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スマホ版の資産はそのまま,チェンクロをPCで遊べるようになる――DMM GAMES版「チェインクロニクル3」の展開について,松永 純氏に聞いてきた
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印刷2017/11/15 11:00

インタビュー

スマホ版の資産はそのまま,チェンクロをPCで遊べるようになる――DMM GAMES版「チェインクロニクル3」の展開について,松永 純氏に聞いてきた

「チェインクロニクル3」総合ディレクター
松永 純氏
画像集 No.001のサムネイル画像 / スマホ版の資産はそのまま,チェンクロをPCで遊べるようになる――DMM GAMES版「チェインクロニクル3」の展開について,松永 純氏に聞いてきた
 先日,セガゲームスとDMM.comの共同展開として,セガゲームスが配信中のスマホゲーム「チェインクロニクル3」PC / iOS / Android。以下,チェンクロ)が,PCプラットフォームである“DMM GAMES”で配信されることが発表された。

 本作は,4Gamerでも度々取り上げているタイトルであったため,今回はなぜチェンクロをPCで提供するのか,そして既存のスマホ版とは連動するのか,そういった疑問の数々を総合ディレクターの松永 純氏に聞いてきた。

 気になる人は,ぜひとも目をとおしてほしい。

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PC版「チェインクロニクル3」事前登録サイト


「チェインクロニクル3」公式サイト

「チェインクロニクル3」ダウンロードページ

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スマホ版の内容が,そのままでPCでも遊べるように


4Gamer:
 松永さんには今年3度めのインタビュー(関連記事その1関連記事その2)となりますが,まずはお久しぶりです。

松永 純氏(以下,松永氏):
 はい,お久しぶりです!

4Gamer:
 しかし,最近はチェンクロのコンテンツ拡張が大々的に進められているなと思っていましたが,今回はまさかのDMM GAMES版(以下,PC版)の発表です。まったく想像していませんでした。

松永氏:
 ですよね。今回はチェンクロのPC版について,既存のプレイヤーさんや新規の方々に,いろいろとお伝えできればと思っています。

4Gamer:
 申し訳ないことに,私は現時点(2017年11月1日時点)で“チェンクロがDMMで配信される”以外の情報を何も知らないのですが……イチから教えていただいてもいいですか?

松永氏:
 もちろんです。おそらく,この記事を読む方々も同じ心境だと思いますので(笑)。

4Gamer:
 ありがとうございます。ではまず基本的なところで,PC版の配信プラットフォームは“DMM GAMES”になるんでしょうか。

松永氏:
 そうです,DMM GAMESさんです。今後はPCでもチェンクロを遊んでいただけます。

4Gamer:
 DMM GAMESで提供するにあたり,きっかけなどはあったんですか。

松永氏:
 開発・運営チームでは,前々から「PCでもチェンクロを出したい」という話題が挙がっていました。チェンクロって,PCでもすごく遊びやすいだろうなと話していたんです。そこにちょうどDMM GAMESさんからのお話が飛び込んできたので,こちらとしても「ぜひに!」ということになりました。

4Gamer:
 昨今はさまざまなPC向けのプラットフォームがあると思いますが,“なぜDMM GAMESにしたのか”を教えてもらってもいいですか。

松永氏:
 DMM GAMESさんはとくにやる気がすごかったんですよ。「より多くの人にゲームを届けたい!」という気持ちに勢いがあったので,非常に信頼できたんです。僕達の目的は,1人でも多くのユーザーさんにチェンクロをプレイしてほしいということなので,その気持ちが一番大切だなと。

4Gamer:
 スマホ版は今年で4周年を迎えましたが,PC版の提供タイミングとしては,どのように考えているのでしょう。

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松永氏:
 チェンクロはこれまで,“いつから始めても楽しめる1人用RPG”であることを大きな方針として提供してきました。

 家庭用ゲームのような濃いRPG体験を,どんな場所でも,どんなタイミングでも,プレイヤーさんに楽しんでいただく。この方針は変わらず続けているので,サービスのタイミングに関してはさほど問題視していませんね。

 今からでも,新しいユーザーさんに100%楽しんでもらえると思っています。


4Gamer:
 チェンクロがスマホ向けに最適化されているゲームなのは承知の上ですが,例えば本作の開発当時に,PCでの提供を考えたことってありましたか。

松永氏:
 いや,当時はなかったです。元々“家庭用RPGから離れていった人達に,皆が持っているスマホを通じて,RPGをもう一度楽しんでもらう”というコンセプトからスタートした作品ですから。

