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印刷2023/05/21 12:00

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ジョン・ウー監督の新たな赤壁解釈――「三國志 真戦」は2周年記念映画で,名もなき義侠の士から見た“赤壁の戦いの秘密”を描く【PR】

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 2023年5月19日,Qookka Entertainment Limitedの戦略シミュレーションゲーム「三國志 真戦」iOS / Android)がサービス2周年を迎えた。本作は,コーエーテクモゲームスの「三國志13」のIPを使用し,同社監修のもとで開発された戦略SLGだ。

 ここに集結したプレイヤーたちは忠実に再現された三国志の世界で,城主として仲間を集め,最大200人vs.200人がぶつかる大戦を繰り広げる。そして最終目標である洛陽を占拠した者たちが,天下に覇を唱える。
 さらにシーズン制を採用する本作では,シーズンごとに新しいシナリオや新仕様が追加され,やりごたえ満載の体験をつねに味わえる。

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 そんな本作の2周年記念映画として,30分尺の映像「赤壁炎上-もう一つの三国志を紡ぐ、男たちの邂逅-」が,5月19日から真戦の公式YouTubeチャンネルで公開されている。
 1周年記念のドラマ制作より,さらにパワーアップしたと言える。

 本映画はその名のとおり,曹操陣営vs.孫権・劉備陣営の一大決戦“赤壁の戦い”を,真戦なりの解釈で表現した作品で,総監督にはゲームの名誉アドバイザーも務める,映画監督のジョン・ウー氏が起用された。

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 ウー監督と言えば,三国志を題材にした大作映画「レッドクリフ」や「男たちの挽歌」をはじめとする多数の人気作品を手がけてきた,香港を代表する映画監督だ。となれば,人気武将がわずかな精兵を引き連れ,大軍と見事に渡り合うスペクタクル映画を期待するファンも多いだろう。

 しかし,この映画でスポットを当てられるのは,曹操陣営の水軍に所属する,ただの一兵卒でしかない青年である。
 言ってしまえば本映画は,脇役であるはずの立場の人間を主役に据え,戦略とはほど遠い存在であった兵卒の視点をとおし,大軍勢バトルなどとはまた違う側面から“赤壁の戦いの秘密”を描いている。

 本稿ではこれより映画の物語について,「三國志 真戦」の持つ魅力とかけ合わせつつ,じっくりとひも解いていく。

※以下は,映画「赤壁炎上」のストーリーのネタバレを含みます

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 スマホ向けシミュレーションゲーム「三國志 真戦」で,2周年記念映画「赤壁炎上-もう一つの三国志を紡ぐ、男たちの邂逅-」が公開された。本稿では映画公開前に行われた,プレイヤーを招いての特別試写会の模様をお届けする。

[2023/05/20 12:00]

映画「赤壁炎上」YouTube

「三國志 真戦」公式Twitter


「三國志 真戦」公式サイト

「三國志 真戦」ダウンロードページ

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疫病の蔓延した赤壁で,思惑がぶつかり合う


 物語は,曹操陣営に属する青年「江川(コウセン)」(CV:小野友樹)の視点で進んでいく。彼は大ざっぱな性格の一兵卒であるが,弟「江流(コウリュウ)」とともに,江東の孫権陣営を軽く蹴散らしているほどの勇者だった。

 戦いの勝利に酔いしれていた江川・江流兄弟だが,彼らのもとに現れた軍医により,「(赤壁の)戦いの裏で“疫病が蔓延”している」ことを知らされる。そして兄弟は砦から逃げ出そうとしたが,江流が疫病の疑いであえなく連行されてしまった。

 翌日,江川は病に蝕まれる仲間たちや,死体が転がる駐屯地の様子を目撃して,身命を賭して,君主「曹操」への上奏に乗り出す。

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 江川は,曹操に軍議所に迎え入れられると,「程昱(テイイク)」による“江川や病人たちの疫病を敵陣にまき散らす”という非道な献策を聞く。そこで江川は自陣を焼き払い,疫病を抑え込むべきだと進言したが,曹操は彼を無礼者呼ばわりし,褒美の酒を授けながらも程昱の策を選んだ。

 真夜中。江川は程昱の策で船に揺られるなか,曹操から授けられた酒を飲もうとするが,口に入れた瞬間に勢いよく吐き出してしまう。
 壺に入っていたのは彼らをねぎらう酒ではなく,油と火種。

