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[インタビュー]3周年を迎えた「NGS」。木村シリーズプロデューサーと濱崎シリーズディレクターに,この1年と新コンテンツについて話を聞いた
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印刷2024/06/21 12:00

インタビュー

[インタビュー]3周年を迎えた「NGS」。木村シリーズプロデューサーと濱崎シリーズディレクターに,この1年と新コンテンツについて話を聞いた

 セガが開発・運営を行っているオンラインRPG「PSO2 ニュージェネシス」PC / PS4 / Switch ※以下,NGS)が,2024年6月9日に3周年を迎えた。
 同月最初のアップデートでは,ストーリーの第7章が配信され,新フィールド「ネームレスシティ」も追加されている。

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 「NGS」は,2周年のタイミングで行った大型アップデート「NGS ver.2」にて,自由度の高いサンドボックス「クリエイティブスペース」と,キャラクターの質感をアニメ調に一変させられる革新的な機能「トゥーン表示」が追加され,大きな話題となった。

 そして今年は,6月にプレイヤー待望の新ストーリーと新フィールドが配信されたほか,7月にはゲーム内で遊べるカードゲーム「ラインストライク」を実装。7月末には,新アクションの「M.A.R.S.」も登場する予定だ。

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 4月に配信された公式番組「NGS ヘッドライン」にて,突如発表された「ラインストライク」はもちろん,今後も気になるコンテンツが多い「NGS」。3周年という節目のタイミングで,シリーズプロデューサーの木村裕也氏と,シリーズディレクターの濱崎大輝氏にインタビューを行い,詳しい話を聞いてきた。

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(左)シリーズプロデューサー・木村裕也氏,(右)シリーズディレクター・濱崎大輝氏

「NGS」3周年を迎えて,この1年の振り返り


4Gamer:
 本日はよろしくお願いします。
 まずは3周年,おめでとうございます。2周年のタイミングでは,「NGS ver.2」という大規模なアップデートが行われましたが,この1年間はどういったことを目標としてきたのでしょうか。

濱崎大輝氏(以下,濱崎氏):
 この1年は,クリエイティブスペースやクエストの「ルシエル探索」など,長く楽しんで頂けるようなコンテンツの追加を目標として,アップデート計画やコンテンツの立案・開発を行ってきました。
 この2つのコンテンツのほか,「ダークファルス・ソウラス」や「ダークファルス・ダリオン」との戦いも高い評価を頂いており,ある程度は目標を達成できたのではないかと考えています。

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木村裕也氏(以下,木村氏):
 去年の4月頃に「ルシエル」とストーリー第5章の配信を行いました。ここでサービス当初に計画していたアップデートが一通り終わったこともあり,「ver.2」以降は,アップデートの方針を変えました。
 半年に1度,大きなアップデートで新フィールドとその関連コンテンツを追加するのではなく,もっと短いスパンでクエストやイベント,キャンペーンを配信して,毎週新しい楽しみがあるようなアップデートを心がけてきたのですが,そこは達成できたと思っています。

4Gamer:
 1年の間で,特に反響の良かったアップデートは何ですか。

濱崎氏:
 反響の良かったものだと,やはりクリエイティブスペースでしょうか。実装から1年経った今でも,多くの方に遊んでいただいています。
 SNSに投稿されたクリエイティブスペースも見させてもらっているのですが,クオリティの高いものが非常に多くて,開発スタッフとしても,「ここまでできるのか!」と,皆さんの創造性に驚かされています(笑)。
 またルシエル探索も,配信から1年近くが経過しているのですが,複数回のアップデートと「全シップマッチング機能」の実装のおかげもあってか,プレイヤーの参加率もかなり高く,皆さんに楽しんでいただいている点は非常に良かったと思います。

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4Gamer:
 逆に,反響が悪かった点も教えてください。

濱崎氏:
 悪かったものとしては,初期のルシエル探索やダークファルス・ソウラスが挙げられます。参加条件が厳しく,配信されるコンテンツが高難度に寄っていた点については,不満が出ていた部分だと考えています。
 また昨年の11月頃までは報酬面の不満も多く,反省すべき点だと思っています。そこに対しては,イベントの「超・創世祭」や,その後の報酬のドロップ設定の見直しを行って,解決に向けて取り組んできました。

