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「ブラックスター -Theater Starless-」に何が起きているのか? チームごとの軌跡と魅力を語る

 2020年9月にリリース1周年を迎えたDonutsの「ブラックスター -Theater Starless-」iOS / Android。以下,「ブラスタ」)は,ショーレストラン「Theater Starless(シアター・スターレス)」を舞台とした,男たちの絆や対立,葛藤を描くスマホ向けアプリだ。こちらの記事に詳しいが,本作は現実と物語の中の時間がリンクしており,リアルタイムで話が進んでいくため,文字どおり“今この瞬間”にも舞台となるスターレスではさまざまな事件が起きている(といっても,オープンから平穏だった時期もあまりないのだが……)。そんな本作のストーリーが怒涛の展開を見せているのだ。

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 本稿では2020年を締めくくる年末企画として,スターレスの各チームの歩みを振り返り,それぞれの魅力を語っていきたいと思う。なお前回の特集記事と同様,ストーリーの展開や登場人物の詳細に触れている箇所があるので,未読の人は注意してほしい

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 ショーレストラン「Theater Starless」を舞台とした,男たちの絆や対立,葛藤を描くドラマティックな物語が展開するDonutsのスマホアプリ「ブラックスター -Theater Starless-」。2020年9月に迎えたリリース1周年を記念して,本作のこれまでの軌跡をたどるとともに,あらためてその魅力を解説する。

[2020/09/10 18:00]

「ブラックスター -Theater Starless-」公式サイト

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チーム別解説① 〜チームK編〜


 ここからはチームごとの歩みを振り返りながら,筆者の思うチームと所属キャストの魅力を紹介していこう。

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★★チームKの歩み★★

・2019年9月にチーム設立(メンバーは新加入のケイ,チームPから移籍してきた銀星,ソテツ,吉野,新加入のギィ,リコ)

新生スターレス初公演にて羽瀬山が課した売上目標を達成する(シーズン1第1章/公演曲「During the demise」

ハロウィン公演にて,アンダーのリコが銀星の役を奪おうとして失敗(季節イベント/公演曲「Halloween Night」

・ソテツに煽られてリコと吉野が対決。決着がつき,リコはチームKを去る(シーズン1第5章/公演曲「Crazy for」

・柘榴にそそのかされてギィと銀星が対決。銀星がナンバー2に(シーズン1第7章/公演曲「華麗なる誘惑」

・キャストの生き残りを賭けたボーダーラインバトル勃発(全キャスト共通・シーズン1最終章/公演曲「During the demise」

・チームBによるディス曲の発表をきっかけにチーム対決(リコVS.ケイ)へ(シーズン2第2章/公演曲「エギーユ・クルーズ」

銀星VS.吉野の対決。同作品で2パターンの公演を行う。吉野側でリンドウが初演出(シーズン2第5章/公演曲「Treasured」

海フェスに出演(季節イベント/公演曲「Mid Summer Beach」

1周年記念公演でランダムチューンが初開催(全チーム共通・季節イベント/公演曲「Just a Loser」

ショーダウン公演で全チーム総当たり戦が行われる(シーズン2最終章/公演曲「The Final Problem」

・ケイがアメリカに戻ることになり,帰国まで活動停止となる


■筆者が語るチームKのメンバー


ケイ
 ヒロイン(=プレイヤー)のそばにいる存在であり,彼女を守る騎士のように忠誠を尽くす人物。彼がなぜそうしているかが分かるとき,「ブラスタ」という物語の謎も明らかになるのだろう。筆者が思う彼の推しポイントはその包容力だ。パフォーマーとして海外でも通用するほどの才能と,それらとのギャップが激しすぎる時代劇がかった口調も魅力的。実はボケ体質なのでは? と感じている人も多そうな……(筆者の私見です)。

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銀星
 銀星は非常に忠誠心が強い人物だ。彼のケイに対する態度や,消息不明となってしまった演出家夫妻に対する発言は,尊敬を通り越して“崇拝”とも言えるほど。ともすればそれは非常にオタク的にも見える(好きなものだと早口になるところとか……)。見た目がホストっぽい=チャラく見られることをやや気にしているようだが,本人はいわゆる“陰キャ”であると自認している。さらにこう見えてかなりの読書好きで,なんというかものすごく親近感がわく人物である。

