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屋外での利用には適さない? 注目のMRデバイス「Magic Leap One」の新情報公開
「Magic Leap」公式サイト
今回のライブ配信は,テクニカルアーティストとしてEpic Gamesに在籍した経験を持つアラン・ヌーン(Alan Noon)氏をホストに,テクニカルマーケティング部門のマネージャー,ショナ・デ=ユーリース(Shanna De Iuliis)氏を迎えて行われたものだ。2018年3月にSDK(開発キット)がリリースされるなど,次第にビジネスとして具体化されつつあるものの,いまだに視野角や解像度,バッテリーの持続時間などの詳しいスペックが公表されておらず,今回の配信ではより具体的な発表が期待されていた。結果的には,長いセッションだった割に新しい情報は乏しいという印象だった。
Magic Leapは公共の場での利用について2016年に特許を出願しており,内容については4月16日に掲載した「奥谷海人のAccess Accepted第572回:Facebookのユーザー情報流出に見る,デジタル時代のプライバシー保護」でも紹介したとおりだ。
しかし,ライブ配信でデ=ユーリース氏は,「『Magic Leap One』は屋外での利用を目的にデザインされていない」と語っている。その一方,屋内では複数のユーザーがスペースやコンテンツを共有できることが明確に述べられており,少なくともMagic Leapの最初の製品となる「Magic Leap One」は,屋内使用を念頭に置いたハードウェアになる模様だ。
デ=ユーリース氏はまた,「Magic Leap One」は通常のサイズに加えてラージサイズが用意されることを語っていた。公開された画像からも分かるように,「Magic Leap One」はストラップ部分に調整の難しい素材が使われており,サイズの異なるタイプが販売されるのは,そのことに対処したものかもしれない。
どれくらい大きさに違いがあるのか,具体的な数字は説明されなかったが,2月に行われたイベントでNBA(全米バスケットボール連盟)との提携がアナウンスされた際には,身長210cmの元プロバスケ選手(現在はスポーツコメンテーターとして人気)のシャキール・オニールさんが,「Magic Leap One」を装着してデモをしており,とくに不都合はなさそうに見えた。
また,デ=ユーリース氏がノーズクリップと呼ぶ,メガネの鼻あてに相当するらしいパーツの取り付けも可能になるようで,顔の凹凸に乏しい筆者を含めたアジア系でも,デバイスのズレを何度も直すことなく心地よく使用し続けられるデザインが採用されているようだ。
依然として謎の多いデバイスだが,GDC 2018のレポート記事にもあるように,ソフトウェア面でも潜在力の高さが感じられるデバイスであることは確か。続報を楽しみにしたい。
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