4Gamer:
 ソーシャルカードゲームが主流な当時にあっては,本当に斬新でした。

松永氏:
 そういった目標を元に,「次はどのハード?」と考えてみると,現在は家庭用ゲーム機を持っていないけど,PCなら家にあるよっていう人が想像できました。それらの方々が「やっぱりRPGって面白いな!」って言ってくれたら幸せだなと。今回のPC版という選択は,今も昔も根っこの部分でつながっています

4Gamer:
 遊び方のスタイルはやはり「外ではスマホ,家ではPC」というイメージですか。

松永氏:
 そうですね。ちなみにチェンクロは当初「電車に乗ったタイミングでも遊んでもらう」というイメージで作っていましたが,サービス開始後に「家でソファに座って,ちゃんとやりたい!」といった声が多く聞こえてきたんですよね。弊社のほかのタイトルと比べても,このようなスタイルのプレイヤーさんが多くいるようなんです。

4Gamer:
 それには共感できます。私もデイリーの消化は電車などの移動中が多いですが,ストーリーや攻略コンテンツは間違いなく,座って落ち着ける場所でプレイしていますから。

松永氏:
 チェンクロはそういうのがあるんですよね。「今はストーリーをやるタイミングじゃない!」みたいなの。体験してほしいこと(※家庭用RPGを遊ぶような体験をしてもらうこと)の方向性から考えると,当然とも言えるので,それならば,なおさらPCとの相性はいいかなって。

4Gamer:
 物語に注力しているタイトルだからこそ,流し気味にプレイしてしまうと,ちょっともったいないんですよね。

松永氏:
 あと,PC版はスマホ版のIDと連動して,これまでのプレイ状況やキャラクター資産をそのまま使えるようにしています。なので,既存のプレイヤーさんにとっても,遊び分けがしやすいと考えています。

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4Gamer:
 あっ,そうなんですね。「チェインクロニクルV」のような例もあったので,そこがどうなるのかは皆,非常に気になっていたと思います。

松永氏:
 チェンクロVの場合は運営が別に立って,コンテンツ展開もスマホ版の後追いで進んでいましたが,今回のPC版とスマホ版は同じサーバーを利用するんですよ。

4Gamer:
 となると,PC版で提供されるバージョンやコンテンツは,現行のスマホ版とすべて同じになるわけで?

松永氏:
 ええ。PC版からチェンクロを始めるという人でも,常に最新のイベントを体験してもらえます。

4Gamer:
 仮に今現在,PC版のサービスが開始されていたとしたら,スマホ版で明日(11月2日)実装される新コンテンツ「アリーナ」も遊べちゃうわけですね。

松永氏:
 もちろんです。PC版とスマホ版の行き来はすごくスムーズなので,両方を使うというユーザーさんにも,快適に楽しんでもらえると思います。

4Gamer:
 このID連動に関してですが,スマホとPCで同時に遊ぶことはできるんでしょうか。スマホでクエストに挑戦した瞬間,PCの画面上でもスタミナが減る,みたいな。

松永氏:
 いや,さすがにゲームの同時起動はできないので,ログインできるのは“どちらかの端末のみ”です。

4Gamer:
 松永さん個人の意見としては,“現代のスマホゲームとPCゲームの立ち位置”はどう見られているのでしょう。今後のチェンクロにも関わってくることと思いますが。

松永氏:
 市場的な観点はいろいろとあるかもしれませんが,チェンクロ的には単純です。「新しく遊ぶ手段が増えた」に尽きます。PC版があることで“家の中で大きなディスプレイで遊ぶ”というシーンが生まれます。こういった新しいプレイ環境の提供が,PC版の一番の強みに挙げられます。

4Gamer:
 ハードウェアの違いがどうこうという話ではないと。

松永氏:
 あくまで遊ぶシーンの拡張ですね。選択肢が増えて,今いるユーザーさんには純粋にプラスで,それなら遊んでみようかという新しいユーザーさんもいる。本当に単純に,チェンクロを楽しんでもらえる時間と場所が増えるということだけです。

4Gamer:
 家の中でスマホの代わりにPCで遊ぶ。個人的にはより遊びやすいかも。

松永氏:
 スマホゲームの場合,どこでも遊べるとはいえ,本当にどこでも遊ぶのかは別の問題ですしね。

4Gamer:
 まあ,そうですよね。先ほどの「電車の中でチェンクロ」の話とはちょっと違いますが,外出中に完全に両手が空いて,それでいてゲームを遊ぼうかなと思う環境って,意外とないんですよね。そもそも,わざわざ外でゲームを遊ぼうと思わない人も一定数いるでしょうし。