4Gamer:
 現在は,報酬面に対する不満の声は出ていないのでしょうか。

濱崎氏:
 SNSの投稿なども確認しているのですが,改善できて来ている認識ですね。

4Gamer:
 現在出ている要望などで,対応予定のものはありますか。

濱崎氏:
 検討中の段階ですが,ルシエル探索以外のクエストへの全シップマッチング機能の追加や,装備強化の緩和などを考えています。

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4Gamer:
 少し話題が逸れますが,昨年の12月にクラスレベル条件を達成するともらえる「ラジャンティエ」シリーズの装備が配信されました。これを今でも使い続けているプレイヤーは結構いるのでしょうか。

濱崎氏:
 最近は,「ロウゼラム」シリーズや「コルボ」シリーズに置き換えたり,季節イベントの報酬である「エオン・ディケリオン」シリーズ武器を利用しているプレイヤーが多いですね。
 装備にメセタ(ゲーム内通貨)をかけたくないといった理由で,ラジャンティエを使い続けている方もいるようです。ただ,多くはない印象です。

 「ラジャンティエ」シリーズは,高難度クエストのダークファルス・ダリオンなどをプレイするには戦闘力が足りないと思いますが,期間限定クエストなどをプレイする分にはある程度十分な性能になっています。プレイの復帰直後や装備が揃うまでは,同シリーズなどの配布されている装備やシーズナルポイント交換ショップで入手できる武器を使っていただき,プレイのペースに合わせて装備の更新をしてもらえればと思います。

クリエイティブスペースについて


4Gamer:
 クリエイティブスペースですが,頻繁に遊んでいるプレイヤーは,どのくらいいるのでしょうか。

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濱崎氏:
 クリエイティブスペースを遊んでいるプレイヤーは,ほかのプレイヤーのスペースに訪問するだけの方と,実際に編集している方の2種類に分けられます。
 ほかのプレイヤーのスペースに訪問するだけの方は,全アクティブユーザーの5割くらいです。また熱心に編集しているプレイヤーは,全体の2割ほどですね。
 コンテンツに対するアクティブ率も安定しており,熱心なプレイヤーにはずっと遊んでいただけるような,息の長いコンテンツになったと感じています。

4Gamer:
 積極的にクリエイトしている方が2割もいるのは凄いですね……。現状スペースを持てる数は最大で6つですが,プレイヤーから,数が足りないとの声は出ていないのでしょうか。

木村氏:
 新しいテーマのスペースが追加されるたび,ACを消費して借りられるレンタルスペースの枠は追加しているのですが,課金をしたくないという方には足りないかもしれません。ただ,無条件にスペースを増やしてしまうとサーバー負荷につながってしまうので,現状の制限はご理解いただければと思います。

4Gamer:
 今月のアップデートで和風テーマのスペースが追加されましたが,これまでのエアリオ,リテム,クヴァリスで一番人気が高かったのではどれなのでしょうか。

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濱崎氏:
 エアリオを選択されているプレイヤーが9割ほどと,多いですね。初期テーマということもありますし,最初に作ったものを残しておきたくてキープしている状態,というのもあるかなと思います。リテムとクヴァリスは同数ぐらい,といった感じです。

4Gamer:
 個人的にかなり衝撃だったのですが,6月のアップデートで,別のスペースに移動できるビルドパーツ機能が追加されましたよね。今後も,ビルドパーツ関連で大きな機能を持ったものを実装する予定はありますか。

木村氏:
 このビルドパーツは,自分のスペースからチームスペースに飛んだり,複数の部屋を繋げることで,擬似的にスペースを広く使えるようにしたりするものです。実は,クリエイティブスペースの実装時からずっと入れたいと思っていたのですが,ようやく追加できたという経緯があります。

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濱崎氏:
 特殊な機能を持つビルドパーツとしては,カードゲーム「ラインストライク」を遊ぶための対戦台などを実装する予定です。「ラインストライク」で遊ぶスペースを作るのはもちろん,大会を開くスペースを作りたい,というプレイヤーに利用していただきたいと思っています。
 またオフィシャルのクリエイティブスペースにも,「ラインストライク」をプレイするための会場を配信する予定です。今後も,新しいコンテンツを遊ぶための場所として活用できるようなアップデートをしていきたいと思っています。