 江川たちはそれを用いて,自らの船に火を放ち,命を惜しむことなく自陣への突撃を敢行した。その結果,曹操陣営の駐屯地に猛火が広がり,あたり一帯が疫病ごと焼き払われていくこととなる。

 曹操はなぜ,天下分け目の合戦を前に,酒ではなく油を贈ったのか。
 そして勝利の手綱を自ら手放し,なにを思うのか――。

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 といった内容が,約30分にわたって描かれる。

 映画としても,さすがジョン・ウー監督と言うべき内容。上記の主題とはまた別に,中盤までエンタメ性全開の迫力あるアクション作品としての見応えがたっぷりで,とても2周年宣伝用のPR映画といった立て付けからは想像できない,本気の作り込みを感じさせてくれる。

 当時を再現したのだろう衣装やロケーションも含め,仮に真戦のことや赤壁のことを知らない人が観ても,十分に楽しめる。


天下統一か,人民の命か――曹操の決断は?


 本作でとくに注目したいポイントは,さまざまな立場にある登場人物たちの思惑が交錯する,物語中盤以降の「軍議所の一幕」だ。
 この場面で登場するのは龐統,黄蓋,程昱,江川,そして曹操。人によっては「誰がどう赤壁の事情を揺るがしたか」を想起できる面々だが,ここから彼らの動向について,筆者なりに追いかけてみる。

 まず,曹操陣営と対峙する孫権陣営と劉備陣営の連合が送り込んだ「龐統(ホウトウ)」は,船に慣れぬ兵士らの船酔い対策として,船同士を鎖でつないで揺れを抑えるよう進言する。これがいわゆる“連環の計”で,その真意は,身動きできなくなった船団に大火計を仕掛けるための罠だ。

 彼と同様,「黄蓋(コウガイ)」も曹操らの味方とは言えず,孫権陣営で総指揮を務める周瑜から理不尽な罰を受け,それがために曹操のもとに寝返った……と見せかけている根っからの呉将である。曹操を欺くべく,恨みを抱いても不思議ではないと思わせるほどの重症をわざと請け負う「苦肉の計(苦肉の策)」により,敵陣内部に潜入しているのだ。

 彼ら2人はあくまで,敵船団への大規模な火攻めを成功させるため,命を懸けて曹操を騙しにかかっている者たちである。

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 一方で「程昱」は,疫病を訴えていた軍医や,江川の証言を「ただの流行り病だ」と突っぱねるものの,ただの愚か者ではない。

 彼もまた魏が誇る才知の士で,江流をはじめとする疫病患者の隔離を主導している。逃げると死罪になると怯える患者たちの様子も,程昱が疫病の重篤さを知りながら沙汰を下している証明であり,彼が事態を把握したうえで情報をコントロールしているのは間違いない。

 そのうえで彼は疫病をも利用し,江川を使って連合軍に大打撃を与えようとする。戦ではなく病で勝利をもたらそうというのだ。
 曹操の覇道を確実なものとするためならば,どんな非人道的な手段もいとわない……そうした並々ならぬ意志が伝わってくる。

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 程昱の策が通ると困る龐統と黄蓋は,「世間に誇れるやり方ではない」「曹操の名を傷つけることになる」と止めに入るのだが,素直に進言を受け入れられると使命を果たせず,かつ信用しきれてはいない立場で曹操の利に反対すると,今度は疑いの矛先が自分たちに向きかねない。

 呉の未来がかかった策がどう転ぶか,矛なき戦場の正念場だ。

 そんななか,将たちとは立場が異なる兵卒「江川」は,曹操陣営が置かれた現状を,この場でもっとも純粋な目で見通している人物と言える。
 すでに疫病は兵士らに留まらず,近隣の住民にも広まっており,災害を広げないためにはもはや自陣を焼き払う以外の方法はない。
 ゆえに,民のためだと口にしつつ,真に民を思う行動を取ろうとはしない程昱や黄蓋に「みんな死ぬぞ!」と怒りを露わにする。

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 それぞれの立場を考えれば,いずれも納得できる言動ばかり。
 だが,表情だけではことさら考えが読めないのが「曹操」その人だ。

