もちろん,「スタライ」経験者たちも負けてはいない。毎回,さまざまな仕掛けでファンを驚かせる“魔法使い”のSwitchは,カラフルな卵の中から登場。【復活祭☆イースターナイト】の衣装に身を包み,「イースター・カーニバル」と「Knockin' Fantasy」を届ける。ポップな音楽とパフォーマンスに合わせてうさ耳がゆらゆら揺れ,何ともかわいらしい。そして彼らが後半にかける魔法は,「Magic for your “Switch”」だ。煌めく光のなかに浮かぶ3人は,ステージと客席という境界線を超えて存在しているようにも見える。曲が終わると,文字通り魔法のようにその姿は消えた。
泣く子も黙るUNDEADのターンでは,否応なしにテンションの上がる「Melody in the Dark」で会場のボルテージを一気に引き上げる。【衝突!思い還しの返礼祭】の衣装を身に着け,スタンドマイクを自在に操る魔物たち。コールはもちろん,振り付けまで頭に入っているファンも少なくないだろう。4人は重厚感あふれる「Darkness 4」で異なる表情を見せたかと思いきや,後半には【生け贄◆不死者たちの復活祭】の衣装で登場,「IMMORAL WORLD」を披露。まさに背徳(インモラル),これだけの妖艶さを表現できるのは,このユニットをおいてほかにないと思わせるパフォーマンスだ。この一曲には,たった数分とは思えないほどの熱量があったように思う。
2winkは,登場するなりステージの上を縦横無尽に飛び回り,連続の側転や空中回転などのアクロバットで観客を驚かせた(筆者も本当に驚いた)。ファンにはおなじみの「ハートプリズム・シンメトリー」,そして「Mischievous Party Time!!」で会場をテンポよく盛り上げる。手足をいっぱいに使った躍動感あふれるダンスは,見ているこちらも元気になってくる。いつも言っていることだが,彼らのパフォーマンスは,もはや“まだ年若いメンバー”,“2人だけのユニット”という弱点にもなりうるポイントを一切意識させない。後半では【雪花*流星のストリートライブ】衣装で登場,2人のサンタは観客に「シュガー・スパイス方程式」もプレゼントしてくれた。それにしても,この衣装もまた,2人の歴史を思い出してグッと来てしまう……。
そして,観客を“お姫様”に変えてしまったのがKnightsの5人だ。【対決!華麗なる怪盗VS探偵団】衣装で歌う「Knights the Phantom Thief」は,いつ見ても実にキマり過ぎていて,感動すら覚える。白いハットとマントが印象的な本曲で,一気にハートを掴まれ,奪われてしまったファンも多かったのではないだろうか。一方,後半で披露したのは「Promise Swords」と「Grateful allegiance」というエモ系ナンバーで,その衣装は【光輝★騎士たちのスターライトフェスティバル】衣装だというのだからたまらない。戦い続けるユニット・Knightsは尖ったパフォーマンスもいいが,すべてを包み込むような優しさを表現する力量もある。この温かさは本当に心に沁みる。というか泣けてくる……。強豪ユニットの貫禄ここにあり,といったステージだったと思う。
◆2ステージ共通ユニット〜アンコール
本ツアー初登場のユニットを除き,すべての公演でパフォーマンスを届けたのがTrickstarだ。夢ノ咲学院で出会ってユニットを組み,“何者でもない存在”から,今やほかに変わることのできないアイドルユニットとなった4人。彼らは,強力なライバルを前にして底力を見せた【軌跡★電撃戦のオータムライブ】衣装で歌う「BREAKTHROUGH!」でファンを震わせ,【SS】優勝の奇跡の夜を思い出させる「Infinite Star」(衣装は【奇跡☆決勝戦のウインターライブ】)で見る者の胸をいっぱいにする。アンコールには,ツアーTシャツに着替えて「1st SING-ALONG☆」と「ONLY YOUR STARS!」を熱唱。どんなものよりもキラキラしたステージを繰り広げ,存在感を示した。そして全楽曲の演奏を終えたあとは,登場ユニットがステージに集まり,全員で「ありがとうございました!」とあいさつ。ステージに残ったTrickstarが,最後に「5th ツアーを記念して」と,5回の投げキスをファンに届け,すべての公演が幕となった。