紹介記事
宮沢氏が思わず笑ってしまったこととは? 「星鳴エコーズ」メインシナリオ担当,宮沢龍生氏に聞く作品の魅力と今後の展開
2019年11月にリリースされたジークレストの「星鳴エコーズ」(iOS / Android)は,未知の災害「星の塔」を排除する力を持つ専門職「セプター」を育成する「星鳴学園」を舞台にした,“共鳴”育成シミュレーションゲームだ。メインストーリーでは,主人公・遠野涼太とプレイヤー(教師)の視点を中心に,セプター候補生たちの日常や戦いの日々が描かれていく。現在,メインストーリーは第一部第10章まで公開され,新たなキャラクターなども加わって盛り上がりを見せてきたところだ。
そこで本稿では,第一部の物語を振り返るとともに,シナリオ原案を担当する「サウザンドスクリプト」の宮沢龍生氏に聞いた,作品の魅力やストーリーの見どころなどをお届けする。メインストーリー紹介が中心になるため,ネタバレしてほしくない人はご注意を。なお,システムなどの詳細を知りたい人は,以下の記事を確認してほしい。
関連記事
「乙女チック4Gamer」第231回:育成SLG「星鳴エコーズ」を特集。未知の災害を排除できる「セプター」を育成する学園を舞台にした作品
「乙女チック4Gamer」第231回は,ジークレストから配信中のスマホ向けアプリ「星鳴エコーズ」を特集します。本作は,未知の災害を排除できる「セプター」を育成する学園を舞台にした育成SLG。プレイヤーはセプター候補生が暮らすスピカ寮の担当教師として,生徒達と交流していくことになります。
関連記事
“共鳴”育成シミュレーション「星鳴エコーズ」を先行プレイ。キャラクターの魅力がたっぷり詰まった読みごたえのあるストーリーを楽しもう
2019年内の配信が予定されている“共鳴”育成シミュレーションゲームアプリ「星鳴エコーズ」。未知の災害から世界を守る力を持つ「セプター候補生」たちとの物語が楽しめる本作の,クローズドβテストの先行プレイをお届けしよう。
「星鳴エコーズ」公式サイト
「星鳴エコーズ」ダウンロードページ
「星鳴エコーズ」ダウンロードページ
“塔災”に脅かされた世界――
唯一の対抗手段はセプターの育成のみ
東京湾に浮かぶ星形人工島にある「星鳴学園」は,未知の災害「星の塔」を排除する力を持つ専門職「セプター」を育成する教育機関だ。「星の塔」は,台風や洪水などのあらゆる自然災害や,大砲を撃つなどさまざまな“塔災”を引き起こし,人々の生活を脅かしている。
星の塔を排除する唯一の方法は,塔の最上階にある「星の種」を回収すること。しかし,塔の中には「ジャマー」という謎のバケモノが存在し,回収を阻止しようと攻撃してくる。セプターはジャマーと戦いながら最上階を目指し,「星の種」を回収するのが仕事だ。
ただし,セプターという職業は,誰でもなれるわけではない。なぜなら,常人は塔の中に入るだけで“結晶化”してしまうからだ。結晶化し,割れてしまった場合は死に至る。塔の中でも自由に動ける「適合者」から,ジャマーと戦うための特殊な才能の持ち主のみがセプターになるチャンスを与えられる。
世界観がなんとなく分かったところで,メインストーリー第一部を振り返っていく。
●第1章「選抜」
主人公・遠野涼太(CV:坂 泰斗)は「星鳴学園」養成クラスの2年生。セプターになることを夢見て入学したものの,2年になっても選抜クラスに上がるための試験に合格できずにいた。そんな涼太が何度目かの試験に挑んでいる裏側で,学園は新たな教師を迎える。それがプレイヤー,つまり“あなた”だ。あなたは,対象者と絆を深めることでセプター能力を向上させる力を持つ「共鳴者」という稀な存在だった。
さて,涼太はというと,ギリギリではありつつも,試験に合格。念願の選抜クラスに入ることが決まった。新しい制服に,新しい校舎,そして新たな住まい「スピカ寮」。涼太の夢にまで見た生活が始まろうとしていた。
選抜クラスでは,プロのセプターと同じようにチームに分かれて塔破任務に当たる。特性の異なる4種のポジション(近距離攻撃が得意な「ソード」,遠距離攻撃が主な「コイン」,広範囲&大威力攻撃に長けた「ワンド」,回復と支援のサポート型「カップ」)に分類され,各ポジションから1人ずつ,計4人でチームが組まれている。
涼太が所属するのは,結翔と同じ「第46学生塔破隊 リュンクス」。ほかに1年生の一条 橘(CV:熊谷健太郎)と3年生の九々生紅二郎(CV:佐藤拓也)が所属している。リュンクスはソードが不在だったため,涼太が入るまでは他チームからソードを借りて任務に当たっていた。というわけで,メンバーにとっても涼太の加入は待ちに待ったソードなはず・・・・・・なのだが,涼太をよく思わないメンバーも。
