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スマホゲーム「真・北斗無双」を遊んだ。無敵感を得るため,ひたすら拳士強化に励んでしまうプレイサイクルが秀逸
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印刷2020/12/11 12:00

プレイレポート

スマホゲーム「真・北斗無双」を遊んだ。無敵感を得るため,ひたすら拳士強化に励んでしまうプレイサイクルが秀逸

 コーエーテクモゲームスは,新作スマホゲーム「真・北斗無双」iOS / Android)の配信を近日予定している。

 本作は,同社のmidasブランドが手がける“一撃当千の世紀末アクションRPG”で,コンシューマ用ソフト「北斗無双」シリーズの爽快感はそのままに,スマホゲームらしい内容に最適化されている。

 今回は配信に先駆けて,ゲーム序盤をプレイしてみたので,そのインプレッションを交えつつ概要を紹介していこう。

スマホ版の正式名称は「真・北斗無双」だが,北斗無双モバイルの略称もある
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「真・北斗無双」公式サイト

「真・北斗無双」ダウンロードページ

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無双かつ駆け引きがあるバトル


 あらためて説明しておくと,北斗無双シリーズは言わずと知れた人気漫画「北斗の拳」を原作とする,無双アクションゲームである。

 過去,2010年に「北斗無双」,2012年に「真・北斗無双」がそれぞれコンシューマ機向けに発売され,今回のスマホ版もタイトルこそ同名だが,その実はスマートフォンで遊びやすいよう,操作体系からゲームシステム,プレイサイクルまでもが大幅に改修されている。

原作の印象的なシーンが,止め絵やムービーで再現される
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 ゲームの流れは,原作ストーリーを追体験する「伝説編」をプレイし,拳士(プレイアブルキャラクター)や奥義,さまざまな「世紀末カード」を獲得・編成して,バトルの攻略で手に入れた素材などでそれらを強化しながら,次のバトルへ……といったものだ。

 伝説編のプレイアブルキャラクターは“バトルごとに固定の拳士”となる。ゲーム序盤に関しては原作に沿って,大半のバトルをおなじみ「ケンシロウ」で攻略するが,敵側のボス拳士を操作するバトルもところどころにあり,それが良いアクセントになっていた。

 物語上のキーキャラクターや奥義は,伝説編の報酬で獲得できるので(レア度は低め),ガチャで入手できずともゲームプレイが不自然になることはない。原作体験のために違和感を与えない作りと言える。

原作を追体験する「伝説編」。ケンシロウ以外のプレイアブルキャラクターもいる
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 一方で,ストーリーとは別のバトル&強化系クエストでは,最大3体の拳士をパーティに編成し,ステージ中で自由に切り替えることができる。敵味方の拳士にはそれぞれ「属性」が設定されており,相性を踏まえてぶつけると攻略もスムーズになりやすい。
 世界観にこだわらなければ「ケンシロウとハート様のパーティ」なんてこともできてしまう。これまたファンには面白いところ。

 また,各クエストのバトルミッションで★をすべて獲得すると,「高速戦闘チケット」で戦闘スキップが可能になる。
 今どきのゲームらしく,ストレスなしの周回もできるわけだ。

操作は画面左側で移動,右側のボタンで攻撃など。直感的で分かりやすい
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 操作はバーチャルパッドで「移動」,拳ボタンで「通常攻撃」,拳ボタン連打で「連続攻撃」が発動する。序盤はなにも考えずに連続攻撃をしているだけでも,ザコ敵が無双ゲームらしく散っていく。
 加えてクールタイム制の拳技「通常奥義」,ボタン制の「回避行動」,闘気ゲージをためると放てる「伝承奥義」も存在する。

 通常奥義に関しては,ヒットさせるとボス拳士をひるませる効果があるが,敵と同時に通常奥義を発動したときは“奥義威力の高いほう”が相手をひるませられる,といった仕組みでもある。
 つまり,モーション的に使いやすい通常奥義ばかりを選び,威力技を軽視すると有利が取りづらくなるという絶妙な駆け引きだ。

拳士には各々の伝承奥義が用意されている。汚物を消毒する側にもなれる
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 ボス拳士は伝承奥義を放つときに闘気を身にまとう。そこにこちらの伝承奥義を当ててやると,発動をキャンセルさせられる。
 回避行動をする場合は,1回発動するごとにクールタイムが生じるが,ザコ戦は無双ゲームらしく敵をバッタバッタとなぎ倒せるし,再使用も比較的すぐなので,ボス戦でも惜しみなく使って避けるといい。

 ともあれ,ボス拳士の伝承奥義をくらうと結構痛いので,なんらかの手段を用いてくらわないようにするに越したことはない。

シンの配下「ハート(様)」の伝承奥義“拳法殺しの体”
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 ボス戦では敵味方の「シールド」がキモになる。このシールドゲージがあるときは通常攻撃ではひるまず,かつ体力へのダメージも軽減される。シールドは各種攻撃がヒットすると削れていき,頭上のゲージがなくなると(シールド破壊),ゲージが回復するまでスタン状態になる。
 スーパーアーマーやガードゲージの削り合い,といった概念だ。