4Gamer:
 先ほど,和風テーマのスペースの話をしましたが,今後もリージョン以外のテーマを追加していくのでしょうか。

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濱崎氏:
 利用状況を見て,好評であれば検討したいですね。

4Gamer:
 ビルドパーツですが,かなり数が増えてきました。新規や復帰プレイヤーからすると,集めるのにかなり時間がかかるように感じますが,入手緩和などは予定していないのでしょうか。

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木村氏:
 今のところはまだ予定していないですね。ビルドパーツの交換に必要なジェネシスポイントは入手しやすくなってきたことと,入手したものは一覧から消えていくので,それほど分かりづらくはないのかなと思っています。ただ,今から集め始めることを考えると,確かに数が多いかもしれないですね。

4Gamer:
 要望の多そうなビルドパーツの一括操作などは,やはり実装が厳しいのでしょうか。

濱崎氏:
 ビルドパーツの一括操作については要望を多くいただいています。しかし,おっしゃるとおり「実装が難しい」というのが正直なところです。

新フィールド「ネームレスシティ」について


4Gamer:
 3周年のアップデートで。新フィールド「ネームレスシティ」が追加されました。今後,このエリアが拡張されることはあるのでしょうか。

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木村氏:
 ネームレスシティは3つの区画に分かれていて,6月のアップデートでは2区画のみ実装しました。8月には,3区画目を配信する予定です。

新アクション「M.A.R.S.」について


4Gamer:
 続いて,新アクションの「M.A.R.S.」について聞かせてください。ネームレスシティは,ストーリーに関連したエリアでしたが,「M.A.R.S.」もストーリーに紐づいているのでしょうか。

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木村氏:
 7月31日に実装を予定している「M.A.R.S.」ですが,ストーリーの新章を進めないと使えないといったことはありません。

濱崎氏:
 ストーリーで,「それとなく開発してます」みたいな話が出てくるのですが,そこまで進めなくても使用可能になります。新しく始められる方でも,早めに触れられるような開放条件にしてますので,ご安心ください。

4Gamer:
 「M.A.R.S.」の使い方ですが,サブパレットに追加して発動させるようなアクションになるのでしょうか。

濱崎氏:
 そうですね。サブパレットから発動するアクションとして実装しています。
 「M.A.R.S.」は,専用のゲージを消費することで使用できます。ゲージは時間経過のみで溜まっていくので,運用としては,クラススキルに近いものになると考えていただければ分かりやすいかと思いますね。

 ゲージが最大になるまで約9分かかるのですが,25%を越えると発動可能になります。実際には,クエストをプレイしながら,25%を越えたタイミングで使っていただく形になるかなと。乗り降りのタイミングは自由なので,「乗ってすぐ攻撃対象がいなくなった!」みたいな状況でも,ゲージが無駄にならないような仕様になっていますね。

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4Gamer:
 「M.A.R.S.」から降りると,ゲージの消費は止まって,また溜まっていくということですか。

濱崎氏:
 そうです。「溜める」と「使う」を適宜切り替えてマネージメントしていくようなアクションになっています。最大までゲージを溜めると,2分間乗り続けられます。

4Gamer:
 「PSO2」の「ダークブラスト」に近いイメージでしょうか。敵に与えるダメージは,既存クラスより高いんですよね。

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濱崎氏:
 使い方としてはダークブラストに近いかもしれないですね。加えて,基本的には既存クラスよりもダメージが出るという認識で問題ないです。

 ただダークブラストと違い,「M.A.R.S.」には4種類のメイン兵装と3種類のサブ兵装があって,そこから2つのメイン兵装と1つのサブ兵装を組み合わせて戦うとことになります。
 また,ダークブラストは形態ごとにアクションが決まっていましたが,「M.A.R.S.」は武器の組み合わせによってコンボルートが複雑に変わっていくような仕様になっています。
 そのため,最大限のシナジーを生み出そうとすると,結構やりこみが必要になってくるので,複雑なアクションが好きな方や,コンボルートを探って楽しみたい方にも応えられるようなものに仕上がっていると思います。

