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「ブレイブリーデフォルト II」プレイレポート。ジョブの組み合わせで理想のパーティを作り,こだわりのバトルバランスを堪能したくなる
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印刷2021/02/25 22:00

プレイレポート

「ブレイブリーデフォルト II」プレイレポート。ジョブの組み合わせで理想のパーティを作り,こだわりのバトルバランスを堪能したくなる

 スクウェア・エニックスが2021年2月26日にリリースする,Nintendo Switch用RPG「ブレイブリーデフォルト II」。本作の大きな特徴が,歯応えのあるバトルとそれに負けない厚みのあるストーリーであることは,先日のインプレッションで紹介したとおりだ。今回は,さらに先に進めて,さまざまな「ジョブ」が使えるようになると本作のバトルがどうなっていくのかをお伝えしていきたい。

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転職可能なジョブが増えるほど,理想のパーティ実現に近づいていく


 本作のストーリーは,インプレッションに記したように「ヤミノヒトミ」と呼ばれる災厄を封じるべく,何者かに奪われた風・火・水・土のクリスタルを取り戻すために,セスとグローリア,アデル,エルヴィスの4人がエクシラント大陸を旅するというもの。4人はストーリーの進行に沿って,光の戦士として覚醒していく。詳しく書くとネタバレになってしまうのだが,内容はファンタジーRPGの王道の展開である。「え,まさかこの登場人物がこんなことに!?」となるシーンもあるが,そこまで含めて王道と言える……今のところは。

一行はエクシラント大陸の国々を旅し,クリスタルの啓示を受けて光の戦士として覚醒していく
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 “今のところ”と言うのは,本作ががっつり遊べ過ぎて,エンディングまでプレイできていないからだ。データ上のプレイ時間は,36時間30分前後。ほぼすべてのボスバトルで1回は全滅し,何度かチャレンジしているので(しかも手ごわいボスには30分以上かかることもある),実際のプレイ時間はもっと長い。
 最初は難度「NORMAL」でプレイしていたのだが,途中で「これは原稿の締切までにエンディングが見られない」と思い「CASUAL」へと変更した。だが,それでもバトルの歯ごたえは健在であり,結局,すべてを遊び尽くす前に本稿の執筆に取りかからなければならなくなってしまった。

ドラゴンとの邂逅
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一行が訪れる国は,いずれも問題を抱えている
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 とは言え本作は,単に難しいだけのRPGではない。攻略の鍵となるのが,ストーリーを進めたり,クエストをクリアしたりして「アスタリスク」を集めると増えていくジョブの組み合わせだ。
 本作には23種類以上のジョブが存在し,それぞれでレベルが上がるごとに「アビリティ」と「サポートアビリティ」を習得できる。各キャラクターには「メインジョブ」と「サブジョブ」を1つずつ組み合わせて設定可能で,メインに設定したジョブはバトルに勝利すると「ジョブ経験値」が蓄積し,レベルが上がっていく(最大レベルは12)。
 一方,サブに設定したジョブは,その時点で習得しているアビリティを使用できるが,ジョブ経験値が蓄積しないという違いがある。

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 アビリティは攻撃技や回復魔法など,主にバトル中で使うアクティブスキルだ。リソースは基本的にMPやHP,そして後述するBPのいずれかだが,「シールドマスター」の「みんなを守る」のようにリソース不要のケースもある。
 なおアビリティは,メインかサブいずれかに設定しているジョブのものしか使えない。言い換えると,1キャラクターは同時に2つのジョブのアビリティを使えるというわけである。

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 サポートアビリティは,1キャラクターにつき最大5つまで装着可能なパッシブスキルで,MPの自動回復や状態異常からの自動復帰といった効果がある。こちらは習得したジョブでなくとも装着すれば効果を発揮するので,メイン・サブとも近接攻撃系ジョブのキャラであっても,黒魔導士や白魔導士で習得したMP自動回復のサポートアビリティが使える。

黒魔導士は,夜間だけMPを自動回復するサポートアビリティ「月の魔力」を習得。白魔導士は昼間だけMPを自動回復する「太陽の魔力」を習得する
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 つまりゲームを進めて転職できるジョブが増えるほど,アビリティとサポートアビリティの組み合わせも増え,プレイヤー各自のプレイスタイルや,乗り越えなければならない局面に沿ったパーティを実現できるようになっていくのである。
 例えば,精霊魔法を使う「導師」に転職できるようになれば,アビリティの「デヴォーション」でMP回復が可能になるので,筆者がインプレッションで書いたような「MP回復アイテムを大量に持ち込まないとガス欠になって全滅」という状況は起こりにくくなる。
 またジョブは必ずしもレベル12にする必要はなく,使いたいアビリティやサポートアビリティを習得した時点で育成を一旦止めてもいい。とくに上記のMP自動回復を付与するサポートアビリティは,黒魔導士・白魔導師ともにレベル5と比較的早い段階で習得できるので,全キャラクターに装着しても良いくらいだ。

導師はレベル3でデヴォーションを習得する。リソースがMPではないところもポイントだ
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絶妙? シビア? なバトルバランスでボスにことごとく苦戦


