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【PR】「荒野行動」は「OpenChat」導入で何が変わった? LINEとNetEase Gamesそれぞれのキーマンに聞く
LINEとNetEase Gamesは,2019年12月にLINEのチャネリングモデル導入に関する包括契約を締結した(関連記事)。
NetEase Gamesといえば,「荒野行動-Knives Out-」(iOS / Android)などのタイトルで知られる中国大手パブリッシャだ。2020年1月にはLINEのグループトーク機能を拡張した新機能「OpenChat」(オープンチャット)を「荒野行動」に導入し,ゲーム外でも5人の戦隊メンバーと会話できる専用機能が追加されたのは,記憶に新しい。
それから約3か月が経過した頃,4Gamerでは,LINEのゲーム事業本部 チャネリング事業チーム マネージャー 関 孝朗氏と,NetEase GamesJapanのジェネラルマネージャー 劉 亜龍氏にインタビューを実施した。このチャネリングモデル導入によってプレイヤーにはどのような恩恵があったのか。実際に行われている「荒野行動」における事例をもとに,語ってもらった。
「荒野行動」での「OpenChat」導入事例
4Gamer:
本日はよろしくお願いいたします。まずは自己紹介を兼ねて,それぞれの立場をお聞かせください。
関 孝朗氏(以下,関氏):
関 孝朗と申します。LINEゲーム事業部におけるチャネリング事業の責任者となります。
劉 亜龍氏(以下,劉氏):
劉 亜龍です。日本で配信している弊社タイトルのパブリッシング全般を見ています。
4Gamer:
LINEは2019年8月に「OpenChat」をリリースされました。個人だけでなく企業も利用できることで大きな注目を集めましたが,あらためて本機能についてご紹介いただけますか。
関氏:
LINEの中のトーク機能として新しく追加されたもので,当然LINEを使用している方であれば誰でも使えます。従来のLINE上のトークは身近な人で友だち登録を行った人同士のコミュニケーションのツールでした。
「OpenChat」は友だち登録を必要とせず,LINEのプロフィールとは一切つながりがなくても,大勢のユーザー同士でトークができます。
トークルームごとにプロフィールを設定できるので,バーチャルに近い環境で友人はもちろん,同じ趣味や関心ごとがある方々と新たなコミュニケーションを取ることができます。
4Gamer:
LINEのグループトークとは違い,匿名性が高い状態で利用者と交流できるんですね。
関氏:
そうですね。LINEのプロフィールとは一切連動しません。自分の名前を表に出したくない人もいると思うので,そうした環境で同じ趣味の人で集まって,コミュニケーションを図れるのが大きな特徴です。
4Gamer:
先日,両社間でチャネリングモデル導入に関する包括契約が発表となりました。プレイヤー側としては,どのようなメリットを期待できるんでしょうか。
もっとも大きいのは,ゲーム外でもコミュニケーションを取れるという点だと思います。一般的なゲームでは,ゲーム内でしかプレイヤー同士でコミュニケーションを取れませんよね。一旦リアルに戻ると,連絡が取れなくなってしまうこともあります。
しかし「OpenChat」機能を導入すれば,ゲームをプレイしていなくても普段からコミュニケーションを取れますし,そこからプレイヤー同士が仲良くなれば,さらにゲームを盛り上げることにもつながります。
4Gamer:
すでに「荒野行動」にはチャット機能があります。そんな中で,なぜ「OpenChat」を導入されたのでしょうか。
劉氏:
やはりゲーム自体のアプリを使わず,ゲーム外でも話ができるという点が魅力的でした。LINEは日本で誰もが使っているアプリで,使いやすい。そこでコミュニケーションを取れるのは,すごく便利だと思います。
4Gamer:
確かに,すでにLINEは慣れ親しんでいるプレイヤーも多いでしょうから,操作感に慣れている方には使いやすそうです。
劉氏:
新しい機能として学習することなく,LINEは普段から使われているので,そのまま自然に使えるのはいいところだと思います。
4Gamer:
中国ですと,プレイヤー同士だけでなく,プレイヤーと運営がコミュニケーションアプリを使うことも多いそうですね。日本でも,そうした流れを意識したうえで取り入れられたんでしょうか。
劉氏:
もちろんそれもあります。中国では外部のチャット機能やコミュニケーションアプリを使い,コミュニケーションを取りながらゲームをプレイするのが一般的となっています。やはりそうした機能を実現したいとなると,日本で一番使われているLINEアプリしかないと考えたので,一緒にやらせていただきました。
4Gamer:
「荒野行動」に「OpenChat」が導入されてから約3か月が経過しましたが,利用者からはどんな反応がありますか?