 黄蓋らの進言には素直な納得を示すものの,孫権陣営に組する劉備陣営の軍師,諸葛亮が火計に長けているのは把握済み。さらに,黄蓋の苦肉の計にもどことなく気付いているかのようなそぶりさえ見せる。

 そのうえで,程昱のやや強引な考えを良策と評価しながら,言い争いに発展するほどの反論もすべて否定せずに受け入れる。常に穏やかな笑みを浮かべる様子は,将たちに流される凡人にも見えるが。
 ここぞという瞬間には有無を言わさず,すさまじい圧力を見せる。それも全員の事情を見通しているのではないかと思わせるほどに。

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 曹操は最終的に,怒鳴り声を上げた江川を無礼者と一蹴しながらも,彼の「自陣を焼き払うべきだ」という防疫策を聞き入れ,褒美の酒を油にすり替え,江川が自陣を焼き払えるよう準備を整えた。
 自陣が炎に包まれていくシーンで程昱が慌てる姿を見せたことからも分かるが,彼は重鎮たちに知られることなく,ひそかに手配したのだ。

 結果だけ見るなら,曹操は版図を大きく塗り替えるはずの一大決戦で,連合軍を前に敗北し,中華統一の道から遠ざかった。
 しかし,その影では,希代の奸雄としての覇道を捨て置き,疫病の拡大を防ぐことで,名も知らぬ兵士や民を守る決断をした。眼前に転がる大勝利ではなく,より遠い未来の平和を見据えた。
 それすなわち,古代東アジアで大切にされてきた「徳」の有り様だ。

 江川にしても,志も立場も権力も責任もない(と断じると語弊があるかもしれないが)人物ながら,決戦の行く末よりも,弟の江流のみならず疫病に冒される者たちを案じた義侠の士であった。
 これもまた徳であり,この時代の尊き英雄の有り様なのだろう。

 ちなみに,赤壁の戦いは史実でも“曹操陣営に疫病が蔓延していた”という事実(※)があるとされる。赤壁の戦いは大軍勢同士の決戦という構図からして,エンタメコンテンツでは人気の題材だが,一方で疫病の要素まで取り上げるようなアプローチは多くはない(はず)。

※歴史書「三国志」内の「呉志(呉書)」にある「孫権陣営は劉備陣営とともに,赤壁で曹操陣営と対峙した。そのとき曹操陣営で疫病が流行り,曹操陣営は一戦後,長江北岸に軍を引き上げた」といった意の記述

 「赤壁の戦い=疫病との戦い」という視点は,筆者のように「赤壁の戦いは大規模な策謀とドンパチ!」としか思っていなかった人にリアリティへのこだわりを与えてくれる。
 おそらく新たな知見にも出会えるはずだ。

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 そして映画のクライマックスで挿入される映像で,「三國志 真戦」ではいかに“映画のような体験”ができるかがまとめられる。
 ゲーム内では実際,時には「勝利のために自らを犠牲にする」など,ドラマチックなシチュエーションすらも展開されているほどだ。

 たくさんのプレイヤー。人間同士だからこそ,部隊の足止めやかく乱などで相手の裏をかいたり,進路を塞いで妨害したりと思惑を外すことができる。ささいな行動が大戦の行く末を左右することもしばしば起こる。
 また映画と違い「(同盟などでの役割・役職はありつつも)すべてのプレイヤーが公平な挑戦者」であることから,前線指揮で名をはせる,同盟間の外交で知略を巡らすなど,遊び方は人それぞれ。

 つまり本映画は,映像としてのエンタメ性を加味しつつ,「三國志 真戦」では誰でも江川のようになり得ることを表現していた。

 なお,「三國志 真戦」はシーズン制のサービスとなり,一定周期でシーズンが終了すると,(主に有償アイテムなどに関わるもの以外の)ゲームデータがリセットされる。そのためプレイヤーは,あるときのシーズンでうまくいかなくても,次の新シーズンで気持ち新たにイチから挑戦するなど,時期に応じてプレイスタイルを決められる。

 まずはこの機会に,赤壁の戦いの秘密を見届け,高ぶる気持ちのまま,乱世の三国時代に身を投じてみるのはいかがだろう。

 また映画公開にあわせて,公式Twitterアカウントでは「映画感想文募集キャンペーン」を開催中だ。参加者は豪華プレゼントをもらえるチャンスなので,どんどん投稿してみよう。

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