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印刷2018/08/30 12:00

プレイレポート

「ファンタジーアース ジェネシス」CBTレポートを掲載。スマホで挑む50対50の感触はいかに

 アソビモは,スクウェア・エニックスと共同開発中のスマートフォン向け新作ゲーム「ファンタジーアース ジェネシス」(通称FEG:iOS / Android)のAndroid端末限定クローズドβテストを,2018年8月3日〜8月9日の日程で実施した。

 本作は,PC向けオンラインゲーム「ファンタジーアース ゼロ」(通称FEZ)の流れを汲むタイトル。スマホで最大50対50の対人戦を楽しめてしまうのが最大のウリだ。今回4GamerもCBTに参加したので,そのプレイインプレッションをお届けしよう。

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「ファンタジーアース ジェネシス」公式サイト



遊びやすくまとまっているゲーム内容


 ファンタジーアース ジェネシスというタイトルから,ファンタジーアース ゼロの単なる移植版を想像するかもしれないが,今作は戦争のだいご味をそのままに,世界観の設定が一新されている。FEGは,FEZの4〜500年前を舞台とし,国や国王は同盟と盟主にガラりと変わっているのだ。

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 なお,FEZの根幹であった最大50対50の多人数対戦という部分はFEGでも変わらない。見下ろし視点を採用したり,戦争時間10分間と大幅に短縮したりといった具合に,アレンジは加わっているが,そういったところはスマホで遊びやすくするための歓迎すべき変更点だろう。

性別はもちろん,髪型やフェイスパターン,ボイスを自分好みに設定できるキャラメイクも健在
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今作の勢力は国ではなく“同盟”という扱いになっており,「エイルザン」「アデルヴァル」「ケムダーヴ」の3種類から所属先を選ぶことになる
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各同盟は基本的に敵対関係にある。複数の領地からなるエスセティア大陸で,自身の所属する同盟の勢力を広げていくことがゲームの目的だ
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プレイサイクルはシンプル

参戦を繰り返して自キャラの強化に励もう


 大陸の各領地で勃発する戦争に参戦すると,活躍度合いに応じて報酬が得られる仕組みになっている。この報酬をもとに装備を強化し,また新たな戦地へと向かうというのが基本的なプレイサイクルだ。戦争は1回あたり10分程度で終結するので,比較的カジュアルな気持ちで参戦できるだろう。

筆者はケムダーヴでゲームスタート。ここの本拠地はちょっとファンタジックな雰囲気だ
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装備品は「鍛冶槌」でスロットを開封し,そこにさまざまな効果を持つ「マテリアル」が埋め込める
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 戦場には最大100人(50対50)が参加でき,人数不足である他の同盟の戦争にも援軍として馳せ参じられる。勝利条件は,敵よりも先に自軍の勢力ゲージを溜め切るか,タイムアップの時点で多く溜めていること。勝敗のカギを握るのは戦場の各地に存在する「クリスタルタワー」の占拠にかかっており,勢力のゲージを効率良く溜めることにつながっている。

戦場の各所に立つ「クリスタルタワー」を占拠することが勝利への道。味方が多いほど占拠スピードが早まる
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 占拠したクリスタルタワーが多いほど勢力ゲージは早く増える。また,敵陣の奥にある本拠地を直接攻撃すれば,敵の勢力ゲージを奪い取ることが可能だ。
 戦場では,目の前の敵を倒す武勇ばかりではなく,戦場全体を見渡してクリスタルタワーの状況を確認する戦術眼も重要となる。敵が手薄そうなところを攻め入るべきか,占拠済みのクリスタルタワーの守りを固めるべきか。あるいは本拠地に攻撃を仕掛けるべしと決断するか。戦況が変わり続ける中で次の一手を考えよう。

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 敵味方が入り乱れる混沌の中,同盟の仲間と連携できたときは独特の楽しさがある。裏取りに行こうとしたら仲間が着いてきてくれたり,クリスタルタワーを守るため孤軍奮闘していたら増援が駆けつけてくれたりなど,無言で意思疎通ができた瞬間の嬉しさはチーム系対戦ゲームのだいご味だ。
 なお敵の撃破や時間経過で「盟主ゲージ」が蓄積されていき,満タンになると同盟の盟主に変身できるようになる。盟主は強大な力を持っており,うまく使えば逆転が可能だ。
 FEZでおなじみだった召喚獣も存在し,歩兵に強い「レイス」,対召喚獣に強い「ナイト」,拠点と敵兵に大ダメージを与えられる「ベスティア」(※キマイラに相当する)が確認できた。

盟主を呼び出して一定時間操作できる「盟主召喚」は戦いの切り札(左写真)。盟主の戦力は凄まじいものがあり,エイルザンの「ハルト」は大ダメージを与える炎の斬撃が放てる(右写真)
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レイス(左写真)やベスティア(右写真)といった召喚獣が戦う姿は迫力満点
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操作系はスマートフォンゲームにおける標準的なものだ。移動はバーチャルパッド,攻撃やスキルは画面右下のボタンで行う。ボタンを長押ししつつ指をスライドさせれば,攻撃方向やスキルの発動位置を調整可能
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 クローズドβテスト時点では「ソルジャー」「ストライカー」「アサシン」「ハンター」「ウィザード」の5クラスを使えた。それぞれの特徴は以下のとおりだ。

