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インタビュー
[インタビュー]「オーバーウォッチ 2」シーズン16で実装される新ヒーロー「フレイヤ」,縦横無尽な機動力と高威力の中遠距離攻撃を持つDPS
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「オーバーウォッチ 2」,戦況を変える「パーク・システム」や購入フェーズありの3人称視点モード「スタジアム」などを発表
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Blizzard Entertainmentは本日(2025年2月13日),「オーバーウォッチ 2」で2025年に実施予定のアップデートを紹介するイベント「オーバーウォッチ 2:スポットライト」を配信した。戦略の幅を広げる「パーク・システム」や新モード「スタジアム」など,これまでにない大規模なものとなっている。
フレイヤは,かつてオーバーウォッチの捜索救助隊員として活躍し,今は賞金稼ぎとして金さえもらえれば誰でも追い詰める,というバックグラウンドを持つヒーローだ。
機動力の高いアビリティと,精密なエイムが必要になるクロスボウを駆使し,さまざまなアングルから敵を攻撃していく。
2月19日に開幕したシーズン15(関連記事)の後半でトライアルイベントが実施され,2025年春開幕予定のシーズン16で正式実装を予定している。
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本記事では,ヒーローの性能面に携わるHero Producer(ヒーロープロデューサー)のKenny Hudson氏と,キャラクター設定やストーリーを担当するSr. Narrative Designer(シニアナラティブデザイナー)のJude Stacey氏へ国内メディア合同で行ったインタビューを掲載する。
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――フレイヤについて,詳しく教えてください。
Hudson氏(ヒーロープロデューサー):
フレイヤは,高い機動力をもつ遠距離攻撃型のヒーローで,主に2つの攻撃を使い分けます。
素早く連射できるボルトと,連射は効かない分,爆発する高威力なボルト(以下,爆発ボルト)の2種類です。フレイヤ自身の機動力と組み合わせれば,高いダメージを出せます。
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彼女を使いこなすのは難しいですが,その分,パフォーマンスの上限値は高く,熟練したプレイヤーほど楽しめるヒーローになっていると思います。
Stacey氏(シニアナラティブデザイナー):
フレイヤはかつてオーバーウォッチに所属していましたが,今では報酬次第で誰のためにでも働く賞金稼ぎとして活動しています。
精密な射撃を繰り返すのは,彼女の物語やキャラクター性にも関係しているのです。
――フレイヤは,元オーバーウォッチメンバーで,今は賞金稼ぎということや,デンマーク出身といったバックグラウンドを持っています。このコンセプトは,どこから作り始めたのでしょうか。
Stacey氏(シニアナラティブデザイナー):
新しい要素はたくさんありますが,その多くは過去のアイデアや設定から来ています。
フレイヤを通じて,これまで掘り下げてこなかったオーバーウォッチの捜索救助隊員にスポットライトを当てられると感じています。捜索救助隊員として人を探し出してきた彼女は,賞金稼ぎでも当時のスキルを生かして人を探し出し,追い詰めます。
実は,この賞金稼ぎというヒーローのアイデアは,かなり前からあったものです。
Hudson氏(ヒーロープロデューサー):
そうですね。実は,フレイヤのインスピレーションは,前作のオーバーウォッチで開発初期段階にあったコンセプトアートの没案から来ています。
ときどき過去のアーカイブを掘り起こして,新しいインスピレーションを得られないか探すことがあります。
さまざまな武器を検討している中で,クロスボウを使うヒーローのコンセプトを見たときに,オーバーウォッチの世界観をより深く掘り下げるいい機会だと感じました。
――フレイヤのアビリティは,垂直ジャンプ(アップドラフト)やクイックダッシュといったシンプルで使い方に幅のあるものとなっています。このような構成にした理由を教えてください。
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Hudson氏(ヒーロープロデューサー):
クイックダッシュは,クロスボウの爆発ボルトと組み合わせることを重視しました。
単に敵を回避するだけでなく,ほかの理由をプレイヤーに与えたかったのです。これは,クイックダッシュでアングルを変えたり,爆発ボルトに効果を絡めたり,といったものですね。
実際,クイックダッシュで爆発ボルトをリロードする効果(爆発ボルトは装填数1発のため,発射のたびにリロードが入る)を入れてみたところ,アビリティセットが上手くまとまりました。
また,ADSでスローダウンする効果と組わせることで,深呼吸して狙いを定めるといった,没入感のある体験を生み出せました。
――左クリック攻撃を3発当てると,敵をハイライトするパークがありました。こういった能力も,彼女のバックグラウンドに絡んでいるのでしょうか。
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Hudson氏(ヒーロープロデューサー):
ヒーローのバックグラウンドとパークは,より密接に結びつけることを目指しています。
今回のテストプレイで見ていただいたパークは,まだ開発途中のものですが,最終的にはキャラクターのストーリーとパークが統合されるようにしたいと思っています。
Stacey氏(シニアナラティブデザイナー):
パークはキャラクターの能力を強化するだけでなく,設定面にも効果があり,パークを通じて物語に深みが加わります。
フレイヤの場合は,誰でも探し出す,という彼女の並外れた能力と合致しているのです。