4Gamer:
 カスタマイズ要素みたいなものがある,ということでしょうか。

濱崎氏:
 育成要素として,スキルツリーのようなものがあり,クエストで獲得できるアイテムをポイントに変換して,スキルを開放できます。それぞれの武器に対応するスキルがあるので,自分がよく使う武器を強化して,カスタマイズができるという仕様です。
 ポイントの振り直しについても,現在のクラススキルツリーと同様に簡単にできます。いろいろ試して,自分に合ったものを探したり,コンテンツに合わせたカスタマイズを楽しんだりできると思いますね。

4Gamer:
 アクションの内容としては,かなり特殊なものになるのでしょうか。

濱崎氏:
 特殊兵装に換装して戦うので,普段のプレイヤーのアクションとはガラッと変わったものになります。慣れるまでは時間がかかると思うので,練習用のクエストも用意しています。

4Gamer:
 「M.A.R.S.」は,使用エリアの制限などはないのでしょうか。

濱崎氏:
 戦闘が発生する場所であれば,今のところ制限は設けない予定です。新フィールドのネームレスシティはもちろん,既存の探索セクションや戦闘セクション,クエストでも使えますね。

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4Gamer:
 撮影エリアでも大丈夫ですか。

濱崎氏:
 使えますよ。ゲージが溜まるまで時間はかかりますけど(笑)。

4Gamer:
 それは楽しみです。モバイルキャノンなんかは,基本的にクエスト中でしか使えないじゃないですか。撮影するのが大変で。

濱崎氏:
 モバイルキャノンは,スティアのトリガークエスト辺りで撮ることができますけど,「オープンフィールドで撮りたいじゃん!」ってことですよね(笑)。「M.A.R.S.」はアクションもかっこいいので,ぜひいろいろな場所で撮影を楽しんでください。

カードゲーム「ラインストライク」について


4Gamer:
 先ほども少し話が出ましたが,4月の「NGS ヘッドライン」で発表された新コンテンツの「ラインストライク」は,どのようなものになるのでしょうか。

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木村氏:
 まずカードのイラストを見ていただくと分かるかと思うのですが,「PSO2」のキャラクターをモチーフにしたものになっています。というのも,実装する今年の7月が「PSO2」の12周年にあたるので,それに合わせた記念コンテンツという位置づけになっているんですよ。

濱崎氏:
 システムとしては,「PSO2」カジノのように独立したミニゲームになっていて,クエストの「拠点防衛」をモチーフに開発しました。
 2人プレイ用で,両方のプレイヤーがそれぞれ3つの拠点を持っています。手持ちのカードを使ってバトルを行い,相手の拠点を2つ破壊すれば勝利というシンプルなルールになっています。

 バトルモードは,シップ内のほかのプレイヤーとレートを競う「レートバトル」と,同じくシップ内のほかの対戦希望プレイヤーとレートを参照しないランダムマッチを行う「アンレートバトル」,フレンドや周囲のプレイヤーと遊べる「フリーバトル」がメインになるかなと。ほかにも,NPCとバトルしてデッキを回すようなモードも用意しているので,いろいろ楽しんでいただけるかと考えています。

4Gamer:
 ラインストライクもアップデートしていくのですか。

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木村氏:
 実装時に,カードを合計で100枚配信しますが,その後も新しいカードを追加していく予定です。タイミングは定期的にというわけではく,みなさんのプレイ状況を見ながら考えていこうかなと。

4Gamer:
 ラインストライクは,どのようにプレイを開始するのですか。

濱崎氏:
 「レートバトル」と「アンレートバトル」は,メインメニューの「コミュニケーション」から「ラインストライク」を選ぶと,マッチングが始まります。
 同じシップ内にいる全プレイヤーとマッチングさせる処理の都合,対戦時にエアリオリージョンに移動しますが,エントリーはアークス拠点であればどこでも可能な作りですね。

 フリーバトルとNPCバトルは,アークス拠点かクリエイティブスペースであればどこでもその場でプレイできるようになっています。
 オフィシャルのクリエイティブスペースにラインストライク用の対戦場所を用意しますので,そちらを利用して,ほかのプレイヤーと交流し,「対戦しましょう!」といった流れで対戦していただければとも思っています。