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ソテツ
 チームKには「旧店舗からのメンバーで,かつ元チームP」のキャストが3人いるのだが,ソテツはその1人だ。彼はたとえば黒曜のようにスターレスに対する強い思い入れはないが,出ていく理由もなかったから店に残ったのだという。これまでもメンバー同士の対決をそそのかしたり,チームB結成前のミズキたちにヒースを紹介したりと,ある意味好奇心で行動する傾向があり,一筋縄ではいかない人物である。個人的にはチームP時代の姿をいつかぜひ見てみたい。

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吉野
 シンガーとしてのポテンシャルは高いものの,序盤はどこか自信なさげで儚いイメージがあった吉野。だが,さまざまな対決や変化し続ける周囲の環境なども影響したのか,ここ最近はスターレスにおける自身の立ち位置などに思うところがありそうな様子が見られる。ひょっとすると新しい展開があるのだろうか……? 彼は悪く言ってしまえば頑固なところもあるが,それは芯の強さということにほかならないと思う。ソテツと同期で同い年,かつチームKでは“年長組”というギャップ……! 意外と“おにいちゃん”な面があるところも魅力。

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ギィ
 ギィは旧店舗時代からスターレスと関わりがあったようだが,誰に何を言われてもキャストにはならなかったのだという。だが,彼が付き従う“マスター”が不在となり,ケイがマスターの代わりになってからは,チームの一員として素晴らしいパフォーマンスを披露してくれている。人間らしさが希薄で,感情に疎いというよりは“まだ知らない”といったイメージがある。彼が“心”を手に入れたときに,どう変わっていくのかが楽しみである。実はパルクールが得意で,その才能は周囲も認めるところのようだ。

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■チームKの魅力とは?


 チームKは,現在のスターレスが動き出すと同時にスタートした。この物語における“謎”の重要な鍵を握る重要人物(と思われる)ケイが中心ということもあり,まだ歴史は浅いながらも,非常に存在感があるチームだ。個人的には,チームKはとても“バランスがいいチーム”という印象がある。メンバー各々のパフォーマンススキルが水準以上で,ほぼ全員が比較的落ち着いた大人に見えるからだ。そのためか,チームKはこれまでにリコの脱退やチームBから喧嘩を売られるなどのさまざまなトラブルはあったものの,それによって揺らいだり崩れたりすることはなかったと思う。だがそんなチームが,今は活動停止の憂き目にあっている。それは,ケイがもともと活動していたアメリカに戻らねばならなくなったからだ。極めて安定感のあるチームだと感じていたので,活動停止を余儀なくされたことにも,その原因がケイだったことにも驚いた。

 少し話が逸れるが,ケイがアメリカへ戻ったあと,運営が「(活動休止中でも)Kの看板は絶対に下ろさない」と語った場面がある。筆者も彼と同じく,チームKはスターレスに絶対に必要なチームだと思う。ケイの帰国と活動再開を,心から待ち望んでいる。

シーズン2最終章19話
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チーム別解説② 〜チームW編〜


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★★チームWの歩み★★

・設立は旧店舗時代で5チームの中で最も歴史が長い。ケイが来る直前,崩壊しかけた旧スターレスでは,黒曜,モクレン,晶,メノウ,シン,カスミでチームWの公演を行っていた

・2019年9月に新メンバー加入・変更(メンバーは黒曜,モクレン,晶,シン,新加入の鷹見,カスミ。メノウはチームPへ)