パークのアイデアが設定から生まれても,ゲームプレイから生まれても,私たちは常にパークとストーリーを上手く融合させる方法を,自信をもって見つけられていると自負しています。
――(アップドラフトのような)垂直ジャンプは,同じダメージ・ロールであるファラやエコーも持っている能力です。彼女たちと比較して,もっとも異なっているポイントを教えてください。
Hudson氏(ヒーロープロデューサー):
フレイヤのアップドラフトは,ADSとの組み合わせが重要です。ADSすると,フレイヤの動きがスローモーションになり,精密な射撃ができます。
この状態でADSを解除すると,もともとの慣性のまま動きます。減速するタイミングや,もとの速度に戻すタイミングをコントロールして,こちらの動きを相手に予想されにくくできるのです。
クイックダッシュだけでなく,アップドラフトも組み合わせることで,縦方向の動きも加えて,より予想困難な動きにもできます。熟練度の高いプレイヤーほど,上手くコントロールできることでしょう。
Stacey氏(シニアナラティブデザイナー):
彼女の開発コードネームが「Wind Dasher」であるように,機動力が高く,ダッシュを駆使して有利なポジションを取っていけると思います。
エコーは浮遊感がありますし,ファラはまさにロケットブースターという感じですよね。実際にプレイすると,3人のゲーム体験はまったく異なるものになりますし,戦略もそれぞれが特徴的なものになってます。
――フレイヤのパークで,お気に入りのものを教えてください。
Hudson氏(ヒーロープロデューサー):
敵をハイライトするパークがお気に入りですね。
実は,壁越しに相手が見えるだけでなく,ボルトが自動的に相手を追尾するようなアイデアをかなり前から提案していたのですが,検討を重ねた結果今の形に落ち着きました。
自分の頭の中にあったアイデアから,バランスの取れたものにできて嬉しいです。
Stacey氏(シニアナラティブデザイナー):
パークではないのですが,5キル(ファイナル・ブロウが対象)ごとにアルティメットのパーセンテージにボーナスを獲得できるパッシブがお気に入りです。
アルティメットをたくさん使えるので,楽しいです。
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――フレイヤと関係性の深いヒーローはいますか。
Hudson氏(ヒーロープロデューサー):
能力の相性でいえば,CC(Crowd Control:敵の行動を制限する効果)を持つヒーローと相性がいいと思います。
ハザードのアルティメットなど,敵を減速(または拘束)させられるものと組み合わせられれば,フレイヤの爆発ボルトを最大限に引き出せるでしょう。
Stacey氏(シニアナラティブデザイナー):
ストーリーの観点からは,誰と関わりがあるのかなどは,徐々に明らかにしていくつもりです。とくにオーバーウォッチの古参メンバーであるアナやソルジャーとの関わりは,興味深いですね。
アナやソルジャーたちを通じて,フレイヤがかつてどんな人物で,なぜ賞金稼ぎとなったのか,その変化が垣間見えてくるでしょう。
――フレイヤは没案から生まれたとのことですが,新ヒーローを構想するときは,キャラクター性や物語性などさまざまな要素のうち,どのような部分から作っていくのでしょうか。
Hudson氏(ヒーロープロデューサー):
ヒーローデザインのプロセスは,さまざまな要素から始まることがあります。私の場合は,主に3つのパターンに分けられます。
1つ目が「コンセプトアート」。チームの誰かが描いた印象的なコンセプトアートが,ヒーローデザイナーやナラティブデザイナーにインスピレーションを与えるケースです。
2つ目が「キャラクター設定」。ナラティブデザイナーが作り上げた深い設定から,もっとこのストーリーを掘り下げてみよう,となるケースです。
3つ目が「アビリティ」。ヒーローデザイナーが面白いアビリティを思いついたケースです。ヒーローの多くは,1つの核となるアビリティから始まり,そこからほかの能力を組み立てていきました。
フレイヤの場合は,没案となった「コンセプトアート」と,ADSしているあいだだけゆっくりになるという「アビリティ」が核となり,開発がスタートしました。
Stacey氏(シニアナラティブデザイナー):
そうですね。それらの要素が決まってから,彼女がオーバーウォッチの世界観のどこにもっともフィットするのかを考えました。
以前から,オーバーウォッチという組織そのものや,ヒーローたちがその後どうなったのか,という部分を掘り下げたいな,と思っていました。
フレイヤのような孤高のキャラクターにとって,オーバーウォッチ出身で今は賞金稼ぎというバックグラウンドは,ちょうど今,伝えたい物語にマッチしていました。
――フレイヤのスキンは,どのようなものが用意されますか。
Hudson氏(ヒーロープロデューサー):
スポットライトで披露した魔法少女スキンが登場する予定です。
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――フレイヤは,どのようなプレイヤーに使ってほしいですか。
Hudson氏(ヒーロープロデューサー):
中遠距離で正確な攻撃ができるプレイヤーほど,フレイヤを使いこなせるでしょう。
また,アビリティで上下左右に機敏に動けるので,高低差のあるマップや,フランカーが必要になる場面でピックされるでしょう。
――無茶ぶりになってしまうと思うのですが,フレイヤの次のヒーロー「Aqua」について,何か少しでもヒントをいただけますか。
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Hudson氏(ヒーロープロデューサー):
名前などは明かせませんが,そうですね。メイン攻撃は,たぶん気に入ってくれるんじゃないかな,と思います。
Stacey氏(シニアナラティブデザイナー):
このヒーローの地域におけるオーバーウォッチの物語を深掘りでき,世界観を広げられます。
多くの新しい設定が加わるので,私もとても楽しみにしています。
――ありがとうございました。
「オーバーウォッチ 2」公式サイト
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