松永氏:
 僕も例えば実家に帰ったときとか,スマホをマメに弄ったりはしなくなりますね。田舎では車が必須ですし,電車に乗らないので。人それぞれ,生活スタイルに違いがあるんですよね。それに“PCでこそゲームを遊びたい”という人も絶対にいるでしょうから,そういった方々へのアプローチにもつながります。

4Gamer:
 ここまで話を聞いていて,個人的に合点がいったことなんですが。

松永氏:
 なんでしょう。

4Gamer:
 チェンクロでは今年,「深淵の渦」の拡張をはじめ,高難度コンテンツ「年代記の塔」の実装,明日追加されるタイムアタックコンテンツ「アリーナ」もそうですし,「絆の大出撃」については軽めのものですが,さまざまな新規の遊びが追加されましたよね。

松永氏:
 はい,新しい遊びの提供にも注力した年でした。

4Gamer:
 そこにイベントも含めると,チェンクロは昨年以上に“腰を据えてプレイしなければいけないタイミング”が結構増えていたので,私にとってPC版の存在は,かなりありがたいものなのかもと。

松永氏:
 コアなプレイヤーさんの場合,APや各種コンテンツのプレイ権を消化しよう,新しいストーリーを一気に読み進めよう,などの目的で遊んでいただくと,プレイに1時間以上を要するのも珍しくないですからね。

4Gamer:
 ちなみにチェンクロのユーザー層と,DMM GAMESのユーザー層の違いはどのように見ていますか。印象でも構いませんが。

松永氏:
 スマホゲームも並行して遊んでいる人は多いでしょうが,DMM GAMESさんのPCゲームで遊んでいる方々はやはり,スマホゲーマーとはそもそもの生活スタイルが異なっていると思っています。普段,自宅でお仕事されている人とか,スマホよりPCのほうが身近にあるよという人が,この機会に触ってくれたら嬉しいです。ゲーム内容自体も強みになると考えていますので。

4Gamer:
 といいますと。

松永氏:
 スマホゲームとPCゲームの出自の違いもありますが,既存のPCゲームを見ていても,チェンクロのようなゲームって少ないんですよ。

4Gamer:
 ゲーム内容,それ自体がすでにフックになっていると。

松永氏:
 骨太で,腰を据えてやれて,ストーリーで熱くなって,本気で泣ける。でも短時間でも十分楽しめる。ゲームは主にPCゲームを遊んでいる,そのような方々には“こういうPCゲームもあるんだ”と思ってもらえるはずです。

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最終的に“マウス操作”がよりテクい


4Gamer:
 せっかくなんで,こちら(チェンクロのPC版の実機)を触らせてもらってもいいですか。

松永氏:
 どうぞどうぞ。まあ,本当にスマホ版と同じなので,操作系以外の違いはないんですけどね(笑)。

4Gamer:
 では失礼して。(プレイ中……)なんかこう,マウスで操作すると新鮮ですね。(クエスト挑戦中……)クリックにもドラッグにも対応しているのはいいですね。(ボスWAVE中……)あっ,でも慣れないうちは操作がちょっと忙しいかも。

松永氏:
 (バトルタイムを)倍速にしちゃっているからでは?

4Gamer:
 癖になってるんです。

松永氏:
 スマートフォンでの操作に慣れている人は,最初は体感的な違いはあるかもしれませんね。ただ,最終的には“マウス操作のほうが,バトル中にテクニックを発揮しやすい”かもしれないですよ。

4Gamer:
 そうなんですか?

松永氏:
 というのも,チェンクロの開発チームって制作段階では,PC上でマウス操作でゲームの動作確認をしているんですよ。その後,スマホに移して挙動をチェックしています。

4Gamer:
 へえー。

松永氏:
 そして,開発メンバーのほとんどはPCで操作しているときのほうが上手いので。

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4Gamer:
 PCにおけるマウス操作のノウハウは,すでにたまっていたと。