・羽瀬山の提案で黒曜VS.晶の対決が行われる(シーズン1第2章/公演曲「Breakin' it faster」

・黒曜とモクレンの間に確執が生まれ,チームWのトップ対決に(シーズン1第8章/公演曲「雪花」

モクレンが脱退し,大牙が新加入

・キャストの生き残りを賭けたボーダーラインバトル勃発(全キャスト共通・シーズン1最終章/公演曲「Breakin' it faster」

・ボーダーラインバトルの真っ只中,バレンタイン公演を行う(季節イベント/公演曲「仮面は闇に溶けて」

・羽瀬山に盾突く大牙を金剛がかばったことで,羽瀬山が金剛VS.大牙の対決を命じる(シーズン2第3章/公演曲「Bad Blood」

・チームBの公演に晶がシンガーとして参加(シーズン2第6章)

・ケイへ取引を持ちかける鷹見にカスミが接触し,鷹見VS.カスミの対決に(シーズン2第7章/公演曲「BLACKSTAR」

海フェスに出演(季節イベント/公演曲「Mid Summer Beach」

1周年記念公演でランダムチューンが初開催(全チーム共通・季節イベント/公演曲「Just a Loser」

ショーダウン公演で全チーム総当たり戦が行われる(シーズン2最終章/公演曲「No Way Out」

・大牙が羽瀬山について調べていると,鷹見に忠告を受ける(シーズン3第2章/公演曲「Out in Out」


■筆者が語るチームWのメンバー


黒曜
 黒曜を見ていると,「決して揺らがない男」という言葉が浮かぶ。今スターレスに在籍しているメンバーは,きっとそれぞれがこの店を愛しているはずだが,黒曜はその想いが最も強いように思える。ここでパフォーマンスすることが,黒曜自身の存在意義そのものだと言えるほどに。彼は消息不明となったネコメの話をすると怒りをあらわにするほか,人を殺したという噂まで流れており,まだ私たちが知らない面もたくさんありそうだ。けれど彼の「スターレスは変わらない」というセリフを聞くと,その言葉を,彼自身を信じたいと思わされる。

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鷹見
 クールなインテリ系イケメンで,人当たりのいい笑顔と柔らかい物腰。スターレスにいるからには絶対それだけで終わらないですよね? と思っていたが,少し前からの展開を見ていると「やはりな……」という感じだった。それでも,今のところの彼のイメージはあくまでも“クールなイケメン”のままだ。それだけではない一面を見られる日が,怖くもあり楽しみでもある。余談だが,インコを飼っているところが意外すぎてとても推せる……(筆者も鳥飼いです)。

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 泣く子も黙るチームWのシンガー・晶。ヒロインや女の子に対する態度が比較的軽めで,いわゆる“チャラい感じの人”なのだが,彼にとって愛してやまない存在は“歌”なのだろう,と筆者は勝手に解釈している。晶について印象的だったエピソードは,「BLACKSTAR」を聴いてヒロインが倒れてしまった一連の騒動のときに「自分はシンガーだ,歌で人を傷つけるなんてやりたくない」と断言したところだ(「か,かっこいい……」と思わず唸ってしまった)。晶の魅力については「とにかく彼の歌を聴け」,これに尽きるような気がする。

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シン
 スターレスには「本当は何を考えているか読めない」人が多いが(というよりそういう人ばかりだが)シンは独特の言い回しもあり,謎めいている人の筆頭と言えるかも知れない。だが実は「昔はもっと普通にしゃべっていた」らしく,今も,そして普段もこの“キャラ付け”をしているのには理由があるようで非常に興味深い。パフォーマンスをしたり,接客したりしているところを切実に見てみたい1人である(ここのキャラ紹介を,シン語で表現したかったが諦めた)。

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大牙
大牙は消息不明となっているキャスト「ネコメ」の弟で,兄を探すためにスターレスにやって来た。ここ最近のストーリーではその展開に動きが見られつつあるのだが,なんというかとてもハラハラさせられて,気分的には常に「大牙,うしろ! うしろー!」と言いたくなる。彼は典型的なオタク系であるが,ここで強く言いたいのは,そんな陰キャ系の彼がこのスターレスで通用するほどのパフォーマンスができるってものすごくないだろうか? ということである。ポテンシャルが高すぎる……。

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■チームWの魅力とは?


