G.91は,NATOが1953年に実施したNBMR-1(NATO Basic Military Requirement 1)コンペティションで選定された機体で,開発と製造はフィアットが行っている。NATO加盟国空軍の標準装備として使われる偵察や攻撃に最適化された「軽量戦闘機」が開発の主な目的で,初飛行は1958年。1961年にイタリア空軍が採用したほか,翌年には西ドイツ空軍で運用が始まった。ポルトガル空軍にも採用され,アンゴラやモザンビークで起きたポルトガルの植民地戦争にも投入されたという。アメリカ空軍も興味を示したものの,正式採用は上記3か国のみで,現在は全機退役している。