プレイレポート
本日発売「ヨッシークラフトワールド」プレイレポート。優しく懐かしい手触りを感じさせるギミックとグラフィックス,さらに探索要素もどっさり
ヨッシーが主役を務めるアクションゲームとしては,2017年に発売されたニンテンドー3DS用ソフト「ポチと! ヨッシー ウールワールド」から約2年ぶりの新作だ。今回の舞台は空き箱や紙コップ,折り紙,ダンボールといった身近なものでできた“工作(クラフト)”の世界となっている。
本稿では,新たな“ヨッシーアクション”の魅力をお伝えしよう。なお,記事内ではギミックの解き方をいくつか紹介しているので,ネタバレが気になる人は留意してほしい。
「ヨッシークラフトワールド」公式サイト
ヨッシークラフトワールドの物語は,ヨッシー達が住む小さな島から始まる。彼らは島のてっぺんにある「ねがいかなえ太陽」の力のもとで平和に暮らしていたが,その噂を聞きつけたベビィクッパとカメックがやってきて,強引に太陽を奪い取ろうとしたのだ。
その結果,太陽を形作っていた5つの「ビーズ」は散り散りとなり,ヨッシー達も未知の森の中へと飛ばされてしまう。太陽を失ったヨッシー達は相談のうえ,新たな冒険の旅に出ることを決意する。ベビィクッパ達より先に,消えたビーズを集めなくては!
ヨッシーの基本アクションはお馴染みのものだ。空中でもう一度,ジャンプボタンを押すことで少しだけ滞空できる「ふんばりジャンプ」,空中から急降下する「ヒップドロップ」をはじめ,長い舌を伸ばして小さなオブジェクトを口に含むこともできる。
もちろん,“ヨッシーアクション”の代名詞である「タマゴ投げ」も健在だ。小型の敵を口に含むとタマゴに早変わり。そのタマゴをぶつけて仕掛けを動かしたり,コインなどのアイテムを入手したりすることが可能だ。
また,アクションゲーム初心者向けに「パタパタヨッシー」モードが用意されている。ジャンプボタン押しっぱなしで空を飛べるため,操作が簡単になり,ゲームの難度が低くなるのだ。モードはいつでも変更できるので,自分の腕前に合わせて決めよう。
いざコースに繰り出すと,“工作”をテーマに組み上げられたビジュアルに目を奪われるだろう。道のように敷かれた厚紙,動物の形に切り取られたダンボール,針金で表現された飾り細工など,身近な素材で構築されたコースには子供の頃に作った工作のような懐かしさがある。
単に見た目が可愛らしいだけでなく,その要素がギミックとして活かされているのもポイントだ。触れた瞬間に一直線に伸びていく厚紙細工やパカッと扉が開くダンボール細工の小屋は,工作らしいアイデアと遊び心に満ちている。
ヨッシークラフトワールドは複数のコースによって,1つのエリアが構成されている。そして,各エリアには異なるテーマが設定されており,砂漠と骨をモチーフにした「サンドランド」,からくり屋敷のような建物が多数登場する「ニンジャランド」など,実にバラエティ豊かだ。
もちろん,それぞれのテーマに沿ったギミックが登場するため,次々に新しい仕掛けを楽しめる。
そして,コースの大きな特徴は“奥行き”の概念を導入している点だ。操作面では横スクロールアクションのプレイ感覚を踏襲しつつ,自然に奥行きが感じられる。
例えば,背景にヘイホーが隠れているとしよう。そのヘイホーにタマゴカーソルを合わせると,背景に向かってタマゴを投げつけられる。
「奥(手前)にあるオブジェクトにタマゴを投げる」とはいえ,特殊な操作が必要になるわけではない。画面内のタマゴカーソルの終点がポイントと重なってさえいれば,“奥(手前)を狙っている”という判定になり,自動的に投げる方向が変更される。操作感覚は2Dアクションゲームのまま,探索のバリエーションに厚みを増している印象だ。
クリアしただけでは終われない
やりこみ&コレクション要素も充実
ヨッシーが主役のアクションゲームと言えば,やりこみ要素の充実ぶりも見逃せない魅力だ。最新作にも伝統は受け継がれており,1つのコースのなかにもさまざまな探索要素が詰め込まれている。
例えば,スペシャルフラワーは新たなエリアを開放するために必要なアイテムだが,それだけなら決して困難というほどではない。ただし,すべてのスペシャルフラワーを発見しようと思えば,その道のりは一筋縄ではいかないだろう。
しかも,各コースには20枚の「赤コイン」が隠されている。全部手に入れるためには,隅々まで探し尽くすしかない。
収集系アイテムの隠し方も凝っていて,普通に見渡しただけでは発見できないものが多い。「ひょっとしてあれはギミックなんじゃ……」という好奇心が発見のカギになるはずだ。
ちなみに,エリアをクリアした後にクラフトンに話しかけると,特定のオブジェクトを探す依頼を受けられる。赤コインやスペシャルフラワーを探しつつ,依頼に臨むといいだろう。
さらに,クリアしたコースは「オモテ」と「ウラ」が選べるようになる。オモテは通常どおりだが,ウラを選ぶとコースの構成が異なり,コポチ探しが楽しめるのだ。一定時間内にコポチを探してクリアすれば,ボーナスとしてスペシャルフラワーが獲得できる。ボーナスの獲得には相当なスピードを要求されるので,やりこみ要素としても十分な奥深さだ。
収集要素である「きせかえ工作」の存在も注目してほしい。各エリアにはヨッシーの衣装が出現する「ガチャガチャ」が設置されており,コースで集めたコインと引き換えに利用できるのだ。
ガチャガチャという名称だが,各エリアにつき衣装数は10種類ほどで,入手済みのものは出現しない。コインを貯めて一気に利用すれば,確実に新しい衣装が手に入るのは嬉しいところだ。
衣装を着替えると,敵からのダメージを一定回数防ぐことができる。レア度が高い衣装ほど回数が多くなるので,攻略を楽に進めたい場合はクリア済みコースでコインを集めて,レア度が高い衣装を狙うのもいいだろう。
ヨッシークラフトワールドはアクションゲームとして奥深く,実際に触れられそうなほどに作り込まれた世界と奥行きを活かした体験が心地いい。おもちゃ箱をひっくり返して宝物を探すような探索の喜びも格別だ。
また,Joy-Conをおすそわけすれば,2人協力プレイも対応している。1人でじっくりやり込むときとは違う楽しさが味わえるだろう。それぞれのプレイスタイルに合わせて,新しいヨッシーアクションの世界を楽しんでほしい。
「ヨッシークラフトワールド」公式サイト
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