 本作はコマンド選択式のターン制バトルを採用しているが,「ブレイブ」と「デフォルト」の存在によって,ほかのRPGと大きく差別化されている。
 デフォルトを選んだキャラクターは防御態勢を取り,被ダメージを軽減すると同時に「ブレイブポイント」(BP)を1獲得する(最大3まで蓄積)。そして,次のターン以降でブレイブを選ぶと消費するBPと同じ回数の行動を追加選択できる。一度に消費できるBPは最大3なので,もともとの行動回数を加えると1ターンで最大4回の行動が可能になる。
 具体的には,HPゼロで行動不能になったキャラクターを蘇生した直後に全回復させて前線に復帰させたり,攻撃力アップのバフをかけた直後に攻撃させたりといったことができるのだ。

デフォルト。防御態勢を取り,BPを獲得する
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 ここで重要なのは,ブレイブはBPを前借りできるという点。すなわちBPがゼロであってもBPを消費してブレイブを使えるのである。ただしBPはマイナスになり,以降のターンを経るごとに1ずつ回復していく。BPが再びゼロに戻るまで,そのキャラクターは棒立ち状態のリスクに晒されてしまう。

BPを前借りしてブレイブを使うことで,一度に4回攻撃が可能に
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 ただ,その程度のリスクであれば,被ダメージをあらかじめ予測して安全なタイミングでブレイブを使う,余裕のあるときにデフォルトを使ってBPを蓄積しておくといった対策ができる。
 厄介なのは,敵もブレイブとデフォルトを使ってくるということだ。とくにHPの回復手段を持つボスは強敵である。それらのボスはダメージを与えてHPを一定以下にすると,ブレイブを使いつつ優先的にHPを回復してくる。それならば,こちらもブレイブで一気に畳みかけ,回復が追いつかないようにすれば良いのではないか……というのは,まったくもってそのとおり。
 しかしそれを簡単に許してくれないのが,シビアな本作のバトルバランスである。

 例えば,とあるボスバトルには近接攻撃を仕掛けてくるボスと,回復とサポートをメインに担当するボスが2体セットになって出てくる。セオリーに沿って回復系のボスから倒そうと試みるわけだが,HPを8000くらいまで削ったあたりで相手が回復魔法を使い始め,バトルが膠着状態に陥ってしまった。
 ならば複数のキャラクターでブレイブを駆使して9000近いダメージを1ターンで与えれば良いのだが,もう1体の近接攻撃系のボスにブレイブで猛然と攻撃をしかけられ作戦が瓦解することもしばしば……。そうなると回復系のボスを倒すために想定していた与ダメージ量に届かないばかりか,蘇生と回復の手間を取られ,あれよあれよとターンが進み,気がつけば回復系のボスのHPは1万以上に戻っている。

件のボス戦。倒すまでにどれだけ試行錯誤したか……
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 とくに3人がかりでBPを前借りして回復ボスを倒そうと試み,2人めが攻撃を終えたあと,近接攻撃ボスに3人めが倒されてしまった,なんてときは目も当てられない。BPが回復してこちらが再び全員行動できるようになった頃には,敵も十分なHPを回復しているのである。
 あらかじめBPを蓄積しておけばいい,というのも言うは易く行うは難し。デフォルトは防御態勢とは言え被ダメージがゼロになるわけではないので,対応に追われるケースは少なくない。しかもこちらがBPを溜めている間は,相手も回復したりBPを溜めたりできるので,味方だけでなく敵のHPやBPの状況も含めてどのタイミングで一気に攻め立てるかが非常に大事なのある。
 ……こうやって失敗を繰り返しながらボスバトルを1つ1つクリアしているのだから,特に手ごわいボスには30分以上かかることがあるのも無理のない話と言える。

こちらは,上記とはまた別の事例。第3章に登場するボス・グランは,HPが半分以下になるとHPを5000回復するアビリティ「ギガポーション」を使ってくる。一定のところまで削ったらグランが回復や妨害行動をする前に一気に畳み掛ける必要がある
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セスとグローリアがBPを前借りしてブレイブを最大限に使い,最後のエルヴィスが残り少ないMPをほぼ使い切ったところで何とかグランを倒した。振り返ると,サンダガを2回使ったあとMPを回復して,もう1回サンダガを使うのが適切な行動なのだが,そうした見落としが出るくらい気持ちの余裕がなくなっていた
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 本作のバトルバランスは,その調整に莫大な時間を費やしてこだわっているという。確かに23種類以上のジョブが存在し,それらをメインとサブで組み合わせることができて,さらにサポートアビリティも5つ装着可能となると,そのバリエーションの多さはとんでもなく膨大なものになる。局面に応じた有利不利があるとは言え,それをバランス良くまとめるのは容易なことではないだろう。ぜひ皆さんも,歯ごたえのあるバトルバランスを製品版で体験して,数々の死闘を乗り越えてほしい。

 この記事を執筆するための筆者のプレイはスピード重視で,新たなジョブに転職できるようになったら即育成してみるというスタンスで進めたため,「このボスにはこのジョブや,この組み合わせが刺さる」といった最適解を見つけ出すことはあまりできていない。記事作成が一段落した今,改めてプレイして,こだわりのバトルバランスを堪能してみたいところである。

「ブレイブリーデフォルト II」公式サイト

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