 チームKの中心はケイだという話をしたが,チームWの核となるのはやはり黒曜と言っていいだろう。Wは旧店舗時代から存在する最も古いチームで,黒曜はスターレスがチーム制になる前から所属するメンバーの1人だ。黒曜はよく「スターレスは変わらない」と言うが,その言葉は「変わらせない」という彼自身の強い意志にも聞こえる。もちろんここに在籍するメンバーは全員もれなく重要だけれども,なかでもトップの黒曜と,シンガーの晶がいてこそのチームW,というイメージは強い。そして,チームKと同様に“大人”な印象があるが,方向性はよりワイルドだ。だが,一見強面な雰囲気をまとった彼らのパフォーマンスは,ただ「チョイ悪で格好いい」というだけでなく,内に秘めた熱い情熱からくる深みのようなものを感じられる気がする。メタな発言で恐縮だが,もし筆者が彼らのステージを生で見ることができたら,すとんと“落ちてしまう”予感すらする。
 そんな彼らだからこそ,ショーダウン以降の展開は個人的にもかなり意外だったし,心が痛んだ。だが,逆境に立たされたからこそ,さらなる強さが手に入れられるはずだ。これからの彼らの“リベンジ”,そして彼らが頂点で輝く日がとても楽しみだ。

シーズン3第2章トーク4
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チーム別解説③ 〜チームP編〜


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★★チームPの歩み★★

・設立は旧店舗時代。スターレスのリニューアル3か月前頃のメンバーは,リンドウ,ミズキ,銀星,ソテツ,吉野,クー,真珠

・2019年9月に新メンバー加入・変更(リンドウ,ミズキ,クー,真珠,チームWから移籍したメノウ,新加入のマイカ)

・新加入のマイカの歌とチームのパフォーマンスが噛み合わず苦戦。リンドウに反発していたミズキが千秋楽を欠席する(シーズン1第3章/公演曲「虹の彼方へ」

・ミズキがスタメンから外れる。新たなNo.2をめぐって羽瀬山がマイカVS.真珠の対決をさせる(シーズン1第4章/公演曲「僕のすべてを君に捧げる」

夜光が加入する(アンダー)

・公演初日にチームBにステージジャックされる(シーズン1第6章/公演曲「陽はここに」

クーがチームCへ移籍し,夜光がアンダーからスタメンに

・キャストの生き残りを賭けたボーダーラインバトル勃発(全キャスト共通・シーズン1最終章/公演曲「虹の彼方へ」

ホワイトデー公演で真珠が初のセンターを務める(季節イベント/公演曲「はつ恋」

・リンドウの姉が危篤になり,公演のセンターがメノウに。千秋楽で夜光がセンターの座をリンドウから奪う(シーズン2第4章/公演曲「荒野にて」

山フェスに出演(季節イベント/公演曲「Early Summer Affair」

1周年記念公演でランダムチューンが初開催(全チーム共通・季節イベント/公演曲「Just a Loser」

・チームの足並みが揃わず。マイカが真珠を公演のセンター兼シンガーに(シーズン2第8章/公演曲「希望の旗のもとに」

ショーダウン公演で全チーム総当たり戦が行われる(シーズン2最終章/公演曲「黎明は待たない」

温泉遠征公演へ。夜光が就職先の事情で欠席し,サポートにクー,銀星,吉野がやってくる(季節イベント/公演曲「残紅の行方」

・リンドウと夜光のダブルキャスト公演。結果を受けて夜光がアンダーに(シーズン3第1章/公演曲「銀河鉄道を探して」


■筆者が語るチームPのメンバー


リンドウ
 スターレスのメンバーについてあらためてじっくりと考えたのだが,なかでもリンドウはトップクラスの苦労人だと感じた。入院している姉,チーム内外のごたつき……1つ1つ追っていくと,これだけの問題を抱えていながらほとんど不満を言わず,毎回高いパフォーマンスを届けてくれることは本当にすごいことだと思わされた。こういう仕事をしている人なので,自身の魅力や売りについては当然ちゃんと考えてはいるはずだが,どこか無自覚で殺傷能力抜群の笑顔を向けてきそうなところがある……。