一条の物言いに複雑なものを感じながら,涼太のセプター候補生としての生活がスタートする。
第1章は,物語が始まる大事な部分なのでがっつり紹介したが,第2章以降はあらすじ程度にとどめて,テンポ良くお届けしよう。
●第2章「初陣」
ここで涼太が出会うのは,学園最強ソードである巳神刀真が所属する「第03学生塔破隊 オリオン」。刀真の圧倒的なオーラと強さを見せつけられた涼太は,自分も早く戦いたいと心躍らせる。そして,いよいよ涼太を入れたリュンクスの初任務のときが来た。緊張しつつも楽しみにしていた涼太だが,待機中,初任務用の研修映像を見てから様子が変わる。そんななか
塔災警報が発令し出動するが,塔の中に入った途端,震えが止まらなくなり・・・・・・。
●第3章「停滞」
第3章で登場する新たなチームは,「第21学生塔破隊 フェニックス」。涼太は,火野進示の熱さやソードとしての強さに感銘を受け,彼の教えを請おうとする。次に涼太は,オリオンの刀真のもとへ。だが三星から「余計に混乱するだけだ」と言われ,さらに意味深なアドバイスを受ける。
●第4章「影者」
第4章には,「第30学生塔破隊 コルウス」が登場。教室に向かう途中,廊下で涼太はとある女の子とぶつかってしまう。それをきっかけに,涼太の周りで不可解な出来事が起こり始める。涼太がぶつかった女の子は,コルウスの真田小春だった |
落とし穴に落ちたり,白い塊が飛び出してきたり,何者かに狙われている? |
●第5章「約束」
涼太が辛い過去を乗り越える物語が展開される第5章。そして,幼い頃の結翔と交わした“約束”も明らかに。メインタワー「ミハシラ」の最上階を目指すと高らかに宣言する三星 |
結翔と交わした約束を,なぜか覚えていない涼太 |
●第6章「怪塔」
第6章では,謎の怪塔Xや,「第44学生塔破隊 ジェミニ」が登場。さらに新たな塔の謎や,怪しい人物と笠原の不可解な会話など,気になる点が増えてくる。怪塔X(CV:杉田智和)。セプターより先に星の種を回収する謎の多い人物だ。彼には高い報奨金がかけられている |
怪塔Xに耳打ちされた結翔の表情に陰りが・・・・・・? |
第1章から第5章までは,涼太の成長や,結翔との友情が中心だったが,第6章からはそれに加えて物語が大きく進展していくようだ。
●第7章「微笑」
「星鳴戦」が間近に迫ったある日,九々生はメンバーを呼び出し,涼太らに「星鳴戦で勝ちたいのか?」と尋ねる。もちろん全員が勝ちたいと表明するが,九々生は「今のままでは一回戦突破も難しい」ときっぱり。そして自分たちには圧倒的に足りないものがある,と言い,それを学ぶために合同訓練を組んだと伝える。いつも冷静な一条が暴走。何か焦っているようで…… |
一条の過去,涼太を嫌う理由が明らかになる |
●第8章「先輩」
涼太は,流星器を具現化するER(Embody Rate)検査を受けに,本部のある街へ向かう。この検査は,星鳴学園に入学する際のクラス分けで,選抜入りした人に対して行われたもので,途中入学の涼太は受けていなかった。はじめて本部に向かう涼太は,その道中,「第25学生塔破隊 リブラ」のメンバーと遭遇する。瑞雲の穏やかさに,懐かしさを感じる涼太 |
パメラたちは,どこかで見たことのあるような男性ともめていた |
●第9章「開幕」
星鳴戦の前日,リュンクスは「第16学生塔破隊 モノケロス」との合同訓練に挑む。前回の事件をきっかけに,少しずつだが一条もチームの一員として行動するようになった。それでもまだまだ課題が山積みのリュンクスは,一回戦を突破することはできるのか。さらに第9章では,九々生の抱える問題も見えてきて……。入院した母の見舞いをする九々生。母からのとある話題に…… |
星鳴戦開会式が終わっても戻らない九々生を案ずるメンバー |
●第10章
ついに決勝戦を迎えた星鳴戦。もちろん決勝に駒を進めた1組めのチームはオリオンだ。そして対する相手は……?決勝戦に挑むオリオンのメンバー |
巳神が対峙しているのは……? |
と,メインストーリー第一部の展開を振り返ってみた。ここまではおもにリュンクスたちがチームとしてまとまっていく過程や,ほかのチームとの出会うまでの物語になっている。第一部10章をとおして,ようやく全キャラクターが揃ったので,第二部の展開こそ本格的に物語が動き出すのではないだろうか。気になる第二部1章は4月6日に公開予定だ。
最後に,「サウザンドスクリプト」の宮沢龍生氏に聞いた作品の魅力やストーリーの見どころをお届けしよう。
