Devolver Digitalは,オンラインアクションゲーム
「Fall Guys: Ultimate Knockout(フォール ガイズ アルティメット ノックアウト)」(
PS4 /
PC)を,2020年8月4日に発売した。
本作は,多人数のプレイヤーがひとつのフィールドで対戦し,勝ち残るのはひとりだけという,近年人気のバトルロイヤル形式のタイトル。ルールはシンプルかつ分かりやすいパーティーゲームの集合で,誰でもすぐに楽しめる取っつきやすさが売りとなっている。
また,本作は発売にあわせて,
PS4版がPS Plusのフリープレイタイトルとなり,加入者は2020年9月1日10:00まで無料でダウンロードが可能だ。本稿では,PS4版を使用した
プレイレポートをお届けしていく。
プレイヤーは丸っこいジェリービーンズに手足が生えたような
「フォールガイ」のひとりとなって,最大60人がひしめくフィールドで,勝利条件を目指して生き残りバトルを繰り広げていく。この手のバトルロイヤル系タイトルはシューターを中心としたジャンルであることが多いが,本作のバトルはラウンドごとにランダムで選ばれるアスレチックテイストあふれるミニゲームによって行われる。
プレイヤーキャラクターのフォールガイ。色やカラーパターンはカスタマイズ可能だ
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各ラウンドで全体の1/3程度のプレイヤーがふるいにかけられるように脱落していき,ファイナルラウンドで勝ち残ったひとりのプレイヤーが優勝となる。どこでどのゲームが選ばれるかは残っているプレイヤーの人数によって決まるようで,ファイナルラウンドにはいくつかの専用のゲームが存在している。
ラウンド開始時にはゲームの簡単な説明が挿入されるが,ミニゲームのルールは初見でもすぐに理解できるものばかりだ
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参加人数は最大60人となるが,人数が揃わなくてもゲームはスタートする
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ソニー・インタラクティブエンタテインメントの公式番組によると,ミニゲームは現状で25種類以上が用意されているとのこと。どれも1〜2度遊ぶだけで直感的に理解できるルールで,幅広い層のプレイヤーが楽しめるだろう。
例えば
「ぐるぐるファイト」は,回転するトラップを回避しながら早くゴールを目指すというもの。
「ドアダッシュ」は横に複数並んだドアを破って先に進むわけだが,ドアには破れないものもあり,その見極めが駆け引きとなる。
「シーソーゲーム」は,複数のシーソーから落ちないようにバランスを取ってゴールまで進む,といった具合だ。
回転するポールや風車が待ち受ける「ぐるぐるファイト」。ジャンプや回避のタイミングがクリアのカギだ
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足場のほとんどがシーソー状になる「シーソーゲーム」。フォールガイの数や乗った場所で,傾き方が大きく変わる
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「ドアダッシュ」のドアには破れないものがあり,間違うと大きくロスしてしまう。後方から様子を見るのも手だ
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「ゲートクラッシュ」はドアダッシュと似ているが,こちらは上下に自動開閉するゲートを抜けて先に進む
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「ヒットパレード」はいわゆる障害物競走だ。丸太橋や回転扉,振り子,滑る坂を順番に突破していく
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「パーフェクトマッチ」は,床に表示されるフルーツの場所を記憶するちょっと頭脳系のゲームだ
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ラウンド終了時に,生き残れなかったプレイヤーが次々と脱落。多い時には1/3程度がふるい落とされる
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ラウンド2以降は,チームに分かれて何人かのプレイヤーに付けられている尻尾を奪い合う
「チームしっぽオニ」や,チームで協力してボールをゴールに運ぶ
「ロックンロール」,敵チームにジンクスを押しつける
「バッドラック」など,即席のチームで協力してバトルをするゲームもあり,プレイヤーを飽きさせない。
チーム戦はフォールガイの色がチームカラーになる。これは「チームしっぽオニ」。尻尾を取り合う鬼ごっこの団体戦だ
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「ロックンロール」は,運動会でおなじみに大玉転がし。協力して大玉を転がして,相手チームより早くゴールに運ぶ
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「フォールボール」はサッカーそのもので,ボールをゴールに入れた数を競う。ディフェンスも重要だ