松永氏:
 高難度コンテンツで要求される,細かなキャラクター操作などは,最終的にマウスが一枚上手になるかもしれません。

4Gamer:
 そういうお墨付きがあるのなら,やり甲斐もあるってもんです。

松永氏:
 もちろん環境次第,人次第なところはあるかもしれませんけれど。

4Gamer:
 PC版とスマホ版の違いは,操作以外にはありませんか。

松永氏:
 これはPC版のサービス開始当初の話ですが,PC上でのツールなどを用いた不正への用心のため,アリーナイベントの一部機能に関しては,一時的にPC版においては未対応にすることを検討しています。

4Gamer:
 サービス後のフィードバックを得るまでのリスク回避としては,最善かと。

松永氏:
 ランキングはすべてのプレイヤーさんに公正にあるべきですので。ただ,これらが対応するまでの期間,PC版で遊んでいただく方々にはご迷惑をかけてしまうと思います。

4Gamer:
 ゲームの動作的に“PCのほうが軽快”みたいなケースはあるんですか。

松永氏:
 正直,それは遊んでいただくPCのスペックによると思いますが,ケースとしては少なくないと考えています。基本的にスイスイと快適に遊んでもらえるはずです。それにスペック差に関して言えば,端末が大量にあるスマートフォンのほうが大変ですよ(笑)。

4Gamer:
 確かに(笑)。

松永氏:
 PC版は既存のプレイヤーさんにとって,マイナスになることは何もありません。ハードをとっても,プレイ環境をとっても,操作系をとってもです。

4Gamer:
 ……このPC版の存在によって,仕事中のPCディスプレイの端っこのほうでのプレイが捗りそう。

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松永氏:
 ぶっちゃけ,そういうのもあると思っています(笑)。これまで魔神襲来イベントの度に「トイレに……」と言って席を立っていた方々なんかは,とくに。

4Gamer:
 チェンクロだけとは言わず,スマホゲーマーなら1度は覚えがあるでしょうね,スマホゲームとトイレの頻度問題。

松永氏:
 知人にも「いい加減,仕事中にトイレに行くのが辛いんだ!」と言われてましたし。

4Gamer:
 「スマホゲーのために」の主語が抜けるだけで,どんな凄惨な仕事現場なのかと疑われそうな迷言……。さて,PC版はスマホ版と同じ内容で提供されるとのことですが,PC版からチェンクロを始める新規プレイヤーに向けたプロモーションは予定していますか。

松永氏:
 PC版のサービス開始後のことですが,チェンクロ自体が主人公帰還篇という“大々的なゲーム展開”に突入していきます。既存のプレイヤーさんにも,今は辞めちゃったというプレイヤーさんにも,「なんか面白いことやってんな」と思っていただける方々にも,期待してもらえるものを用意している最中です。

4Gamer:
 チェンクロはこれまでの積み重ねとして,ストーリー第1部・第2部,そして現在展開中の第3部があり,前述した攻略コンテンツも含めると,膨大なゲームボリュームになっています。開発や運営は,新規のプレイヤーに何を遊んでもらうのがいいと考えているのでしょう。

松永氏:
 それは昨年から新規展開してきた「チェインクロニクル3」のスタンスにも関わっていることです。やはり運営型ゲームである以上,サービス展開の最前線にいち早く追いつきたいというプレイヤーさんが多くいると思ってるんですが……。

4Gamer:
 新規ユーザーは第3部から始めるのが遊びやすいと?

松永氏:
 ですが,最初に言ったとおり,本作はいつから始めても楽しめる1人用RPGをポリシーとしていますから。なんだかんだ言って,第1部から順に遊んでいただくのが一番面白いと考えています。

4Gamer:
 ちょっと昔のことなので思い出し辛いんですが,メインストーリーの第1部と第2部だけとっても……40時間くらい掛かりますっけ?

松永氏:
 いや,たぶん,それくらいじゃ無理です(笑)。

4Gamer:
 ですよね……(笑)。

松永氏:
 なので,まずはゲームを第1部から始めつつ,イベントなどのタイミングで最新の環境に触れてもらうのがいいと思っています。それと「これを進める!」と決めずに,自由に遊んでもらうのが一番です。

4Gamer:
 新規向けに,第1部・第2部の各章のあらすじをサラッと確認できるクエストなどがあると嬉しいかもしれません。

松永氏:
 一応,第3部から遊んでも,それまでの簡単なあらすじは出るようにはなっていますが,できれば,第1部から遊んでほしいなー(笑)。それに第1部・第2部をあらすじにまとめるだけでも――。

4Gamer:
 頭を抱える量でしょうね(笑)。PC版とスマホ版はサーバーやゲーム内容が同じとはいえ,内部的には今後,開発・運営チームもいろいろと作業が増えるんでしょうか。

