ついにダンガンロンパシリーズがSwitchで遊べる！　新作の「ハッピーダンガンロンパS 超高校級の南国サイコロ合宿」を中心にゲームの魅力を紹介

　スパイク・チュンソフトは，Nintendo Switch用ソフト「ダンガンロンパ トリロジーパック + ハッピーダンガンロンパＳ 超高校級の南国サイコロ合宿」を本日（2021年11月4日）発売する。

　本作は，閉鎖空間に集められた高校生たちが体験する“コロシアイ生活”と，事件の真相を暴く“学級裁判”が特徴の「ダンガンロンパ」シリーズ3作品に，新作ボードゲーム「ハッピーダンガンロンパS 超高校級の南国サイコロ合宿」（以下，ハッピーダンガンロンパS）をセットにしたパッケージだ^※。そんな本作を，新作のハッピーダンガンロンパＳを中心に紹介しよう。

※各タイトルは，同日に単体でのダウンロード販売も予定されている

「ダンガンロンパ トリロジーパック + ハッピーダンガンロンパＳ 超高校級の南国サイコロ合宿」公式サイト

「ダンガンロンパ」ナンバリング3作品がSwitchに登場

　まずは，“ハイスピード推理アクション”こと「ダンガンロンパ」シリーズについて振り返っていこう。
　すべての始まりとなったのが，2010年11月25日に発売されたPSP用ソフト「ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生」だ。あらゆる分野から“超高校級の才能”が集められた「私立希望ヶ峰学園」を舞台に，学園に閉じ込められた高校生たちが強いられる“コロシアイ生活”と，そこで発生する事件の真犯人を暴く「学級裁判」を中心に物語が展開する。
　そのセンセーショナルな設定と物語の展開，ポップなグラフィックスと演出，そして超高校級の才能を持つ生徒たちや，学園長を名乗るモノクマといった個性的なキャラクターたちは話題となり，現在まで続く人気の作品となった。


　2012年7月26日には，続編「スーパーダンガンロンパ２ さよなら絶望学園」がPSP向けにリリースされる。リゾート地として名高いジャバウォック島を舞台に，学園長の企みによって島に閉じ込められた希望ヶ峰学園の生徒たちが，さまざまな事件が巻き起こるコロシアイ生活を強いられる姿が描かれた。
　島での極限生活に挑むことになる新たな超高校級の生徒や，モノクマにオモチャ（？）にされるモノミなど，1作目に負けない個性的なキャラクターたちが多数登場。新要素が加わった学級裁判，ミニゲーム，クリア後のお楽しみなど，さまざまな面がパワーアップしている。


　2作品がセットになったPS Vita版「ダンガンロンパ１・２ Reload」，PS Vita向けにリリースされた外伝的作品「絶対絶望少女 ダンガンロンパ Another Episode」やPS VR専用タイトル「サイバーダンガンロンパVR 学級裁判」などを挟んだのち，2017年1月12日にリリースされたのが，ナンバリング3作目となる「ニューダンガンロンパＶ３ みんなのコロシアイ新学期」（PS4 / PS Vita）だ。
　舞台は希望ヶ峰学園から「才囚学園」へと変わったが，集められた高校生たちがコロシアイ生活と学級裁判を強いられるという物語の大枠はそのまま。学級裁判は，裁判を有利に進める「嘘」や，集団で意見を戦わせる「議論スクラム」といった新システムでさらなる展開を生むものとなり，ミニゲームといったキャラクターの魅力を掘り下げるおまけ要素もさらに充実している。


　基本的な進め方は3作品すべて共通しており，ストーリー中に起きる殺人や事件を，フィールドを探索する「捜査パート」で犯人につながる手がかりや証拠を集め，「学級裁判パート」でそれらを用いて事件の全容を明らかにすることでゲームが進行していく。
　論拠を弾丸（言弾）として銃に装填し，相手の発言の矛盾した個所を撃ち抜く「ノンストップ議論」や，重要なキーワードを撃ち抜いて完成させる「閃きアナグラム」など，アクション性のある学級裁判は，爽快を感じさせる演出や“魅せ方”もこだわりのあるものとなっている。調べたことをしっかり覚えていればクリアを目指せる“ほどよい難度”も，ダンガンロンパシリーズの特徴と言えるだろう。

各シリーズのキャラクターたちが夢の共演！ サイコロを転がし，お気に入りの生徒を自分好みに育て上げよう

　そして今回登場するのが，ダンガンロンパＶ３に収録されていたオマケモードをベースにしたボードゲーム，ハッピーダンガンロンパＳだ。
　本作の舞台はジャバウォック島。この南国の島にシリーズ3作品＋絶対絶望少女のキャラクターが一堂に会し，サイコロの出目次第で悲劇が起こる，コロシアイ生活が始まる……かと思えばそうではない。本作のジャバウォック島は“プログラムで構築された仮想空間”であり，超高校級の生徒たちは，このサイバースペースで行われる才能育成合宿に参加するため集まってきたのだ。


　なお，プロローグの時点で各作品のネタバレとなる表示やテキストがある。その作品をクリアしていないと意味が分からないようなものも多いが，未プレイの作品がある人は注意してほしい。