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マイカ
 実家を飛び出し,シンガーになるためにスターレスへやってきたマイカ。いまどき「女らしい」「男らしい」という言い方もないとは思うが,見た目に反して中身(と拳の強さ)にギャップのある人だ。やりとりにはちょっとぶっきらぼうなところがあるが,そのルックスから何かと誤解を受けることも多かったせいなのではないかという気もする。だが彼の行動を見ていると,胸の奥にはとてもあたたかい思いやりがあるように感じられる。すべてを捨てて歌に賭けに来た潔さと,内に秘めた優しさ。その2面性がマイカの魅力の1つではないだろうか。

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メノウ
 ところかまわず眠るし,発言も行動もふわふわしていて掴みどころのないメノウ。だが彼には名言が多く,そのなかでも筆者が気に入っているのは「僕たちはどこかいびつで社会に適合できない」そして「スターレスは欲望を叶える場所」というセリフだ。これは本当に,この店とここで生きる彼らを言い表す言葉だなと思うのだが,メノウ自身の“欲望”は,筆者にはまだ掴めていない。変革を続けるチームPのなかで,彼が本当に望むものは何なのだろうか。ある意味で一番謎が深いのは彼自身なのかもしれない。

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真珠
 元アイドルの真珠は,真意を隠したり,謎を抱えたりする人物が多いこのスターレスのなかでひときわポジティブな明るさを見せている。彼はいつでも,周りのみんなが全員幸せであることを望んでいるように感じられる。けれどもちろん,世の常としてそうならない場合もあるものだ。それでも真珠なら,いつかそれを叶えてくれるかもしれない。知らないことを知り,あらゆるものを吸収して成長し続けているという意味でも,彼を見ているのはとても楽しい。

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夜光
 真珠とデビューを目指していた元アイドル。彼のキャッチコピーは「負けず嫌いなイマドキ男子」というものだが,筆者的には,いまどきこれだけガッツと野心のある若い男子もなかなか珍しいような気もしている。彼もまたスターレスが人生に大きな影響を及ぼした1人だが,わりと不遇な展開も多い。いつか本当に望むものを手に入れてほしいと思うし,心からの充実感と幸せを感じてほしい。何が起きるか分からないのがスターレス。彼の今後の行く末は大いに注目に値する。

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■チームPの魅力とは?


 スターレスに所属するチームはどこも波乱の日々を送っているが,その中でも筆者的に最もキツそうに見えたのがチームPである。リニューアルオープンしてからの彼らは,メンバーの脱退に加入,ステージジャック,センター奪還など,それはもう胃が痛くなるような展開ばかりだった。チームPはキラキラした華やかなステージが特徴とのことだが,彼らを見ていると「光が強いほど影は濃くなる」という言葉を思い出す。

 チームPをめぐる物語のなかで,筆者にとって印象的だったことが2つある。1つは,「自分はすべて捨ててここに来た」と言うマイカの歌とメンバーのパフォーマンスが噛み合わなかったとき,リンドウが「今までのパフォーマンスをすべて捨ててでもマイカの歌を取る」と言ったことだ。そしてもう1つは,「希望の旗のもとに」の公演時,クーが言った「チームPはWでできなかった新しい形を試すために作られたチーム」という言葉だ。彼らは一見穏やかに見えるが,最初から革新を担うことが運命づけられていたチームと言えるのかもしれない。変革は痛みを伴うものだ。チームPはそうやって痛みをこらえ,見えないところで血や汗や涙を流しながら,ステージでは輝く姿を見せる。そこが尊いし,愛しいと感じるチームだ。彼らの行く先が,輝く光で満たされているようにと願う。

シーズン3第1章sideB1話
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チーム別解説④ 〜チームB編〜