宮沢龍生氏に聞いた「星エコ」の魅力とは
4Gamer:
プロジェクト参加の経緯を教えてください。
宮沢龍生氏(以下,宮沢氏):
最初にお話をいただいたときは,これだけ大きな企画だとは思っておりませんでした。ただ何度か顔合わせをさせていただいているなかで,これはとてもたくさんの人たちが関わるすごいプロジェクトなのだと把握して,気を引き締めた記憶があります。
またお引き受けさせていただいた理由は,その企画規模の大きさではなく,最初にジークレストさんから提示されたコンセプトがとても面白い,と感じたからです。自分たちの創作性を思いっきり発揮させていただけるのではないか,と判断しました。
4Gamer:
メインストーリー全体のコンセプトを教えてください。
宮沢氏:
各章ごとは,テーマというより各チームの内情,関係性を描くことに注力しました。ゲームをプレイされる方々に段階的にチームに親しんでいただけるよう,情報量を計算しながら書き進めています。
第一部は大まかにいうとリュンクスがそれぞれメンバー間で絆を結び,チームとしてスタートラインに立つまでの話です。主人公の涼太がさまざまなチームと出会い,彼らから学び,セプターとして“成長”していく姿を描いています。第一部のキーワードはそういう意味では“成長”ですね。
4Gamer:
制作中のエピソードなどあったらお聞かせください。
宮沢氏:
ジークレストさん側とはもちろん,私たちシナリオライター同士でも積極的なディスカッションを行いました。世界観を深めていく作業ももちろんですが,力点はキャラクターの造形に深みを増すことに置きました。
苦労した点はキャラクターの多さをコントロールすることでしたね。性格や行動が重ならないよう慎重に設定を行いました。
4Gamer:
物語を組み立てるうえで,大事にしていることを教えてください。
宮沢氏:
インスピレーションを得るためには,やはりいろいろな作品の吸収が必須だと思います。そのため普段からなるべくいろいろな本を読んだり,映画を見たりするようにしています。
4Gamer:
主人公・遠野涼太の魅力はどんなところでしょう。
宮沢氏:
周囲にたくさんの個性的なキャラクターがいるため,涼太は比較的,明快で一本気なキャラにしようと思っていました。どんな局面でもその真っ直ぐさが武器になるような芯の強い性格の主人公だと思っています。
4Gamer:
リュンクスの成長についてお聞かせいただけますか。
宮沢氏:
過去から現在へと続く友情と,過去とは異なる現在の境遇の変化(結翔は天才と認められていて,涼太は落ちこぼれ)をしっかりと対比で書くことがドラマに繋がると思っていました。そんな境遇の変化でも変わらない絆を描きたかったです。
4Gamer:
涼太をはじめ,キャラクターの成長を描く過程で,意識した点はなんでしょう。
宮沢氏:
ほかのチームではとくにオリオンチームが映えるように設定しました。やはり物語上のライバルなので彼らが華やかで強ければ強いほど,それに打ち勝とうとするリュンクスのストーリーが面白くなる,と意識しました。
4Gamer:
本日第一部がすべて公開になりました。第一部の裏話や伝えたかったことなどあったら教えてください。
宮沢氏:
やはり涼太の成長がメインテーマですが,それ以外だと一条の過去とそこからの脱却が第一部の大きな物語的要素になっています。
一条は星鳴学園が隠し持つ不穏な構造を体現したキャラクターです。夢を奪われた一条がまた前に進み出すまでのドラマは,涼太とも絡んでどうしても描きたかったファクターでした。
4Gamer:
4月6日より第二部のストーリーが公開されますが,見どころやテーマとなるものがあったら教えてください。
宮沢氏:
茅場 幸と怪塔Xの関係性は思いついたとき,自分たちでも笑ってしまいました。良かったらご自身で確かめていただけると嬉しいです。それと関係性については,茅場とXがややコミカルなのに対して,九々生と明宮には深い因縁があります。
X,明宮は物語が進めば進むほど主人公たちと関わっていきます。物語の根幹に位置する人たちです。どうぞお楽しみに。
4Gamer:
読者へのメッセージをお願いします。
宮沢氏:
正直なところ第一部よりも第二部の方が盛り上がりも面白さも上だと思います。ぜひ,楽しみにしていてください!
4Gamer:
ありがとうございました。
「星鳴エコーズ」公式サイト
「星鳴エコーズ」ダウンロードページ
「星鳴エコーズ」ダウンロードページ
(C)GCREST, Inc.
(C)GCREST, Inc.