劉氏:
やはりゲーム内外を問わずそのまま話し合えるのが便利だと皆さん感じていらっしゃいます。例えばですが,一時的に遊んでいない人にもプレイヤーから「また遊ぼう」と声をかけやすくなるので,ゲーム自体の活性化にも役立っているかと思います。
4Gamer:
「OpenChat」を使っている「荒野行動」プレイヤーの割合はどのくらいでしょうか。
劉氏:
具体的な数字はお伝えできませんが,「OpenChat」を導入してから利用者数とアクティブ数は明らかに増えています。
4Gamer:
「OpenChat」を導入した「荒野行動」の事例をお話しいただきましたが,LINEサイドとしてはどのような感触でしょうか。
開発者向けのお話しになってしまいますが,「LINE GAME SDK」というツールを入れていただくと,「OpenChat」に限らずゲームの中からLINEのフレンドグラフを使えるようになります。
「OpenChat」をより活用するにはゲームとの密な連携が必要だと思い,「荒野行動」には直接ルームを作れる機能も追加しており,そういった機能はとても活用されています。これからもゲームの中からつながれる新しい機能を順次追加していきたいと考えています。
「OpenChat」全体でお話しをしますと,利用者のあいだでゲームのジャンルが多くの人で賑わっているというデータも出ています。ほかにもスポーツ,ミュージックなどのカテゴリもありますが,やはりゲームの人気が1番高いです。
劉氏:
そうした新しい機能って,若者はとても受け入れやすいですよね。若者が「OpenChat」を使い始めて,その若者が普段触れているものといえば,やはりゲームだと思います。
関氏:
おっしゃるとおり,ゲームの親和性は高く,若い人を中心に広まっています。
4Gamer:
一方で,「OpenChat」に限らずですが,オンラインコンテンツや,オンラインゲームにはモラルに反する使い方をする人も潜んでいます。そうした悪意を持って利用する人に対しては,どのような対策を取られているんでしょうか。
関氏:
「OpenChat」におけるセキュリティは非常に重要でして,安心・安全というキーワードを掲げています。具体的に,LINEのトークと違う部分は,利用開始前に同意いただく前提で,トーク内容を24時間365日,人とAIによってモニタリングしています。投稿を自動で削除するNGワードの機能も用意していますし,例えばLINEのIDを交換し合わないように,さまざまな対策を施しています。
また,管理者という機能を設けているのも既存の「LINEグループ」との大きな違いです。LINEグループには管理者がいないので,誰かが勝手にメンバーを削除することも可能ですが,「OpenChat」は利用者が管理者となってトークルームを管理できる仕組みを整えています。
加えてLINE上で年齢認証をしていない方や18歳未満の場合も一部機能が制限されますね。
4Gamer:
「OpenChat」では管理者の方々を集めて座談会を開いたり,うまく運営している管理者の秘訣を紹介したりと,管理者へのさまざまなサポートもしっかりと行っていましたね。
関氏:
LINEだけの力ではなく,「OpenChat」全体を盛り上げてくださる皆さんと一緒に安心・安全を作っていくのも重要だと考えており,取り組んでいます。
4Gamer:
利用者同士で気を配れる環境を,自然と作り上げていらっしゃるんですね。
関氏:
「OpenChat」に限らず,インターネットを使ううえで危険なことはありますし,ゲームというジャンルの問題でもありません。世の中のすべてのコミュニケーションに共通したものかと思うので,「OpenChat」も1つのコミュニケーションツールとして考えて,皆さんにも気をつけていただくのがポイントかと思います。
劉氏:
どんなにいいものでも隙間を見つけて,悪いことに使う人はいますよね。我々もそれを防ぐために施策を打ちますが,利用者も含めていい環境を守ってくれるよう,一緒に頑張っていきたいと思います。
関氏:
一方的に「やらないで」では,やりたくなってしまう部分もありますよね。それより利用者と運営が一緒になって作っていくことが大切です。そのためのさまざまな活動も進めていきたいと思います。
プレイヤーが共通体験を語る場としての活用も
4Gamer:
NetEase Gamesの既存のタイトルや,今後の新作も「OpenChat」と連携していくお考えはありますか。
「荒野行動」に「OpenChat」を導入して,すごくいい反響がありました。プレイヤー間で盛んにコミュニケーションを取るゲームに対しては,ほぼ必須の機能だと思います。弊社のゲームでも「OpenChat」を利用してコミュニケーションが取れて,チームを組めるのは素晴らしいですね。
一方で「内容のカテゴリを増やしてほしい」という意見もあります。いわゆるKOL(Key Opinion Leader),例えばYouTuberのような専用のカテゴリや,ゲーム内容自体のカテゴリ,雑談オンリーのカテゴリといった具合に分けて,好きな場所で話したいという要望が挙がっています。そうした部分も含めて「OpenChat」のシステムをもっと展開していきたいと思います。
4Gamer:
LINEのゲーム事業部としては,どのような展望をお考えですか。
関氏:
自分としては夢に近い部分もあるんですが,「OpenChat」は共通体験を語れる場としてすごく身近ですし,インゲームのチャットとは違った使い方もできると思います。共通体験を今後のキーワードとして展開していければいいなと。
それがリアルイベントなのか,オンラインのイベントなのかは関係ありません。そうした循環をうまく作っていき,ゲーム業界自体が盛り上がって「一緒に遊ぶ」ことが当たり前になる。そういったところを最終的に目指したいと思っています。
「荒野行動」ではそうした意識が非常にマッチしていて,実際にゲーム内から作れる「OpenChat」のルームは5人までと,そう多くない人数なんですが,少ない人数だからこそ密なコミュニケーションと共通体験ができてきています。これが1000人や2000人になると,また,違った共通体験にはなりますし,少ない人数でも盛り上がれるのが「OpenChat」のいいところだと思います。そこをうまく使っていただいて,誰もが参加できて楽しめる仕組みを提供したいです。
4Gamer:
思いつきやすい使い方だと,例えばゲームを立ち上げなくても,プレイヤー仲間と待ち合わせをできるのが,非常に便利です。
関氏:
そうした使い方ももちろん便利ですし,ゲームが終わったあとも会話をしてほしいという想いもあります。例えば「なんで負けちゃったんだよ!」「次は頑張るよ,ごめん!」といったような会話から,次につながっていく。待ち合わせも起点になるので重要ですが,一緒に遊んだあとでも活用できるんじゃないかと。
社内では,リアルとバーチャルの中間にあるのが「OpenChat」かもしれないという話をしていて。よく話題に出るのは,例えば同じライブ会場で集まって盛り上がると,1つの共通体験によって仲間意識が生まれますよね。それと同じようなことが「OpenChat」のバーチャルな環境で可能ではないかと考えているところです。
4Gamer:
今後の展望として,両社でオフライン関係のイベントを提携するといった可能性もあるのでしょうか。プレイヤーとしては仲良くなった人たちと一緒に食事をしたいとか,飲み会をしたいとか,そうしたニーズもあるかと思いますが。
関氏:
現状,具体的なことは言えませんが……。
劉氏:
単純な可能性という意味では,あると思います。
関氏:
そうした部分を,積極的に行っていきたいという考えはあります。eスポーツなどでも「OpenChat」を利用いただいていたりします。イベント会場にルームのQRコードを貼って,来場者がそこからルームにアクセスして盛り上がる。当然イベントはその日で終わりますが,ルームでは会話が続いていて,そこで声を掛け合って次につながる。そういった盛り上がり方の話も聞いています。
4Gamer:
なんだかデジタルな打ち上げみたいですね。
関氏:
そうですね。そういう形を「荒野行動」でも一緒にやっていけたらなと思います。
劉氏:
「OpenChat」導入前には,弊社の別のタイトルでよくオフラインイベントを開催していましたが,プレイヤー達とコミュニケーションを取れる場所がなかったんです。ゲーム会社とプレイヤーのあいだには問い合わせメールなどの“お堅い窓口”しかないイメージを持たれているかと思います。
もし「OpenChat」を使えば,リアルとバーチャルのあいだ,まさにプレイヤーと,ゲームを作る会社との懸け橋になりうると思うんです。お互いにコミュニケーションを取れるので,そういう場はすごく重要で,今後もそういうものは日本でも増えると考えています。
関氏:
そのほか「OpenChat」を導入いただいているメーカー様からは,公式のルームだと分かるような機能がほしいというリクエストもいただいています。今後そういったことにも対応していきたいです。
4Gamer:
さまざまな可能性を感じられるお話しですね。例えば日本では生放送などでプレイヤーに情報を伝えることも多いですが,生放送後に視聴者の方へ一定時間の「OpenChat」を公開して,いろいろと意見が言える……といった形も面白そうです。プレイヤーにとっても意見を言える場にもなりますし,運営側としては意見を吸い上げる場になる。オフラインに限らず,聞いているだけでも多彩な使い方を想像できます。
劉氏:
若者はコミュニケーションが好きなんですが,30代〜40代やもっと上の方々はそうした部分に多少なりとも拒否感があると思うんです。昔はシングルプレイのゲームも多くて,そもそもコミュニケーションが必要ありませんでした。でも今の若者はむしろコミュニケーションが好きなので,そこでも時代の変化を感じています。
ルーム内の人数や活性の度合いを見ると,上位にくるのは若い人が遊んでいるゲームが多いですね。それはやはり慣れている,ごく普通に受け入れているところだと思います。
「OpenChat」では,コアな人たちが集まってコミュニケーションを行えるので,規模が比較的小さいタイトルでもルームができたりします。もちろん人数は「荒野行動」などに比べたら確かに多くはありませんが,密度の濃い会話をして盛り上がっています。インターネット上ですと,やはり大きなタイトルに話題が偏りがちですが,「OpenChat」の面白い特徴でロングテール的というか,小規模なルームもしっかりと活性化しています。
4Gamer:
一口にゲームといっても,リアルで同じ趣味を探す人は大変ですが,「OpenChat」でならすぐに見つけられそうですね。……そろそろお時間のようなので,最後に一言ずつお願いいたします。
関氏:
これまで申し上げたとおり,「OpenChat」を使ってゲーム体験をより面白いものにしていくのが目標です。そこに近づけるよう,大事な部分としては安心・安全を提供することだと思いますし,機能面でもより使いやすく,皆がより楽しめるようなものを作っていきたいですね。こうしたコミュニケーションを使い,ゲームをやっていないときもゲームに触れていられるような場を作って,最終的にはゲーム業界を盛り上げていきたいと考えています。
劉氏:
弊社は日本にいくつもタイトルを出しましたが,やはりコミュニケーションを必要とするタイトルが多くあります。「OpenChat」を使って,ゲーム内だけでなくゲーム外でもプレイヤー同士で会話ができるようになると,プレイヤーにとっても,ゲーム自体にとってもすごくいい話だと思います。今後,弊社ももっといいゲームを提供していく予定なので,「OpenChat」の導入も含め,普段の生活の中でもゲームの話で盛り上がって,その熱量をゲーム内に還元できるようにしていきたいです。
4Gamer:
本日はお忙しい中,ありがとうございました。
──2020年3月16日収録。
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