松永氏:
 プレイヤーさんに不利益があることではありませんが,こちら側の負担は確実に増えますね。だからといって,これまで維持してきたサービスのペースを落としはしませんので,安心してください。

4Gamer:
 そうだ,PC版とスマホ版のサーバーやゲーム内容を同じにした理由を聞いてみてもいいですか。

松永氏:
 PC版を始動するにあたり,最も長い時間をかけて検討してきましたよ。「本当に同じにするべきかどうか」は。

4Gamer:
 それは意外ですね。私自身がプレイヤーなのを差し引いても,同じのほうが好都合と思ってしまいそうなんですけど。

松永氏:
 サーバーは別のほうがいいかもしれない,スマホ版とPC版は連動しないほうがいいかもしれない,技術的なリスクがあるかもしれない,こういった逆の視点からの検討は必要なことでした。

4Gamer:
 諸手を挙げて決めたわけではないと。

松永氏:
 ええ。そのうえで,プレイヤーさんにとってより良いスタイルを吟味してきました。「よし,すべて一緒にしちゃおう!」に至るまで結構時間が掛かりましたが,無駄ではなかったです。方針が固まってからはスピーディに動けましたしね。

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4Gamer:
 今となってはもしもの話ですが,スマホ版のプレイ状況やキャラクター資産が,PC版に移せないとなっていたら……正直,私はスマホ版オンリーでやっていくでしょうね。

松永氏:
 既存のプレイヤーさんにとっては,そりゃそうですよね。

4Gamer:
 その一方で,PC版から新規プレイヤーとして遊び始める人の気持ちも分かります。

松永氏:
 チェンクロはプレイヤー同士で競争する要素はそれほどありませんが,それでも新規で遊ぶ方々にとっては,ライバルのいない新天地のほうが楽しいかもしれませんものね。

4Gamer:
 しかし,今回はすべて同じにすることを選択しています。

松永氏:
 はい。ひとつは先ほど話したとおり,チェンクロはいつ始めても楽しめるRPGであるということです。そしてもうひとつ,スマホゲームを運営していくうえで最も大切なのは,ゲームを遊んでくれているプレイヤーさんの気持ちを知ることです。

4Gamer:
 大切ですよね,それ。

松永氏:
 サーバーを別々にすると,プレイヤーさんの状況をそれぞれ別の場所で理解しなければならなくなるので,常に最適なサービスができなくなるかもしれない。なにしろ,一番経験を積んでいるチームは1つしかないので。それならば,ユーザーの皆さん全員に,一緒のサーバーで楽しんでもらうのが一番と考えました。

4Gamer:
 最後にセンシティブな部分もお聞きしますが,DMM GAMESといったら「艦隊これくしょん -艦これ-」「刀剣乱舞-ONLINE-」を筆頭に,PCゲームのトップタイトルがずらーっと並んでいるわけですが,そこに参入することへの怖気などはありませんでしたか。

松永氏:
 うーん,ないですね。今挙げてもらったタイトルさんとは,遊び方のスタイルも,リーチする趣味嗜好も異なっているので,棲み分けができちゃっていますから。同一プラットフォームにおける競合的な見方は,あまり気にしていません。さっきも話したとおり,「骨太で,腰を据えてやれて,ストーリーで熱くなって,本気で泣ける」がウチの楽しさです!

4Gamer:
 それではここまで引っ張りましたが,今回のPC版の提供はいつぐらいを予定しているのでしょう。

松永氏:
 12月上旬です。

4Gamer:
 えっ,早いですね。

松永氏:
 もう割とすぐなんですよ(笑)。

4Gamer:
 ゲーム開始時の配布特典などはありますか。

松永氏:
 現在,事前登録を受付中なんですが,事前登録特典としてSSRキャラクター「強運の戦士ニンファ」「限定SSR交換チケット」を配布します。

4Gamer:
 大盤振る舞い!

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松永氏:
 チェンクロはサービスを開始してからこれまでの4年間,ストーリーやゲーム性を積み重ねてきたタイトルです。これまで遊ぶ機会がなかったという方々,絶対に思い出に残るゲームにしてみせますので,ぜひともPC版を遊んでみてください! そして既存のプレイヤーさんも,PCで遊べる環境を生かして,さらにチェンクロを楽しんでもらえたら嬉しいです。

4Gamer:
 PC版はもとより,チェンクロ自体の動向も含めて期待しております。本日はありがとうございました。

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