4Gamer:
 ラインストライクは,プレイすることで何か報酬が貰えたりするのでしょうか。

濱崎氏:
 報酬は用意していますが,すごく強い武器や装備が手に入るということはないですね。各バトルモードをプレイすると,「カードスクラッチ補助券」を入手できます。それを集めてカードスクラッチを引いて,報酬を得る仕組みです。
 報酬はラインストライクで使用するカードなので,繰り返しバトルをしてカードスクラッチを引き,手元のデッキを強化する,といったラインストライク内で完結するプレイサイクルを楽しむ形になります。

 なお重複したカードは,専用のリサイクルバッヂに変換してスリーブやプレイマットと交換できるようになっています。その辺りで,少し自分の個性を出していくこともできるかなあと。

4Gamer:
 プレイ開始時は,何枚のカードを持っているのでしょうか。

濱崎氏:
 1デッキ分の15枚が初期状態です。最初の手持ちカードは,プレイヤー全員が同じものになります。
 先ほど話した通り,カードはカードスクラッチで増やしていくのですが,スタートダッシュを決めたい方や,特定のカードが欲しいという方もいると思うので,ACで購入できるスターターデッキのようなカードセットも2種類用意しています。補助券もACで購入できるので,それらを利用すれば早めにカードプールを増やせます。
 もちろんACでの購入は必須ではありません。対戦していけば十分にカードを入手できる作りになっているので,プレイスタイルに合わせて選んでください。

4Gamer:
 「PSO」シリーズファンが気になっていることだと思うので聞いておきたいのですが,「ファンタシースターオンライン エピソード3 カードレボリューション」(以下,PSO:EP3)を意識した部分はあるのでしょうか。

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「ファンタシースターオンライン エピソード3 カードレボリューション」は,2003年11月27日に発売されたニンテンドーゲームキューブ用ゲームソフト。「PSO」のIPを使ったカードゲームとして人気を博した

木村氏:
 ゲームルールとしては,「PSO:EP3」を意識した部分はないです。ただ,「NGSでカードゲームってアリかナシか」という議論の中,「PSO:EP3があったからナシじゃないよね!」というのは,僕たちにとって判断材料のひとつとしてありましたね(笑)。

 「PSO」の時代を知らない方からすると,突然カードゲームが出てきて「なんで?」っていう疑問もあったと思うんです。でも,旧来のファンから「いやな,大昔にPSO:EP3っていうものがあってな……」というプレイヤー同士の会話もあったようです(笑)。

4Gamer:
 「NGS」には,古くからのシリーズファンも多いですからねえ。

木村氏:
 ゲーム性は「PSO:EP3」のそれとはまったく違うものになります。ただ,「ラインストライク」の開発者の中には,当時「PSO:EP3」を遊んでいた人間も多く,「何とかして,少しでもPSO:EP3の要素を入れたい!」というような意見があったんですよね。
 なので,「PSO:EP3」のカード裏面デザインをモチーフにしたスリーブがあったり,BGMも「PSO:EP3」を踏襲したものが入っていたりします。

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4Gamer:
 それはめちゃくちゃ嬉しい要素ですね。ちなみ,「PSO2」にもトレーディングカードゲームがありましたが……。

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 セガホールディングスは本日,オンラインRPG「ファンタシースターオンライン2」のリアルトレーディングカードゲーム版となる「PHANTASY STAR ONLINE 2 TRADING CARD GAME」を,2018年3月22日に発売すると発表した。体験版デッキのプレゼントもあるという,全国での体験会の情報にも注目だ。

[2017/12/01 15:23]
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[2019/07/24 10:00]

木村氏:
 「PHANTASY STAR ONLINE 2 TRADING CARD GAME」(以下,PSO2 TCG)ですね。実のところ,「ラインストライク」のカードイラストは,「PSO2 TCG」のものをそのまま使っています。発表時の映像を見て,「TCGのやつだ!」と気付いた方もいたようです。

 「ラインストライク」発表の際,「メインのアップデートにかまけてラインストライク作ってたんじゃないの?」というふうに感じる方もいたと思います。ただ開発の経緯としては,なんとか空き時間を捻出して,少しずつ作ってきました。カードイラストも描き下ろしたわけではなく,過去のものを流用しているので,そこも時間がかかっていないコンテンツなんです。