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★★チームBの歩み★★

・チームPのスタメンから外されたミズキ,チームKに不満を持つリコ,新加入でチームに所属していない藍がつるみ始めたところ,ソテツにMCのヒースを紹介される

・キッチンスタッフの金剛を加えた5人でチームBを設立。チームPのステージをジャックする(シーズン1第6章/公演曲「日蝕」

正月公演を任される(季節イベント/公演曲「雷神」

・キャストの生き残りを賭けたボーダーラインバトル勃発(全キャスト共通・シーズン1最終章/公演曲「日蝕」

・ケイ及びチームKに不満を持つリコとチームBが結束を固め,チームKディス曲を発表する。ヒースが過労で倒れ入院する(シーズン2第2章/公演曲「駄犬」

・羽瀬山に噛み付いた大牙を金剛がかばったことで,大牙VS.金剛の対決を命じられる(シーズン2第3章/公演曲「Judas」

・チーム解体の危機に瀕して晶に協力を求め,初の6人公演を開催する(シーズン2第6章/公演曲「Somewhere」

山フェスに出演(季節イベント/公演曲「Early Summer Affair」

・キャストの生き残りを賭けた1周年記念公演(全チーム共通・季節イベント/公演曲「Just a Loser」

ショーダウン公演で全チーム総当たり戦が行われる(シーズン2最終章/公演曲「極夜」

・チームKと公演予定だったハロウィン公演がチームB単独になる(季節イベント/公演曲「天魔の宴」


■筆者が語るチームBのメンバー


ミズキ
 チームB発足以降のミズキはまさに水を得た魚のごとく,生き生きと活躍を続けている。彼はヒップホップというパフォーマンスの手段を得て,自分の中の欲望や怒りを表現することに成功した。自作の歌ではないものの,感情を形にして人の心を震わせられるという意味では,彼も立派なアーティストと言えるのではないだろうか。とはいえやはり,ただ仲間とじゃれ合って無邪気な笑顔を見せてくれるだけで,こちらもうれしくなる。お腹をすかせることなく,たくさんごはんを食べていてほしい……。

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リコ
 元ホストでスターレスのリニューアル時に新加入したリコ。チームKにいたころ,ケイが彼に対して「(リコの態度は)自己顕示欲であり承認欲求」と言っていたことがある。でもあらためて「もし自分がリコの立場だったら?」と考えたとき,彼の棘のある言い方や態度は,弱さを他人に見せないための鎧でもあったように思える。こういう言い方は本人が嫌がりそうではあるが,ある意味すごく素直なところもある人で,そういう姿が垣間見えると,とても愛おしい気持ちになる。

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ヒース
 チームBにとってのヒースはまさに“兵器”。彼の作る楽曲やMCは,このチームに決してなくてはならないものだ。普段はとても穏やかな人なので,「皆殺し」「クソッタレ」という歌詞が出てくると,一体彼は何に対してこれほどの怒りを抱えるまでになったのだろうと思う。だが,「Somewhere」を聴いたときには,こんな表現の仕方があるのかと驚き,涙が出た。とにかく健康でいてほしい。彼が年老いていくまでずっと,そのフロウを耳に刻んでほしいと思う。

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 チームBはよく“狂犬”という表現をされるが,「このチームで誰が一番怖い?」と聞かれたら,筆者は藍だと答えてしまうかもしれない(ディスの意味ではない)。普段の藍は大抵笑顔だし,人懐っこいし,「キラキラしたアイドルになりたい」なんて可愛い発言もする。だが彼は,スイッチが入るとそのニコニコ笑顔のままで相手をぶちのめすところがあるのだ。彼はそもそもなぜスターレスにやって来たのか,何を知っているのかが明らかになる日は来るのだろうか……。

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金剛
 スターレスのキッチンスタッフをしていたところ,ミズキにスカウト(?)されてチームBに加入することになった金剛。自分でも「アウェイ感がすごい」と言っていたが,この狂犬たちのなかで唯一と言っていい常識人である。金剛を見ていると,性格が穏やかで優しい大型犬を思い出すのだが,概ねそのイメージは合っている気がする。そのため苦労も多いようだが,彼はある意味で“大人らしい”割り切り方もできる人でもある。そう考えると逆に,彼が自分の“枠”をぶち壊す瞬間を見てみたいような気もする。

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■チームBの魅力とは?


