「原神」が低スペックPCで快適に動く！　クラウドゲームサービス「GeForce NOW」を試してみる

　2022年6月27日，NVIDIAのクラウドゲームサービス「GeForce NOW」に，HoYoverseが配信するオープンワールドRPG「原神」が対応した（関連記事）。
　原神は，スマートフォン版をメインに遊んでいる人も多いだろうが，PC版であれば，スマートフォンよりも広い画面で，原神の美しいグラフィックスを堪能しながらプレイできる。とはいえ，「そもそも原神が快適に動くPCを持っていない」という人もいるだろう。そんな人こそ，GeForceNOWを利用することで，大きな恩恵が受けられると思う。
　そこで今回は，原神をプレイして，ゲーマーが快適に楽しめるのかを確認してみた。

PCスペックを気にせずにゲームが遊べる

　GeForce NOWは，PCゲーム向けのゲームストリーミングサービスだ。ざっくり言ってしまえば，自分のPCにゲームをインストールして動かすのではなく，サーバー上で動作しているゲームの画面を，インターネット経由で自分のPCに映すというものである。そのため，自分のPCのストレージ容量を食うことなく，そのゲームを本来プレイするためのスペックも必要ない。安定した回線速度さえ確保できていれば遊べてしまうというわけだ。
　ユーザーは，GeForce NOWのクライアントアプリを起動して，そこからクラウドサーバーに接続し，ゲームをプレイする。プレイ中のマウスやキーボードの入力はクラウドサーバー側で処理され，実際のゲームもそちらで動く。その結果が，インターネットを通じてユーザーの画面に表示される仕組みだ。


　というのがGeForce NOWの基本だが，変わったところとして，国内ではKDDIの「GeForce NOW Powered by au」と，ソフトバンクの「GeForce NOW Powered by SoftBank」というサービスが展開中だ。
　ソフトバンクとKDDIは，どちらもスマートフォン向けの通信サービスを提供しているので，「それぞれの回線を契約していないと，GeForceNOWも利用できないのか」と思うかもしれないが，実際は回線契約とは無関係で，GeForceNOWのサービスは利用可能だ。ただ，GeForce NOW Powered by auでは，auやUQ mobile 5G対応料金プランのユーザーであれば，月額料金が割引になるなどの特典が用意されている。
　また，GeForce NOW Powered by auは月額制のサービスだが，初月のみ無料で利用できるのに対して，GeForce NOW Powered by SoftBankは，制限付きで無料で使えるフリープランが用意されているなど，サービス形態が若干異なる。

　自分の通信回線や使い方に合うほうを選べばいいが，今回筆者は，短時間のプレイを毎日続ける原神の場合，フリープランが合っていそうなので，GeForce NOW Powered by SoftBankを利用している。

導入はいたって簡単，プレイも快適

　導入方法はいたって簡単だ。まずは，GeForce NOW Powered by SoftBankの公式サイトでアカウントを登録して，「フリープラン」に加入する。次に，GeForce NOWのクライアントをダウンロードして，インストールしたうえで「私のライブラリ」に原神を登録する。そしてGeForce NOWから原神を起動すれば，あとはいつものようにHoYoverseのアカウントでログインして遊ぶだけだ。

ライブラリに登録すると「プレイ」のボタンが表示されるので，これをクリックするだけ

原神を起動したところ。このとき自分のPC上で動いているのは，もちろん原神のクライアントではなく，原神の画面が映ったGeForce NOWのクライアントだ

　今回筆者は，ゲーム用途などまったく想定外の仕事用ノートPC（NECの「HZ550/DAB」）でプレイしてみたのだが，正直，コメントしようがないぐらい普通に遊べてしまう。原神自体がフレーム単位のシビアな操作を要求されるゲームではないので，遅延が気になるようなこともなく，いたって快適だ。
　フリープランで利用しているため，

• 原神の起動時に5分ほど待ち時間が発生する
• 連続プレイは1時間まで。制限時間が来ると強制的に終了

という制限はある。しかし，起動しなおせばまた1時間は遊べるし，そもそも日課の周回プレイなら1時間もかからないので，それだけプレイできれば十分だ。フリープランでも実用的だと言える。
　そもそも，これで不便だと思うならプレミアムプラン（税込1980円）を利用すればいい。プレミアムプランは，起動時に優先入場が可能で，連続プレイ可能時間も6時間に伸びる。アップデートやイベントでがっつり遊びたいタイミングのときにこちらを使うのもアリだ。

起動時の順番待ち。本稿執筆時点では5分も待たずに自分の番が回ってきたので，あまり気にならなかった

残りのプレイ時間が少なくなると，画面上部に通知が表示される。この時間がなくなると，強制的にゲーム終了となる。ただし，フリープランの制限は“連続”プレイ可能時間が1時間なので，再度起動すれば問題なくプレイ可能だ

　ちょっと残念なのが，GeForce NOW自体はPCだけでなくタブレットやスマートフォンにも対応しているのだが，原神のGeForceNOW対応環境が，PCとMac，Chromebookのみになっていることだ。スマートフォンにも対応してくれると，スペックの低い端末でも遊べそうなのだが。

　とはいえ，原神をPCでプレイしたいが快適に動作するPCがないとか，すでにPCでプレイしているけれど，スペックが足らなくて快適ではないという人なら，GeForce NOWを試してみる価値はあるだろう。安定したネットワーク環境が必要なので，出張先のホテルで仕事用のノートPCからプレイといったことは厳しいかもしれない。ただ，普段のプレイで「いつも秘境行くたびにロードが長いんだよな……」といった悩みを抱えているなら，手軽に解決してくれそうだ。

スマホでは弓のエイム操作が苦手という人も，PCならやりやすくなるかも？

推し。普段はスペックの都合でグラフィックスの設定を落としている人でも，高画質で楽しめる

「GeForce NOW」公式サイト