4Gamer:
 「ラインストライク」は,最初から「NGS」に実装しようという話で始まったんでしょうか。

木村氏:
 最初からではないですね。「NGS」がサービスインする少し前に,開発内でミニゲーム的な要素を入れたいというざっくりとしたビジョンがあり,具体的な案を決めるためにチーム内でコンペを行ったんです。
 その時に出てきたアイデアの中に,防衛戦らしい要素もある現在の「ラインストライク」の案があったんですよ。その後の開発は,「NGS」のメインコンテンツのアップデートを優先しながら,カードゲーム好きや新しいことや変わったことに挑戦したい有志のメンバーが集まってちょっとずつ作っていた,という感じですね。

4Gamer:
 「ラインストライク」だけをスマホアプリとして遊べるようにすることは考えていないんでしょうか。

木村氏:
 今は考えていないですね(笑)。ポンと別のアプリにできるような設計になっていないので,難しいんです。ただ,これだけで,1本のゲームとして成立するぐらいの遊びごたえのあるゲームにはなっていると思います。

4Gamer:
 「PSO2es」に代わるアプリになるといったことは……。

木村氏:
 それも,今のところ予定にないです(笑)。ちなみに「PSO2es」といえば,今年の5月で10周年を迎えました。プレイヤーや応援してくれている皆さんのおかげです。ありがとうございます。

4Gamer:
 「PSO2es」は。やはり根強いファンがずっと付いているという感じなんでしょうか。

木村氏:
 すごく安定してますね。周年や新しいチップの実装などでプレイヤーが戻ってくることはあるんですが,大きなアクティブユーザーの変動はないです。
 「PSO2es」では「PSO2」仕様のアバターしか着用できないんですが,「NGS」のスクラッチも「PSO2es」から引くというプレイヤーが一定数いまして。課金の窓口としても機能しているのかなと思いますね。

4Gamer:
 NPCのジェネは,いまだにフィギュアも出ていますよね。特に「水着は必ずフィギュアが出る!」っていう(笑)。

木村氏:
 やっぱり,IPとしては根強い人気がありますね。

4Gamer:
 「ラインストライク」のようなコンテンツは,今後も出していくのでしょうか。

木村氏:
 「やりたいかやりたくないか」だと「やりたい」になるんですが,「ラインストライク」も相当長い期間をかけてじっくり作ってきたので,なんとも言えないです。
 「ラインストライク」も,開発を始めた頃は本当に完成に至るのかの確証もなくて。実装できたのも,メンバーが頑張ってくれたおかげだと思っています。ですので,新しいコンテンツをまた出したいとは思うのですが,お約束はできないんですよ。

4Gamer:
 コンペで決めた企画だということですが,初期段階からゲームシステムは大きく変わったりしたのでしょうか。

木村氏:
 企画書の出来がかなり良かったので,9割ぐらいはそのまま作っています。ちなみに,デジタルゲームだからこそ成立するような設計ではあるんですが,「カードゲームはアナログから!」という思いがあり,最初はアナログで似たような仕組みのボードゲームを作ったんですよ。

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4Gamer:
 わざわざアナログでですか?

木村氏:
 カードゲームって,実際に遊んでみないと面白いか面白くないか分からないじゃないですか。なので「ラインストライク」は,デジタル挙動の部分を頭の中で補完しながらアナログで遊んでみて,面白くなりそうだという感触がありました。
 初期のバランス調整なんかもアナログでやって,そこからゲーム内で動くようなサンプルを作ったりと……,いろいろ試しながら作っていったんです。開発スタッフたちも楽しそうでしたね。

みんなが気になるキャラクタークリエイトのお話


4Gamer:
 自由度の高いキャラクタークリエイトが売りでもある「NGS」ですが,メイク枠の増加やアクセサリコスト上限の開放は実現しづらいのでしょうか。

木村氏:
 根本的な設計の部分になるので,やってしまうといろんなところが破綻してしまうんですよ。非常に多くの要望をいただいているのですが,カバンは突然大きくはならない,というか……。

濱崎氏:
 最初の時点で,かなり無理をしてコスト上限を上げている状態なんですよね。だから,この部分を伸ばすのはとても難しいんです。

4Gamer:
 個人的には,メイクの枠が少ないと感じています。チークとリップを着けたらもう埋まってしまって,ほかのものが着けられないんですよ。例えば,実装されている2つのメイクを1つに合体したようなものは実装できませんか。

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みんな,ハデナメイク/Bとグラデリップ/B2の合体を望んでいる……そうでもない?