 この記事を書くにあたり,筆者はチームそれぞれにキャッチコピー的なメモを書いていたのだが,チームBはずばり“バッドボーイズ”だった。発足のきっかけからも分かるとおり,これまでの彼らの歩みの多くは,綿密な計画に基づいてのものとは言い難い。決してディスるわけではないが,ひとことで言えば悪ガキ集団+苦労する保護者(注:金剛)という感じだ。怒りや攻撃性を表現することの多いヒップホップという音楽性を選んだのも,彼らが抱えるものや表現したいものを考えれば,ほかに手段はなかったようにも思う。

 筆者がチームBを見ていて思うのは,そんな彼らが「今はまだ持っていないもの」を手にしたとき,あるいは「自分のなかの気づいていなかった一面」を見つけたときに,どう変化するかということだ。たとえば自分の弱さを認めることや守るべきものを得ること,あるいは何かを守らなくなること……。彼らは今,あくまでも「自分たちがやりたいこと」を軸に,周囲の状況などほぼおかまいなしで行動している。だが,それはある意味で自分たちの枠組みを決めてしまうことでもあるような気もするのだ。だから,その枠から一歩抜け出したときに何か大きな変化が起こるのかもしれない。彼らは自分たちでも気づいていない,無限大の可能性を持っているはずだから。

ハロウィン第2話
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チーム別解説⑤ 〜チームC編〜


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★★チームCの歩み★★

・チームWを脱退したモクレンを中心にチームCが設立(メンバーはモクレン,チームPから移籍したクー,新加入の柘榴と玻璃,チームWから移籍したカスミ)

・キャストの生き残りを賭けたボーダーラインバトル勃発(全キャスト共通・シーズン1最終章/公演曲「Purple Dawn」

・チームCが正式に発足し,お披露目公演を行う(シーズン2第1章/公演曲「To be, or not to be」

花見特別公演。チームの結束を固めるためにお花見へ行く(季節イベント/公演曲「花ほどく」

・暗躍する鷹見にとある思惑でカスミが近づき,鷹見VS.カスミの対決公演をすることに(シーズン2第7章/公演曲「続きは明日の夜に」

山フェスに出演(季節イベント/公演曲「Early Summer Affair」

・キャストの生き残りを賭けた1周年記念公演(全チーム共通・季節イベント/公演曲「Just a Loser」

ショーダウン公演で全チーム総当たり戦が行われる(シーズン2最終章/公演曲「虚構の肖像」


■筆者が語るチームCのメンバー


モクレン
 踊るため,パフォーマンスをするために生まれてきたような人がこのモクレンである。彼は思考も行動もすべて「ダンスが基準」だ。「自分は踊れればいい」「パフォーマンスができれば十分」なのだと言い,ただひたすらに己の技術を磨くことだけを考えているように見える。あらゆる感情が渦巻くスターレスのなかでは,非常に分かりやすく潔いし,その美意識と気高さがモクレンの魅力ではないだろうか。あと,すごく大食いなのにこんなにスリムなところは,ただただ羨ましい……。

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クー
 彼について書こうと思ったとき,最初に出てくるのはやはり「美しい」という言葉だ。見た目もそうだけれど,内面もとても穏やかで澄んでいて,どろどろしたところがない――仮にあったとしても,そうしたものを人には決して見せまいとする人のような気がする。たとえば自分が何かのピンチに陥ったときにこの人が現れたとしたら,その安心感は相当なものだ。信頼に値するすてきな存在であり,欠点らしい欠点が筆者には見当たらない……。

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柘榴
 柘榴は,スターレスのなかでは比較的新しいメンバーである。いつも笑っていて人を煙に巻くような発言が多く,筆者の個人的なイメージでは「トランプのジョーカー」である。味方なのか,そうではないのか,蓋を開けてみなければ分からないミステリアスさ。彼自身もそうした見られ方を楽しんでいそうなのが,とても面白いところだ。彼はどこから来て,これからどこへ行こうとしているのか。分からないことだらけだが,だからこそ興味を引かれるのかもしれない。