　初めてゲームをスタートしたときに選択できるキャラクター（カード）は，苗木 誠，日向 創，苗木こまる，赤松 楓という，各作品から選ばれた4人。選べるキャラクターは「モノモノマシーン」や，レアリティの高いカードが出やすい「モノモノヤシーン」（要するにガチャ）などで増やせるが，スタート時はそれらを回すためのコインがないので，まずは4人のうち誰かを選び「育成モード」で育てていくことになる。
　なお，製品版では「自動販売機」（ニンテンドーeショップ）を使うことで，好きなキャラを直接購入することも可能だ。

キャラクターのカードはN〜Uまで4段階のレアリティがある

　キャラクターの育成といっても，プレイヤーがすべきことはいたってシンプルだ。サイコロを振って出た目に合わせてレベルを上げられる「成長マス」やスキル習得ポイントが入手できる「才能マス」，その名のとおりイベントやバトルが発生する「イベントマス」「バトルマス」など，さまざまな形でキャラクターのパラメータが伸びていく。これを50ターン続ければ，キャラクターの育成は完了だ。


　とくにシリーズのファンは，「仲良しマス」で発生する作品の枠を越えたキャラクター同士の会話に注目だ。さらに，ほかのキャラクターが表示されているマスでは，さまざまな“いいこと”が起こるので，なるべく立ち寄ることをオススメしたい。

石丸くんからカードをゲット

面倒見のいい赤松さんと，手のかかりそうな大門くんのカラミはどんな結末に？

　バトルマスに止まると，RPG風のコマンドバトルが発生する。ここでは敵を倒すことで経験値やお金を獲得できるだけでなく，特定のマスにいるボスを倒すと移動できる範囲が広がり，新たな地域へと進めるようになる。新たな地域には強敵が待ち受けているが，その分リターンも大きい。「ショップマス」では，より強い敵に勝つための装備を購入できるので，こちらも利用してしっかりキャラクターを強化し，新たな敵に挑もう。


　と，ここまでキャラクター育成の流れを紹介してきたが，ゲームスタート直後は，強力なキャラクターを育てるのは難しい。育成が終わるともらえる「希望のカケラ」が10個集まるごとにストーリーが進行し，それとともに獲得できる経験値とお金などが増え，育成の効率もアップしていく。つまり，物語を進めるほど，強力なキャラを育成しやすくなるというゲームシステムとなっているわけだ。
　初めから育成方針にこだわっても，できることは限られており，思ったように育成は進められないはず。序盤はサイコロの出目に従うままにキャラクターを育成し，ゲームの要領が掴めたころに自分好みにキャラクターを育てていくといいだろう。

　
　育成モードで鍛えたキャラクターが増えてきたら，「絶望の塔」へ挑戦する頃合いだ。絶望の塔は，ひたすらバトルを続けてモンスターを倒し，塔の上層階へ向かうことが目的となるモードで，迷路の探索などはなく，敵をすべて倒せばフロアを突破となる。強力なパーティを編成して挑戦しよう。


　フロアごとにある「10ターン以内にクリア」「誰も死亡せずにクリア」などのミッションを達成すると，「モノモノマシーン」を使うための「モノクマメダル」などを入手できる。手持ちのカードを増やすためには「絶望の塔」は避けては通れない試練というわけだ。


　なお，育成モードで入手した装備は絶望の塔に持ち込むことはできない。絶望の塔で手に入れた素材で，新たに装備を作成する必要がある。一方，育成モードの最後に習得したスキルは，ここで初めて使用可能となるので，ここぞというタイミングで使っていこう。

キャラが行動したり，敵から攻撃を受たりすると溜まる覚醒値（水色のゲージ）を使って，攻撃やスキルの威力を上げることもできる。100％まで溜めて使えば強力だが，50％の段階で速攻をしかけるのも一手

マムルそっくりなモノクマ？ バトルでは，「風来のシレン」シリーズのパロディらしき敵も登場する

　このように，育成モードや絶望の塔を繰り返しプレイしながらキャラクターを育て，各種コインを入手してキャラを引き，さらなる育成と塔へのチャレンジを繰り返すというのが本作の遊び方となる。
　ゲーム中にさまざまな条件を達成すると，メニュー画面にある「ウサミフラワー」から，「モノミメダル」「金のモノクマコイン」を入手できるので，プレイの合間に確認しておこう。これらは，よりレアリティの高いカードを引きやすい「モノモノヤシーン」「黄金のモノモノマシーン」を使用するためのコインだ。これを入手できるようになれば，より強力なカードが手に入りやすくなり，効率よくストーリーを進められるようになるはずだ。


　作品の枠を超えたキャラクターたちの共演を楽しめる本作。本編でさまざまな事件や悲劇に巻き込まれる彼らを，そういった絶望に振り回されることなく“愛でられる”のは，シリーズファンにとってたまらないものがあるだろう。
　ネタバレさえ気にならなければ，未プレイの作品がある人でも遊べる作品にはなっているが，シリーズ3作品をプレイしていればキャラクターへの思い入れも強くなり，より深くゲームを楽しめるので，これを機にシリーズ3作品もプレイしてみよう。

「ダンガンロンパ トリロジーパック + ハッピーダンガンロンパＳ 超高校級の南国サイコロ合宿」公式サイト