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筆者ぐらいの世代だと,「風雲!たけし城」や「アメリカ横断ウルトラクイズ」のような,巨大なセットを使った昭和のバラエティ番組と本作のゲームデザインが重なってしまうわけだが,Mediatonicのクリエイティブディレクターの
ジェフ・タントン氏も,実際に
子供の頃に見た「風雲!たけし城」を参考にしていることを前述の公開番組で述べている。「ドアダッシュ」のルールや,「スライム」と呼ばれる液体で滑る坂,前方から巨大な球やフルーツが転がってくるトラップなどに,同番組の影響が強く感じられた。
「よくぞ生き残った,我が精鋭達よ!」という檄が聞こえてきそうなファイナルラウンド。この「クラウンマウンテン」は,ゴールの王冠を目指して走りきるシンプルなルール
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「止まるなキケン」は,乗ると落ちるヘックス状の床を移動して,最後まで落ちずに残ったプレイヤーが優勝
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優勝の演出はシンプルだが,クラウンを手にしたうれしさはカクベツ。残念ながら画像は筆者のフォールガイではない……(涙)
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フォールガイの操作は,移動とカメラ操作,ジャンプ([○]ボタン),ダイブ([□]ボタン),掴み([R2]ボタン)だけの簡単なものだが,その挙動には慣性があり,重心が高めで転びやすく,高所から落ちたときなどはボヨンと跳ねるという特徴がある。
フォールガイや動くオブジェクトは物理演算によって制御されていて,複数のフォールガイが接触したり,トラップにはね飛ばされたりしたときなどは,思わぬ挙動を見せることがあり,それが毎回の対戦で予想外の結果をもたらすのである。
よたよたと歩いてよく転ぶフォールガイ。憎めない可愛さがある
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フォールガイたちがひしめき,その何人かがぶつかり合ってはじけ飛ぶ。その後の展開が吉と出るか凶と出るかはシチュエーション次第で,時には引いて,接触を避けることを優先するほうがいい場合もあり,そのあたりはゲームに慣れてくれば感覚的に分かるようになっていくはず。
よたよたと歩いてボヨンとジャンプする操作はもどかしくも楽しく,うまく立ち回って上位で勝利できると実に気持ちがいい。逆にどんなにうまい人でも思わぬミスをして脱落する可能性もゼロではなく,ミスを誘発するように相手を邪魔してみるのもいいかもしれない。
混雑した場所では,フォールガイ同士のアクションが干渉してハプニングが起こることも
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トラップにぶつかると豪快に吹っ飛ばされてしまう。見るのは楽しいが,食らうととても悔しい
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もうひとつ,フォールガイのカスタマイズについても説明しておきたい。ゲームをプレイした報酬として
「名声」と
「KUDOS」というクレジットが,優勝すると
クラウンが手に入り,それぞれの数によりフォールガイの姿を変えるスキンや,ほかのプレイヤーにアピールするエモートを入手できるようになっている。
ゲームを続けて名声を増やしていくだけで規定のスキンやエモートがもらえるほか,KUDOSやクラウンがたまったらショップで任意に購入もできる。
スキンには「カラー」「パターン」「顔」「上半身」「下半身」のカテゴリがあり,自由に組み合わせて自分だけのフォールガイを作り出せる。シンプルなゲーム画面にカスタマイズされたフォールガイはよく映え,プレイ中に自分がどこにいるか視認もしやすくなるので,自分だけのフォールガイを作ってみることをオススメしたい。
カラーパターンやコスチュームなどでカスタマイズすることで,自分をアピールできる
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名声が上がるとスキンやエモートが報酬として授与される。やり込むだけでももらえるのがうれしい
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名声によって得られる報酬はシーズンによって変わるようだ
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課金アイテムでもあるKUDOSがあれば,ショップでアイテムを購入できる
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近年流行りのバトルロイヤルゲームはシューターが主流で,ジャンル的に苦手で入っていけないという人も少なからず存在していたはず。本作は単純明快なルールに加えて,シチュエーションによっては運の要素も絡むので,よほどアクションが苦手でなければ誰にでも優勝のチャンスがもたらされる。
キュートなフォールガイたちがわらわらと動き回り,トラップでどかーんと吹っ飛ばされる様子は見ているだけでも面白く(実際に吹っ飛ばされるとイラッとするが),実況プレイなどにも向いているだろう。
PS Plus加入者なら2020年9月1日まで無料でダウンロードできるので,対戦相手に事欠かない今,ぜひ遊んでみてほしい。