●ソルジャー
 片手剣と盾を持つベーシックな接近戦クラス。盾のおかげで防御力が高く,乱戦でも生き残りやすい。近距離の範囲攻撃や自己強化などクセのないスキルが揃っていて,中でも敵を気絶させる「シールドバッシュ」が便利だ。クローズドβテスト中盤では,高い防御力を生かして敵の本拠地に切り込み,迎撃にきた敵はシールドバッシュで気絶させて逃げるという戦法が流行した。

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●ストライカー
 大剣を装備した攻撃特化のクラス。大ダメージを与えられるスキルを持つが,ソルジャーほどの防御力はないので,考えなしに突っ込むのは控えたいところ。

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●アサシン
 二刀流の暗殺者。毒や鈍足化,防御力低下といったデバフの付与が主な任務となる。周囲との連携が,戦果を各段に上げるために必要な役割だ。

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●ハンター
 弓矢を使う遠距離クラス。火力は控えめだが,攻撃範囲に長ける。一部のスキルは,壁越しに曲射攻撃できたり,複数の敵を貫通したりといった渋い性能を持つ。

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●ウィザード
 手にした杖で魔法を放つ。広範囲高火力が持ち味のクラス。詠唱でやや隙が生じるだけでなく,エフェクトが派手なので,敵の注意を引きやすい。後方からの援護を徹底したい。

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 バトルで重要になるのは,敵の移動先を予測して偏差射撃をかけるエイミングだ。簡易補正(ロックオンするか,近くで攻撃すると,自動で敵の方向へ技を出してくれる)はあるものの,他のゲームのように,敵に吸い付くように自動移動したり,発射した矢やスキルに誘導がかかったりはしない。

 例えば,敵が中間の間合いで横向きに歩いているとしよう。

 そのまま攻撃をかけても,誘導がないのでもちろん当たらないのだ。逆に言えば,歩いているだけである程度の攻撃は回避できる。ここで重要になるのが,FPSやフライトシミュレーターのような偏差射撃の技術である。敵が今いる位置を狙うのではなく,移動するであろう場所を狙うのだ。敵も攻撃を食らいたくないので,偏差射撃を避けるためにジグザグに歩いたり,回避ステップを使ったりするのだが,そこを見切ってうまく攻撃を決められると爽快だ。

 敵は基本的に他のプレイヤーが操作しているため,動きにその人なりのクセや性格が出るのが面白い。ひたすらに逃げ続ける人がいたかと思えば,いきなり逆襲にかかってくる人もいて,読み合いが深いのだ。対戦ゲームならではのスリルを味わえるだろう。

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FEZらしくはあるが,多数にどう受け止められるか


 クローズドβテスト時はケムダーヴ同盟にプレイヤーが集中し,大陸の各地をすべてケムダーヴが塗りつくす事態も起きた。一国が大陸を統一するのはFEZでも“あるある”のことだが,とくにFEZ未経験者にとっては異様な展開に見えたのではないだろうか。CBT4日目に一度同盟は解散された(選び直しとなった)ものの,ケムダーヴの人気は変わらなかった。魅惑的な女性キャラや強い同盟に,人が引っ張られてしまう面は仕方ないのかもしれないが。正式リリースまでにどのように改善されるのか注目したい。

魔女が率いるケムダーヴ同盟(左写真)は,そのキャラ立ちもあってか人気を集め,大陸を統一してしまう(右写真)こともしばしば
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8月6日には同盟が一度リセット(解散)されたものの,ケムダーヴの一極集中は変わらなかった
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スキルセットは武器に依存。“装備格差”がどう出るか


 FEGにおけるキャラクターのスキルセットは,プレイヤーが好みに習得したスキルを設定する形ではなく,キャラが装備した武器によって変わってくる形式だ(武器とスキルセットが紐づいている)。レアリティの低い武器だと2種類程度のスキルしか使用できないが,高レアの武器は5種類のスキルが使えて攻撃力も断然高い。8月6日に全テスターへと高レアの武器&防具が配布されたが,この“装備格差”が正式サービスでどのようにバランスをとられるかが要(かなめ)になるだろう。

同じソルジャー用の武器でも,レアリティが低いと使えるスキルは2つだけ(左写真)だが,最高のものは5スキルを装備している(右写真)
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 FEZは2006年という早い時期に多人数対戦を提唱し,現在に至るまで多くのファンに長く愛されているオンライン対戦ゲームだ。FEGはその関連作となるだけに,今回のCBTを受けてどのように調整されていくかが注目の焦点である。

気がつけば,ほぼ期間いっぱい遊び込んでいた筆者
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