木村氏:
 それは可能なんですが,人によって組み合わせたいものがまったく違うと思うんですよ。誰もが「これとこれを組み合わせたい!」という意見があればいいんですけど。「明確にこれはセットだよね!」というものがあればやってもいいかもしれないですね。

4Gamer:
 組み合わせが多いものであれば,合体したものが出るかも,と。

木村氏:
 まずはデータを取ってみてからでしょうか。

濱崎氏:
 ただ,メイクは濃さの問題もありますからねえ。

木村氏:
 合体時すると個別に濃さを調整できなくなりますし,本当に難しいですね。

濱崎氏:
 アクセサリは,コスト上限を増やすのは難しいのですが,枠数を増やすことはできそうです。アップデートで,こちらの改善は予定しています。

4Gamer:
 少し前に,NPCのキャラクリデータが配布されました。ただ,セントラルのオペレーターであるオランジェなど,一部キャラなどがまだ配信されていないですよね。配信の予定はないのでしょうか。

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木村氏:
 実は,今配信されていないキャラクターたちは,仕様的な都合で出せていないんです。当初はキャラクリデータ配布することを想定していなかったこともあり,再現できるデータを用意しようとすると不都合が出てしまうんです。

4Gamer:
 キャラクタークリエイトで近いところまでは再現できるけど,完全に再現することができない仕様になっていると。

木村氏:
 そういうことです。キャラクタークリエイトで再現できるようにNPCのデータを変えると,イベントシーンもすべて作り直す必要がありますから,配布は難しいですね。

4Gamer:
 ロビーアクションやモーションですが,先日に配信されたACスクラッチで,反転したものや別バージョンなどのアレンジ版をまとめたものが販売されました。今後も同じようなスクラッチを出す予定はありますか。

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993「ロッドポーズRev」

木村氏:
 今回は「出してみたら需要あるのかな?」ということで,試験的に販売しました。思った以上に反響があり,シンメトリーで合わせたりという遊びなども楽しんでいただけているようなので,需要があると感じています。
 次の予定は決まっていませんが,今回で全部出しきってもいないので,今後もやる可能性は高いですね。

4Gamer:
 少し話が変わりますが,クリエイティブスペースには,「アークスデコイ」を使って自分のキャラクターを表示できますよね。その際,ポーズは待機モーションしか選べませんが,ロビーアクションを割り当てることはできないのでしょうか。

木村氏:
 ロビアクは,その場に待機するものと,移動を伴うようなものもあり,それを判定して分けるのが難しいんですよ。待機モーションはシンプルな仕様なので出せるんですが,それ以外は厳しいです。

濱崎氏:
 使えるロビアクとそうでないロビアクがあると,それはそれで混乱すると思うので,待機モーションで一本化している,というところですね。

3周年以降のアップデートについて。オフラインイベントなどの実施は


4Gamer:
 4〜5月には3周年を記念したアップデート。夏には新アクションの追加やエリアの拡張が予定されていますが,それ以降の予定で話せることがあれば教えてください。

木村氏:
 今の段階では,まだお見せできないものばかりというのが正直なところです。6月末にロードマップを公開する予定なので,そこで少し話を出せるかなと思います。

濱崎氏:
 8月に実装されるネームレスシティの新区画は,新アクション「M.A.R.S.」を活かせるようなステージ構成になっているので,まずはそこまでに育成して楽しんでいただければと思います。

4Gamer:
 ゲーム外でのオフラインイベントは予定していますか。

木村氏:
 考え始めているところですね。ただ大規模なものではなく,小規模なものになると思います。プレイヤーが集まれるようなものを何かやりたいな,という話をしています。

