NetEase Gamesは現地時間の2020年5月17日,スマートフォン向け新作MMO
「EVE Echoes」 (
iOS /
Android )のライブストリーミングを欧州向けに実施した。
本作にとって初となるこのライブストリーミングでは,EVE Echoesの
海外版が8月にリリース されることが発表。また,最新動画2本や現在の開発状況などが紹介された。
ライブストリーミングの参加者。左から司会者,シニアプロデューサーのExile氏 ,ゲームデザイナーのMelos氏 とLancedot氏
「EVE Echoes」は,CCP GamesのPC向けMMO「
EVE Online 」をベースに,同社とNetEase Gamesが3年にわたって共同で開発しているタイトルである。EVE Onlineは広大な宇宙で探索や交易,産業,そして大規模PvPなどの幅広いプレイスタイルに対応可能で,
自由度の高さ を持ち味としている。また,プレイヤー間のコミュニティによって歴史が紡がれるなど,サービス開始から17年が経過したいまも,PCオンラインゲーム界でひときわユニークなタイトルだ。
そんなEVE Onlineをスマホ向けアプリでどのように実現するのか気になるところだが,基本コンセプトは極力そのまま踏襲しているという。8000以上の星からなる広大な宇宙と100以上のシップを実装したうえで,
「Sandbox mobile game」「Authentic EVE MMO on mobile devices」 と強調されているのだ。EVE Onlineに詳しい人ほど,そのようなことが実現可能なのかと思うかもしれないが,とりあえず,新たに公開されたこの動画を隅々までチェックしてほしい。
EVE Echoes In-Game Footage 2020
VIDEO
上記の最新映像ののち,開発スタッフによって現在の開発状況などが紹介された。ここでは開発初期段階からのユーザーインタフェースの移り変わりをはじめ,コーポレーション(企業),EVE Onlineにも用意されている課金アカウントのOmega Clone,前哨基地たるアウトポスト,シップ用のスキン張り替え機能などが明らかになっている。また,中国をモチーフとしたと思しき
新勢力の「Yan-Jung」 も実装される。
一方,オートパイロット機能がサポートされるほか,幅広いスペックへの対応など,スマホアプリであることを考慮した部分も紹介されている。
EVEをスマホ向けアプリとして展開するにあたり,ユーザーインタフェースの開発では試行錯誤を繰り返してきたという。最初はシップをコントロールするためだけのシンプルなUIだったが(画像左上),戦闘などの各種機能が追加されて,現在は画像右下のデザインに落ち着いている
コーポレーションのシステムがオープンβテストで実装。バナーを作成し,メンバー専用の格納庫や金庫が使えるなど,一般的なMMOにおけるギルドに近い活動が行える
EVE Onlineにおける課金アカウントのシステムの「Omega Clone」が,EVE Echoesでも導入。2種類のランクが用意され,利用できる機能がそれぞれ違うそうだ
建築したプレイヤーのみが利用できる施設の「Capsuleer Outpost」。宇宙探索における前哨基地となる存在で,アップデートを経てさまざまな機能の追加が予定されている
シップの外観(スキン)を変更する機能もサポート。EVE Onlineにおける代表的なデザインが取り入れられているほか,EVE Echoesにおける新たなスキンもあり。プレイヤー間でスキンのトレードも可能とのことだ
オープンβテスト実施時のフィードバックを受けて,チュートリアルを大々的に変更している。移動に関してはオートパイロット機能を実装するなど,EVE Onlineの未経験者でも遊びやすく作られているそうだ
Yan-JungはEVEの歴史における古代文明の勢力で,“天と一つになる”(becoming one with heaven)という教義を掲げている。紹介されたYan-Jungのキャラは中国人風の顔立ちで,紹介されたシップも東洋の剣がデザインのモチーフだそうだ
ちなみにCCP Gamesの本社はアイスランドにあるが,ロンドンや上海にもスタジオを構えている
CCP GamesのCEOを務める,
Hilmar Veigar Petursson氏 からのビデオレターも紹介された。Petursson氏によると,最初にEVE Onlineを立ち上げたときは,オンラインゲーム業界における前例がないことだらけで,これは実現不可能ではないかと悩んだそうだ。しかし,17年が経ったいまも,ワールドワイドで人気を博しているのはファンならご存じのとおり。
そんなPetursson氏は,2017年にNetEase GamesからEVE Echoesの打診を受けたとき,モバイルにEVE Onlineのような大作MMOを持ってくるのは無理ではと最初に思ったという。だが,そのチャレンジ精神は17年前におけるCCP Gamesと同様であることに気付き,現在はEVE Onlineの立ち上げ時を振り返りつつ非常に期待しているとのこと。とくに,ローンチ後にプレイヤー間コミュニティがどのように形成されるのかが楽しみだと述べていた。
今回のライブストリーミングはUTC(協定世界時間)の18時に行われ,音声も英語で,主に欧州へのアピールを狙ったものと見られる。またNetEase Gamesのお膝元である中国向けの展開も別途進行しており,事前登録受付は現在200万を突破している。
そのほかにも2019年12月に実施された本作のオープンβテストはオーストラリア,アメリカ,カナダ,ロシア,ヨーロッパ,韓国,ニュージーランドで実施されており,グローバル展開は着々と進んでいるようだ。NetEase Gamesは日本展開も積極的に行っているので,EVE Echoes日本語版の正式発表にも期待したいところだ。
EVE Echoes Cinematic Trailer 2020
VIDEO