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玻璃
 頭も見た目も良くポテンシャルが高い。そのうえいいお家柄というハイスペックな人物が玻璃だ。だが彼の魅力は,持ち前の環境や才能に決して甘えないところにあるのではないかと思う。たとえば「自分の体力はこれぐらい」というのは分かっていそうなはずなのに,そのキャパを超えてでも周囲についていこうとするガッツがある。非常にストイックだが,実は詰めが甘いところもあって,なんとも愛すべき魅力のある人だなと思う。

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カスミ
 パフォーマンスにおいてはほとんどの役をこなせるほどのポテンシャルを持ちながら,自分を「モブの中のモブ」と呼ぶ人間をあなたは信じられるだろうか? 否,大抵の人は「いやいや絶対何かあるだろ……」と思うはずだ。そういう意味で,鷹見との対決のあたりからの展開は「キター!」と言いたくなってしまった。彼の思惑や背景が明らかになるのはまだ先かもしれないが,本当に楽しみな1人である。そしてなんといっても,髪の毛に隠された顔を見られる日も……!

画像集#034のサムネイル/「ブラックスター -Theater Starless-」に何が起きているのか? チームごとの軌跡と魅力を語る


■チームCの魅力とは?


 チームCは,現在のスターレスにおいて最も新しいチームである。だからというわけではないだろうが,5チームの中でも“平和”なイメージがある。そこに意義を唱える人は決して多くはないだろう。その要因の1つとして,メンバーもよく口にする「個人主義」という一面がある。彼らは必要なときに必要なだけの結束力を見せてくれるが,決して仲が悪いとか冷めているというわけでもない。なんだか不思議な安定感があるというのは,筆者個人もとても気に入っている彼らの魅力だ。彼らの魅力としてはもう1つ,決して血生臭さを感じさせない,洗練された雰囲気にもある。エグめの展開が多いチームもあるなかで(決してそれが悪いというわけではない),チームCは飄々と我が道を行き,決めるところではビシッと美しいステージを見せてくれるようなイメージなのだ。
 もちろん先のことはまだ分からないが,人間関係という意味では,このチームにはトラブルが起きる気があまりしない。だが,彼らもまたスターレスの一員だ。これから先,必ず何らかの障害にぶつかることはあるだろう。けれどそのとき,この5人がどのようにそれを乗り越えるのかが楽しみでもある。泥臭く人間らしくもがくのか,それともどこまでも気高く美しくあるのか。この先も目が離せないチームだ。

シーズン2最終章チームC1話
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ケイが一時帰国! クリスマスイベントについて


 以上,2020年12月半ばまでの「ブラスタ」チーム別まとめをお送りした……と,この原稿を締めようとしたところ,なんとクリスマス時期の季節イベント(「Joy to the World」)にて,ケイが一時帰国したのである……!

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 さらに特筆すべきは,本イベントが混成チームによる対決イベントであったところだ。メンバーは真珠率いるチームにはリンドウ,銀星,鷹見,玻璃,ケイのチームにはソテツ,黒曜,大牙,リコという構成で,個人的にはケイとリコが同じステージでパフォーマンスをしたことが感慨深い。

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 これまでの記事でも紹介してきたとおり,「ブラスタ」は,キャストたちが我々と同じ時間軸を生きているコンテンツだ。今年も本当にいろいろなことがあったが,来年もまた,彼らの活躍を楽しみにしたい。すべてのキャストがすてきな年末年始を迎えられますように。

■たまお(ライター)■

 エンタメ系フリーライター。音楽・ゲーム業界などでの社会人生活を経て,作品やキャラの素晴らしさを文章で伝えるためにライターへ転向。追いかけ中のタイトルは「あんスタ!」「ブラスタ」「アルゴナビス」「スタマイ」「ツイステ」「ヒプマイ」「パラライ」「刀剣乱舞」「A3!」「まほやく」など。キャストの織りなすドラマに魅了され,「スターレス」へ通う日々を送っている。

Twitter(@tamao_writer)


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