4Gamer:
 ポップアップストアやコラボカフェなどは行わないのでしょうか。

木村氏:
 具体的に発表できるものはないですが,可能性がないわけではないですね。

4Gamer:
 ゲーム外のコラボですが,話はセガから持ちかけるんでしょうか。

木村氏:
 サブカルとコラボするアパレル系の企業さんも最近は多いと思うんですが,基本的には間に代理店さんに入っていただくんです。「PSO2」も,そういった経緯でコラボさせていただくことが多いんですが,「100時間カレー」だけはウチから声をかけました。お店を展開しているのが,ARCS(アークス)さんだったので(笑)。

4Gamer:
 100時間カレー,早いタイミングでコラボが終わるところが多くて大変でした。

木村氏:
 僕は,始まってすぐに神田へ行きましたね。

濱崎氏:
 僕は柏まで行きました(笑)。電話して「あります!」って言われて,すぐ向かいました。

4Gamer:
 今後のゲーム内のコラボは,どういったものを予定しているのでしょうか。

画像集 No.007のサムネイル画像 / [インタビュー]3周年を迎えた「NGS」。木村シリーズプロデューサーと濱崎シリーズディレクターに,この1年と新コンテンツについて話を聞いた

木村氏:
 あまり言えることは多くないのですが,9月ぐらいまでは,毎月アニメ系のコラボを予定しています。

4Gamer:
 コラボをすると,やはりその作品のファンが新規プレイヤーとして入ってくるのでしょうか。

木村氏:
 新規プレイヤーもゼロではないのですが,どちらかと言うと,休眠していたプレイヤーが戻ってくることが多いです。コラボは,「ファンタシースター」シリーズのファンに刺さりそうなIPを選んでいるという面もあるので,既存ユーザーと休眠ユーザーの反応が大きいんですよ。

 「NGS」に限った話ではないと思いますが,「好きな作品とコラボしてるから!」という理由だけでゲームを新規に遊び始める方は,それほどいないんですよ。
 ただ,知ってもらうだけでもいいのかなと。例えば,コラボしたある作品を好きな方が,その作品の情報を追っていく中で,「NGS」というゲームがあるのかと知ってもらえるだけでも価値があると思っています。
 もしかしたら半年後,1年後に何かオンラインゲームを遊びたいと思ったとき,「NGS」を思い浮かべてもらえるかもしれませんからね。認知を広げるという意味で,すごく大事なのかなと思っています。

4Gamer:
 最後に,今後に向けてのお話と,プレイヤーに向けてメッセージをお願いします。

濱崎氏:
 プレイヤーの皆さんに支えていただき,「NGS」も無事に3周年を迎えることができました。本当にありがとうございます。7月には「PSO2」も12周年を迎えて,非常に長い期間プレイしていただけていることを,非常に嬉しく思っています。
 3年,そして12年という月日。僕も「PSO2」の初期のころから開発に携わっているので,非常に感慨深いですね。今後も,「ラインストライク」や新アクションの追加など,コンテンツの配信を予定しておりますので,楽しみにしていただければと思います。
 「NGS」も4周年に向けて,開発を進めていきますので,引き続き応援をよろしくお願いいたします。

木村氏:
 言いたいことは,ほぼほぼ言われちゃったかなというところですが(笑)。とはいえ,改めまして「NGS」は3周年,「PSO2」は12周年を迎えられること,非常に喜ばしく思っています。
 濱崎も言っていましたが,本当に遊んでくれている皆さんのおかげです。今後も,我々開発と運営チームが一丸となって,より遊びやすく,より楽しい「NGS」を継続していきたいと思っています。
 少しでも長くサービスを続けることが,オンラインゲームにとって何よりも大事なことだと思っていて,「10年はやります!」と言って始めた「PSO2」でしたが,気付けばもう12年目になりました。
 更に長く続けて,プレイヤーの皆さんが集まれる場を残していけるように頑張っていこうと思いますので,今後ともよろしくお願いいたします。

4Gamer:
 本日はありがとうございました。

画像集 No.025のサムネイル画像 / [インタビュー]3周年を迎えた「NGS」。木村シリーズプロデューサーと濱崎シリーズディレクターに,この1年と新コンテンツについて話を聞いた

「PSO2 ニュージェネシス ver.2」公式サイト

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