 敵をスタンさせれば,無防備なところに大ダメージをたたき込むチャンスだが,こちらがスタンさせられたときも同じことが言える。
 もしスタンさせられたら“攻撃ボタン連打で早期回復”しよう。

シールド破壊でスタンさせた敵拳士をタコ殴りにするのが気持ちいい(世紀末)
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 本作にはオートバトル機能もあり,計3段階から自由に選べる。「AUTO」だと通常攻撃のみ,「AUTO+」だと通常攻撃と通常奥義,「AUTO++」だとさらに伝承奥義も自動で使用してくれる。

 実際に使ってみたところ,AUTO++が最も信頼できた。ボス戦であっても回避行動のみ手動で行えば,さらに安心で効率的だった。
 ゲーム中盤以降,手動でないと倒しづらい強敵が出てくるのは想像しやすいが,一方で拳士の能力,3つのAUTOをうまく組み合わせれば「演出減のAUTO+でクリアタイム重視」といった活用もできるかもしれない。

自分のシールドが破壊されたときは,指先ひとつでダウンさせられるほど危険な状態。敵拳士が伝承奥義を放ってこないことを祈りつつ,攻撃ボタンを連打し,すばやく復帰しよう
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 拳士の強化はスマホゲームらしく,やり込みがいのある成長要素が並んでいる。ひとまずはクエストクリアでレベルアップ,集めた素材で能力解放を狙っていこう。当然,拳士はレア度が高いほうが強い。

 そのほか,本作には「オーラ」という概念も存在する。これは“拳士を育成すると上昇する値”で,手持ちの拳士の総オーラが,バトルのオーラより優勢だと「闘気ゲージ」が増加し,伝承奥義のダメージもアップする。したがってレア度が低いなどの理由で使わない拳士も,こまめに育てておくとバトルの底上げに寄与する。
 キャラクター資産を寝かさず生かせるシステムと言えるだろう。

バトル開始時にオーラが優勢かどうか確認できる
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「北斗無双」シリーズとして見ると?


 シリーズ作品の観点から見ていくと,筆者はコンシューマの「北斗無双」も「真・北斗無双」もプレイ済みで,それらは言わば“原作の物語性を重視した無双アクションゲーム”であったと記憶している。

 一方で,スマホゲームの本作はオートバトルに身を委ねられるからか,原作の雰囲気を懐古しつつ,操作せずとも拳士や奥義の育成と組み合わせを楽しめる負担の少ないゲーム,という印象だ。
 オートバトルの殲滅力がなんとなく落ちてきたら,成長させられる要素を探して強化し,「よっしゃ,ケンシロウの無敵感が戻ってきた!」となったらオートバトルに戻りと。それを繰り返しながら「そういやこんな話あったな」「こんな世界観あったな」と北斗の拳の思い出に浸る。

拳士はレベルアップと限界突破に加え,「能力解放」「技能アップ」とさまざまな形で強化
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各自の奥義や装備アイテム「世紀末カード」も強化できる
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 ただそうは言っても,手動操作の無双アクションは健在であり,北斗神拳の代名詞「北斗百裂拳」でボス拳士のシールドをうまく破壊して,そのまま体力もすべて削りきるなんてことをすると,まさに無双アクションの心髄である一騎当千の爽快感がブワッと押し寄せてきた。

 実際,その感覚を得るためにと,ケンシロウと奥義をひたすら強化してしまう側面もある。成長要素の豊富さは面倒臭さと表裏をなすが,より無敵感を得たい無双ゲームではそれがいい方向になっている。
 いわば本作は,スマホゲームらしい低負担な操作性と便利な機能性,コンシューマゲームから継承した魅力の根幹,それらをうまく組み合わせたゲームデザインになっているわけだ。

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 またストーリーは漫画雑誌の連載のように“新しいストーリーを毎週配信&長期展開”していくという。原作の物語展開,あるいは既存の北斗無双シリーズの素材を考えると,長いこと付き合えそうである。

 さらにストーリー配信には,原作のifストーリーを描いた「幻闘編」(ローンチ時は未公開)も含まれるとのこと。幻闘編はこれまでのシリーズにも搭載されていたが,登場人物たちの意外な一面,まさかの組み合わせなども描かれるため,個人的に非常に楽しみにしている。

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 今回は体験できなかったものには,ほかのプレイヤーと交流できる機能「ギルド」,プレイヤー同士の対戦コンテンツ「闘技場」といった,オンラインゲームらしいコンテンツもあった。詳細は不明なものの,ソーシャル感のある遊び方ができるのは間違いないだろう。

 本作の配信開始はもうまもなく。事前登録者数も100万人を突破しているなど,発表時からものすごい支持を得ている。
 北斗の拳の原作ファンはもちろん,今回初めて知ったという人も,日本の世紀末の代名詞たるこの世界で巻き起こる,漢たちの強さと愛を求める物語を,本作で存分に味わってみてほしい。

序盤でアンロックされるコンテンツ「チャレンジ『用心棒の仕事』」。制限時間内に敵を撃破しつつ,安全地帯に向かう村人を護衛する。最後に「牙親父」とのバトルが待ち受けている
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