グレード」や「限界突破」,バトル経験値などで上げる「レベル」,装備する「武器」をはじめ,スキルの効果量や威力を高めることも可能だ。さらにキャラクターを使い込むと「親密度」が深まり,段階にあわせてプレゼントアイテムをもらえる。
スリーパーにはR/SR/SSR/URのレアリティが存在する。ガチャのほかにも,メインクエストを進めるだけでSRの入手機会がある。
このほかの有料要素としては強化素材パック,レアリティの高いFIBEの購入なども提供されるようだ。
なお,素材消費で上げられるレアリティは,高いほどにレベル上限を引き上げることができる。Rスリーパーならそれほど苦労せずにSRに進化できるので,とくに属性キャラクターが偏りがちな序盤はできるだけRをSRに進化させておきたいところだ。
さらに,本作では“全スリーパーが最高レアリティまで強化可能”となっているため,高難度攻略の適性などはそれぞれ課題があるのだろうが,好きなキャラクターが低レア止まりで使えないといった悩みは,がんばり次第で吹き飛ばせそうである。
ストーリー展開については自身の目で確かめてほしいので伏せるが,本稿であげた設定の布陣に興味を抱いた人には,まず期待どおりの陰惨な状況が次々と発生する。とはいえ,個人的にはどれだけの人命が失われようと,淡々とアサイラムの深層を目指すスリーパーたちのほうに,よほどうすら寒いものを感じてしまった。もはや,スリーパーは社会で営む人間としての“なにか”を失っているからこそ,ランドルフ症候群に耐性を持っているのではないか……と考えてしまったくらいに。
メインクエストで語られるアサイラムでの戦いだけでなく,サブクエストで語られる研究者やエグザイルたちとの出来事にしても,なんとも名状しがたい後味を伴うものが多い。それらも連続性のある物語が多いので,アサイラムという場や,ここに関わる人間たちの生き方や思想などについても,その一端に触れることができてしまう。
異常事態のなか,それでも生きていく人間の強さ,儚さ,貪欲さ,醜悪さ。そういう偏った感情が入り混じりながら,ある種のいとおしさを抱かせてくるのが,このDIA。救いのなさそうな場所に救いを求めるこの世界の欲望に感じるものがあるのなら,ぜひプレイすべきだ。
「Deep Insanity ASYLUM」公式サイト
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